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スバル レヴォーグVM4 リニアトロニックCVTF完全圧送式交換。 日帰り作業で納車完了!

石川県からお越しいただいたのはスバル レヴォーグ VM4
走行距離9万キロ 

今回2回目のリピート来店です。


作業内容
・リニアトロニックCVTF 完全圧送式交換
・スロットルボディ清掃初期化

HP(お問い合わせフォーム)からご予約を頂いて、予約日当日の朝9時半からスタートします。



試運転をしてからCVTFチェックを行い、オイルパンとストレーナーを外します。

オイルパンを洗浄し、磁石に付いた鉄粉を除去。

ストレーナーも純正新品に交換します。

オイルパンに液体ガスケットを塗ってから脱脂したCVTに装着します。


よくお客様から質問されるのが、(液体ガスケットでオイルパンを装着後に、1晩ぐらい養生しなくて大丈夫なのですか??)

(他社だと預かり期間が数日だと返答があり、ミナト自動車は日帰りで納車可能と返答をもらいましたが??)



ミナト自動車ではAT・CVTのオイルパン洗浄ストレーナー交換&CVTF交換一式は日帰りです。


入庫してすぐにオイルパンを洗浄し、CVTケース側の脱脂後に準備が整えばすぐにオイルパンを液体ガスケットで装着。

一定のインターバル後には、ATF/CVTFの圧送式交換を始めています。



某国から直輸入している高性能液体ガスケットを使用しているので、インターバルの時間は僅かで済みます。

すぐに次の作業に移れるので、リニアトロニックCVTでも日帰りで完全圧送式が出来るのですね。


この高性能液体ガスケットは非公開でお見せ出来ません。
ガスケット性能は申し分ないのですが欠点が2点。

・価格が高額。
・密着性が良好過ぎて、リピートで再脱着する時が少し大変。

お客様へのデメリットはないのですが、使用する整備工場側にも欠点を上回る程のメリットがあるので長年採用しています。

排出した分のCVTFを補充し、完全暖機。
CVTとチェンジャーを接続して、まずはプレ洗浄を行います。



プレ洗浄で使用するフルードはニューテック謹製スペシャルリンシングフルード(NC-RF)

弊社がニューテックさんに提案して開発していただいたプレ洗浄専用フルードがNC-RFです。http://minato-motors.com/blog/?p=17434


プレ洗浄に高額な本命フルードを使用すると(モッタイナイ)ので、洗浄用は本命用より少し安価なNC-RFリンシングフルードを使用しています。




プレ洗浄が終わりました。

・左奥の新油モニターがNC-RF
・中央ビーカーが廃油のCVTF
・右手前クリーナーモニターがプレ洗浄後のCVTF

NC-RFはほぼ透明のフルードで、プレ洗浄後には結構キレイになりました。
廃油はほぼ真っ黒なので、その違いが分かりやすいですね。



15分のインターバル。
次は本命CVTFでもう一度圧送式交換を行います。


ニューテック史上最高峰のCVTF 『NC-65』
全化学合成ハイパフォーマンスフルード(エステル系)


ローフリクション・ハイパフォーマンス
極薄で強靭な油膜性能は、市販CVTFでは最強レベル



こちらでもう一度圧送式交換を行います。

完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイに入れ替われば次回交換推奨距離は6万キロ。


・エンジンオイルに比べてATF/CVTFは交換サイクルが長い。
・ATF/CVTFはそもそも頻繁に交換するオイルではない。


耐熱・耐久性の高い全化学合成基油を贅沢に使用したNC-65なら、ストリート走行レベルではそんな簡単には劣化しません。

高品質・高性能のNC-65を長期間使用し、良好な状態でドライブ走行した方が、安価なATF/CVTFを使用するよりも結果的には経済的なんですよね。




オプション整備 (スロットルボディ清掃初期化)

走行距離が増えてくるとスロットルボディにカーボンが付着。
ほんの僅かな付着ですが、それだけでアイドリングが不安定になります。


弊社では定期的なスロットルボディ清掃初期化を推奨していますので、ATF/CVTF時にご相談ください。



フルードクーラーを洗浄して規定温度でフルードレベル調整を行いました。
最後に試運転をして納車となりました。




納車時には作業中に撮影した画像をPCモニターで見ながら、作業内容を説明させていただいています。  要望があれば画像データのコピーをお渡ししていますよ~。

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


リニアトロニックCVTF完全圧送式交換は日帰り作業で納車可能。
朝9時半入庫で当日18時頃の納車予定になります。(多少変動あり)


スバルリニアトロニックのCVTF交換を希望される方はHP(お問い合わせフォーム)に必要事項を記入していただいて送信していただけると幸いです。


それではHAPPY CAR LIFE!!



