愛知県からハイラックスRZN167 リフレッシュプラン 中編。フロントサスペンションとクラッチO/H!
前回・前々回ブログで紹介しているトヨタ ハイラックスRZN167 平成10年式 走行距離16万キロのリフレッシュプラン。
10年10万キロ走行した愛車をある程度の予算を掛けて整備し、新車時の状態に近づける事を提案しています。
前々回ブログから前編・番外編と続いて、今回は中編。
サスペンションやクラッチなどの整備を紹介しますね。
https://minato-motors.com/blog/?p=40634


分解したフロントサスペンションやハブ・ドライブシャフト。
これから劣化した部品を交換しますが、ここまで分解すると利点があります。
交換しずらいエンジンマウントが少しだけ交換しやすくなります。
(作業するスペースが出来るので。)
(その分 工賃が安くなります。)



エンジンの振動を吸収するエンジンマウント左右を交換しました。
ミッション側のマウントは長期欠品中で在庫がありませんでしたので交換が出来ませんでした。(数か月待ち以上とのメーカー返答)


フロントロアアーム ブッシュ&ロアボールジョイント交換。
専用治具SSTを使用して、アームからブッシュを打ち抜いて油圧プレスで圧入。



アッパーアームは個別のブッシュが生産終了。
アームASSYでは在庫が有りましたので、左右ASSY交換しますね。

ナックルのダストシールとアッパーボールジョイント交換。
グリスも入れ替えました。





ハブ・ディスクローターを分解。
ハブベアリングを外してハブを洗浄します。
洗浄後にハブベアリングIN・OUTを交換して、グリスを充填しました。








スタビライザーのブッシュ交換。
一度も交換していないので、ブッシュがガバガバ。



ドライブシャフトブーツをO/H
点検するとドライブシャフトブーツINは、過去の整備でリペア済みでした。




通称(ドライブシャフトの割れブーツ)は、車検に合格するためには有効です。
ですがドライブシャフトを長く良い状態で使いたいなら、個人的にはおススメしません。
なぜなら、充填グリス量が少なすぎるから・・・。
(グリスが少ないと潤滑・耐摩耗性能が落ちますからね。)
純正同等のグリス量だと割れブーツの接着部にグリスが付着する可能性が高く、作業性も落ちる。 手際が悪いと密着不良もあり得る。



トヨタ系の純正ドライブシャフトブーツグリスKITは比較的安価。
ちなみにマツダ系はトヨタ系に比べて2倍ほど高額なので、困ったものです。




純正ブーツグリスKITでO/Hするのがベスト。
ゴムブーツの耐久性も高く、O/Hすればまだまだ使えますから。
それにサスペンション整備をする時に一緒にすれば、分解工賃の重複も省けて経済的。

フロントブレーキ ディスクローターを研磨して再生。
ディスクローター研磨機にセットして、薄く慎重に研磨していきます。






限度厚みを測定しながら、研磨していきます。
最後に耐熱塗装で化粧直し。
これでまだまだ使えますよ~。

サスペンションアームやハブ等を、車体に組付け。
ハブベアリングを締め付けるプリロード調整。
組付け後にはハブ・ディスクローターの振れチェック。
基準値以上の振れがあると、高速走行時にジャダーが出ます。
基準値に収まるように組付けました。

対向4ポッドブレーキキャリパーO/H。
ピストンを引き抜きシール等を分解。
洗浄後にシールキットで組み立てます。


ピストンには古いグリスが固着していますので、除去してからコンパウンドで磨き上げ。
専用グリスでピストンシール・ダストブーツを組み立てします。

ブレーキパッドはWAKO’S BPR 高性能ブレーキパッドグリスで組立。
バックシムにグリスを塗って組み立てました。


ブレーキホースも全数交換。
フロントは組立完了。


これでフロントはひと段落。
クラッチO/HのためにMTミッションを降ろしますね。



・クラッチペダルが重い。
・クラッチミートポイントが分かりずらい。
・ペダルの遊びが大きい・小さい
・クラッチが切れづらく、シフトが入りずらい。
クラッチが滑っていなくても、長期間・長距離走行していれば、クラッチ機構は劣化しています。
今回のハイラックスRZN167はクラッチの滑りは無いが、ペダルの違和感と重さを感じました。
オーナーさんも気にされていたのでクラッチO/Hを希望されました。



お約束のレリーズベアリングの潤滑不良&ベアリング劣化。
ペダル操作が重かったり、シャーと異音があると寿命です。
新品レリーズベアリングに薄く適量グリスを給油。
スプライン部も清掃してグリスアップ。



・フライホイール
・クラッチディスク
・クラッチカバー
・パイロットベアリング
フライホイールまで分解する機会は少ないので、今回の整備でエンジンクランクリアオイルシールも交換します。





滑ってはいないけど摩耗はしているクラッチディスク。
厚みが8.4mm→6.0mmになっていました。
アドペチプド・シールロック剤をフライホイールボルトに塗ってから組み立て。
ディスク・カバーを装着しMTミッションを元通り。
クラッチレリーズシリンダもカップシール交換をしました。





次回の後編ブログではリア側の整備と納車までの様子を紹介しますね。
・リアサスペンション
・リアアクスルシャフトベアリング
・ホイールアライメント調整
・試運転 納車準備
・納車時 作業説明
それではお楽しみに!!