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高知県から三菱デリカD-5 CV5W リフレッシュプラン 前編。 冷却水漏れは要注意。

高知県からお越しいただいたのは三菱デリカD-5 CV5W ガソリン車4WD 
平成22年式 走行距離16万キロ

提案型整備(リフレッシュプラン)のご依頼です。




10年10万キロ以上走行した愛車をもう一度新車時のコンディションに近づける為の整備を提案しています。

無計画に・バラバラに車両整備をしても、費用が掛かるだけでいつまで経ってもコンディションが回復しない。

ある時期にある程度まとめた整備を費用を掛けて一気に行なわないと、自動車のコンディションは、なかなか回復しないのですよ~。



このように弊社ではリフレッシュプランの必要性をアナウンスしています。

相談内容
・友人から譲り受けたデリカD-5 これから安心して使用したいのでリフレッシュプランを希望。

・セカンドカーなので、お預かり期間は1か月でも大丈夫。


現状の不具合 不満点
・ハンドルが重いような気がする。
・乗り心地がフワフワする。




リフレッシュプランでは無償代車も用意しており、お預かり期間は整備予算にもよりますが、2週間預かりが多いですね。



不具合・不満点から見ると(デリカD-5 CV5W特有の劣化)と(今後に備えた予防整備)が今回の車両に行う整備内容かな?とメール相談時に思いました。





予約入庫してもらい、問診をします。
メールでは分からない不具合点や希望整備・整備の方向性などをお話ししています。



今回は代車は不要と言う事で、電車にてお帰りになりました。

早速試運転をして、事前ホイールアライメント測定。


ガソリンエンジン整備の基本 排気ガステスト
燃焼状態を確認します。


バッテリー・オルタネーターの充電発電状態をチェック。


どちらも良好ですね。







整備リフトでリフトアップ。
タイヤを外して足回り・下回りを点検。

エンジンルーム内も点検します。



エンジン下回りをチェック。
フロントバンパー下部にLLC漏れ有り。



デリカD-5特有の故障 ラジエタータンクからのLLC漏れ。

問診時にエンジンルーム内をチェック。
LLCリザーバータンクの液面がLOWを下回っていました。



ラジエターキャップを開けてLLCの状態をチェックし、エンジンオーバーヒートの予兆が無いかを確認。


エンジンにダメージは無かったので、まずは冷却系統の整備をします。


・ラジエターASSY
・ラジエターホース/キャップ類
・サーモスタッド
・ウォーターポンプなど

冷却系統に不具合があると、エンジンがオーバーヒートしますよ~。
そうなると高額なエンジン交換になるので要注意。


ラジエターやウォーターポンプを交換後に、LLC圧送式交換。

ラジエターやエンジンやヒーターコアのLLCを脈動圧送で全量交換。
最後にLLC再生強化剤注入をして、エア抜き作業。



ガソリンエンジンからの微振動。
信号待ちなどで気になりますよね。


エンジンマウント全数交換をしました。
右側と前側は比較的交換は簡単。

ですが左側と後側の交換作業は少し大変ですよ~。





エンジン回転数を微調整する電子制御スロットルボディの清掃初期化。

アイドリングが安定しない場合は定期的な清掃と初期化が必要。
WAKO’S スロットルバルブクリーナーで清掃しました。





スパークプラグも全数交換。
NGK最強のスパークプラグ プレミアムRXで交換しました。

激細の電極で高温の燃焼核を形成し、燃焼効率を高めます。
なおかつ長寿命の高性能スパークプラグ。






カーエアコンリフレッシュαでエアコン冷媒ガスをリフレッシュ。
ニューテックNC-200コンプブーストを注入でコンプレッサーオイルを強化。


・冷媒ガスを回収し、重量測定。
・配管内を真空引きし、空気/水分を排出除去。
・規定冷媒ガス量を重量管理で高速充填。
・NC-200でコンプレッサーオイルも同時注入。

