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大阪府堺市からハイエースKDH201 マルチサーブ洗浄システム 後編。インジェクター/DPF・DPRをリフレッシュ。

前回ブログで入庫したエンジン不調のハイエースKDH201
平成19年式 走行距離28万キロ。

・マフラー白煙・加速鈍化・DPF再生燃焼の間隔低下。



予約から始まり、マルチサーブ インテークカーボン洗浄システムの作業内容を前回ブログで紹介しました。https://minato-motors.com/blog/?p=41519









今回後編ブログでは、インジェクター/ターボ系 & DPF系のマルチサーブシステム洗浄を紹介します。






インジェクター/ターボフィン 洗浄システム。


エンジンに繋がるフューエルラインにマルチサーブのIN・OUTホースを接続。
(フューエルフィルターと燃料ポンプの間に接続。)



使用するケミカルは(ディーゼルシステムパージ1000ml)。

大容量ケミカルをマルチサーブに投入。



マルチサーブからディーゼルシステムパージを噴射ポンプに送り込み、エンジン始動。 (タンクの軽油は使いません。)


約70分ほど掛けて、ゆっくり確実にフューエルライン&インジェクター内部を洗浄します。



高温・高圧にした軽油は、どうしてもスラッジが僅かに発生します。
そのスラッジが燃料が流れる経路に付着し、問題を起こす。


インジェクターのニードル・噴霧口やパターンが詰まり/乱れ等があると、燃料の出が悪くなるのでECUが噴射量を補正。

 ECUは噴射量を常に補正学習しているのですが、それも限度があるんですよね。




汚れたら、汚れを除去する整備は必要なんです。
(日本ではその分野の整備が遅れているだけ。)
(ディーラーもその術を知らないだけ。)


引き続いてターボフィンのシステム洗浄。

ディーゼルターボサーブ1000mlをマルチサーブに投入。


約60分ほど掛けて、ターボフィンに付着するカーボンを除去しますね。









フューエルフィルター & エアエレメント交換
長い間交換していなかったフィルターは真っ黒ですね。

フューエルフィルターが黒くなるのは(燃料タンクが汚れている)or (給油した軽油が汚れている)ではありません。




・噴射ポンプで超高圧にした軽油はインジェクターで噴射。
・噴射しなかった軽油はリターンホースで燃料タンクに戻る。
・戻った軽油はフィルターを通過して、再び噴射ポンプに。

真っ白なフューエルフィルターは、数万キロ走ると真っ黒。
これは加圧された時の燃料のスラッジです。


フィルターでろ過出来なかったスラッジ(汚れ)は、フューエルラインに流れて、各部品に付着します。


フィルターは交換すればいいですが、インジェクターやコモンレール等は高額な部品なので洗浄でリフレッシュするしかないのですね。


エアエレメントも定期的な交換を推奨します。

汚れが酷いと燃費悪化など悪影響が出ますので、汚れすぎる前に交換が吉。








次はDPF洗浄システム。
DPFに繋がるパイプにマルチサーブのホースを接続。






よく相談されるのが(DPFの警告灯点灯)・(DPFの強制再生頻度の悪化)があるので、DPFを交換した方が良いですか?

もしくは(マルチサーブDPFシステム洗浄だけ依頼したい)という問い合わせ。




(それDPFだけケアしても意味無いですよ。)とお答えしています。

DPF/DPRはご存じ、排気ガスの煤を濾過するフィルター。
走れば煤が溜まるので、一定のラインまで溜まった時に自動再生燃焼が始まる。


警告灯点灯やDPF再生燃焼の不具合。
・本当にDPFだけの問題で症状が出ているのでしょうか??
・DPFを交換すれば治るのでしょうか??

