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大阪府 ハイエースKDH201 リフレッシュプラン 3部作 中編。 サスペンションとブレーキ整備。

本日もミナト自動車ブログ(日々是好日)にお越しいただきありがとうございます。

前回ブログから引き続いて、大阪府から入庫したトヨタ ハイエースKDH201 平成25年式 走行距離36万キロのリフレッシュプランを紹介しますね。




リフレッシュプランはある一定の年数・走行距離が経過した愛車は(ある程度予算を確保し、イッキに整備した方が結果的には経済的)だとアナウンスしています。

無計画にバラバラな時期に整備するよりも、まとめて整備した方が(効果的で高賃も節約できますよ。)のが3部作のブログで伝わればと思っています。

前編ブログでは車体からエンジンを降ろしてのエンジン系整備を行いました。
https://minato-motors.com/blog/?p=42010




今回中編ブログはサスペンションなどの足回り・下回りの整備を紹介しますね。


Frロアアームのブッシュ交換。
油圧プレスとSSTで圧入交換しました。


4WDと比べると2WDのFrロアアアームブッシュ交換は簡単ですね。
(但しSST専用工具があればですが。)

ストラットバーブッシュも一式交換しました。

このブッシュでキャスター角を決めており、摩耗でガバガバになるとホイールアライメントが大きく乱れますよ~。








・Frナックルからハブ-サブASSYを分解。
・ハブからディスクローターを分解。


Frハブベアリングを交換しますね。
(これも交換にはSSTが必要。)


外したディスクローターを研磨再生します。

ディスク面の凹凸が酷いですが、数回の研磨作業でフラットにします。
(もちろんディスクの厚みを測定しながら。)


最後に耐熱塗装をしてフィニッシュ。

研磨したディスクローターと交換したハブベアリング。

組付けて(ディスク振れチェック&調整)
これを怠ると高速ブレーキング時に振動が出ますよ~。
振れが最小になるよう組付け調整しました。



これは新品ディスクローターでも、研磨したディスクローターでも同様に必要な作業です。  ですが意外と省いている整備工場は多いでしょうね。


ロアボールジョイントを交換して、アッパーアームASSYとショックアブソーバーを交換しました。




アッパーアームのボールジョイントは単体部品供給がないので、アームASSY交換になります。



ブレーキパッドはシムキットも交換して、WAKO’S BPR高性能ブレーキパッドグリスで組立。


ブレーキキャリパーもO/H。
キャリパーを分解洗浄して、シールKITで組立。
ホルダー側も洗浄してブーツ交換・グリスアップ。




フロントサスペンションやブレーキなどを組立完了。

スタビブッシュ一式も同時交換。







次はリアサスペンションなどを整備します。

アクスルシャフトを引き抜いて、ベアリングとオイルシールを交換しますね。

SSTと油圧プレスでシャフトを分解し洗浄。

シャフトからベアリングを抜き取るにも、SST専用工具が必要。
弊社では(早く・簡単に分解出来るよう)SSTは自社製作しています。




新しいベアリングとオイルシールで組立ますね。
位置決めが悪いとオイル漏れになりますので、圧入位置を測定しながら組み立てます。







リアブレーキライニングシュー交換。

すり減ってガバガバなリアブレーキでは制動が弱く、コントロールがしにくいですよね。


ブレーキシリンダのカップKITも同時に交換しました。

ブレーキドラムは研磨にて再生。
組立後にクリアランス調整をしました。


通常リーフスプリングブッシュは打ち替え交換するのですが、走行距離36万キロで今後も重い荷物を積載するので、左右リーフスプリングはASSY交換しました。


同時にショックアブソーバーも交換しますね。

エンジン・サスペンション・ブレーキの組立整備が完了。

エンジン始動前に前編ブログで抜いていたAC冷媒ガスのリチャージと、LLCを圧送式交換を行います。



・カーエアコンリフレッシュαでAC冷媒ガスをリチャージ。
・ラジエターリフレッシャーでLLC圧送式交換


エンジン始動をしながらの並行作業。
最後にLLC再生強化剤を注入し。エア抜き作業。

ラジエタータンクキャップも交換しました。



これでタイヤを付けて整備リフトから車体を降ろす事が出来ますね。



中編ブログはここまで。

次回の後編ブログではATF交換・マルチサーブ洗浄・ホイールアライメント調整などを紹介します。

お楽しみに!!
HAPPY CAR LIFE!!





