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愛知県からハイラックスRZN167 リフレッシュプラン 前編。 エンジン整備とマルチサーブ。

弊社のリフレッシュプランは、(もしその車両が私の愛車なら、限られた予算でどこを整備するのか?)をメインテーマにしています。


リフレッシュプランを依頼された方との会話の中で、よくお聞きするの事があります。



・愛車をとても気に入っている。でも簡単な定期メンテナンスしか実施していない。

・新車時に近づけてコンディションが良い状態で、今後も長く使用したい。

・中古車購入で過去の整備歴が不明。現状には満足していないが中古車だから乗り心地等には妥協している。





オーナーさんそれぞれ愛車には想いがあり、(ある程度の予算を掛けて、大規模な整備をしたい。)という要望からリフレッシュプランがスタートしました。



おかげさまで13年間で数百台のリフレッシュプランを実施してきましたが、全ての事例をブログアップは出来ないので、一部ですがブログ公開していますので宜しければ覗いてみてください。

過去の事例 https://minato-motors.com/blog/?cat=12


愛知県からの入庫したのはトヨタ ハイラックスRZN167 平成10年式 走行距離16万キロ ガソリンMT車

提案型整備リフレッシュプランのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。



HP(お問い合わせフォーム)からメールでの相談内容。


・この先10年とは言わないが、5~6年ぐらいは乗れるように今時点で悪い箇所はリフレッシュ整備をしたい。

・年式的に保安部品が無い場合もあるかと思いますので、悪くなりそうな部品は予防整備で全交換したい。

このような内容でリフレッシュプランの相談をされました。





メールとTELで要望をお聞きして、本予約となりました。
(予約混み具合にもよりますが、入庫は1ヶ月~3か月待ちが多いです。)


・入庫日の1か月前に(手付前金)を銀行振込。
入金確認後に(確実に交換する部品)は先行発注しておきます。

・予約日に入庫。
問診をして要望や不具合点を確認し、整備の方向性をお話しします。
(無償代車ナビETC付き完備 土日祝も営業しています。)



試運転後に排気ガステスト・バッテリー充電テストを実施。


事前ホイールアライメント測定でサスペンションの状態を確認。


年式に対して相応の簡単な保守整備は実施していた車両でしょう。
(激しいオイル漏れや、ガタゴト酷い異音もない。)
(車両コンディションは年式にしては良好でしょう。)



ですがこれが新車時と比べてどうか?と言われると・・・。
・ブレーキは効くが、コントロールがしずらい。

・乗り心地が悪く、直進安定性も低い。
最近ショックアブソーバーは交換したそうですが、ホイールアライメント数値はバラバラ。

・エンジンルームを点検すると、車検時に行う軽整備のみ実施している。
(プラグやコード・ベルトやエアエレメントなどは交換済み)
(サスペンションやハブなどの重整備は未実施)






点検をして整備プラン見積を制作。
御見積書を提示して、(どこまで整備するか?)を相談します。


・この部品は交換しないと危険です。

・この箇所の整備は優先順位が低いので、予算オーバーなら保留もありえる。

整備内容を提案して予算内でどう組み替えするかを相談し、整備プランが決まれば作業を進めます。



ちなみに整備プランの提案や御見積は、予約前や入庫前に提示するのは不可です。   (というか無理なんです。)


まだ(診ていない・点検もしていない)車両の見積なんて出来ないし意味もない。


それでは依頼者様も困るので、類似車両の整備ブログを数点ほど案内し(総額でこれぐらい掛かりました)という目安をお知らせしています。


それで整備予算の目安にしてくださいね。
(車種やグレードによってお引き受けする整備予算の下限はあります。)
(年式や距離・要望に対して予算が低すぎる場合は受付不可になります。)





それではエンジン関係から始めますね。

新車から無交換のラジエター。
樹脂製アッパータンクは熱劣化で変色しています。


こうなると弱くなった樹脂製タンクはクラックが発生し、LLCが漏れてオーバーヒートしてしまいます。


予防整備のために新品ラジエター・ホース類を交換しますね。

次に未交換のウォーターポンプ交換。

ファンベルトを外していくと様子がおかしい・・・。

クランクプーリーが外れていました。
ダンパー部のゴムブッシュが破損しています。

・ウォーターポンプ
・クランクフロントシール
・クランクプーリー
を交換しました。




冷間・温間時のファンスピードをコントロールするファンカップリングASSY。

そろそろ生産終了しやすい部品なので、今回交換を提案しました。






LLC冷却水の温度制御用弁サーモスタッドも予防整備で交換します。





組立てをし、LLCを圧送式交換。

ラジエターリフレッシャーで脈動圧送式交換をすると、エンジン・ラジエター・ヒーターコア全てのLLCが入れ替わります。

また回収したLLCを高密度Wフィルターで濾過し、30分ぐらい掛けて作業をしました。





最後にエア抜き作業をして、LLC再生強化剤を注入。
防錆・消泡性能を強化して、スーパーLLC同等の性能に戻します。



おそらく長期交換していないだろう??ラジエターキャップも交換しました。
地味な部品ですが壊れるとオーバーヒートしますからね。







エンジンオイルはやや漏れており、下回りにオイルが付着していました。

酷くはないが、良くはない。


オイル漏れは上から順番に処置するのが基本。
定番のシリンダーヘッドカバーからのオイル漏れでした。


ヘッドカバーを外します。
エンジンオイル管理が非常に良好なので、エンジン内部は非常にキレイ。

大切に乗られてきたのが良く分かります。




ヘッドカバーガスケットを交換。

ブローバイグロメットやゴムホース、ディストリビューターのオーリングゴムも交換します。


ヘッドにある三日月状のプラグも外して、液体ガスケットを塗り直し。




組み立ててからエンジン暖機をして、アイドリングを調整します。


スクリューのオーリングを交換して、スロットル側も綿棒でカーボン除去。
点火時期やアイドルアップ&ベースアイドルを調整しました。


マルチサーブでインジェクターシステム洗浄。

専用ケミカルを使用してインジェクター噴射口やインテークポート内部バルブ傘部のカーボンを洗浄します。


燃料タンクとインジェクターの間を切り離し、マルチサーブのホースをエンジン側に接続。   (燃料タンクのガソリンは使用しません。)



接続が終わればマルチサーブに(インジェクションシステムパージ1000ml)を投入し、画面の指示通りに操作。




60分ほど掛けてケミカルをフューエルラインに送り込み、ゆっくり確実に洗浄工程を行います。




弊社のマルチサーブではW洗浄を推奨。

・マルチサーブを使いインジェクションシステムパージで即効的に洗浄。

・アフターケミカルのペトロールエクストリームクリーナで遅効的に洗浄。
(後日燃料タンクに注入して、走行しながらゆっくり洗浄します。)
(納車時にボトルを手渡しします。)




AC冷媒ガスもリフレッシュ。

カーエアコンリフレッシュαで冷媒ガスを再生し、ニューテックNC-200でコンプレッサーオイルを強化しました。



これでエンジン系は整備完了。

次回ブログではクラッチO/H・サスペンションやハブ・ブレーキなどを整備します。

普段車検時には整備しない箇所の足回り・下回りを重点的に整備しますので、どうぞお楽しみに!!








2025年5月6日

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