三重県からハイエースTRH214 キャンピングカーのリフレッシュプラン 前編。 長く快適に使用するにはリフレッシュプランがオススメ。
三重県からお越しいただいたのはハイエース TRH214 キャンピング仕様 H21式 12万キロ走行
リフレッシュプランのご依頼です。
父親から譲り受けたハイエース キャンピングカーを、リフレッシュプランで再生したいと相談されました
弊社が推奨するリフレッシュプランは(10年10万キロ走行した車両を、もう一度新車時の状態に近づける為のリフレッシュ整備)です。
一般ユーザーさんはなかなか過走行車のメンテナンスを、どのようにすれば良いのかが分かりにくい。
もしこのハイエースが私の愛車なら、限られた予算でどのように整備してリフレッシュさせるかを、プランニングし提案するのがリフレッシュプランのメインコンセプトです。
リフレッシュプラン予約相談時には、車種毎に最低予算の限度をお伝えしています。
今回の整備でも相応の部品を交換していきますので、どうしても整備総額は相応に掛かるんですよね。
逆に言えば相応の覚悟と予算が無いと(過走行車・年式の経過した車)のリフレッシュ整備は難しいと思った方が良いかと思います。
年々純正部品の高騰は凄まじい。
年式が経過すると純正部品の値上がりは無視できないくらいになってきています。
予約入庫してもらい問診をします。
メールでやり取りをしていましたが、入庫時には対面で(もう一度不具合箇所や不満箇所)をお聞きしています。
試運転をしてから事前ホイールアライメント測定。
バッテリーアナライザーで充電状態をチェックし、リフトアップして点検していきます。
そこから御見積をして整備プランを提案。
整備プラン内容を説明して、内容が決定したので作業を始めますね。
フロントサスペンションやブレーキ関係を分解しました。
フロントサスペンションアームブッシュ交換。
ロアアームは油圧プレスで圧入交換し、アッパーアームはブッシュ単体での部品供給がないのでASSY交換します。
テンションロッドのブッシュも同時交換しますね。
今回ショックアブソーバーはKYB エクステージを提案。
純正ではなくKYB製を希望される場合は、予約相談時に伝えていただけると選択可能。
KYBのメーカー部品在庫は少ないので、人気車種でも欠品・長期納期が多いんですよね。
今回の200系ハイエースはキャンピング仕様車。
通常のショックアブソーバーだと荷室に荷物を積まないキャンピング車だと、リアの跳ね上げが気になるのでエクステージを提案させていただきました。
ちなみに100系ハイエースは選べるショックアブソーバーが少ないです。
スタビライザーブッシュやロアボールジョイント、ステアリングラックエンド等も交換します。
ここはガタが出やすいのですが、そうなるとステアリングセンターの甘さが目立ちますよ。
フロントハブベアリングも圧入交換。
適切な工具(SSTなど)が無いと、確実な交換が出来ないハイエース200系のフロントハブO/H。
ガンガンとハンマーで叩かなくても、サンダーで無理やり削らなくても、SSTと油圧プレスでサクサク交換出来ます。
YouTubeなどでは無理やり交換していますが、アレって良くないんですよね~。
リアアクスルシャフトのベアリング交換&オイルシール交換。
シャフトベアリングを抜き取るにも圧入するにもSSTが必要。
オイルシールの打ち込みも基準値で測定しながら作業をしています。
基準値で測定しないと、オイル漏れの原因になりますからね。
フロントブレーキをO/H。
・ブレーキキャリパーO/H
・ブレーキパッド交換
・ディスクローター研磨再生
ハイエースのブレーキの効きが悪くなるのは、メンテナンス不足が原因です。
正しい整備をすれば新車時と同じ制動力に戻りますよ~。
フロントハブとディスクローターを組付けする時には、ディスク振れ点検が必要。
これをしないと高速走行時のブレーキングで振動が出ますからね~。
ハブに治具を装着して万力で固定。
ダイヤルゲージでディスクローターの振れチェック。
振れが最小になるように組付けします。
リアドラムは研磨して再生。
ライニングシューも新品交換しました。
ブレーキシリンダをO/Hする予定が、ピストンが破損していました。
以前誰かがドラムを外すときに、ライニングシューのクリアランスを緩めてから作業をしなかったのでしょう。
無理やりドラムを外すと、このようにピストンの一部が折れるんですよね。
ピストンKITでO/Hしました。
ライニングシューを組付けてシュークリアランス調整。
リアブレーキをメンテナンスすると、4輪で止まれるハイエースに戻ります。
リーフスプリングのブッシュ交換。
リーフスプリングを外して前後のブッシュとシャックルブッシュを交換しました。
リアショックもKYBエクステージ 減衰14段階調整。
リア推奨値11から始めて好みの硬さを見つけてくださいね。
こんな感じでハイエースの作業を進めています。
前編ブログはここまで。
次回後編ブログで1G締付と車高調整・ホイールアライメント調整。
エンジン系整備・ATF交換等も紹介します。
それではお楽しみに~。