大阪府 ハイエースKDH201 リフレッシュプラン 3部作 前編。 エンジン降ろして全周整備。オイル漏れ・煤堆積・タイミングベルト交換などなど。

本日はミナト自動車ブログ(日々是好日)にお越しいただきありがとうございます。

トヨタ ハイエースKDH201 平成25年式 走行距離36万キロ
地元大阪府からリフレッシュプランの依頼で入庫しました。


弊社のリフレッシュプランとは(10年10万キロ以上走行した愛車を、ある程度の費用を掛けて、もう一度新車時のコンディションに近づける)整備メニュー。




もちろん新車にはなりませんが、どこまで整備をし新車に近づけれるかを紹介しますね。


今回は紹介内容が多いので、3部に分けてお伝えしますね。

問診をしてから試運転。

ECUのダイアグコードやライブデータを確認し、事前ホイールアライメント測定を行います。

整備リフトに移動しリフトアップし、タイヤを外して車両点検。


バッテリーアナライザーで充電状態をチェック。
足回り下回りやエンジンなどを入念に点検しますね。


その点検結果から、整備プラン見積を制作。
オーナーさんと協議し内容にOKがいただけたので作業を始めますね。

リフレッシュプランでは予約入庫前に前金をお振込みしていただいています。

サスペンションなどの足回り下回りの部品は(そんなに頻繁に交換する部品)ではないので、メーカー在庫が薄い。

入庫してからそれらの部品を発注し在庫切れでは、納期に間に合いません。




そこで(事前に交換すると決めた部品類)は、事前に取り寄せしておく。

ブレーキやエンジン補器類の部品など在庫切れの可能性が低い部品類は、
整備プラン見積確定後に発注しています。

まずはフロントサスペンションを外しました。


今回の車両はエンジン整備の比重が多い内容です。
・ウォーターポンプやタイミングベルト交換
・ディーゼルインテークの煤除去
・排気側のアディショナルインジェクター洗浄
・エンジンヘッドカバーガスケットからのオイル漏れ
・劣化したエンジンハーネス交換


エンジン回りの整備が多く、狭いエンジンルームに上体を突っ込んで作業するのは大変。


フロントサスペンションが外れている時なら、簡単にエンジンが降ろせますのでサクサクッと分解して車体からエンジン/ATを降ろしました。



この状態でならW/Pやアディショナルインジェクターやハーネス交換の作業性は良好。


昇降式電動テーブルリフトに載せた状態で、各部品を交換作業。
しゃがんだり、覗きこんだりせずに、好きな高さで整備可能。

整備士的には非常に楽チンです。



長年オイル漏れを放置して走行した結果、ハーネス内にエンジンオイルが混入。

どこからか?ハーネス配線にオイルが侵入し、毛細管現象でリレーボックスまで届いていました。






・ウォーターポンプやタイミングベルトベル交換
・各ベルトプーリー/テンショナー交換
・サーモスタッド ラジエターホース類交換
・オルタネーターワンウェイクラッチプーリー交換
・エンジンインシュレーター交換