これらを全自動で行うのがデンゲン社エコマックスjr。

年々減少する冷媒ガスは定期的な整備は必要ですよ~。



結果的には規定充填量780gに対して、回収できたガスは550g。

230gほど冷媒ガスが少なかったようです。
冷媒ガスは多くても少なくてもNGなんですよね~。


次回ブログ後編でも引き続きデリカD-5のリフレッシュプランを紹介します。

・サスペンションやドライブシャフト
・ブレーキやハブベアリング
・マルチサーブでインジェクター洗浄システム
・ホイールアライメント調整
などを紹介しますね。


それではお楽しみに~。
HAPPY CAR LIFE!!


和歌山県からトヨタ ハイエースKDH201 白煙・黒煙がマフラーから。マルチサーブでシステム洗浄。後編。

和歌山県からお越しいただいたのはハイエースKDH201 平成22年 走行距離20万キロ


エンジン不調でマフラーから白煙・黒煙が出るハイエースを、マルチサーブ洗浄システムで作業をしています。



前回ブログではインテーク系に堆積する煤をマルチサーブで洗浄しました。
https://minato-motors.com/blog/?p=40891



ハイエースディーゼルのエンジン不調は、空気が流れる上流インテークからクリアしインジェクター・DPF(DPR)と下流に。

(流れを理解し、順番に施工しないと、故障原因には辿り着きにくい。)




今回ブログでは引き続きマルチサーブのインジェクター洗浄システム・DPF洗浄システムを紹介します。




燃料噴射装置のインジェクター洗浄システムを行います。


ボタンを押して画面の指示通りに作業をしますね。



フューエルサプライポンプに繋がるIN・OUTホースにマルチサーブを接続。
(燃料タンクの軽油は使いません。)

エンジンに(ディーゼルシステムパージ)を直接送り込み、エンジンを掛けながら約75分間ゆっくりシステム洗浄します。




安価なDIYケミカルは小容量ですが、マルチサーブのケミカル剤は大容量の1000ml。



時々エンジン回転数を操作しながら、約75分ぐらいで終了。
次は(ディーゼルターボサーブ1000ml)でターボフィン洗浄に移行。



こちらも約70分ほどで作業は完了。




オプション整備(燃料フィルター)(エアエレメント)も交換しました。
フィルター類は汚れ満杯になる前に定期交換しましょう。



最後にDPF洗浄システム。

DPFに繋がるパイプにマルチサーブのホースを接続。

DPF洗浄には2種類のケミカル剤を使用します。


まずは1液目の(DPFクリーナー1000ml)を投入。

次は2液目(DPFフラッシュ1000ml)を投入。

エンジン回転数を上げてDPFの温度上昇。
ケミカル効果を促進させる。



マフラーから廃液が大量に排出されますので、これを回収装置でキャッチ。
途中に確認用のクリアーパイプを付けているので、これで廃液の色を確認します。



今回は灰色に茶色がかった廃液でした。

マルチサーブの作業中は排気ガスが猛烈に臭い。
(工場内で作業をすれば、ヤバい状態。)

DPF洗浄では、泡まみれの廃液がマフラーからドバドバ出ます。
(それが塗装に付くと宜しくない。)


またDPFを強制燃焼すると廃液+異臭+白煙が大量に出ます。
(ボヤ火事か??と思うぐらい)




弊社では廃液・異臭・白煙を近隣にまき散らす事は、プロの仕事としてNG。
排気回収システムを自社開発し作業をしています。
(マツダSKY-D・三菱デリカD-5・ハイエースディーゼル用の3種類)



ディーゼル用排気回収システムを自社開発し使用している整備工場は、おそらく日本中探しても弊社ぐらいでしょう。




そこからDPF強制燃焼を実施。


猛烈な白煙がより一層出てきます。
でも回収システムがあれば、余裕で対応可能。


リフトダウンして試運転。
帰ってきてからスキャンツールでライブデータを確認。



10個以上のライブデータ数値をチェックし、クリア出来たので作業が完了。




2部に分けて紹介したハイエースディーゼルへのマルチサーブ洗浄システム。

ブログで紹介した内容は全作業の70%ぐらいです。
残りの30%は企業秘密でお見せする事は出来ません。



・マルチサーブさえあれば、ハイエースディーゼルの不具合が治る?
・煤さえ取れば、調子が良くなるのでは??


