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ドライアイス洗浄でガソリン直噴のカーボン除去。 トヨタ クラウンGRS182 GR系エンジンは要注意。

トヨタ・レクサスのV6 GR系直噴エンジンはインテークバルブにカーボンが蓄積する事はご存じですか??


輸入車、国産車問わず、ガソリン直噴エンジンはエンジンのインテークバルブにカーボン(煤)が蓄積しやすい。

最新のエンジンはデュアルインジェクター搭載やバルブ形状等の関係でカーボン蓄積が改善しているエンジンもありますが、少し前の搭載エンジンになると依然蓄積は多いですね。


ガソリン直噴のGR系エンジンはトヨタならマークX・クラウン180系以降などのFR系セダンに搭載されています。

レクサスならIS250~GS350までの同じくFR系セダンが該当します。

エンジン型式なら2GR-FSEや4GR-FSEなどでしょう。


ちなみにアルファード20系などに搭載されているFF用GR系エンジンは直噴ではないので除外してください。

本来クラウン180系以降のトヨタFR車両は信号待ち時は非常に静粛性が高く、微振動もほぼありません。

ですが10年・10万キロ以上走行した場合は、そうでは無くなる。


・信号待ち時にハンドルやボディに伝わる微振動。
・加速はするが高回転までスムーズに吹き上がるエンジンフィーリング低下。
・エンジンの息付きや加速不良。
・マフラーやバンパーに付着する黒い煤。

それは経年劣化による症状でインテークバルブの周辺に大量のカーボンが蓄積している可能性が高いです。


クラウンGRS204 http://minato-motors.com/blog/?p=28999
マークX GRX130http://minato-motors.com/blog/?p=25476
レクサスIS http://minato-motors.com/blog/?p=23600

兵庫県からお越しいただいたのはトヨタ クラウン GRS182 走行距離11万キロ 

エンジンインテーク系に蓄積するカーボン除去に予約来店をしていただきました。

今回行う作業は、
・DSCドライアイスショットカーボンクリーニング
・ATF完全圧送式交換
・デフオイル、LLC交換
・カーエアコンリフレッシュα

1泊2日お預かりで作業をさせていただきます。



試運転をしてから作業を開始しますが、やはりこの車両も本来のエンジンフィーリングや静粛性と素早いシフトチェンジなどはかなり低下しているようです。


早速作業を始めましょうか。

エンジンのインテークバルブが見えるまで分解していきます。

スワールコントロールバルブを外せば、やっと確認が出来ますね。

バルブの傘部に固着したカーボン固着。

テカッと光っているのはブローバイのオイルが付着しているからで、こうなると燃焼熱でカッチカチに硬化しています。


艶が消えたように付着しているカーボンも、バルブ傘の金属にカッチリ張り付いている。


そしてポート内径には厚さ1mmほどのカーボン膜が張り付いたように付着しており、シャフトにはカマキリの卵状に固まっていますね。

これでは吸気が入りづらく、また理想的な吸気渦は形成されないでしょう。

従来型のポート噴射式であれば、燃料噴射から気化して混合気になり点火燃焼するまでに時間があります。

ですが直噴式の場合は燃料噴射から混合気になり、点火燃焼までの時間が短い。

精密なフューエルコントロールが出来る直噴は、高出力・省燃費が両立できるエンジンですが、燃焼までの時間が短い故にどうしても微細なカーボンが発生しやすいのです。

高圧で微細な燃料噴霧をして、(タンブル・スワール)の吸気渦を発生させてガソリンを気化し混合気にする。

混合気になった時に点火燃焼すれば理想的。


吸気渦が乱れて燃料の粒が気化する前に、液体の状態で高温燃焼するとガソリンが焦げて微細な個体のカーボン(煤)になる。

という事はガソリンの一部が燃焼せずにパワーにも変換されない無駄が生じていますよね。



今の車両はドライバーが分からない所で、精密なエンジン制御をしているので気が付かない。   ですがある一定の許容量を超えると制御しきれないので弊害が表面化してきます。



このような状態の車両が増えれば、ディーラーなどでは頻繁にこの個所のカーボンを除去作業をしているのかと言えば答えはノーです。

理由はいろいろあるのですが、一番の理由は(O/H以外で完全除去するのが容易ではない)ことでしょうか?