分解しオイル汚れを除去。
その後に部品を組み立てます。


オルタネーター ワンウェイクラッチプーリー交換。

おそらくどこかで整備工場でリビルト品のオルタに交換したのでしょう。
装着されていたオルタのプーリーはワンウェイクラッチ式ではなく、ただの金属プーリーでした。


これだとベルトの早期摩耗やベルト異音の原因になるので、使用するのは良くないですね。

新車時と同じ純正ワンウェイクラッチプーリーに交換しました。






エンジンオイル漏れは定番のシリンダヘッドカバーガスケットの劣化。

カバーガスケット一式を交換しました。




ターボチェージャー後ろに装着されている第5のインジェクターが(アディショナルインジェクター)。

DPF(DPR)の強制燃焼用の燃料噴射装置です。




このAd/インジェクターの噴霧状態・エルボパイプの煤堆積などが原因で、DPFの再生頻度増加・再生時間の増加・燃費悪化などがハイエースによくある症状。



メーカーが推奨交換している(対策済みエルボパイプ)装着車でも、不具合が多数ありますので、弊社では定期的なマルチサーブ洗浄をおススメしています。




エルボパイプは特殊洗浄をして再生。
堆積している煤を洗浄して、噴霧状態を回復させます。



次にAd/インジェクターは、単体でマルチサーブ洗浄をを行います。



・Ad/インジェクターにマルチサーブのホースを接続。
カプラー配線には疑似信号を送って、ニードル部をオープンにします。


・マルチサーブからインジェクター洗浄用ケミカル(ディーゼルシステムパージ)を強制圧送。  ケミカルの効果でインジェクター内部や噴霧口の汚れを強制洗浄しますね。



噴霧した後のケミカルは回収し、このあとで行うエンジン/インジェクター洗浄時に濾過再利用します。



・ニードル噴霧口からケミカルが出ているのが良く分かりますね。
15~20分間作動させての洗浄工程。


Ad/インジェクターのバックアップリングも交換し、キャタリティックコンバーターの内部フィンも洗浄しました。


DPF(DPR)の再生燃焼の正常化には、DPFだけではなくこれらの装置のメンテナンスも重要なのですよ。



DPF(DPR)の警告灯点灯・再生燃焼不良は、安易にDPF交換と結びつけますが、実はDPF以外が原因で不具合が起きている場合が多い。

大切なのは(なぜ?DPFが正常に機能しなくなったのか??)を調べなくては意味無いですよね。





排気側と反対の吸気インテーク側の煤をDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)で除去しますね。


通常ハイエースのインテーク煤除去作業はDSCは不可で、車上でマルチサーブのケミカル洗浄を行います。  (狭いエンジンルーム内でドライアイス洗浄をする作業スペースが無いから。)




今回はエンジンを降ろしていますので、作業スペースは十分。

マルチサーブのインテーク洗浄システムをせずに、マツダSKY-D同様にDSCで煤を除去しますね。



インテーク第一段階分解。

これでインテークマニホールド内が目視出来ます。
この時点で煤堆積が酷いので、第二段階分解に進みますね。


・インテークスワールコントロールバルブ
・インテークマニホールド
・エンジンヘッド インテークポート

ディーゼルの煤が大量に堆積していました。





スワールコントロールバルブの動きも渋く、これでは3段階のバルブ開閉制御が出来ず、本来のエンジン性能を発揮するのは難しい。



ディーゼルは吸気流の制御が出来ないと、燃料撹拌がうまく機能せずパワーダウン。     走らないので必要以上にアクセルを踏むと、さらに燃費悪化の悪循環。



DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
唯一無二の弊社オリジナル洗浄系整備。

・マツダSKY-Dや三菱デリカD-5のディーゼル
・ハイエース・ランドクルーザー系のディーゼル
・トヨタ GR系V6ガソリンエンジン
・マツダ直噴ガソリンエンジン  などなど。