そうならないのがクリーンディーゼル整備の難しさ。
数百台施工し続けないと、なかなか見極めが大変なんですよね~。


・地元ディーラーにて相談したけど、イマイチ乗り気じゃない。
やんわり新車カタログと見積書が出てくる。


・新車への乗り換えを検討しているが、そもそも新車がオーダーストップ。
もしくは納期の長期化。

・中古車も検討したけど、新車が無いので中古車の価格高騰。


仕事で使う(働くハイエース)の場合は、乗り換えよりもメンテナンスへ。
最近はこんな事情があり、相談件数が多いですね。



ハイエースディーゼルのマルチサーブ洗浄システムを希望の方は、HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。



(エンジン警告灯が点灯しています!)
(DPFも警告灯がチカチカしている。)
それでは状態が分からないので警告灯の内訳(ダイアグコード)をお知らせいただけると助かります。


エンジン・DPF警告灯が点灯している場合は、その内訳も教えてください。
ダイアグコードは(Pから始まる数字)で、地元整備工場等のスキャンツールを繋げれば分かりますよ~。




それではHAPPY CAR LIFE!!

和歌山県からハイエースKDH201 エンジン不調でマフラーからの白煙・黒煙!! マルチサーブでインテーク煤除去。  前編。

和歌山県から入庫していただいたのはハイエースKDH201 平成22年式 走行距離20万キロ


ディーゼルの煤除去やインジェクター・DPF等の洗浄で相談されました。



相談内容
・少し前からマフラーから黒煙・白煙が出る。

・地元整備工場でも原因が分からないのでネットで調べると、ミナト自動車に辿り着いた。

・改善したいので見積希望。


こんな感じでHP(お問い合わせフォーム)から相談がありました。
ありがとうございます。


ハイエースに搭載されているKD系・GD系エンジンは、クリーンディーゼルエンジンの中では高耐久性が有るかと思います。


それでも10万キロ・15万キロ走行すると、少しずつ違和感・不調を覚えるでしょう。


燃費が低下した、加速が鈍い、振動が大きい、音がうるさい。

その少しの違和感や不調を無視し続けると、流石の頑丈なハイエースでも故障が表面化してくるのです。


地元整備工場に相談してもスキャンツールを接続して(ダイアグコード 異常コード)が無ければ、故障の解消するのは難しいのが現状。

もしくは関係のない部品まで交換して、(しばらく様子を見て下さいね。)と言われるでしょう。




最近弊社に相談があるハイエース不調は、大体このパターンが多いですね。



HP(お問い合わせフォーム)からの問い合わせから、マルチサーブの作業説明と御見積をメール返信し、予約となりました。



後日入庫してもらい問診と説明。
メールでは伝えきれない内容を口頭で説明し、詳しく症状をお聞きしています。


ハイエースのマルチサーブ 一式は1週間預かり。
代車をお貸ししてお預かりしました。


ハイエースのエンジン・インジェクター・DPFの不調は、吸気~排気までをトータルで診ていかないと解消しません。

DPF(DPR)の警告灯が点灯したから、DPFが悪いわけではない。
(それ以外の原因も考えられる。)




