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第1部  和歌山県からデミオDK5AW。 まだまだ乗り続ける為のDSC&マルチサーブという選択。気付かない間に蓄積した煤をDSCで完全除去!   


本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


今回のご紹介するのは、和歌山県からお越しいただいたのはマツダ デミオ DK5AW 走行距離13万キロ

DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)とマルチサーブのご依頼です。

・エンジン警告灯は点灯無 故障コードも無。

・インテークマニホールドを約1年前に交換、リコールでインジェクターは交換済み。

・今のところ不具合は無いが、まだまだ、乗り続ける為に、エンジンをリフレッシュしたいとのご要望。


以上の内容でメールを数回やり取りさせて頂き、入庫日を決め来店していただきました。

ありがとうございます。




特に不具合が無い車両に高額な整備を施すのはどうなのか?問題が顕著化してからで、良いのではないか?


一般的なオーナー様の思考としては、「出来るだけ、コストは抑えたい」と思うのが普通です。



ですが、近年の車両は、非常に高度にきめ細かく制御され、ある程度の誤差や部品の経年劣化はECU(エンジンコントロールコンピューター)が補正しながら、
作動していますので、少々の事では不具合に至る可能性は低いです。


故に、複雑に制御されている物が、不具合を起こすと、色々な要因が絡み合い、トラブルシューティングを困難にする場面を多々経験してきました。


例えば、DPFの警告灯が点灯、関連コードが記録される。と言ったパターンがあったとしても、単純にDPF本体に問題が有るとは限らない。


ECUは、不具合の結果としてエラーコード示してはくれるが、原因までは示してくれない。



不具合が顕著化する前に、複雑に原因が絡み合う前に、排除出来る問題はあらかじめ排除しておく 予防整備 と言う視点から見た場合、 DSCやマルチサーブは、決して無駄なコストでは無いと確信しています。




それでは、DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)から始めます。

来店時に問診をして、オーダーされた作業内容の確認と説明。

その後、いきなりエンジンを分解せずに、ECUのデータ項目も含めたエンジンの状態をチェックしてから、試運転を行います。この工程で、30分以上掛かります。

長年DSCをやってますと、このチェックと試運転だけである程度コンディションが分かるようになりました。

この工程の手間暇惜しんで怠りますと、作業前 作業後の車の些細な変化に気付かない可能性が有ります。

仮に、何か気付いた事が有っても、それが作業前から起きていたのか?
作業工程上で起きたのか?判断出来なくなるので、非常に重要です。


この時間や手間を惜しみ、利益だけを追求すると イイ仕事 は出来ないのです。



さて、このお車の試運転の感想としては、マニホールドとインジェクターを交換してるはずなのに、もう一つリニアにふけ上りが足りないような感覚…
レスポンスが良くないな…



スキャンツールでライブデータを見ても異常な数値を示す物はありませんでした。



インテーク系のパーツを順番に確認しながら、分解していきます。



EGR系統は、一年前にマニホールドを交換してることもあって、比較的 煤の蓄積は少量です。





スロットルボディには、少量のエンジンオイルが付着していますが、ガスケットからのエンジンオイル漏れを起こす程ではありませんでした。


ここに大量のエンジンオイルが到達するとガスケットのゴムがふやけて、オイル漏れを起こすケースも多いです。


ある消耗部品を使い続けると、大量にエンジンオイルが流入します。



インテークマニホールドが分解できました。



ここにも少量のエンジンオイルが到達していまが、インテークマニホールドを交換していることもあって、定番のマニホールドのクラックによるオイル漏れもなく、煤の量も少量の蓄積でした。




インテークマニホールドに内蔵されたインタークーラーを見てみます。

少量のエンジンオイルが付着していますが、通路を塞ぐ程の煤の蓄積量ではないです。

当然、後ほどインタークーラーも綺麗に洗浄します。



エンジンの8個あるインテークポートの内部様子を確認します。

直近でインテークマニホールドを交換しているようですが、インテークポートを覗いてみますと…

煤は、ノータッチな様子…

ここが一番重要ポイントなんですけどねー…

スカイアクティブD2.2に比べて1.5Dは、ポートの口径が一回り小さくなっています。

そこに煤が大量に付着すると、2.2Dに比べて、ポート体積自体が少ないので吸気効率低下起こしやすく、小径で奥深く複雑な形状で成型されています。

よって2.2Dに比べて、更に作業性も悪い上確認し辛い。





これでは、幾らマニホールドを交換しても、原因の元を解決していないので、レスポンス向上、煤の軽減にはならないですね。


ポート直径が、小さく狭くなり、ポンピングロスが大きくなると、吸気抵抗が上がりレスポンスの悪化の原因を作ることになる。 

また、スムーズに吸入吸気を取り込め無くなることで、要求された酸素量も必然と少なくなる。



更に、煤によりポート内部形状が異形になり、設計上最適とされた、空気の流れ(タンブル流)も綺麗に発生し辛くなる。


これによって、計算上最適な空気(酸素)と燃料が有っても、混合分布に偏りが発生し燃焼にムラが起り、完全燃焼できない。


また、不完全燃焼で生成された煤(燃えきれなかった燃料)は、一部は吸気系に還流され、インテークに蓄積、また一部はDPFに蓄積しフィルター自動再生を繰り返す原因の元となり、負のスパイラルが形成され行く。