弊社が世界で初めて自動車エンジン整備に、ドライアイス洗浄機を用いた整備を実用化したのは10年ほど前かな。




ディーゼル/ガソリン直噴の各エンジンの吸気に堆積するカーボン(煤)を,10年以上除去し続けています。


累積台数は数えてはいませんが、おそらく数千台は施工済み。
この分野に限って言えば(世界一の除去施工台数)だと自負しています。


4気筒8ポート全て煤除去完了。


ビフォーアフターを見れば一目瞭然。

・ディーゼルは空気を吸ってナンボのエンジン。
・吸えないディーゼルなんて本来の性能を発揮出来ない。


施工時の画像を、納車時に見せて説明しています。
皆さんが驚くのは(ここまで詰まっていれば、燃費も加速も悪いのは理解できる。)と。


ディーゼル吸気系のメンテナンスの重要性は、意外と皆さん知らないんですよね。

お役御免のグロープラグも同時に交換しました。


・インテークマニホールドと吸気シャッターバルブを洗浄。

・スワールコントロールバルブの開閉確認。

・水冷EGRクーラーは溶接部のクラックで再利用不可。新品交換。

・吸気ダクトなどは(金属製対策品)に交換。






並行してラジエター関係も交換しました。

ホース・エアフロ・エアエレメントも交換。





ハイエースのエンジンハーネスは、熱劣化で樹脂部分が割れるんですよね。

カプラーぐらいであればリペア可能なんですが、ハーネスを固定している樹脂ステー部分が結構割れるのです。

そうなるとハーネスが部品と接触し、被膜が破れてショートなどが発生。
訳の分からない故障の場合、意外とハーネス破損の可能性もあるんですよ。



今回は整備予算を多めに確保していただいたので、エンジンハーネスASSY交換を提案し交換しました。


エンジンが下りている時なら、比較的簡単にハーネス交換が出来ますね。



組み上げた後、車体にエンジンを装着。
同時にエンジンマウント全数も交換しました。




ハイエースKDH201 リフレッシュプラン 前編はここまで。
次回中編ブログでは下回り・足回りの整備を紹介しますね~。



引き続き宜しくお願い致します。
それではHAPPY CAR LIFE!!

岐阜県 ランドクルーザー100 HDJ101 リフレッシュプラン後編。マルチサーブで煤除去作業。ニューテックATF交換。

前回ブログで紹介した岐阜県 ランドクルーザー100のリフレッシュプラン。
KDJ101 平成19年式 走行距離18万キロ


前回ブログではサスペンションやブレーキなどの整備を紹介しました。
https://minato-motors.com/blog/?p=41772




今回の後編ブログはエンジン・ATなどを整備していきますね。



左右のエンジンマウントを交換。
片側ずつスペースを作りながらマウントインシュレーターを交換出来ました。

なぜかATマウントはメーカー欠品納期未定だったので、交換する事が出来ませんでした。





ディーゼルエンジンのインテークに堆積する煤の除去作業、(マルチサーブ インテーク洗浄システム)を行います。



まずはインテークマニホールド手前までの部品を分解しますね。

これぐらいの煤堆積なら許容範囲でしょう。
分解した部品を洗浄して組立。

インテークマニホールドやエンジンポート内はマルチサーブのケミカルで洗浄し、煤を除去する事にします。





並行してエンジンシリンダヘッドカバーのオイル漏れ修理。
カバーガスケットを交換して組立ました。


ヘッドカバーガスケットとインテークの部品を組み立てて、マルチサーブをセットします。



マルチサーブに(ディーゼルインテーククリーナ1000ml)を投入。

ケミカル噴霧インターバルを設定し、アトマイザーのエア抜き作業。



アトマイザーからケミカルが霧状に微細噴霧状態を確認。


アトマイザーをインテークの吸気系統に装着しますね。

今回は20秒間に1秒の間隔でケミカル噴霧する設定。

・エンジンを掛けると吸気が始まります。

・アトマイザーから霧状に噴霧されたディーゼルインテーククリーナのケミカルが、吸気流に運ばれてインテークマニホールドやポート内の煤に付着。

・煤に付着したケミカルは(煤を溶解する程の洗浄力)はありません。
(固着した煤粒子の結束を緩めるだけ)です。

・結束が緩んだ煤粒子は、吸気の流れに乗って燃焼室に到達し燃焼します。

・手前から順番に煤を洗い流して、燃焼して除去。
約75分間作動させてシステム洗浄していきます。


次はインジェクター洗浄システム。


フューエルサプライポンプにマルチサーブのホースを接続。

ディーゼルシステムパージ1000mlを投入。


・エンジンを掛けながらディーゼルシステムパージを燃料ラインに送り込む。

・サプライポンプ・コモンレール・インジェクター・燃焼室のスラッジなどを洗浄。



約75分間作動させて、ゆっくり確実に洗浄しました。


納車時には燃料系アフターケミカルを手渡ししています。
燃料タンクに投入するタイプの遅効性ケミカルを併用しています。





ATFも交換しますね。

フルードチェックをしてオイルパンを脱着洗浄し、ストレーナーも交換。

オイルパンを洗浄して磁石の鉄粉を除去。

ガスケットとストレーナーを交換して組立ますね。


ATFを補充し完全暖機。
ATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続して、まずはプレ洗浄。


ニューテック NC-RF プレ洗浄専用フルードで全量イッキに圧送式交換を行いますね。


・左奥は新油のNC-RF
・中央ビーカーが廃油
・手前右のクリーナーモニターがプレ洗浄後の状態

プレ洗浄をして、ここまでキレイになりました。




真っ黒のATFがやや透けてきましたので、本命ATFを使用してもう一度交換します。


本命ATFは(ニューテックNC-65)
ニューテック史上最高峰ATF エステル系全化学合成ATF

・極薄で強靭な油膜性能は、ローフリクション・ハイパフォーマンス

・非常に高い耐熱性能はストリート走行レベルの熱負荷では、なかなか劣化しない。(ATFのロングライフ化)


