大阪府からハイエース KDH206 クリーンディーゼル エンジン振動・加速不良。 マルチサーブでインジェクター・DPF・インテークのシステム洗浄。
弊社ではハイエース200系のコモンレール式クリーンディーゼルに『マルチサーブ』をおススメしています。
・インテークカーボン洗浄システム
・インジェクター、ターボフィン洗浄システム
・DPF洗浄システム
前回ブログではハイエースKDH211のインジェクター洗浄システムとインテークカーボン洗浄システムを作業させていただきました。
http://minato-motors.com/blog/?p=35414
煤が溜まりすぎて不具合が発生する前に、予防整備としてマルチサーブを依頼されました。
今回のブログは状態が悪い例で、不具合が発生しエンジンコンディションが低下してから依頼をいただいた事例になります。
大阪府堺市からお越しいただいたのはハイエースKDH206
・マルチサーブ インテークカーボン洗浄システム
・マルチサーブ インジェクター洗浄システム
・マルチサーブ DPF洗浄システム
の3点を依頼されました。
不具合箇所、不満点。
・アイドリング不調でエンジンが振動し、加速も明らかに悪い。
・インジェクター補正数値は不具合(振動)が出るほど悪くはないが、良好とは言えない数値。
オーナーさんは中古車購入をし、数年は問題なかったのですがここ最近は不具合が気になってきたようです。
エンジン警告灯も点灯しておらず、エラーコードもありません。
そこでスキャンツールを接続しデータモニターの数値を観察。 2点ほど気になる項目が不安定な数値を叩き出していました。
前回ブログのハイエースのような感じでは収まらない事をオーナーさんに説明し、マルチサーブの作業を始めました。
この時点で結構な量の煤(カーボン)が堆積していますね。
煤が吸気の乱気流で、インテーク上流まで汚しています。
EGRバルブはこのように煤だらけ。
ここでこんなに堆積していれば、おそらくインテーク下流のインテークマニホールドやエンジンヘッド側のインテークポートも酷いと想像できます。
水冷EGRクーラーはそこまで酷くはありませんでした。
やや煤が堆積している程度で想定内です。
マルチサーブ インテークカーボン洗浄システムは、
・吸気シャッターバルブ
・インテークダクトパイプ一式
・水冷EGRクーラー
・EGRバルブ
上記の部品を分解清掃して、それ以降のインテークマニホールドやエンジン側はマルチサーブのケミカルで洗浄するのが基本内容。
通常はこれで作業が終了します。
ですが不具合の度合いが酷く、インテークマニホールド以降も煤堆積が酷いと判断した場合は、別途費用と日数は掛かりますがエンジンポートが見えるまでインテークマニホールド等を分解します。
エンジン側インテークポートには大量の煤が堆積し、奥に見えるはずのインテークバルブが全く見えません。
分解したインテークマニホールドは出口の穴が塞がりそう。
煤堆積が酷く、バルブフラップも硬く固着していました。
こうなると吸気抵抗が大きくなり、吸気充填率が著しく低下。
低速トルクの薄くなり、加速が鈍くなる。
空気を吸ってナンボのディーゼルエンジンが、空気を吸えない状態になるといろんな不具合が発症するのです。
(燃費悪化・振動・息つき・加速不良・DPF劣化・インジェクター劣化など)
バキューム制御しているバルブ等の作動確認。
スイッチバルブやダイヤフラム不良の場合は、新品ASSYが必要になりお預かり日数が増えます。
マスキングをしてドライアイスペレットを高速噴射で煤を完全除去するDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を行いたいところですが・・・。
ボンネットタイプのランドクルーザープラドのように、ドライアイス洗浄が出来ないのです。
http://minato-motors.com/blog/?p=34663
ハイエースは作業スペースが狭いのとマスキングが大変なので、DSCは採用していません。
そこである程度の部分までは手作業で除去し、取り切れなかった煤堆積はマルチサーブで除去洗浄する方法を採用しています。
ハイエースには費用対効果を考慮するとこの方法がベストでしょう。
エンジン側の吸気ポートはホジホジして煤を除去し、奥に見えるインテークバルブ傘部やシャフト部もある程度キレイになったと思います。
これぐらいの煤ならばマルチサーブで十分キレイになるでしょう。
インテークマニホールドはピカピカになるまで洗浄しました。フラップの固着も解消し再利用が出来そうです。
