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マツダ CX-5 リフレッシュプラン 特大号第三部 完結編。ドライアイス洗浄で煤堆積を完全除去。マルチサーブでインジェクター・DPF洗浄!!

前回、前々回のブログで紹介した富山県からのCX-5 リフレッシュプラン。
ようやく第三部の完結編になりました。

富山県から来店していただいて一部ではなく、車両全体をリフレッシュする内容でご依頼をありました。

第一部ではサスペンションやブレーキなどの足回り下回りの整備。
http://minato-motors.com/blog/?p=30216


第二部ではATF完全圧送式交換やホイールアライメント調整
http://minato-motors.com/blog/?p=30310



そして第三部ではDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)とマルチサーブ洗浄システムを紹介しますね。



マツダ CX-5 KE2AW 走行距離17万キロ クリーンディーゼル AWD

スカイアクティブ2.2Dのインテークマニホールドを外します。同時に水冷式EGRクーラーも分解しました。


エンジンインテークポートを覗いてみますね。

ポート内径には10mm程の煤が堆積しており、奥にあるインテークバルブは辛うじて見える程度。

バルブのシャフトや傘部は原型が分からない程に、煤が固着していますね。
8個のポートは大体こんな感じで煤堆積が酷い状態でした。


この数年でオプション指名率が急上昇の水冷式EGRクーラーの洗浄。

このCX-5も35%ぐらいは煤で経路が詰まっていました。これでは効果的にクールドEGRが使えない状態です。



このEGRクーラーは新品交換をすると高額な費用が掛かりますので、DSCと同時なら安価に収まりますよ~。


マスキング途中の画像。

ここから完璧なマスキング処理をして弊社が開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)。


元々はトヨタ・レクサスのGR直噴ガソリンエンジンのインテークバルブに蓄積するカーボン除去用に自社開発したのですが、それを応用してSKY-D用に適応。








・圧縮空気でドライアイスペレットを高速噴射
・熱収縮と昇華爆発力

ドライアイス洗浄機に弊社が開発したDSC専用ノズルとDSC専用アダプターを接続して、(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)煤を完全除去。


それでは千台以上の作業実績がある唯一無二のDSCの真価を紹介しますね。

ドライアイスペレットを洗浄機に投入。

指で潰れるほど柔らかいペレットを噴射しますので、アルミ母材や合金などの金属には傷が付きません。


軽くワンショットして、こんな感じになります。


数種類ある専用ノズルと専用アダプターを使い分けて、ポート内を完全洗浄していきますよ~。



全8ポート全てキレイになりました。


同時にLLCバイパスパイプの交換しています。





分解したインテークマニホールドと吸気シャッターバルブも確認しますね。





吸気シャッターバルブには程々に煤が堆積していました。




インテークマニホールドの入口にあるEGR導入口は煤の堆積で、ほとんど塞がっていますね。


導入パイプを回転させると裏側も塞がっています。

エキゾーストからEGR導入パイプの経路が煤で詰まると、EGRの流入量が減ります。     ですがその弊害で流速が遅くなり、EGR経路に煤が堆積しやすくなるのです。



今回のCX-5はこの導入口が徐々に塞がって流速が遅くなり、EGR上流にある水冷EGRクーラーが詰まりだしたのだと推測しました。  もっと早くDSCをしておけば水冷EGRクーラーはあそこまで詰まらなかったと思います。




効果的なEGR制御(HOT・COOL)が出来ないと燃費も悪くなるのですが、低温度かつゆっくりとた燃焼が出来ないので、想定以上に煤が発生するのですよ~。







インテークマニホールド出口も大量の煤堆積でポート内径が狭くなっていますね。 これでは流速は早くなるかもしれませんが、逆に流入量は減るので本来のSKY-Dの性能を発揮するのは難しいと思います。


