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東京都からスバル レガシィ3.0R BPE リフレッシュプラン前編。クラッチO/Hは定期的に! エンジンマウントは消耗部品です。

東京都から入庫したのはスバル レガシィツーリングワゴン 3.0R。
平成16年式 BPE 走行距離9万キロ

リフレッシュプランの依頼を承りました。
前編・中編・後編の3部作で紹介しますね。

後編には納車後のユーザーレビューがありますのでお楽しみに。




リフレッシュプランは10年10万キロ以上走行した愛車を、もう一度新車時のコンディションに近づける提案型整備メニュー。


一般ユーザーさんが愛車のコンディションを見極めるのは難しく、またどこから整備をすれば良いのかも分かりずらい。


(もしその車両が私の愛車なら、限られた予算でどのように整備するか?)をコンセプトに、おススメ整備を提案しています。


HP(お問い合わせフォーム)からリフレッシュプランのご相談。

弊社からはリフレッシュプランの案内と(過去のレガシィBP系 リフレッシュプラン事例とその時の総額費用)をお知らせしました。


そして3点質問をさせていただきました。
1・車両現状の不満点。不具合点。
2・お預かり出来る日数
3・リフレッシュプランに掛けれる予算。




1に関しては普段使用している中で、気になる点がありましたら教えていただけると助かります。 プラン制作の参考にします。


2に関しては2週間ぐらいを想定していただけると良いかと。
ほとんどの場合は2週間以内で入庫~納車になります。
ただ予算規模が大きい場合は、もう少し預かり期間が増えます。


3に関しては車種毎に(お引き受ける整備予算下限)を決めています。
比較的新しい車両と30年以上経過した過走行車では、整備しないといけない範囲が違います。 またコンパクトカーとレクサス車では、部品自体の価格も違うからです。





今回ユーザーさんから3点を教えていただきました。

1・・
クラッチを繋ぐとシャーと異音アリ。クラッチのタッチが悪い。
クラッチペダルが重い。 
もう少し乗り心地を改善したい。低回転時にブルブル振動アリ。
9万キロ走行の中古車購入なので、整備歴は不明。
購入時に販売店で少し整備済み。

2・・
2週間~4週間ぐらいならOK
代車は不要。電車で帰ります。


3・・
整備予算は○○万円。 状態を見て提案が有れば増額を検討。


ざっくりこんな感じで相談されました。




入庫日の日程を決めて、予約入庫していただきました。

リフレッシュプランの混雑状況は時期によって変動しますが、近年は1~3か月待ちが多いです。   それ以上の予約待ちが発生した時は、予約ストップとしています。



まずは問診から始めます。
メール等で相談された内容を詳しくお聞きし、今回の整備の方向性をお話しします。

お預かり後に試運転。 現状を確認します。

事前ホイールアライメント測定・排気ガステスト・バッテリー充電テストなどを行い、リフトアップして車両点検。




整備プラン概算見積を提示し、作業内容を説明。
どこまで整備するかを協議して、作業内容を決定します。




整備プラン内容にOKがもらえたので作業を始めますね。


まずはサスペンション・ブレーキ・ドライブシャフトなどをバラバラに分解。



そしてMTミッションを降ろして、クラッチ分解。


慣れた作業なので、どんどん部品を外していきます。

(以前知人にそんなにバラバラにして、組み立て方忘れたりしないの?)
(あとでボルトナットが余ってしまう事はないの?)
そんな質問を受けた事があります。




大丈夫。全て覚えているから。
https://minato-motors.com/blog/?p=40703
上記ブログを覗いてみてください。
プロの整備士ですから、そうならない為に対策しています。

問診時の相談で(クラッチペダルが異様に重いんですが・・・) (レガシィBP系クラッチはこんな感じですか?) (販売店では曖昧な返答だったので・・・)


過去に愛用していた他社のMT車と比べて、クラッチペダルが重いと感じたようです。

そこで私が操作をすると(ペダル 重い~!!)
一回の踏み込みで異様なほどペダルが硬い・重い。

これではクラッチ操作が多い市街地走行では、足がパンパンになるでしょうね。


たった1回の試乗でクラッチ異常だと思いました。

・クラッチディスク摩耗・振れ
・カバーやフライホイールのプレートは焼け・摩耗
これではクラッチのミートが分かりずらく、半クラがしにくいでしょう。



・ディスクスプライン部やレリーズベアリング摺動部のグリス切れ。
経年劣化で摺動部のグリスがなくなり、引っ掛かりが出来て動きが渋い。

・クラッチカバーのダイヤフラムとレリーズベアリングとの当たり面が摩耗。
クラッチペダルの切れ点・遊びが分かりずらく、操作しにくい。



クラッチO/Hを提案させていただきました。



クラッチディスク クラッチカバー フライホイール3点交換。


フライホイールの奥にあるエンジンクランク リアオイルシールも同時交換。


そこからクラッチを組み立てますね。


MTミッション側も整備します。

清掃洗浄をしてから、適材適所に専用グリスで組み立て。
メインシャフトとプロペラシャフトのオイルシール交換。
レリーズベアリングを交換。
段付き摩耗しているレリーズベアリングのガイドも交換。





BP系6速MTの場合はレリーズシリンダはシールキットが部品供給されないので、シリンダーASSY交換。






MTミッションマウントのゴムは剥離しており、機能不全。
上下の揺れを抑えるチッピングロッドもクラックあり。

極低速走行での車庫入れ時には、ここのブッシュが機能していないので、車体がブルブル振動を発生していたのでしょう。

フロントデフサイドシールも打ち直し。


ミッションを車体に装着。


・車庫入れ時のリバースシフトが入りずらい。
MT脱着時にシフトワイヤーを確認すると、ブッシュが砕けてる。

これではワイヤーの引き代が変るので、要交換ですね。
ブッシュだけの部品供給はないので、ワイヤーASSY交換しました。






次はエンジンマウント左右を交換します。


エンジンマウントのゴム部は硬化してクラック。
重いエンジンを受け止めているので、新旧を比べると高さが押し潰されていました。

水平対向6気筒エンジンのレガシィBPEは、本来は凄く静かなエンジンなんですよね。   でも部品が劣化して消耗していると、本来の静粛性は発揮出来ないのですね。




レガシィBPEのリフレッシュプランは、まだまだ続きます。


次回ブログ中編で続きを紹介しますね。
それではお楽しみに~!!



2025年7月2日

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