川の流れのように上流から下流に。
エンジン吸気上流から下流の排気へ。
各部品をクリアしていくことが、結果的には近道なのです。

マルチサーブ インテークカーボン洗浄システムから始めます。

まずは『第一段階分解』
吸気シャッターバルブ・EGRバルブ・水冷EGRクーラーなどを外しますね。


インテークマニホールド手前まで分解するのが『第一段階分解』


この時点で煤堆積が酷くなければ、外した部品を洗浄して組み立てる。
そのあとにマルチサーブのケミカル洗浄に移行します。





ですが今回のハイエースは煤がモリモリ堆積。
上流がコレならば、下流のインテークマニホールドやエンジンヘッドなどの煤堆積が心配。


インテークマニホールドまで外す『第二段階分解』に移行します。




アレ! 意外と煤は堆積していないんじゃない??と思ったでしょう。

煤が堆積しているか?を判断するためだけに、インマニを外したんじゃないんですよ。



上記画像 バキューム負圧ON

下の画像 バキューム負圧OFF


負圧を掛けてスワールコントロールバルブを作動させても、フラップが動きませんね。

スワールコントロールバルブが動かないとエンジン低回転時には、強いスワール旋回渦が発生しないので、空気と燃料の拡散が鈍くなります。

低回転時のトルクは薄くなり、必要以上にアクセルを踏むでしょうね。(燃費・加速悪化)


インテークポートも煤で狭くなると、やはりトルクが薄くなり燃焼悪化で煤が発生しやすい。



水冷EGRクーラーに煤が溜まり、EGRバルブにも煤堆積。

燃費向上・振動低下・環境対策。
大容量EGRが効果的に使えなくなると、上記の性能は悪化します。


クリーンディーゼルの定義はまちまち。
・超高圧のコモンレール式燃料噴射。
・大容量高効率EGRの流入。
この2点が出来てクリーンディーゼルかなと私は思います。


その後の環境対策によってDPFやアドブルーや可変ターボなどの装置が増えてきた感じでしょう。


エンジンヘッドのインテークポートは手作業と特殊装置で(ある程度の煤を除去)しました。

残された煤はマルチサーブのケミカル洗浄で対応します。










インテークマニホールドを洗浄し、負圧を掛けるとバルブ開閉もカパカパとスムーズ。



分解した部品を完璧に洗浄。


再利用しないのはガスケット・ホース類ぐらいでしょうか。
熱劣化で破損しているハーネスカプラーも補修しますね。




それでは元の状態に組み立てますね。



組立後に冷却水を補充。
エンジンを暖気してから、ケミカル洗浄が始まります。



インテーク・インジェクター・ターボ・DPFの各専用ケミカル剤。

今回の作業ではこれだけのケミカル群を使用します。

インテークのボタンを押して、画面指示通りに進む。



アトマイザーのエア抜き作業をしてから、インテークの吸気シャッターバルブに接続。




エンジンを始動。

30秒に1回噴霧のインターバルで、霧状のケミカル剤をインテークに流入させます。


吸気流に乗った微細なケミカルが最深部のエンジンヘッド インテークポートに到達。

取り切れなかった煤堆積を洗い流していきます。






このケミカルには硬い粒子の(煤カーボン)を溶かす効果はありません。
結束しやすい煤粒子の結束を緩めるだけ。

ほぐれた粒子は吸気流に流されて、燃焼室内に到達。
高温で燃焼して煤は無くなります。


エンジンにはノーダメージ。
ゆっくり時間を掛けて、75分ほどの洗浄工程。


ケミカル・煤が燃焼するので、マフラーからは猛烈な異臭が出ます。
工場内に異臭が充満すると、耐えきれなくなるほど。



そこで弊社では異臭や白煙・黒煙等を回収する装置をオリジナルで開発。
排気ガスはこの装置で全て回収し、無害化して作業をしています。


垂れ流すとヤバいよ~。






ハイエースKDH201 マルチサーブ インテークカーボン洗浄システムが終わりました。


次回ブログではインジェクターの燃料系やDPFの排気系のマルチサーブ洗浄システムを引き続き紹介しますね。



それではお楽しみに!!
HAPPY CAR LIFE!!

愛知県からハイラックスRZN167リフレッシュプラン後編。リアサスペンションとホイールアライメント調整!

