1. TOP
  2. ミナトBLOG

三重県からハイエースTRH214 キャンピングカーのリフレッシュプラン 後編。 ガソリン インテークカーボン堆積     マルチサーブで除去洗浄。

前回紹介しましたハイエースTRH214 キャンピング仕様 のリフレッシュプラン。http://minato-motors.com/blog/?p=38736

今回はその続きの後編ブログです。


トヨタ ハイエースTRH214 平成21年式 12万キロ走行

前回ブログではサスペンション・ハブやブレーキO/Hなどの足回り下回りを整備しました。

次は整備リフトからアライメントリフトに移動して、車高調整を行います。

乗用車には車高調整機構はないのですが、ハイエースはフロント車高を調整する機構があるんですよ。



市街地を走っているハイエースを一度観察してください。
高確率で車高調整が乱れた(尻下がりのハイエース)がよく見かけると思います。

100系200系ハイエースはモデルが違うと車高基準値も変わります。


TRH214は基準値が1種類ですが、KDH205だと13種類。
フロント基準値が5mm違うと、かなり車高が変ります。


指定空気圧にしてリアの基準点から地面までの高さを測定。
リア測定値とリア基準値に差が有れば、その分をフロントの基準値に加減する。

リアのスプリングがヘタってリア車高が下がれば、フロントもその分下げないとバランスが悪いですよね。




アライメントリフトに赤い糸で仮想水平線をセット。
フロント基準点にスケールを装着して、車高調整します。

7ミリほど高かったので、少し下げて調整しました。



同時にサスペンションアームブッシュの1G締付作業。

ボルトナットを一度緩めて、ゴムブッシュに掛かる不要なテンションを開放。
その後ブッシュを固定しているボルトナットを本締めします。


本締めが終われば赤色マーカーでチェック。




なぜ1G締付作業をする必要があるのか??
リフトアップしてサスペンション整備をした時と実際に走行する時ではサスペンションアームの角度が違います。

整備時の角度でブッシュを本締めすると、4輪が着地した時はブッシュが捩られてしまうのです。  それを本来のブッシュ状態に戻すのが1G締付作業。


文章では分かりにくいので(1G締付)でググッてね~。

そこから軽く試運転をしてサスペンションを馴染ませます。


もう一度アライメントリフトに載せてから、ホイールアライメント調整を行います。



調整前はバラバラな数値。
サスペンションアームブッシュを交換しても、これでは真っすぐ走りませんよね。


・ハンター社ホイールアライメントテスター WA470
最新鋭高性能センサーカメラ 軽量クランプターゲット

・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト
国産NO,1 高剛性アライメントマルチリフト



フロントは完璧な数値で調整しました。
リアはリジット固定式で調整出来ません。

この数値なら問題なく、高速走行もキレイに走ると思いますよ~。


エンジンマウント ATマウントを交換して、不快なエンジン微振動を改善。



劣化しやすいエンジンヘッドカバーのゴムガスケットを交換。
高性能スパークプラグNGKプレミアムRXでプラグ交換。
スロットルボディも清掃し初期化。



オルタネーターワンウェイクラッチプーリーは消耗品ですので、今回の整備で交換を提案しました。

プーリーが壊れるとガラガラ/キュルキュル異音が発生します。


またクランクフロントオイルシールも打ち替えますね。




エアコンガスを抜いてバンパーを外し、ラジエターとコンデンサーを交換しました。


今回の整備で消耗品は一新したいと、ユーザーさんからのオーダーをされました。

画像にはありませんがヘッドライトも左右交換を希望。
レンズが黄色に劣化して見栄えが悪かったので、新品ランプに交換しました。







サーモスタッドも交換して、LLCは圧送式交換。
エアコンガスもリチャージします。


LLCをラジエターリフレッシャーで圧送式交換で全量交換。
カーエアコンリフレッシュαでエアコンガスをリフレッシュ。



ガソリンエンジン インテークマニホールドを外して、ポート内のカーボン付着を確認します。


インテークポート・インテークバルブは長年の使用でカーボン堆積が酷いですね。


最新の直噴エンジンではなく、従来型ポート噴射のTR系ガソリンエンジン。

赤丸の部分からインテークバルブ目掛けて燃料噴射。
吸気の空気と気化したガソリンが混合気になり、燃焼室に充填され点火燃焼。

ですがこのようにカーボン(煤)堆積が酷いと、どうなると思いますか??



