D・S・C プロジェクト 前編 直噴エンジン インテークバルブ カーボン蓄積 WAKO’S RECSで洗浄できる??
『D・S・C Project ディーエスシープロジェクト』 前編
直噴エンジンの最大の欠点である
レクサス・トヨタならD-4 GRエンジン (2GR 3GR 4GR -FSE)など
主力エンジンがそれらに該当します。
(クラウン・マークX レクサスIS・GS に搭載)
上記画像に写るインテークバルブは
クラウン 180系 4GR 6万キロ走行車の画像です。
皆さんが想像している以上に酷い状態になっていませんか?
このような状態にナゼなるのか?
なにが悪いのか?
それを分かりやすく簡単に説明しますね。
直噴エンジン(筒内直接燃料噴射)は燃焼室内に
直接燃料を噴射しています。
従来型エンジン(ポート式燃料噴射)では
エンジン燃焼室やインテークバルブの上流から
燃料を噴射しています。
燃焼室内か?外か?の違いです。
(内・外 両方あるエンジンもあります。)
ポート式噴射に比べて直噴のメリットは
燃料をダイレクトに燃焼室に送り込み
緻密なコントロールがしやすいので
燃費やパワーの向上が期待できる
燃料噴射システムなんですよね。
ですがデメリットも有ります。
その最大の欠点がインテークバルブに蓄積するカーボン。
直噴は燃焼室内で燃料を混合気にします。
(気化したガソリンと空気 = ベストな混合気)
高圧噴射されたガソリンは非常に小さな水滴で
まだ液体から気体になりきっていない状態なんですよね。
(気体噴射ではない。霧状)
水滴状のガソリンが完全気化する前に着火。
滴状表面の気化した物だけが燃焼し
芯部の液体部分は炭化してスス(カーボン)になります。
(燃え残り 燃料ムダ)
新車のうちはキレイに気化して
完全燃焼してくれるのですが
運転条件やメンテナンス次第では
徐々に燃焼状態が低下しカーボンが蓄積して
さらに悪化していきます。
吸排気バルブのオーバーラップ
トヨタ GR D-4特有の内部EGR機構
オイル混じりのブローバイガスの流入
これらの要因でさらに蓄積が加速していきます。
ところで蓄積するとどうなるのか? もうお分かりですよね。
設計通りの気流が燃焼室で生まれず
燃料が上手く混ざらず、未完成の混合気に。
そうなるとススが出て、さらに溜まるという繰り返し。
計算上のスワール(渦気流)が乱れ、
効率よく混合気にならない。
結果 → 新車時から比べて燃費ダウン・パワーロスに。
このカーボン蓄積を解決する代表的なものがWAKO’S RECS。
(弊社もオススメしています。)
洗浄液をインテーク上流から送り込みカーボンを除去する
画期的かつ安価なシステム。
蓄積が少ないうちは良いのですが
ここまで大量に溜まったカーボンには
あまり効かない事が分かりました。
正確に言えば大量すぎて落としきれないのが現状。
しないよりした方が良いのですが・・・ね。
他に対処法がなかった・・・ 今日まではね。
よくある燃料系ラインに機械を接続し、
洗浄液を噴射するサービスがありますが
直噴エンジンの場合、インテークポートに噴射ノズルが無い為
どう考えても洗浄液が届かないのですよね。
図を見れば分かるように
WAKO’S フューエルワンなどの
燃料タンクに注入する添加剤も同様に届かないのですから。
(ポート式噴射には有効かもね?)
自分の愛車はエンジンオイル交換をマメにしているので
カーボンの蓄積は無いだろうと思われる方・・・・。
残念ですがバットニュースです。
この6万キロのGRエンジンは
オイル管理は完璧なんですよね。
ほぼスラッジも無く、エンジン内部もキレイ。
でもバルブにカーボン蓄積は大量にある。
(オイルメンテ) と (インテークのカーボン蓄積)は関係なく、
直噴システム自体の構造的なものなんです。
走れば走るほど、必ず溜まっていきます・・・。
ミナト自動車ではこれらの問題を解決するため
6万キロ走行のテスト用GRエンジンを入手しました。
実車では何度も蓄積を目視確認していますが
テスト&対策となるとデモ機が必要なので。
サージタンクを外すとブローバイのオイルでベトベト。
エンジンオイルが燃焼室に流入しているのが分かりますね。
吸気流量を変えてスワール気流(横回転気流)を発生させる
スワールバルブもこんなに真っ黒。
当然その先も汚れているでしょう。
さらに奥まで外せばやっとインテークポートに辿り着きます。
そしてそのインテークポートを覗き込むと
最初の画像が見えてくるのです。
カチカチに固着したカーボンは非常に強固。
強溶解力のキャブクリーナーでもなかなか落ちませんよ~。
また安易に作業して剥がれたカーボン片が
燃焼室やバルブシートに入ってもエンジンが不調に。 (圧縮漏れ)
それが6気筒なら12ポートあるので
手作業ではものすごい時間が掛かり
しかもキレイに落とせない。
じゃ~どうすればイイのか? 新車状態には出来ないのか?
ミナト自動車では今まで手が付けれなかった
インテークカーボンの蓄積を除去する為、
完璧に・短時間に・エンジンにノーダメージ
の画期的な整備作業システムを開発しました。
おそらく世界初でしょう。
『D・S・C Project ディーエスシープロジェクト』
前編はこのあたりで。
その画期的な除去装置は
次回ブログ(後編)で紹介しますね。 (DSCの意味もその時に)
http://minato-motors.com/blog/?p=5921
それでは Happy Car Life!!