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マツダ CX-5 リフレッシュプラン 特大号第二部。 ATF完全圧送式交換ってなんですか?? ホイールアライメント調整は必要ですか??

前回ブログで紹介した富山県から入庫のマツダCX-5 KE2AW 17万キロのリフレッシュプランの第1部の続きです。  http://minato-motors.com/blog/?p=30216



第2部はATF完全圧送式交換とホイールアライメント調整を紹介しますね。


サスペンションやブレーキの整備を終えてATFの交換を行いますが、その前にフルードチェックをしてオイルパンを脱着洗浄します。





バルブボディのフルードストレーナーを交換して、オイルパンとの合わせ面をキレイにしますね。

液体ガスケットで装着されているオイルパンの場合は、合わせ面のガスケット除去と完全脱脂が重要です。

これを怠るとフルード漏れの原因になりますので慎重に行いますね。

磁石に付着した鉄粉を除去し、オイルパン洗浄後に再装着します。

排出された分のフルードを補充し、一度完全暖機しますね。





いきなり高額な本命ATFを使用する前に、まずはプレ洗浄を行います。

使用するプレ洗浄ATFは(NUTECニューテック NC-RF リンシングフルード)    弊社が企画しニューテックさんに開発していただいたのが、NC-RFプレ洗浄専用フルードです。  http://minato-motors.com/blog/?p=17434



専用アタッチメントをATに装着して、全量イッキに圧送式交換しますね。




・左奥に見えるのが新油モニターのNC-RF
・中央ビーカーは交換前の廃油
・手前右のクリーニングモニターは交換後の状態。



オイルパンを脱着洗浄してプレ洗浄をし、やっとここまでキレイになりました。



本命ATFはニューテックNC-65 全化学合成ATF(エステル系)
極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベル。


元々大排気量・高トルク輸入車の多段AT用に開発されたNC-65は、高品質な全化学合成基油を贅沢に使用して基本油膜性能を強化しています。

また均一で極薄な油膜によってローフリクション・ハイパフォーマンス。


同時に耐熱性能を純正よりも大幅にUPし、ストリート走行レベルではなかなか劣化しない耐久性を確保しています。



全化学合成のATFを使用する理由はシフトフィーリング向上・伝達力向上などいろいろありますが、一番大きいのはロングライフ化にあるのですよ。



NC-RFとNC-65を入れ替えて、もう一度全量圧送式交換を行います。



完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約6万キロ。

その時はオイルパンを脱着洗浄は不要で、プレ洗浄と本命ATFので圧送式交換でキレイになります。


フルードクーラーを洗浄後して規定温度でフルードレベル調整を行いました。




整備リフトからアライメントリフトに移動して、1G締付を行います。


前回ブログでサスペンションの分解整備を行いました。   サスペンションの再組付け時には(1G締付)が必須作業ですよね。





4輪が接地した状態でブッシュを固定しているボルトナットを緩めて、不要なテンションを一度開放します。

テンションが無くなったフリーの状態で、もう一度ブッシュ固定ボルトナットを再締付するのが1G締付作業。


これをしないと捻じれたブッシュ状態で走行する事になるので、せっかく交換したブッシュが早期に破損劣化しますよ~。 また乗り心地も悪いままです。



1G締付が理解できない方は一度グーグルにて検索してくださいね。親切に解説している記事等がありますよ~。



1G締付後に軽く試運転をして、ブッシュを馴染ませてからホイールアライメント調整を行います。

サスペンションアームを交換し、ショックアブソーバーも交換したばかりの状態はこんな感じで数値はバラバラです。



つまりサスペンション整備をしてホイールアライメント調整を行わずに走行するのは全く意味がない事がこの数値で良く分かると思います。


けれどもほとんどの自動車整備工場には、ホイールアライメントテスターは完備されておらず、ディーラーさんも例外ではありません。


サスペンション整備の重要性と理解度が低い日本の自動車整備事情は、令和になってもこんな感じです。

乱れた数値を整えるのがホイールアライメント調整。


CX-5の場合は世間一般的には(フロントトゥ・キャンバー)(リアトゥ)の3点のみが調整可能と言われています。


弊社ではそれに加えてフロントキャスターとSAI・包括角度等も調整しています。


決まる時は短時間で出来るのですが、車種や個体差により四苦八苦する場合も良くあります。簡単そうで大変なんです。



車体下に潜りこんで調整カムやボルトナットを締めて緩めてをしながら、全体的にバランスを調整します。

少しずつ少しずつ基準値に近づけながら、左右差を整えますね。



最終的にはこんな感じになりました。


左右の数値が全く同じになる事は無理ですが、ほぼほぼキレイに整いましたね。


この後にフロントのタイロッドエンドのナットを調整して、ステアリングセンターを調整すれば、真っすぐ走る車両になりました。



皆さんの愛車はステアリングのセンターがズレてませんか??

シートに深く座りポジションを整えて、ハンドルをしっかり握って真っすぐの直線道路を運転した時に、ハンドル中央は正確に真ん中を示していますか?



職業柄で毎日いろんな方の車両を試運転しますが、結構ハンドルセンターがズレて走っている車両が多いですよね。   (私なんかはこのズレが気になって仕方がないので、オーナーさんは気が付かないのか?気にしないのか??不思議に思います。)




またショックアブソーバーやブッシュ等が劣化した状態で、ホイールアライメント調整をしても意味ないですから。


劣化したサスペンションでホイールアライメント調整は、(ただの数値合わせ)の意味ない作業だと思っています。


サスペンションを総合的にリフレッシュ整備して、ホイールアライメント調整をすれば本来の走行性能が元に戻り、一層走りやすい愛車になるでしょうね。


次回ブログは第3部で完結編になりますよ~。


スカイアクティブDの吸気系に堆積する煤を除去し、インジェクターやDPFをマルチサーブでの洗浄を紹介しますね。


それではHAPPY CAR LIFE!!







2021年11月7日

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