京都府からマツダCX-3 ガソリン直噴エンジンをドライアイス洗浄。 インテークに堆積するカーボン除去。 ATFも完全圧送式交換でリフレッシュ!!

京都府からお越しいただいたのはマツダCX-3 DKEFW 令和1年式 走行距離5万キロ。


リピートのお客様で前回入庫時にはマツダCX-3 DK5FWのスカイアクティブディーゼル。
定番のインテーク系に堆積するディーゼルの煤をドライアイス洗浄のDSCで完全除去しました。



そこから数年経過し車両を乗り換えてCX-3 DKEFWガソリン車を購入したようです。
CX-3ガソリン車のエンジンは直噴エンジンですので、こちらもインテークバルブ傘部にカーボン(煤)が堆積するのは皆さんご存じだと思います。


まずは問診をし試運転。

スキャンツールでライブデータを確認後、エンジンインテーク系の部品を分解していきますね。


インテークマニホールドを外すとエンジンヘッドにあるインテークポート8個の穴が見えてきました。

内部にあるインテークバルブ傘部を確認しますね。



僅か5万キロの走行距離でインテークバルブ傘部にカーボンが大量に堆積。

煤の厚みは2~3mmでしょうか?
望遠レンズのカメラで撮影しているので分かりにくいと思いますが、肉眼で見ると結構酷いですね。


またポート内径にも1mm程の厚みで煤が堆積。


ガソリン直噴エンジンは高効率・高出力に優れたエンジンですが、唯一の欠点はインテークバルブ周辺にカーボン(煤)が堆積しやすく、エンジン性能が低下する事です。


これは東西のメーカー問わず、ガソリン直噴ならば大体同じ。

VW・アウディやトヨタなども同様に直噴エンジンならカーボンが堆積しての弊害が出ています。 (フケ上り不良・燃焼不良など)


残念ながらこの状態でもエンジン警告灯は点灯しないので、気が付かない方も多いです。

その煤堆積を手作業で完全除去するのは、ほぼ不可能。
出来たとしても多くの時間が掛かるか?中途半端で終わるか?のどちらか。


弊社が8年前に開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)なら、日帰り作業で完全除去が出来ます。





・-78℃のドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
・熱収縮と昇華爆発力で母材金属を傷つけずに付着物を剥離。


ドライアイス洗浄は大きな産業プラントなどの個別洗浄方法として普及していましたが、自動車整備にこの洗浄方法を用いたのは弊社が世界初でしょう。


当時からトヨタのガソリン直噴の煤堆積が問題でしたが、それを解消するため8年前にDSCを自社開発しました。



おかげさまでガソリン・ディーゼルでのDSC施工台数は数千台になっております。



ドライアイス洗浄機にDSC専用ノズルとアダプターを装着。

ドライアイスペレットを投入し、軽くワンショットしてみました。
ペレットが直撃した部分だけキレイに剥離しましたね。
4気筒8ポートを圧縮上死点にセットしながら、ドライアイス洗浄を行います。