インテークマニホールドやEGRバルブ・水冷EGRクーラー等を組み立てますね。
もちろんガスケットは純正品を使用します。
冷却水のホースは交換して、熱劣化で破損しているカプラーも修復。
エンジンを始動し、少し暖機します。
マルチサーブ インテークカーボン洗浄から始めますね。
マルチサーブのホースを吸気シャッターバルブに装着。
エアインテーククリーナーをマルチサーブに投入。
吸気シャッターバルブに接続したホース先端にはアトマイザーがあります。
これで専用ケミカル(エアインテーククリーナー)が超微粒スプレーで噴霧(30秒間隔で1秒噴霧)。
吸気の流れに乗って徐々にインテーク内部にケミカルが侵入し、煤塊に到達します。
決してケミカルで煤を溶解するのではありません。 固着した煤の結束を緩めるだけです。 (煤を溶解するほど強いケミカルはエンジンを痛める。)
結束さえ緩んで煤がバラバラになると、吸気の流れに乗って燃焼室で燃焼します。
・吸気シャッターバルブ
・エアダクトパイプ
・EGRバルブ
などに大量に煤が堆積しているとインテークポート奥までケミカルが届かないんですよね。
であるならば手作業で分解して洗浄出来る部品は洗浄し、出来ないところはマルチサーブでキレイにするのが最適で経済的だと判断しています。
それにね。 エアインテーククリーナー1000mlを何本も使えばいつかはキレイになりますが、このケミカルは結構高額なので多くの本数を使っての洗浄は費用が掛かりすぎますしね。
次はインジェクター&ターボフィン洗浄システム。
専用ケミカルで燃料が流れるフューエルラインを内部洗浄。
同時にターボフィンに到達するケミカルを注入し洗浄します。
燃料タンクからのホースを切り離し、エンジンに直接ケミカルをマルチサーブから流し込みエンジン始動。
ディーゼルシステムパージを投入し、約70分ほどで洗浄工程が終わりました。
ゆっくり確実にフューエルラインやインジェクター内部を洗浄。
ニードル内部や噴霧口の汚れは、なるべく無い方が良いのです。
ディーゼルターボサーブも引き続き投入。
エンジンを掛けながらターボフィンを洗浄します。
次はマルチサーブDPF洗浄システム。
ケミカルは2種類使用します。
DPFに繋がるパイプにマルチサーブのホースを接続し、DPFクリーナー(1液目)を投入。
強力洗浄側にセットして、洗浄作業を進めていきます。
洗浄工程が進み、次はフラッシング。
DPFフラッシュ(2液目)を投入します。
エンジン回転数を上昇させDPFの温度を上げる。
ケミカルの洗浄効果を促進させていきます。
そこからレーシングしDPF内の廃液を排出させます。
詳細は企業秘密でお見せ出来ませんが、パイプ内に流れるDPF洗浄後の廃液はグレーの泡泡でした。
DPFコンディションによって排出される泡の色が違います。
(今回はかなりエンジン燃焼状態が悪かったのでこの色にも納得。)
最後に試運転をして状態を確認。
加速も良好になりエンジンの振動も無くなりましたね。
これならオーナーさんも乗った瞬間に違いが分るでしょう。
乱れていたインジェクター補正値も良好な数値まで回復しましたね。
ビフォーアフターの数値を比べると一目瞭然で、少ない燃料噴射量でアイドリングが維持出来ています。 つまり無駄な燃料噴射が無くなったのです。
インジェクターとDPFのアフターケミカル。
・ディーゼルエクストリームクリーナー
・DPFリジェネレーター
こちらのケミカルは燃料タンクに投入するタイプの遅効的洗浄ケミカル剤です。
マルチサーブで即効的に、アフターケミカルで遅効的にシステム洗浄。
弊社としては今回のハイエースのように不具合が表面化し、異常が出てからのマルチサーブは積極的にはおススメしません。
むしろそうならない為に下記のブログのように、早め早めの予防整備を推奨しています。
http://minato-motors.com/blog/?p=35414
http://minato-motors.com/blog/?p=34199
その方が分解洗浄する費用も安くなりますし、部品も再生出来て余分な部品代も掛からないのですよ~。
ハイエースのマルチサーブの御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。
ハイエースはエンジンのモデルが多いので、初年度登録年月と車台番号もお知らせください。
また不具合の詳細も記載していただけると参考になります。
どうぞ宜しくお願い致します。
それではHAPPY CAR LIFE!!