おそらく市販ATFでは最強レベルの油膜性能で、みんカラ等のSNSでも絶賛されていますよね。






余談ですが国産車オンリーの整備工場で、ニューテックNC-65の販売量はおそらく弊社が日本一でしょう。

年間で言えば何百リットル使用して交換しており、弊社ATF交換入庫車両の7割以上がNC-65でのATF交換を依頼されます。


キレイに入れ替わりました。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は6万キロになります。


弊社専売品のニューテックNC-RFとNC-65でのATF交換をご希望の方はご相談くださいね。


カーエアコンリフレッシュαでエアコン冷媒ガスをリフレッシュ。
年々減少する冷媒ガスをリチャージします。



・冷媒ガスを全量回収し重量測定
・真空引きで配管内の水分・空気を除去。
・規定充填量を液化高速充填。
・ニューテックNC-200コンプレッサーオイルを注入し強化。

結果的には約250gほど冷媒が少なかったようですね。
冷媒ガスは定期的にメンテナンスをしましょう。

最後に試運転をして、最終確認。
無事納車となりました。


納車引取時には作業内容を説明をしています。
作業中の画像を見ながら(どのような作業をして、どう改善されたか)をお話ししていますので、約1時間ほどお時間を頂戴しています。


また今後の整備アドバイスをしており、画像はコピーもお渡ししています。


リフレッシュプランのご依頼はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

・車両現状の不具合や不満点
・お預かり出来る期間
・今回のリフレッシュ整備に掛けれる予算
問い合わせ時に3点をお知らせいただけると助かります。



また○○年○○月の△△△の整備ブログ総額はいくら掛かりましたか?と聞いていただけるとお答え出来ますよ。  整備予算の参考にしてくださいね~。


それではHAPPY CAR LIFE!!

岐阜県 ランドクルーザー100 HDJ101 リフレッシュプラン前編。サスペンション・ブレーキをO/H!!

岐阜県から依頼をいただいたのはトヨタ ランドクルーザー100
KDJ101 平成19年式 走行距離18万キロ

車両全体を整備するリフレッシュプランのご依頼で入庫しました。


https://minato-motors.com/blog/?cat=12
過去のリフレッシュプランブログも宜しければ覗いてみてくださいね。

リフレッシュプランのご依頼は全てHP(お問い合わせフォーム)から受付しています。


今回の相談内容
・愛車のランクル101をあと10年は使用したい。

・普段のメンテナンスは地元ディーラーにお任せ。
今回の整備は普段の整備では行わない箇所を中心に依頼したい。

・使用環境は冬に雪は降る地域だが、酷く積もる豪雪地ではない。
下回りの錆腐食もそれほど酷くないと聞いている。

・整備予算は○○万円。   足回り下回りを中心に整備して、残された予算でエンジン・ATなどを整備希望。


メール相談時には(過去の整備事例ブログ)と(その時の整備総額費用)をお知らせしています。

類似車両だと、この内容で(これぐらいの費用が掛かります。)とご案内しており、ご自身の整備予算の参考にしてくださいね。


数回のメールやり取りをして、予約入庫。
問診と試運転をして点検していきます。


・試運転
・事前ホイールアライメント測定
・バッテリーアナライザーでのテスト
・リフトアップし下回りやエンジン等の点検。
・スキャンツールでのECUライブデータの確認。