DSCの作業は完全非公開でブログではお見せ出来ません。
企業秘密の部分が多すぎるのでごめんなさい。


ドライアイス洗浄をすると完璧にキレイになりましたね。


(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)
DSCキャッチコピー通りに洗浄が終わりました。


メーカーは多額の開発費でエンジン設計。
インテークバルブ周辺の形状は非常に重要で、いかに空気をシリンダーへ高効率に充填するか?がキーポイント。

空気充填率が低いとエンジン性能を引き出せないのですが、経年劣化でインテークポート周辺がカーボン堆積で形状が変化すると、新車時の性能は発揮できないのですよね。


最新のエンジンはそんなに簡単には壊れない。
ですがカーボン・煤・スラッジなど経年劣化で汚れが堆積すると、少しづつ初期性能が落ちてくるのです。


よって弊社では(いわゆる清掃系整備)の必要性をブログでアナウンスしています。


インテーク部品を元の状態に組み立て。
ガスケット一式は純正新品で交換します。




ここからはオプション整備の紹介です。
エンジン始動をしてから次はLLC圧送式交換。

スーパーLLCは長寿命だと言われていますが、それでも数年でLLCの添加剤は劣化します。


防錆剤・消泡剤などのLLC添加剤が劣化すると、アルミエンジンなら白い粉が冷却ラインに発生します。

これが冷却効率を低下させるのと、ウォーターポンプのシールを痛めてLLC漏れの原因になる。

そうならない為に定期的なLLC圧送式交換をオススメします。





次はATF完全圧送式交換を紹介。

ATF交換をする前にまずはオイルパン洗浄ストレーナー交換一式を実施。



オイルパンを洗浄して磁石の鉄粉を除去。
ストレーナーも交換して再組立て。



排出したATFを補充し、密封式ATにアダプターを接続すれば、圧送式交換の準備は完了。



そしてニューテック謹製プレ洗浄フルード NC-RFで全量圧送式交換をしプレ洗浄をします。

プレ洗浄が終わりました。
この時点でかなりキレイになりましたね。


・左奥が新油NC-RF
・中央ビーカーが廃油ATF
・右クリーナーモニターがプレ洗浄後の状態。


15分間のインターバル後には本命ATFでもう一度圧送式交換を行います。


ニューテック史上最高峰ATF 『NC-65』
全化学合成基油(エステル系)を贅沢に使用したハイパフォーマンスATF


ローフリクション・ハイパフォーマンス
極薄で強靭な油膜性能は純正ATFの数段上のスペック
おそらく市販ATFでは最強レベルの油膜性能



NC-65のレビューは(みんカラ)等のSNSで絶賛されているので、弊社が改めて説明する必要はないでしょう。


どうですか?完璧に入れ替わりましたね。

ここまでキレイに入れ替われば次回交換推奨距離は約6万キロ。
それまでノーメンテで初期の高い性能が長く発揮します。


ATFクーラーを洗浄し、規定温度でレベル調整を行いました。

最後に試運転をして無事納車。

今回は2日間で作業が完了。
京都北部からお越しいただいたので、週末入庫~翌週末引き取りの1週間預かりで作業をさせていただきました。

お預かり期間中は無償代車をお貸ししています。



経年劣化をしている個所を最適な整備方法で解消し、新車時の性能に戻す。


愛車を長く良い状態でドライブされたい方は、DSC・ATF交換・LLC交換などをお勧めしています。


ブログのような整備を希望される方はHP(お問い合わせフォーム)に必要事項を記入していただいて送信してください。

おススメの整備を提案させていただきます。



本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!



デリカD-5 リフレッシュプラン後編。LLCとATFの圧送式交換。マルチサーブでディーゼル インジェクター&DPFをシステム洗浄!!