適切な空気量と理想的な吸気渦が形成されないと、理想的な燃焼から離れていきます。



ディーゼルは(空気を吸ってナンボ)のエンジンですから、空気が吸いづらい状態は良い事なんて何もない。



いかにスムーズに燃焼室に空気を充填するかが、最新のクリーンディーゼルには必要なんですよね。


吸気シャッターバルブやインテークマニホールドを軽くホジホジしましたが、これではキリが無いのでこちらもDSCで完全洗浄しますね。








水冷EGRクーラーも完全洗浄しました。
洗浄後には長さ30cmほどの棒を差し込んで、全ての経路が貫通しているかを確認しています。


見えるところだけキレイになって、奥が詰まっていたら意味が無いですからね。




オプション整備のフューエルエレメントも同時に交換しました。
弊社では6万キロ毎の交換を推奨しています。

純正ガスケットを使用して、元の状態に組付けますね。




DSCオプション整備のラジエターリフレッシャーを使用したLLC圧送式交換。


ラジエター・エンジン・ヒーター内にあるLLCを全量交換しながら、エア抜き作業も同時に行いました。

ラジエターキャップも交換します。






次はマルチサーブ洗浄システムでインジェクター洗浄・DPF洗浄を行いますよ。


マルチサーブ専用のケミカルを使うのですが、このケミカルは結構高額です。

工賃よりもケミカルの方が圧倒的に高額でプロショップオンリー商品。

マルチサーブのホースをEGRの経路に接続して、DPFクリーナー1液目を投入します。
あとはマルチサーブの指示通りに進みます。







次にDPFフラッシュ2液目を投入します。

このあとにはDPF内にある廃液を排出するのですが、引き続いてインジェクター洗浄を並行して行います。



フューエルサプライポンプのIN・OUTホースを切り離し、マルチサーブのホースを接続。


ポンプ・コモンレール・デリバリーパイプ・ピエゾインジェクターのフューエルラインをケミカルの効果で内部洗浄します。

約1時間ほどアイドリングをしながら、ゆっくり確実にフューエルラインを洗浄しました。


マルチサーブ洗浄システムにはアフターケミカルは各1本ずつ付属しています。
・ディーゼルエクストリームクリーナー
・DPFリジェネレーター

納車時に手渡ししますので給油時に燃料タンクに投入してください。





ここまでは機械任せなので簡単なんですが、この後が大変なのです。


エンジンを暖機しながらDPFの温度も急上昇。 DPFやマフラーに溜まった廃液排出作業を行います。  猛烈な異臭と白煙が出ますので、出なくなるまで作業を行いますね。



上記の画像は入庫前にチェックした各数値です。  ここからどこまで改善されたかを確認します。



差圧の数値と堆積量はゼロ近くに改善し、インジェクター補正値のバラツキもフラットになりました。


・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
こちらは日帰りor1泊お預かりで作業が出来ます。(オプション整備含む)
http://minato-motors.com/blog/?cat=169



・マルチサーブ洗浄システム (I/J DPFセット)
これも日帰りで作業が出来ます。
http://minato-motors.com/blog/?cat=270







見過ごしがちのAC冷媒ガスも点検。

エコマックスjrを接続して、冷媒ガスを回収再生再充填します。
同時にACコンプレッサーオイルもNUTEC NC-200を注入して強化しますね。



年々減少する冷媒ガスの充填量は定期的に点検しましょう。

リフレッシュプランで予定していた作業が完了してからは、約1時間ほど試運転をします。

ドライブフィーリングの確認や異音や振動などをチェックしながら走り回ります。    いつものテストコースでステアリングのセンターを確認し、スピードを出してブレーキングなどを確かめました。



試運転後はリフトアップして、何度もオイル漏れや締め忘れ等を確認して納車となります。


納車のお連絡をして無事引き取りとなりました。

今回の整備で撮影した画像は約300枚。

納車時にはそれをお見せしながら、作業内容を説明しています。
またそれらの画像はDVDにコピーしてお渡ししていますので整備記録用に保管してくださいね。


また長く良い状態で使用するための整備アドバイスをお伝えしています。




3部作でお伝えした17万キロ走行したマツダCX-5のリフレッシュプランはいかがだったでしょうか?


今の車両は適切で正確な整備を行えば、長く良い状態で使用する事が出来ます。  ただし無計画で見当違いの整備をしても、費用が掛かるだけでコンディションは改善しません。



ある程度の費用を掛けて一気に整備する方が、結果的には経済的で満足度の高い結果になるのだとお伝えします。



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHPお問い合わせフォームからお待ちしていますね。

それではHAPPY CAR LIFE!!



2021年11月13日

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