そこから予算に合わせた整備プラン・見積を提案しました。


整備内容をTELにて説明し、OKがいただけたので作業を始めます。




フロントサスペンションやブレーキ等を分解。


・アッパーアームは個別の部品供給がないので、アームASSY交換。


・ロアアームはアームリア側ブッシュのみ無品供給有り。
サブフレームから圧入交換します。
それ以外は部品供給が無いのでアームASSY交換になりました。



トヨタはある年式ぐらいから一部車種で、個別のブッシュやボールジョイント等を部品供給しなくなり、ASSY交換のみになってしまいます。


個別にブッシュ等を供給してくれれば、もっと安価にリフレッシュ出来るんですけどね~。 

ブッシュには方向性がありますので、外す前にマーキングし、同じ方向で組付けます。


ハブナックルをO/H。

ナックルのオイルシールを交換し、ハブベアリングも交換しました。
グリスも新しく注入します。







フロントドライブシャフトブーツをO/H。

確認すると過去にブーツ交換をしていたようです。
ですが使用しているブーツは社外品の(通称 割れブーツ)

ディーラーさんと言えど、なかなかドライブシャフトを外してまでの整備は敬遠するので、簡単な割れブーツでリペアしたのだと思います。



割れブーツは安価にブーツ破れをリペア出来る優れた商品。

ですがあくまでも応急処置としての商品で、本格的にリセットする為の商品ではないのが弊社の意見。


理由は簡単。
・充填しているグリス量が純正比より半分以下の量なんですよね。
グリス量が半分だと、グリス劣化速度は純正の倍ほど早い。

・ブーツの柔軟性や耐久性も、純正の方が長寿命・高耐久。
しかも純正ブーツグリスKITは意外と安い。



サスペンション整備と同時に行えば、ドライブシャフトの脱着工賃も抑えられる。   バラバラに整備するから高額な工賃が加算されるのですよ。



これでまた10万キロ使用できるでしょう。









フロントデフと右ドライブシャフトの間にあるシャフトベアリングも同時交換。

このベアリングが劣化すると下回りから、変な異音がしますからね。








ブレーキもO/Hします。

・ディスクローター研磨再生
・ブレーキパッド交換
・ブレーキキャリパーO/H



ディスクローターをハブに組付け。

ベアリングのプリロード調整&ディスク振れチェック。

適当に組付けると高確率で振れ過大になり、ブレーキング時にジャダーだ発生します。  ディスクの振れが最小になるように組付けしました。

ステアリングラックエンドをリフレッシュ。

ここにガタがあるとステアリングセンターが決まらず、酷い場合は振動が発生しますよ~。


スタビライザーブッシュを前後交換しました。







リアサスペンションは5リンク式。
個別のブッシュは部品供給無し。
アームASSYで交換しました。

同時にスプリングインシュレーターとバンプも交換します。



外してみるとアームブッシュに大きなクラックがありました。



リア アクスルシャフトのO/H。
シャフトを引き抜いてベアリングとオイルシール等を交換。



ランクルクラスになるとシャフトベアリングの厚みが凄いね。
ハイエースクラスの倍ほど分厚いベアリングをシャフトから引き抜くのは、結構大変。




間違った手順で無理な作業をすると、SSTの工具が破損するか?油圧プレスが壊れるか?のどちらかでしょう。




デフ/トランスファ ギアオイルやブレーキフルード交換


今回ハイトコントロール付きのショックアブソーバーの交換が出来ませんでした。

リアショックアブソーバーはボディとシャシの狭い間に取付ナットがあります。

これが緩むか?」どうか?は下回りの錆状況次第。
錆腐食が酷いと油圧ホースの脱着やショックアブソーバー交換が出来ない場合があるので、入庫してから交換するかの可否を決める事にしました。

(降雪地で使用している車両は、錆腐食の可能性も考慮する必要があります。)



結果的には交換は可能だったのですが、ショックアブソーバー4本中の1本がメーカー欠品していたため、納期が間に合わない為に保留となりました。

後日地元ディーラーで交換していただく事になりました。
(交換自体は難しくなく、再ホイールアライメント調整も不要)


タイヤを装着しアライメントリフトに移動。

サスペンションブッシュの取付時に発生するブッシュの捻じれを開放し、ボルトナット本締めします。これが(1G締付作業)


それを行いながら並行して(車高調整)
実測値と基準値を測定し、フロント車高を調整します。


そこから軽く試運転。
サスペンションを馴染ませます。



・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスターWA470ホークアイ

・国産最高峰リフト イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト


フロント側は調整機構があるので、キレイに整いましたね。
リアはリジットで調整機構がありませんが、これなら全く問題ない数値でしょう。


次回後編ブログではランドクルーザー100のエンジン・ATなどの整備を引き続き紹介しますね。



それではHAPPY CAR LIFE!!