前回ブログから紹介しているデリカD-5 CV1W ディーゼル 4WD 走行距離12万キロのリフレッシュプラン。

サスペンション・ハブ・ブレーキ等の足回り下回りの整備は終えました。


今回のブログではエンジン・AT等の整備とマルチサーブでのインジェクター&DPF洗浄を紹介しますね。



エンジンマウント全数交換。
簡単そうに見えて地味に時間の掛かる作業です。

狭いので周辺部品を外して、知恵の輪状に隙間から引き抜きます。


ちなみにエンジンマウントもサスペンション同様に1G締付が必要です。


・デリカD-5の場合、まずは左右のエンジンマウントを交換して本締め。
・その後に前後のマウントを交換。

エンジンの自重が左右のマウントに乗っかった状態で前後のマウントを本締めするのが正解。

ラジエーターリフレッシャーでLLC圧送式交換。

冷却ラインに流れるLLCに含まれる浮遊物の汚れを、この装置でろ過循環回収します。


40分ほど時間をエンジンを掛けて循環濾過し、最後にLLC再生強化剤で防錆・消泡性能を強化しました。



ATFも圧送式で交換します。

CV1Wは6速ATでオイルパンが無い構造。
まずはミッション下部からATFを排出し、抜けた分だけ新油を補充。

そこからATFチェンジャーに接続して、まずはプレ洗浄を行います。

プレ洗浄をしてここまでキレイになりました。

・左奥が新油モニター
・中央ビーカーが作業前の廃油
・右手前のクリーナーモニターはプレ洗浄後のATF


15分ほどインターバルをおいて、今度は本命ATFのアイシンAFW+で再交換しますね。


完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約4万キロです。

最後に規定温度でレベル調整を行いました。




フューエルフィルター交換。
インテークエアダクト交換

ATが滑る?アクセルと加速に違和感??
エンジン吸気経路を調べてみるとエアダクトパイプが破損していました。

エンジンルーム奥にあるので、なかなか見つけづらいんですよね。



エア経路に割れがあると、エア吸いを起こしエンジンの調子が悪くなりますよね。


トランスファ/リアデフオイル交換。

ガルフ プロガード75W90 部分化学合成ギアオイル

ディーゼルエンジンにはマルチサーブ。

・インジェクター洗浄システム
・DPF洗浄システム

マツダスカイアクティブDやトヨタ系ディーゼルエンジンには多く施工してきましたが、三菱デリカD-5のディーゼルにもマルチサーブが対応しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=29071


・エアクリケースを外して燃料ラインを切り離し。
・エンジン側のラインにマルチサーブのホースを接続。
・エアクリケースを戻して準備完了。


マルチサーブ専用ケミカル(ディーゼルシステムパージ)をマルチサーブに投入。   これでサプライポンプ・コモンレール・インジェクター・燃焼室をシステム洗浄します。




約60分ぐらいかけてマルチサーブからケミカルを送り続け、エンジンを動かしながらの洗浄工程。


作業完了すれば燃料噴射量補正もスキャンツールで行います。

次はDPFシステム洗浄。
DPFに繋がるパイプにマルチサーブを接続。



まずは1液目の(DPFクリーナー)をマルチサーブに投入。

ゆっくり確実に洗浄していきます。


エンジンを始動して5分間。
排気温度を上げていきますね。

2液目(DPFフラッシュ)投入。

その後エンジン回転数を上昇させて、DPF温度を上昇。
洗浄効果を促進させます。


最後にDPF内にある廃液を強制排出します。

猛烈な白煙と異臭が排出されるので、オリジナルの排煙回収装置を使用して作業をしています。

回収装置のクリアパイプを覗くと、茶色い廃液がドロドロ出てきました。

無くなるまで排出作業を繰り返し、白煙や異臭が出なくなれば完了。
各学習値をリセットして再学習させますね。



前回ブログでサスペンション整備を行いましたので、アライメントリフトで(1G締付)を実施。

サスペンション整備時に掛かる無駄なブッシュテンションを開放し、1G状態でブッシュボルトを本締めしました。

文章で1G締付を説明すると難しく感じるので、ググっていただければいろんな動画で解説してくれますよ~。


そこから軽く試運転をしてサスペンションを馴染ませて、ホイールアライメント調整を行います。

ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター(WA470ホークアイ)
イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト

高剛性リフトと高性能アライメントテスターで瞬時にアライメント数値を演算。

ホイールアライメント調整を行いました。



カーエアコンリフレッシュαでエアコンガスの冷媒をリフレッシュ。

このデリカD-5は210gほど冷媒ガスが少なかったようです。
年々減少する冷媒ガスは定期的にリチャージしてエアコンをメンテナンスしましょう。





最後に試運転を繰り返し、無事納車となりました。

納車時には撮影した200枚ほどの画像を見ながら作業説明をし、画像データもDVDにコピーしてお渡ししています。
また今後の整備アドバイスもさせていただきました。



ミナト自動車 ○○様
お世話になります。
車は非常に快調で、今までおかしいと感じていた部分は本来の機能を取り戻したように生き生きと動いてくれます。
もっと早くにミナト自動車様に出会っていればとおもいます。
ありがとうございました。



数日後にメールにてレビューをいただきました。
長く良い状態でドライブを楽しんでください。

その状態が本来のデリカD-5です。 
劣化した愛車の状態は意外と気が付かないので、リフレッシュプラン後にドライブするとその違いに驚く方が多いですね。



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。http://minato-motors.com/contact/

またデリカD-5・CV1Wへのマルチサーブ(インジェクター/DPF洗浄)を希望される方もお問い合わせフォームからお願いします。




リフレッシュプランの予算を知りたい方は(何年何月の○○○の整備総額はおいくらですか?)と聞いていただけるとお答え出来ますよ~。

リフレッシュプラン実施事例の一部ですが、ブログに公開していますので宜しければ覗いてみてくださいね。http://minato-motors.com/blog/?cat=12



それではHAPPY CAR LIFE!!





デリカD-5が続々と入庫!!リフレッシュプラン前編。愛車を新車時に近づけよう!! 乗り心地低下=サスペンション劣化ですよ~!