前々回ブログから3部に分けて紹介しているトヨタ ハイラックスRZN167
平成10年式 走行距離16万キロ ガソリン車MT



10年10万キロ以上走行した車両を、もう一度新車時のコンディションに近づける(提案型整備 リフレッシュプラン)でお預かりしています。



https://minato-motors.com/blog/?p=40634 前編
https://minato-motors.com/blog/?p=40703 番外編
https://minato-motors.com/blog/?p=40728 中編


エンジン・MTクラッチ・フロントサスペンション等の整備が終えたので、次はリア側を整備しますね。


リアドラムブレーキ等を分解して、アクスルシャフトを引き抜きます。
シャフトに圧入されているベアリングやオイルシールを交換しますね。




シャフトの根元にあるベアリングは、専用治具SSTがないと交換が出来ません。

グラインダーで削ったりハンマーでガンガン叩かなくても、SSTと油圧プレスがあれば簡単に外せますよ~。




新しいベアリングやオイルシールを組付けますね。

またホーシング側のシャフトシールとオーリングも交換します。


ドラムブレーキのライニングシューを交換して、ドラムは研磨をしました。

(ドラム研磨機は弊社には無いので、こちらは外注にお願いしました。)

ブレーキシリンダのカップ交換。

カップキットで組み替えますね。




リーフスプリングの前後ブッシュとシャックルブッシュも交換しました。
長年の使用でゴムブッシュが割れていますね。



リアブレーキホースを交換して、ブレーキフルードのエア抜き作業&フルード交換。


ブレーキフルード交換は(吸引式・加圧式)の2種類があり、弊社ではどちらでも作業は可能。  ケースバイケースで使い分けしています。

全ての交換作業が完了。

整備リフトからアライメントリフトに移動し、1G締付と車高調整を行います。




<1G締付>
言葉で説明すると長くなるので、(1G締付)で検索してください。
(分かりやすい動画がいっぱいありますので。)


まぁ~簡単に言えば、組付け時にブッシュボルトを本締めすると、4輪が接地した走行時にはブッシュにネジレ負荷が掛かり早期破損します。

そのネジレを解消して、本来のブッシュ性能を発揮するのが1G締付作業。
サスペンション整備の必須作業ですよ~。

サスペンションアームに黄色いテープを貼っている箇所は1G締付が必要。



私の場合は組付け時にはボルトナットは仮締めにして、黄色いテープを仮締めの目印として貼る。   1G締付実施後には赤色マーカーでチェックを入れる。


仮締めして数日後の作業となると、本締めを忘れる可能性があり得る。
ヒューマンエラーを防ぐのに、(テープ&マーカーは有効)だと採用しています。


そこから軽く試運転をして、次は車高調整。
ハイラックスやハイエースはFr車高を調整する機構があるんですよ。



・リアの基準点と地面の高さを測定。
・その測定数値と基準値を比べて、数値差を割り出す。

その数値差をフロント基準値から差し引きして、Frの調整数値を決める。



これも簡単に言うと・・・。
長年の走行でリアが基準値より10mm下がっていれば、Frも基準値から10mm差し引いた数値で高さ調整しましょうと言う事。


そのためにはアライメントリフトでリフトアップし、仮想地平線を赤い糸で引いて、高さを測りながら調整する必要があるのです。



これでやっとホイールアライメント調整の準備が出来ましたね。


・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスターWA470ホークアイ
4カメラ・4ターゲットクランプで高精度のアライメント数値を瞬時に演算。



・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト
国産最高峰アライメントリフト 高剛性で長期に渡り水平レベルを確保。