大阪府堺市からハイエースKDH201 マルチサーブ洗浄システム 後編。インジェクター/DPF・DPRをリフレッシュ。

前回ブログで入庫したエンジン不調のハイエースKDH201
平成19年式 走行距離28万キロ。

・マフラー白煙・加速鈍化・DPF再生燃焼の間隔低下。



予約から始まり、マルチサーブ インテークカーボン洗浄システムの作業内容を前回ブログで紹介しました。https://minato-motors.com/blog/?p=41519









今回後編ブログでは、インジェクター/ターボ系 & DPF系のマルチサーブシステム洗浄を紹介します。






インジェクター/ターボフィン 洗浄システム。


エンジンに繋がるフューエルラインにマルチサーブのIN・OUTホースを接続。
(フューエルフィルターと燃料ポンプの間に接続。)



使用するケミカルは(ディーゼルシステムパージ1000ml)。

大容量ケミカルをマルチサーブに投入。



マルチサーブからディーゼルシステムパージを噴射ポンプに送り込み、エンジン始動。 (タンクの軽油は使いません。)


約70分ほど掛けて、ゆっくり確実にフューエルライン&インジェクター内部を洗浄します。



高温・高圧にした軽油は、どうしてもスラッジが僅かに発生します。
そのスラッジが燃料が流れる経路に付着し、問題を起こす。


インジェクターのニードル・噴霧口やパターンが詰まり/乱れ等があると、燃料の出が悪くなるのでECUが噴射量を補正。

 ECUは噴射量を常に補正学習しているのですが、それも限度があるんですよね。




汚れたら、汚れを除去する整備は必要なんです。
(日本ではその分野の整備が遅れているだけ。)
(ディーラーもその術を知らないだけ。)


引き続いてターボフィンのシステム洗浄。

ディーゼルターボサーブ1000mlをマルチサーブに投入。


約60分ほど掛けて、ターボフィンに付着するカーボンを除去しますね。









フューエルフィルター & エアエレメント交換
長い間交換していなかったフィルターは真っ黒ですね。

フューエルフィルターが黒くなるのは(燃料タンクが汚れている)or (給油した軽油が汚れている)ではありません。




・噴射ポンプで超高圧にした軽油はインジェクターで噴射。
・噴射しなかった軽油はリターンホースで燃料タンクに戻る。
・戻った軽油はフィルターを通過して、再び噴射ポンプに。

真っ白なフューエルフィルターは、数万キロ走ると真っ黒。
これは加圧された時の燃料のスラッジです。


フィルターでろ過出来なかったスラッジ(汚れ)は、フューエルラインに流れて、各部品に付着します。


フィルターは交換すればいいですが、インジェクターやコモンレール等は高額な部品なので洗浄でリフレッシュするしかないのですね。


エアエレメントも定期的な交換を推奨します。

汚れが酷いと燃費悪化など悪影響が出ますので、汚れすぎる前に交換が吉。








次はDPF洗浄システム。
DPFに繋がるパイプにマルチサーブのホースを接続。






よく相談されるのが(DPFの警告灯点灯)・(DPFの強制再生頻度の悪化)があるので、DPFを交換した方が良いですか?

もしくは(マルチサーブDPFシステム洗浄だけ依頼したい)という問い合わせ。




(それDPFだけケアしても意味無いですよ。)とお答えしています。

DPF/DPRはご存じ、排気ガスの煤を濾過するフィルター。
走れば煤が溜まるので、一定のラインまで溜まった時に自動再生燃焼が始まる。


警告灯点灯やDPF再生燃焼の不具合。
・本当にDPFだけの問題で症状が出ているのでしょうか??
・DPFを交換すれば治るのでしょうか??