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

全国各地から弊社の提案型整備(リフレッシュプラン)のご依頼をいただいており、誠にありがとうございます。http://minato-motors.com/blog/?cat=12


先月は三菱デリカD-5が3台連続で入庫し、リフレッシュプランの作業をさせていただきました。

数えてみると今年も結構な台数のデリカD-5をリフレッシュ整備しているので、なかなか根強い人気車種だと感じます。

大阪府からはCV1W ディーゼル4WD 走行距離12万キロ
高知県からはCV5W ガソリン4WD 走行距離12万キロ
埼玉県からはCV5W ガソリン4WD 走行距離16万キロ


リフレッシュプランは10年10万キロ以上走行した愛車をもう一度新車時のコンディションに近づける為の提案型整備メニューです。


ローダウン・リフトアップなどの改造車は作業NGで、純正ノーマルの状態で使用し続けたいユーザーさんに向けてアナウンスをしています。



今回ブログで紹介するのは地元大阪から依頼されたデリカD-5 CV1W ディーゼル 4WD 平成29年式 


相談内容
・サスペンションの振動の収まりが悪い。
・AT車なのに滑るような感じがある??。
・思い入れがあり、まだまだ長く乗りたいのでリフレッシュ整備を希望。


車高の高いデリカD-5はショックアブソーバーやブッシュ等が劣化すると、すぐに乗り心地が悪くなりやすいです。

またATが滑る?と相談されましたが、問診で詳しくお聞きすると加速とアクセル操作に違和感があるそうです。


問診をして試運転をし、事前ホイールアライメント測定を行います。


バッテリーアナライザーでバッテリー/オルタネーターの状態をチェック。

スキャンツールでECUライブデータを確認し、リフトアップしてエンジンや足回り下回りを点検します。




御見積を制作してメール送信。
電話にて点検結果と整備内容の説明させていただきます。

見積内容にOKがいただけましたので作業を始めます。


ブレーキオーバーホ-ルを行います。


キャリパーを分解してピストンとシール等を外しました。
洗浄してから新しいシールKITで組み立てますね。

ホルダー側のスライドピンも洗浄して、グリスアップ&ダストブーツ交換。


ディスクローターは研磨にて再生。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924

高性能国産ブレーキ研磨機を使用して、ゆっくり確実に研磨再生します。
研磨後に耐熱塗装(500℃)で仕上げました。

ブレーキパッドも交換してブレーキO/Hが完了。




フロントハブベアリングを交換。
ナックルに圧入しているベアリングを油圧プレスと治具で組み替えますね。


ちなみにあとで紹介するリアハブベアリングは簡単に交換が出来ますが、部品価格が高額。

フロントはベアリング自体は安価ですが、交換するにはここまで分解しないと交換が出来ない構造。




フロントドライブシャフトのブーツグリスをO/H。

耐久性の高い純正ブーツグリスKITで交換すると、また10年10万キロ使用できますね。


ガソリン車のCV5Wは左右IN・OUT4点のブーツグリスKITが純正で部品供給されます。


今回のディーゼル車CV1WはFr右側のOUT側ブーツは非分解のため、ブーツグリスKITは部品設定無しです。


そこでFr左側のドライブシャフトはIN・OUTともにブーツグリスKITでO/H。

Fr右側はIN側は純正ブーツグリスKITで作業し、OUT側はブーツは再利用しブーツバンドと充填グリスだけリフレッシュします。



OUT側ブーツは劣化しやすいゴム製ではなく、耐久性のある樹脂製ブーツなので部品供給が無い場合はこの方法で対応しています。






フロントショックアブソーバーとロアアームASSY交換。
スタビライザーブッシュも同時に交換しました。





リアのサスペンションも整備します。


サスペンションアームを分解して、ブッシュをプレスで打ち替えました。
スプリングのインシュレーターとスタビライザーブッシュも同時交換。

サスペンションのゴム部品を一新しますね。


リアハブベアリングASSYはなかなか高額で、まだ状態も良く使えそうなので再利用しました。