ECUで演算した最適な燃料噴射量をインジェクターからガソリン噴射。

噴射されたガソリンの一部はカーボン層に吸着し、気化しません。
吸着されなかったガソリンだけ気化し、空気と混ざって混合気になる。


それが燃焼室で点火燃焼すると、演算した噴射量より薄い(リーン)混合気での燃焼になります。 (加速力低下などパフォーマンス低下)



今度は巡航時や減速時のガソリンが必要でない時に、ジワジワ染み込んだガソリンが蒸発し気化。

そうなると不必要な時の混合気リッチ(濃い)でガソリンの無駄。(燃費悪化)



ディーゼル・ガソリン直噴式・ガソリンポート噴射式
3つとも違うエンジンですが、カーボン堆積がそれぞれで違う理由でエンジンパフォーマンス低下に繋がっています。

新車以上は難しいですが、新車レベルぐらいにはメンテナンス次第でコンディションを回復させる事は出来るのです。

地道に手作業でインテークバルブとポート内を洗浄しました。


高温のアルミ金属にガソリンを噴射すれば、一瞬で気化しそうな気がしませんか?
あんなにカーボンが堆積していたらダメですよね。


 




弊社が得意とするDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を施工すれば完璧なのですが、ハイエースは室内にエンジンがあるので、ドライアイス洗浄をすると室内が汚れる可能性があるので出来ないんですよね。



手作業で取り切れないカーボンはマルチサーブ インジェクター洗浄システムで補います。

欧州から導入したマルチサーブでインジェクター・インテークポート内・燃焼室に専用ケミカルを使用して洗浄していきますね。



約60分掛けてアイドリングをし、ゆっくり燃料ラインをシステム洗浄。

ケミカル剤でインジェクター内部を洗浄し、噴射したケミカル剤もインテークバルブや燃焼室のカーボンを洗浄していきます。


最後にアフターケミカル(エクストリームインジェクタークリーナ)を手渡ししています。 後日ユーザーさんが給油時に燃料タンクに投入していただきます。





ATFも交換します。

まずはオイルパン洗浄してストレーナー交換。
硬化し劣化した液体ガスケットを塗り直し。



そこからATF圧送式交換を行います。

ニューテックNC-RFで全量圧送式のプレ洗浄。
最初に排出された真っ黒のATFが透き通るまでになりました。



次は本命ATF ニューテックZZ51改 全化学合成ハイパフォーマンスATFでもう一度圧送式交換を行いますね。



完璧に入れ替わりました。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は5万キロです。



最後にいつものテストコースで試運転。

ブレーキングやコーナリングを確認し、何度も最終チェックを繰り返す。
数日後無事納車となりました。



前編・後編ブログの作業量なら、お預かり期間は2週間。
前半の1週間で作業をし、後半の1週間で調整・チェック・納車準備としています。



前編ブログの初めにお伝えした最低整備予算を設定している理由は、前編後編ブログの様子で伝わったのではないでしょうか。

新車時のコンディションに戻したいユーザーさんにリフレッシュプランをおススメしています。



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。


http://minato-motors.com/blog/?cat=12
過去の整備事例を参考に(○○年○○月の△△△のブログはいくら掛かりました??)と聞いていただけるとお答え出来ます。

ぜひ整備予算の参考にしてください。



それではHAPPY CAR LIFE!!

2024年12月20日

このページのトップへ