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東京都からハイエース KZH132キャンピング仕様 リフレッシュプラン後編。エンジン整備とATF交換。

前回ブログで紹介した東京都から依頼のトヨタ ハイエースKDH132 キャンピング仕様 平成10年 走行距離20万キロ。


メールで予約相談~予約入庫。
問診・見積・サスペンション、ブレーキ整備等を紹介しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=39163


今回のブログも引き続きハイエースKDH132のエンジン・AT関係の整備を紹介します。



LLCリザーバータンクの液量不足。
あと少し減ればメーター内のLLC警告灯が点灯します。


何故LLCが少なかったのか?


少し前に地元で冷却系の整備済み。
その時にLLCのエア抜きが甘のか??   もしくはどこからか漏れているのか?




フロア下にあるリアヒーターホースからのLLC漏れでした。

ただこのホースを交換するには室内の内装を分解しないといけないのですが、キャンピング仕様にしているので内装の分解はほぼ無理。


ホースの差込を1cmほど深くし、ダブルのホースバンドで対応。
これで漏れは大丈夫でしょう。


タイミングベルトやウォーターポンプは交換歴有。
そこでメインとサブのラジエター交換を提案しました。



メインは狭いエンジンルームでの交換は、慣れた作業なのでサクサク出来ました。


サブはACコンデンサーを分解しての作業は、コンデンサーの脱着が錆腐食やボルトの固着で外せない。

コンデンサーの周辺部品も生産終了。

無理に作業すると元に戻せない可能性もあり、今回はサブラジエターの交換は断念しました。



未交換のファンカップリングASSY

流体クラッチ内蔵のファンカップリングはエンジン温度に合わせてファンスピードを変化させます。

流体クラッチが劣化でスピード調整が出来ず、オーバーヒート・オーバークールや異音の原因に。

部品生産があるうちに交換しておきましょう。






ラジエターリフレッシャーでLLCを圧送式交換。

リアヒーターホースに接続し、ラジエターリフレッシャーからLLCを脈動圧送。
ヒーター・エンジン・ラジエターをぐるぐる循環し、戻ってきたLLCをW高密度フィルターでろ過再生。


40分ほど繰り返して冷却ラインに浮遊している汚れを取り除き再生します。

それだけだと濾過再生しただけなので、最後にLLC再生強化剤を注入。
防錆消泡性能を強化し、スーパーLLC同等の性能に回復させます。


エア抜き作業とレベル調整も行いました。
ラジエターキャップを閉めてLLC漏れチェック。



エンジン振動が酷いので、エンジン・ATマウント交換。

ハーネスやホース類に負担が掛からないマウント交換方法は、サブフレームを降ろして作業スペースを作りマウント交換。

サブフレームを外さずにエンジンを無理やり持ち上げたりすると、ハーネスやホース類に負荷が掛かり破損の心配がある。




サブフレームを外すとホイールアライメントは乱れますので、サスペンション整備時に同時交換の方が重複工賃分は節約になり経済的ですよ~。





マルチサーブでディーゼルインジェクターのシステム洗浄。


長年走行すれば徐々にインジェクターのニードル部や噴射口などにスラッジや煤が付着。
そうなると燃料噴射の弊害になり、結果的には燃費や加速が悪くなります。

エンジン自体は頑丈ですが、インジェクターだけは定期洗浄をおススメしています。


メインケミカルのディーゼルシステムパージ1000ml
アフターケミカルのエクストリームインジェクタークリーナー500ml


マルチサーブのホースを燃料ラインに接続。
ディーゼルシステムパージを投入して、画面の指示通りに進めていきます。

約60分ほどエンジンを掛けながら、ゆっくりインジェクターや燃焼室を洗浄。


アフターケミカルのエクストリームインジェクタークリーナー500mlは納車時に手渡ししています。  給油のタイミングで燃料タンクに注入してくださいね。


マルチサーブで即効的に洗浄し、アフターケミカルで遅効的に洗浄します。








ATFも圧送式で全量交換。

その前にオイルパン洗浄ストレーナー交換一式を行いますね。

長年未交換だったATF。
オイルパンにスラッジがこびり付いていますね。


脱着して洗浄し、磁石の鉄粉も除去。
古い液体ガスケットも取り除きます。


ATFストレーナーを交換し、オイルパンを組み立て。

某国から直輸入の特殊液体ガスケットを使用していますので、装着後にはスグ作業が出来ます。

ガスケットが硬化するまでの養生タイムが必要ないので、完璧でスピーディな作業が出来るんですよ。


高密着性・高作業性から、他の液体ガスケットを使うことは無くなりました。

ATFを補充し、エンジン暖機。
ATFチェンジャーのホースを接続して、ATF圧送式交換の準備完了。



まずはニューテックNC-RFリンシングフルードでプレ洗浄。
全量イッキに交換しますね。

9L使用してプレ洗浄が終わりました。

・左奥の新油モニターがNC-RF ほぼ透明のフルードです。
・中央ビーカーが廃油 真っ黒でした。
・右手前がプレ洗浄後のATF 少し透明度が出てきました。




ここから15分ほどのアイドリングタイム。
次は本命ATFのアイシンAFW+で圧送式交換します。



ほぼほぼ完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば、次回交換推奨距離は4万キロです。


最後にATFレベル調整も行いました。


デフオイルはガルフプロガード 75W90
ギアオイルも定期的に交換しましょう。




試運転時に感じたリアフロアからの異音振動。
プロペラシャフトの中間ベアリングが劣化していましたので交換します。




作業が終われば、いつものテストコースで試運転。

急加速・急制動・直進安定性などを再現しチェック。
市街地走行で凹凸ギャップでの異音や振動が無いか?をチェック。


試運転後には再リフトアップ。
漏れや締め忘れ等を何度も確認して、納車準備を進めます。


これぐらいの作業なら2週間預かり。

前半の1週間で作業をし、後半の1週間で調整・チェック・納車準備となるのがいつものパターン。



納車時には作業中に撮影した画像200枚ほどを見ながら、どんな作業をしてどうなったのか?を説明しています。  また画像コピーもお渡ししています。




説明時に今後の整備アドバイスや不具合が発生した時の対処などをお話ししています。

時間にして約1時間ぐらいは納車説明をしており、質問等がありましたらドンドン聞いていただければお答え出来ますよ~。



納車後少し経つとオーナーさんが戻ってきました。
乗った瞬間から車両コンディションが大幅に回復したそうで、お礼のために戻ってきてくれたようです。

ブレーキの効き・乗り心地改善・ギシギシしていた異音も解消。
直進安定性やシフトフィーリングも回復したようです。

10年10万キロ以上走行した車両をバラバラに無計画に整備しても、新車時のコンディションには戻りません。


長く良い状態で愛車を使用したいと思うなら、どこかのタイミングである程度マトメた整備は必要です。(それは家のリフォームと一緒)



その整備プランの提案が、リフレッシュプランの本質。
(1台ずつ違うリフレッシュ整備のプランニング)


(もしその車が私の愛車なら、限られた予算でどのように整備するか?)を考えながら整備提案をさせていただいています。



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。


過去の整備ブログをみて(○○年○○月の△△△の作業はおいくらしましたか?)と聞いていただけるとお答え出来ますよ~。


実施車両の一部ですがブログ公開しています。
整備予算の参考にしてくださいね。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12




それではHAPPY CAR LIFE!!




2025年2月5日

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