サスペンションを整備した直後は、こんな感じで数値がバラバラ。

下の画像のようにアライメント調整用カムボルトを中立の位置にして組付けても、こんな感じでバラバラなんです。 

この扇状カムボルトを右に左に回していくと、ボルトセンターが左右に動く。


そうするとロアアームの位置が変化しますので、ロアアーム前側・後側の2本のカムボルトを動かして、Frキャンバー・キャスターを微調整します。




左右のキャスター・キャンバー・SAIを調整後に、トータルトゥとステアリングセンターを調整。


リア側はリジットなので調整は出来ません。


最終的にはこんな感じで整えました。

フロント側はトゥ・キャンバー・キャスター・SAI共にバッチリ決まりました。
リア側は調整不可ですが、入庫時よりは数値が改善していますね。

スラスト角に合わせてステアリングセンターを調整。
これでハンドルは真っすぐになり、直進安定性も改善しました。



最後に試運転。
いつものテストコースを走行し、ブレーキング・直進性・異音・振動などをチェック。

45分ぐらいのコースなんですが、数か所ほど直進性を確認できる道があります。
一見真っすぐの道でも実際は路面が傾いている場合が多い。


ホイールアライメント調整をするには、確認できるテストコースは必要なんですよね。


コーナリングや加速・減速を繰り返し、工場に引き返します。



試運転後には再リフトアップ。
締め忘れやオイル漏れなどのミスが無いかを入念にチェック。

こんな感じの(試運転&チェック)を繰り返して、納車準備が整いました。




納車引き渡し日には、約1時間ほど作業内容を説明。

今後の整備課題やメンテナンス方法などもアドバイスしており、質問等がありましたらお答えさせていただいています。




これぐらいの作業内容だと作業中の画像は250~300枚ぐらい。
・コレがこのように整備して・・・。
・この部品は破損しているので、この部品に交換した・・・。
画像を見ながら作業説明をし、コピーもお渡ししています。



請求書を渡してハイ終わり。ではなく、入庫時の問診同様に時間を掛けて納車説明をさせていただいています。




本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


純正部品を比較的長期間供給してくれるトヨタでさえ、平成一桁年式だと(生産終了部品)が増えてきました。

平成10年式だと27年前の車両なので、致し方がないのかな??と思います。


また全メーカーで年々純正部品価格の上昇どころか、数か月で値上げされるのが最近の傾向。    リフレッシュプランを検討されている方はお早めに。




リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

予約時には整備予算をお聞きしています。
○○年○○月△△△の整備ブログは総額でいくら掛かりましたか?と聞いていただけるとお答え出来ますので、過去の事例から整備予算の参考にしてくださいね。



https://minato-motors.com/blog/?cat=12 過去の事例

それではどうぞ宜しくお願い致します。







愛知県からハイラックスRZN167 リフレッシュプラン 中編。フロントサスペンションとクラッチO/H!

前回・前々回ブログで紹介しているトヨタ ハイラックスRZN167 平成10年式 走行距離16万キロのリフレッシュプラン。


10年10万キロ走行した愛車をある程度の予算を掛けて整備し、新車時の状態に近づける事を提案しています。


前々回ブログから前編・番外編と続いて、今回は中編。
サスペンションやクラッチなどの整備を紹介しますね。
https://minato-motors.com/blog/?p=40634

分解したフロントサスペンションやハブ・ドライブシャフト。
これから劣化した部品を交換しますが、ここまで分解すると利点があります。


交換しずらいエンジンマウントが少しだけ交換しやすくなります。
(作業するスペースが出来るので。)
(その分 工賃が安くなります。)

エンジンの振動を吸収するエンジンマウント左右を交換しました。


ミッション側のマウントは長期欠品中で在庫がありませんでしたので交換が出来ませんでした。(数か月待ち以上とのメーカー返答)