もし数年後に交換する時が来ても、リアはボルトオンで簡単に交換が出来る構造なので、慌てて交換しなくても大丈夫とお伝えしました。


ショックアブソーバーと周辺消耗部品も交換します。

ブレーキフルードを交換してサスペンション・ハブ・ブレーキ・ドライブシャフトの整備は一旦終了。

最後にホイールアライメント調整を行いますが、次はエンジンとATの整備に移りますね。


次回ブログでは引き続きデリカD-5のリフレッシュプランを紹介します。
どうぞお楽しみに~。


香川県からマツダRX-8 リフレッシュプラン 後編。クラッチ・ラジエーターをリフレッシュ!! ホイールアライメント調整と1G締付。

前回ブログで紹介した香川県から依頼のマツダ RX-8 SE3P 平成18年式 走行距離10万キロのリフレッシュプラン。


前回ブログでは予約から入庫し、サスペンション・ブレーキなど足回り下回り整備を紹介しました。http://minato-motors.com/blog/?p=37888



今回ブログも引き続き、RX-8の整備をご紹介します。


クラッチのO/H履歴が無いと相談時にお聞きしました。
クラッチペダルのキコキコ異音も合わせて整備しますね。


一般乗用車でMT車を好んで乗られている方は、乗用車ユーザー全体で見るとかなり少数でしょう。

そしてその少数の方は基本的に(クラッチ操作が上手な方)だと思います。


なぜならクラッチ操作がヘタ、または苦手な方は、そもそもAT車に乗るはずだしMT車には乗らないので。



クラッチ操作が上手な方なら10万キロぐらいでクラッチディスクをズルズルに滑らせる事はないと思います。

ですがレリーズベアリング等の注油部のグリスは距離年数相応に劣化します。
それをメンテナンスするにはミッションを降ろして確認するしかないのです。


予想通りレリーズベアリングのグリスは劣化し、固く硬化していました。
またレリーズホーク ピボットのグリスも劣化。

これでは摺動部がスムーズに動かないので、クラッチ操作がしずらいですよね~。


クラッチ操作が上手くても下手でも、この摺動部のグリスは経年劣化で硬化しますので、10年に1度はO/Hが必要なんですよ。


せっかくMTミッションを降ろしたのでクラッチディスク等の状態を確認。


ディスクのフェーシング残量は残っていますが、残り少ないので交換します。



となるとフライホイールを外すのだから、なかなか交換機会が無いエンジン リアオイルシールも同時交換しました。




シャフト先端にあるパイロットベアリングとオイルシールも交換しました。
挿入する深さを測定しながら、慎重に圧入します。





クラッチはディスクとカバーはもちろんフライホイールまで交換します。
これでまた10万キロ使用する事が出来ますね。


MTミッションのメインドライブシャフトのオイルシールと、リアシャフトのオイルシールも同時交換。







クラッチマスターシリンダとレリーズシリンダのO/H。
内部を洗浄してピストンKITで組立ました。



室内からクラッチペダルを外します。

リターンスプリングの取り付け部にある樹脂製ブッシュが劣化して割れると、ペダル操作でキコキコ異音が聞こえるんですよね。


この部分だけの部品供給はないので、ペダルASSY交換しました。





クラッチ組立後にMTミッションを装着。

その後エンジンマウント左右も交換します。
液体封入式マウントの充填オイルも劣化しますので、エンジン振動を吸収出来なくなるのです。

またマツダPPF(パワープラントフレーム)採用車のRX-8はミッションマウントは存在せず、リアデフマウントがその役割を担っています。

リアデフキャリアブッシュASSYも交換します。




振動吸収ダンパーも同時交換しました。


マツダPPF(パワープラントフレーム)車の組立時には高さ調整が必要。

エンジンマウント左右とリアデフマウントで支えられた(エンジン・MT・デフ)が、1直線になるようにミリ単位でPPFの高さ調整。


基準値からPPFまでの高さを測定しながら組立。
その為にエンジンやデフのマウントを新調したのです。


https://car.motor-fan.jp/article/10011063
PPFパワープラントフレームについてはモーターファンの記事で詳しく説明していますので、そちらへどうぞ。