他の箇所が原因があり、巡り巡ってDPFに不具合が出た可能性もあるんですよ。




原因を無視し警告灯点灯しているから、安直にDPFを交換する。
(ちょっとそれはどうなのかな?)と整備士としては思うところ。


閑話休題。



DPF洗浄には2種類のケミカル剤を使用します。
まずは1液目(DPFクリーナー 1000ml)を投入。  (ケミカルとしては大容量。)


ちなみに市販のDIY系スプレー缶式DPFクリーナー。
裏面のラベルを見てNET,○○ml溶剤が充填されているか見てください。


スプレー缶は大きいですが、中身はほとんど加圧充填用ガス。
(意外と中身のケミカル量はめっちゃ少ないですから。)
(マルチサーブは1000ml+1000mlの2000mlです。)


投入後5分間のインターバル。
泡状に注入したケミカル剤はDPFの空間に充満します。



そこからエンジン始動でアイドリング状態で5分。

次は2液目(DPFフラッシュ 1000ml)をマルチサーブに投入。


それをDPFに泡状注入します。


するとマフラーから汚れた廃液がドバドバ出てきます。


廃液は異臭が酷いので、もちろん廃液回収装置でキャッチ。
工場内や近隣にお漏らしする事もなく作業をしています。



下の画像は廃液回収装置の一部をクリアパイプにしており、廃液の色・状態を確認しています。


ある程度の廃液が排出されれば、スキャンツールからDPFを強制燃焼。


回収装置なしで強制燃焼をすると、凄まじい白煙・異臭で大惨事。
そうならない為の廃液回収装置は絶対に必要だったので、自社開発して製作しました。




DPF強制燃焼ではDPF温度が600℃以上になるので、ヤワな装置では回収装置自体が燃えると思いますよ~。 



 よって企業秘密の回収装置は非公開にしています。






泡状の廃液も時間が経過すれば液状に。

DPFに残った廃液は強制燃焼で焼き切りますね。









マルチサーブ オプション整備
カーエアコンリフレッシュαでエアコンガスをリフレッシュ。


ニューテックNC-200 強化コンプレッサーオイルも同時注入。
年々減少する冷媒ガスは定期的にリチャージしましょう。




結果的には充填量700gに対して、回収できた量は570g
約130gほど少なかったようです。


10分間真空引きをしてから規定充填量のガスをリチャージ。
同時にニューテックNC-200コンプレッサーオイルも注入しました。



最後に試運転とライブデータ確認。

無事納車となりました。


納車時には作業中の画像を見ながら、説明をさせていただいています。

またインジェクター/DPFに各アフターケミカルをお渡ししているので、後日燃料タンクに投入してくださいね。


質問等があればご遠慮なくどうぞ。

先日は丁寧な施工、説明、ありがとうございました。
マルチサーブ後、3000kmほど走りました。
納車後の帰る時点で変化有りでしたが、
高速道路を走ると効果がはっきりと判りました。


アクセルが軽くなり、踏み込まなくても車が軽く走るようになりました。右足が楽になりました!高速巡行時のエンジン音も小さくなり快適です。
A/Cオンの時のアイドリング不調も無くなりました。エアコンの効きも抜群です。

その他にも書ききれない程の変化が出ました。
まだまだ先ですがA/C OFFでどれだけ燃費が良くなったか、走るのが楽しみです♪

マルチサーブ、大満足の一言です!
大事に乗り続けたいと思います、今後またお世話なりたいと思います。その際はよろしくお願いします。
暑い日々が続きますが、気をつけてお過ごしください。
この度はありがとうございました。





マツダ SKY-Dもハイエースのディーゼルも、煤が原因でエンジン不調やエンジン警告灯点灯などの不具合が発生します。

またそれ以外の原因でエンジン不調になる場合もあり、原因が1つの場合もあれば、複数ある場合もあります。



今のディーゼルエンジンはガソリンエンジン以上に、定期的なメンテナンスが必要ですよ。  (頑丈・丈夫はクリーンディーゼルになる前の話。)


故障や不具合が出てからメンテナンスをするよりも、そうなる前にメンテナンスをした方が結果的には経済的だとお伝えしています。




マルチサーブの御見積・依頼はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

出来ましたら(症状・頻度)(エンジン警告灯点灯の有無)などもお知らせいただけると助かります。


それではHAPPY CAR LIFE!!





2025年8月12日

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