フロントロアアーム ブッシュ&ロアボールジョイント交換。

専用治具SSTを使用して、アームからブッシュを打ち抜いて油圧プレスで圧入。

アッパーアームは個別のブッシュが生産終了。
アームASSYでは在庫が有りましたので、左右ASSY交換しますね。





ナックルのダストシールとアッパーボールジョイント交換。
グリスも入れ替えました。





ハブ・ディスクローターを分解。
ハブベアリングを外してハブを洗浄します。

洗浄後にハブベアリングIN・OUTを交換して、グリスを充填しました。


スタビライザーのブッシュ交換。
一度も交換していないので、ブッシュがガバガバ。






ドライブシャフトブーツをO/H
点検するとドライブシャフトブーツINは、過去の整備でリペア済みでした。

通称(ドライブシャフトの割れブーツ)は、車検に合格するためには有効です。

ですがドライブシャフトを長く良い状態で使いたいなら、個人的にはおススメしません。

なぜなら、充填グリス量が少なすぎるから・・・。
(グリスが少ないと潤滑・耐摩耗性能が落ちますからね。)





純正同等のグリス量だと割れブーツの接着部にグリスが付着する可能性が高く、作業性も落ちる。 手際が悪いと密着不良もあり得る。



トヨタ系の純正ドライブシャフトブーツグリスKITは比較的安価。
ちなみにマツダ系はトヨタ系に比べて2倍ほど高額なので、困ったものです。


純正ブーツグリスKITでO/Hするのがベスト。
ゴムブーツの耐久性も高く、O/Hすればまだまだ使えますから。



それにサスペンション整備をする時に一緒にすれば、分解工賃の重複も省けて経済的。    



フロントブレーキ ディスクローターを研磨して再生。
ディスクローター研磨機にセットして、薄く慎重に研磨していきます。

限度厚みを測定しながら、研磨していきます。
最後に耐熱塗装で化粧直し。

これでまだまだ使えますよ~。







サスペンションアームやハブ等を、車体に組付け。
ハブベアリングを締め付けるプリロード調整。



組付け後にはハブ・ディスクローターの振れチェック。

基準値以上の振れがあると、高速走行時にジャダーが出ます。
基準値に収まるように組付けました。







対向4ポッドブレーキキャリパーO/H。

ピストンを引き抜きシール等を分解。
洗浄後にシールキットで組み立てます。

ピストンには古いグリスが固着していますので、除去してからコンパウンドで磨き上げ。

専用グリスでピストンシール・ダストブーツを組み立てします。





ブレーキパッドはWAKO’S BPR 高性能ブレーキパッドグリスで組立。
バックシムにグリスを塗って組み立てました。

ブレーキホースも全数交換。

フロントは組立完了。

これでフロントはひと段落。


クラッチO/HのためにMTミッションを降ろしますね。


・クラッチペダルが重い。
・クラッチミートポイントが分かりずらい。
・ペダルの遊びが大きい・小さい
・クラッチが切れづらく、シフトが入りずらい。

クラッチが滑っていなくても、長期間・長距離走行していれば、クラッチ機構は劣化しています。


今回のハイラックスRZN167はクラッチの滑りは無いが、ペダルの違和感と重さを感じました。


オーナーさんも気にされていたのでクラッチO/Hを希望されました。



お約束のレリーズベアリングの潤滑不良&ベアリング劣化。
ペダル操作が重かったり、シャーと異音があると寿命です。



新品レリーズベアリングに薄く適量グリスを給油。
スプライン部も清掃してグリスアップ。

・フライホイール
・クラッチディスク
・クラッチカバー
・パイロットベアリング


フライホイールまで分解する機会は少ないので、今回の整備でエンジンクランクリアオイルシールも交換します。


滑ってはいないけど摩耗はしているクラッチディスク。
厚みが8.4mm→6.0mmになっていました。



アドペチプド・シールロック剤をフライホイールボルトに塗ってから組み立て。

ディスク・カバーを装着しMTミッションを元通り。
クラッチレリーズシリンダもカップシール交換をしました。

次回の後編ブログではリア側の整備と納車までの様子を紹介しますね。

・リアサスペンション
・リアアクスルシャフトベアリング
・ホイールアライメント調整
・試運転 納車準備
・納車時 作業説明

それではお楽しみに!!