クラッチ・ブレーキのフルード交換&エア抜き作業。

クラッチキルスタータースイッチの接点不良で、スイッチASSYを交換しています。 接点が悪くエンジンが始動出来ない時がありました。







狭いエンジンルームに無理やり押し込んで装着しているRX-8のラジエター。
どちらか言えば交換しずらい部類になるかな。


ACコンデンサーを外して、ラジエターを交換します。


外したラジエターのアッパータンクは熱劣化で変色。
斑点が出てくればそろそろ限界でしょう。

破裂する前に予防整備でラジエターの交換を提案しました。
ゴムホースやブッシュも交換しますね。





ACコンデンサーはラジエター交換時には外すのですが、せっかくの機会なのでコンデンサーフィルターの交換を提案しました。

マツダ純正では部品供給が無いのですが、コンデンサー製造元のデンソー経由でフィルターを調達し交換します。




ラジエター交換後にLLCの圧送式交換を実施。

ラジエターリフレッシャーでLLCを全量入れ替え。
最後にLLC再生強化剤で防錆・消泡性能を強化し、エア抜き作業も行いました。



過去の整備歴でウォーターポンプやサーモスタッド等は交換済みだったので、未実施個所を中心にリフレッシュしました。



MTミッションとリアデフのギアオイルはニューテックNC-70 75W90を使用。
低粘度で強靭な油膜性能は純正ギアオイルの数段上のスペック。

全化学合成エステル系ギアオイルは非常に高額ですが、冷間時のシフトがスコスコ入るので好評です。




コンデンサーを外す前にAC冷媒ガスを測定して回収。
規定充填量は450gで回収量は240g。
約半分ほど冷媒ガスが無かったことになります。


長年の使用で配管等からガスが漏れるので、徐々に少なくなるのは仕方がない。

コンデンサー組立後に冷媒ガスを再充填。

・長めの真空引きをして、水分や空気を配管から除去。
・再生した冷媒ガスを重量管理で高速液化充填。
・同時にニューテック謹製NC-200コンプブーストで潤滑・気密強化。






これでやっと整備リフトからアライメントリフトに移動が出来ます。

タイヤを装着してアライメントリフトで1G締付。


整備中にリフトアップをすると、サスペンションアームは垂れ下がります。
この状態でブッシュ固定ボルトを締め付けると、着地時(1G状態)ではブッシュが捻じれて不要なブッシュテンションが掛かります。



黄色いテープが張ってある箇所がボルト仮締め箇所。

アライメントリフトで4輪が接地した1G状態にし、サスペンションアームブッシュのボルトを一度緩めます。

緩めると不要なブッシュテンション(負荷)が解放されますので、それから本締めします。


サスペンション整備後には必ず実施しないといけない1G締付作業。(しないとブッシュが早期に破損します。)


4輪が接地しながらリフトアップ出来る設備が無いと1G締付がやりずらいので,依頼する整備工場には(1G締付が出来ますか??)と聞いてから依頼した方が良いかと思います。




1G締付後に軽く試運転をして、サスペンションを馴染ませます。

そこからホイールアライメント調整を行いますね。




・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター WA470ホークアイ
4つのカメラセンサーで4つのホイールターゲットの動きを捕捉。
瞬時にホイールアライメント数値を演算します。


・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト
別注カラーのロングホイールベース対応バージョン。
国産NO,1整備リフト(ビシャモンリフト)なら高剛性で水平レベルを長期に維持。



ホイールアライメントテスターもアライメントリフトも定期的に公正作業をしていますので、常に良い状態をキープしています。



組立てスグの状態だとほとんどの車両はバラバラな数値を示していますが、今回のRX-8は元々の精度が良いのでしょうね。  なかなかの数値になっていました。



そこから少しホイールアライメントを微調整。

最後にいつものテストコースで試運転を2セット。


念入りに試運転をして最終チェック。
その後リフトアップして下回りも再チェック。
万全の状態で無事納車となりました。



前編・後編の2回に分けて紹介したマツダRX-8のリフレッシュプラン

これぐらいの作業ボリュームならお預かり期間は約2週間。
(ただし入庫前に部品を揃えておく必要があります。)

前半の1週間で整備を終えて、後半の1週間でチェックや納車準備。


引き取り時には作業中の撮影した画像200枚を見ながら、今回の整備内容を説明させていただいています。

今後のメンテナンスアドバイスもお話ししながら、画像コピーもお渡しして納車しました。


本日もミナト自動車ブログ日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

リフレッシュプランは相応の部品を交換しますので、相応の整備費用は掛かります。

もう一度新車時のコンディションを取り戻したいと、リフレッシュプランを相談される方はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。


http://minato-motors.com/blog/?cat=12
実施した車両の1部ですがブログで公開していますので、(何年何月の○○のブログはいくら掛かりましたか?)聞いていただけるとお答え出来ます。
ぜひ整備予算の参考にしてください。


それではHAPPY CAR LIFE!!