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大阪市からデリカD-5 リフレッシュプラン中編。  DSCインテーク煤除去のあとは、マルチサーブでインジェクター・DPFシステム洗浄。

前回ブログで紹介したデリカD-5 CV1W 平成26年式 走行距離12万キロ
リフレッシュプランで入庫しました。

まずはDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
ディーゼルエンジンのインテークに堆積する煤を完全除去しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=38899


次はインジェクターとDPFをマルチサーブでシステム洗浄します。




欧州から導入したマルチサーブ。

ディーゼル車の普及率が高いヨーロッパではディーゼル整備も一歩先を行っています。 


あちらの市中ではまだまだディーゼル車が多く走っているので、年数の経過したディーゼルメンテナンスは必須作業なのでしょうね。

日本ではディーゼルエンジンへの整備意識が低いので、知らない方が多いのが現状。   ディーラーさんも販売する時には何も言わないですから。

まずは作業スペース確保のためにワイパーやガーニッシュ等を外します。

エアクリケースの奥にあるフューエルラインにマルチサーブのIN・OUTホースを接続。 

(燃料タンクにある燃料ポンプは作動させず、タンクの燃料も使用しません。)



マルチサーブからインジェクター洗浄ケミカル(ディーゼルシステムパージ)を送り込み、(燃料サプライポンプ・コモンレール・デリバリーパイプ・インジェクター・燃焼室)にあるスラッジ・カーボン(煤)をゆっくり洗浄します。





サプライポンプで高温高圧圧縮された軽油は、どうしても少しだけ汚れが発生します。


その汚れはインジェクターのニードル部などに少しづつ付着し、燃料噴射の弊害になります。

メーカーもその汚れは承知しているので、ECUで演算し燃料噴射量を増減させてリカバリーしてエンジン制御しています。


でもね。それも限度があります。
酷くなるとインジェクターの作動不良・振動・加速不良になるので、そうなる前に定期的なメンテナンスは必要なんですよ~。




1000mlのディーゼルシステムパージを投入。


強力洗浄にセットして、約75分ほどエンジンを掛けながらの洗浄工程。
ゆっくり確実に洗浄していきます。





75分ぐらいで作業は完了。
インジェクター洗浄システムが終われば、元の状態に組み立て。



オプション整備として今回はフューエルフィルターも同時交換しました。

エンジンルームの最深部にフューエルフィルターがあるので、マルチサーブと同時に交換した方が工賃が安くなります。





フューエルフィルターの内部を覗き込むと、濾過紙が真っ黒ですね。
この汚れがインジェクター内部などにもあるので、マルチサーブでの定期洗浄は必要なんですよ。

新品フィルターに交換しました。





次はDPFシステム洗浄を行います。

マルチサーブのホースをDPF上流に繋がるパイプに接続。


DPF洗浄用ケミカル1液目(DPFクリーナー)1000mlをマルチサーブに投入。

これがマルチサーブからDPFに直接注入されます。

DPFにセットして強力洗浄を選択。

あとは液晶画面の指示通りに作業を進めます。



DPFクリーナーを注入後、次は2液目(DPFフラッシュ)1000mlをマルチサーブ投入。



市販の安価なDPF系洗浄用フォームは容量が少なすぎると思います。
WAKO’S製品は弊社でも取り扱っていますが非採用。
あちらのケミカル容量は165ml (ディーゼル2)。


マルチサーブ専用品と一般市販品ではケミカル容量だけでも6倍ほど違います。
それにマルチサーブはクリーナーとフラッシュで2000mlですから、12倍ほど使用するケミカル量が違うんですよ~。


この辺りは本格的な整備用品とDIY商品との違いでかね。



エンジン回転数を上昇させてDPF温度を高め、洗浄効果を促進。
そうすると猛烈な廃液がマフラーから出てきます。

同時に白煙や異臭が作業場が酷い状態になるので、排煙廃液回収装置を開発し、廃液は装置で回収しています。


回収装置の一部はクリアパイプを使用し、廃液の色や状態を確認しています。
廃液の色は黒・灰・茶といろいろありますが、DPFコンディションによって変化しますね。

今回は茶色で結構汚れていました。


DSC後もマルチサーブ後も最後には燃料噴射量再学習や各部リセット初期化しています。

強制燃焼をしDPF差圧センサー等の数値も確認して完了です。




納車時にはインジェクター用とDPF用の各アフターケミカルを手渡ししています。


インジェクターにはディーゼルエクストリームクリーナー
DPFにはDPFリジェネレーター
どちらも容量は500lm

燃料タンクに抽入してインジェクターとDPFを洗浄していくケミカルです。


マルチサーブの装置で即効的に、アフターケミカルで遅効的にと、W洗浄で効果を高めています。




大阪から依頼されたデリカD-5のリフレッシュプランは、ディーゼルエンジンのメンテナスを最優先に依頼されました。(DSCやマルチサーブ洗浄はディーラーさんでは出来ないので。)



次回後編ブログもデリカD5 リフレッシュプランの続きを紹介します。
サスペンションやドライブシャフトなど足回り下回りの整備を紹介しますね。

それではお楽しみに!!  HAPPY CAR LIFE!

2025年1月15日

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