つまり、煤が大量に発生すると言う事は、せっかく買った燃料を煤に変換し、捨てている事と同じ。




それでは、DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)の準備が整いました。

手で触ると簡単に砕けるくらい柔らかい ペレットドライアイス



この様なペレット状のドライアイスを高速噴射して蓄積した煤に当てますと、急速冷却された煤は、縮みクラックが発生し隙間が生まれます。

その隙間に更にドライアイスが入り込んで、昇華爆発力(爆発的に気体に戻る力)利用して、ポート内部の金属面にダメージを与えず、煤だけを除去します。

サンドブラストの様な物体が衝突時に起こす研磨力を利用しないのが、ドライアイス洗浄の最大の特徴です。

尚且つ、ドライアイスは昇華して気化しますので、残留物は残らない。




インテークポートのクリーニング手段としては、ケミカル溶剤、手掘り、ウォルナット(クルミ殻)ブラスト等色々な洗浄方法が存在する事は、2015年 約9年前にDSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)を立ち上げる際に候補にしました。


D・S・C Project   ディーエスシープロジェクト
http://minato-motors.com/blog/?p=5905


しかし、奥深く複雑なポートの内部を残留物を一切残さず、完璧に洗浄出来る方法は、ドライアイス洗浄しか無いと考え、導入コストは高額でしたが採用しました。

それでは、早速1ショット打ってみます。
ドライアイスが当たった所だけ、綺麗に除去され、母材は無傷で残留物は有りません。

これを、繰り返して8ポート全数洗浄していきます。


たまに、質問を受けるのですが、この除去された煤は何処に行くのですか?

ご安心ください。

企業秘密になるので、お見せ出来ませんが、ドライアイスがで除去された煤は、除去した瞬間 オリジナルの回収装置で完璧に回収され、産業廃棄物として処理されます。

よって飛び散ってボディーを汚すことは有りません。


8ポート全数洗浄完了。


一目瞭然。画像を見るだけで、お分かりいただけたでしょう。

1気筒1気筒丁寧に作業し、煤、キズ、残留物を一切残さない
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)が完璧な仕上がりで完了、8ポート全数、本来のポート形状に戻すことができました。


各パーツも洗浄が完了しました。



新車時に近い状態にまで、完璧に綺麗に洗浄する事で、インテーク系の煤によるトラブルは解消されます。

もし仮に洗浄後もトラブルが解消しない場合は、インテーク系の煤が原因では無いと容易に判断できる点も、DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)のメリットの一つと言えます。

完璧に新車の状態を取り戻せない洗浄方法だと、因果関係がはっきりしないまま完了する可能性があります。



オーナー様のオーダーで新品のインテークマニホールドを使用して、再組立てを行います。



冷却水を充填し、各部圧力テストを行い、漏れが無いのを確認。
また、圧力不良の原因となる、ラジキャップも新品に交換します。

以上で DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)のパートは終了です。


本ブログでご紹介しているお車のオーナ様は、弊社とのメールのやり取りの段階では、車のコンディションに対して特に違和感は感じておられませんでした。


しかし、インテーク系を点検しますと、オーナーの知らぬ間にゆっくりと、ゆっくりと、エンジン内部で煤が大量に蓄積していました。


どうしても、煤の蓄積はゆっくりと起こりますので、日頃乗っていてもレスポンスの悪化に気付かない。


レスポンスも悪くパワーも出ない事に、気づいていないので、無意識にアクセル開度を開ける。当然、燃焼状態が良くないので、無駄に燃料を煤に変換して消費してしまう。


このマイナスの連鎖が起っていたようです。




回転数が、ある程度上がった領域から、遅れて効いてくるターボ。
いわいるドッカンターボのようなフィーリングに、貴方の愛車はなっていませんか?


問題が顕著に浮き彫りになる前に、その主な原因を予め取り除く「予防整備」 と言う視点が重要と言うのは、この様な事例を多く見てきたからです。



スカイアクティブDの完全煤除去作業 DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を施工し、更にマルチサーブを用いてトータルにクリーニングを
完璧に出来るプロショップは、弊社しか無いと自負しております。




次回
スカイアクティブDの定期的メンテナンス。
マルチサーブを用いた、インジェクター・DPFのシステム洗浄に続きます。

DSC・ATF交換・マルチサーブの御見積/ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。http://minato-motors.com/contact/

正しいメンテナンスをすればマツダSKY-Dは長く良い状態で使用出来ますよ。
それではHAPPY CAR LIFE!!

2024年10月30日

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