他の箇所が原因があり、巡り巡ってDPFに不具合が出た可能性もあるんですよ。




原因を無視し警告灯点灯しているから、安直にDPFを交換する。
(ちょっとそれはどうなのかな?)と整備士としては思うところ。


閑話休題。



DPF洗浄には2種類のケミカル剤を使用します。
まずは1液目(DPFクリーナー 1000ml)を投入。  (ケミカルとしては大容量。)


ちなみに市販のDIY系スプレー缶式DPFクリーナー。
裏面のラベルを見てNET,○○ml溶剤が充填されているか見てください。


スプレー缶は大きいですが、中身はほとんど加圧充填用ガス。
(意外と中身のケミカル量はめっちゃ少ないですから。)
(マルチサーブは1000ml+1000mlの2000mlです。)


投入後5分間のインターバル。
泡状に注入したケミカル剤はDPFの空間に充満します。



そこからエンジン始動でアイドリング状態で5分。

次は2液目(DPFフラッシュ 1000ml)をマルチサーブに投入。


それをDPFに泡状注入します。


するとマフラーから汚れた廃液がドバドバ出てきます。


廃液は異臭が酷いので、もちろん廃液回収装置でキャッチ。
工場内や近隣にお漏らしする事もなく作業をしています。



下の画像は廃液回収装置の一部をクリアパイプにしており、廃液の色・状態を確認しています。


ある程度の廃液が排出されれば、スキャンツールからDPFを強制燃焼。


回収装置なしで強制燃焼をすると、凄まじい白煙・異臭で大惨事。
そうならない為の廃液回収装置は絶対に必要だったので、自社開発して製作しました。




DPF強制燃焼ではDPF温度が600℃以上になるので、ヤワな装置では回収装置自体が燃えると思いますよ~。 



 よって企業秘密の回収装置は非公開にしています。






泡状の廃液も時間が経過すれば液状に。

DPFに残った廃液は強制燃焼で焼き切りますね。









マルチサーブ オプション整備
カーエアコンリフレッシュαでエアコンガスをリフレッシュ。


ニューテックNC-200 強化コンプレッサーオイルも同時注入。
年々減少する冷媒ガスは定期的にリチャージしましょう。




結果的には充填量700gに対して、回収できた量は570g
約130gほど少なかったようです。


10分間真空引きをしてから規定充填量のガスをリチャージ。
同時にニューテックNC-200コンプレッサーオイルも注入しました。



最後に試運転とライブデータ確認。

無事納車となりました。


納車時には作業中の画像を見ながら、説明をさせていただいています。

またインジェクター/DPFに各アフターケミカルをお渡ししているので、後日燃料タンクに投入してくださいね。


質問等があればご遠慮なくどうぞ。

先日は丁寧な施工、説明、ありがとうございました。
マルチサーブ後、3000kmほど走りました。
納車後の帰る時点で変化有りでしたが、
高速道路を走ると効果がはっきりと判りました。


アクセルが軽くなり、踏み込まなくても車が軽く走るようになりました。右足が楽になりました!高速巡行時のエンジン音も小さくなり快適です。
A/Cオンの時のアイドリング不調も無くなりました。エアコンの効きも抜群です。

その他にも書ききれない程の変化が出ました。
まだまだ先ですがA/C OFFでどれだけ燃費が良くなったか、走るのが楽しみです♪

マルチサーブ、大満足の一言です!
大事に乗り続けたいと思います、今後またお世話なりたいと思います。その際はよろしくお願いします。
暑い日々が続きますが、気をつけてお過ごしください。
この度はありがとうございました。





マツダ SKY-Dもハイエースのディーゼルも、煤が原因でエンジン不調やエンジン警告灯点灯などの不具合が発生します。

またそれ以外の原因でエンジン不調になる場合もあり、原因が1つの場合もあれば、複数ある場合もあります。



今のディーゼルエンジンはガソリンエンジン以上に、定期的なメンテナンスが必要ですよ。  (頑丈・丈夫はクリーンディーゼルになる前の話。)


故障や不具合が出てからメンテナンスをするよりも、そうなる前にメンテナンスをした方が結果的には経済的だとお伝えしています。




マルチサーブの御見積・依頼はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

出来ましたら(症状・頻度)(エンジン警告灯点灯の有無)などもお知らせいただけると助かります。


それではHAPPY CAR LIFE!!