そうなんです。  このカーボン蓄積の弊害は、一部の敏感な整備士は知っている。   ですが手作業では完璧な除去が出来ないので(そっと伏せている)のが現状でしょう。


ディーラーも(もう距離も走っていますし、そろそろ乗り換えを・・・)と新車カタログを手渡されるのが普通で、(わざわざ寝てる子を起こす)事はしないでしょう。



弊社では6年前から直噴エンジンのカーボン蓄積に取り組み、完全除去作業をアナウンスしています。



DSC ドライアイスショットカーボンクリーニングはドライアイスの特性を利用したカーボン除去作業。


(エンジンにノーダメージで、短時間に完璧に)をキャッチコピーにし、ガソリン・ディーゼル合わせて千台以上のエンジンを洗浄済み。


今からこのクラウンにもドライアイス洗浄で完全除去をしていきますね~。


完全防備のマスキング風景の途中。

3M社製の高性能マスカーを使用して、飛び散るカーボンからボディを守ります。

この状態から完全マスキング状態にしていくのですが、これ以上は企業秘密でお見せ出来ません。


指で潰れるほど柔らかいドライアイスペレットを、圧縮空気で高速噴射。

直撃したペレットが熱収縮と昇華爆発力で強固なカーボン塊を除去します。



硬いメディアを噴射してはいないので傷が付く事も無く、ドライアイスは昇華して消えるので残留する可能性はゼロ。

(遅い事は牛でも出来る)昔に私がぺーぺーだった頃によく言われました。
仕事はゆっくり丁寧は誰でも出来ると。

仕事は早く確実に丁寧にしないと意味がない。





短時間で完璧にカーボン除去をする為に、弊社が独自で開発したDSC専用ノズルと専用アダプターをドライアイス洗浄機のガンに接続。


これで短時間で完璧に除去をしますよ~。

軽くワンショット。

ドライアイスが直撃した箇所だけ、キレイになりましたね。


圧縮上死点にセットしてバルブ全閉にし、順番に全てのポートにドライアイスを撃ち込んでいきます。

と言いながらもカーボン固着が酷いので、複数あるノズルとアダプターを組み替えながら少しづつ除去します。



作業中は完全非公開で見学も不可。

代わりに写真は多く撮影していますので、ご理解の程宜しくお願い致します。
(納車時に画像をお見せしています。)



全6気筒12ポート全て完璧にキレイになりました。

傘部もシャフト裏も全て完璧に洗浄が出来ましたね。 手作業ではここまでキレイにはならないと思いますよ~。


スワールコントロールバルブもドライアイス洗浄でキレイになりました。

これぐらいなら一瞬でキレイになりますよ~。


サージタンクもオイルとカーボンをケミカルで洗い流して、新しいガスケットで組付けていきます。


スロットルボディも清掃して、熱劣化で割れている樹脂カプラーも補修しました。

これぐらいの年式になるとカプラーはパキパキ割れますので、補修用カプラーは常時ストックしておかないと(早いイイ仕事)は出来ません。


GRエンジンのDSC作業は基本的には日帰り作業で納車です。
(それに合わせて複数のオプション整備を追加しても日帰り納車は可能。)




・LLC圧送式交換・

ラジエターリフレッシャーで脈動圧送しながら、エンジン・ラジエター・ヒーター内にあるLLCを全量交換します。  (ドレンから抜いて、つぎ足すだけの部分交換ではありません。)



またLLC再生強化剤注入で劣化した消泡・防錆を強化。
ラジエターキャップの状態が悪かったので同時交換しました。



・カーエアコンリフレッシュα・

年々減少していくAC冷媒ガスを全量回収・再生・再充填しますね。

劣化したコンプレッサーオイルを強化する為にニューテックNC-200コンプブーストを同時注入。


冷媒ガスも定期的にメンテナンスしましょう。



・デフギアオイル交換・

ニューテックNC-70 75W90 全化学合成ギアオイル(エステル系)

ここぐらいまでなら十分日帰り納車は余裕で可能です。




・ATF完全圧送式交換・
外気温20℃以下になれば、作業時間が短縮できるATF交換ですが、DSCと同時だと結構タイトかな。



オイルパンを脱着洗浄してストレーナーも交換します。
そこからATFチェンジャーをセットして圧送式交換を行いますね。


NUTEC NC-RFリンシングフルードでプレ洗浄しました。

15分間のクリーニングモード後に、次は本命ATFのニューテックNC-65で全量圧送式交換をします。


キレイに入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は6万キロです。


極薄で強靭な油膜性能のNC-65なら、スムーズなシフトフィーリング向上はもちろんですが、純正より数倍の耐久性を誇ります。

最後にフルードクーラーを洗浄して、規定温度でレベル調整をし試運転。


引き取り時には画像を見ながら作業内容を説明させていただいています。



こんな感じで作業を終えたクラウンGRS182

正直に言えばこの全ての作業を日帰りで行うのは可能なんですが、それをすると作業者がクタクタになるので念のために1泊お預かりにしています。

早い仕事はイイ事なんですが、急いだ仕事はミスを誘発させる可能性が高まるので、ほどほどで予約管理をしているんですよね。



せっかく遠方から来店されているので、ほとんどの方が大阪観光も兼ねていますね。


大阪名物と自慢できる食べ物は少ないですが、(安くて上手いB級グルメ)は多いです。

自然豊かな街ではありませんが、個性的で賑やかな街並みは多いかと。

一人で来ても、カップルで来ても、家族で来ても楽しめる所も多いのが大阪。


ぶらぶら大阪散歩編
http://minato-motors.com/blog/?p=25803

大阪府唯一の世界遺産(仁徳天皇陵古墳)のすぐ横にミナト自動車があります。


目の前のJR阪和線もず駅からミナミ・キタ・USJなどは30~60分以内で行けますよ~。もちろん代車もお貸し出来ます。


そして今はGoto再開前で、何故かビジホの値段が安くなっています。
少し前は団体で大勢いた外国からの観光客もいないので、ある意味イマが狙い目ですよ。


DSCやATF完全圧送式交換のご予約は、HPお問い合わせフォームからお待ちしていますね。


それではHAPPY CAR LIFE!!


マツダ CX-5 リフレッシュプラン 特大号第三部 完結編。ドライアイス洗浄で煤堆積を完全除去。マルチサーブでインジェクター・DPF洗浄!!

前回、前々回のブログで紹介した富山県からのCX-5 リフレッシュプラン。
ようやく第三部の完結編になりました。

富山県から来店していただいて一部ではなく、車両全体をリフレッシュする内容でご依頼をありました。

第一部ではサスペンションやブレーキなどの足回り下回りの整備。
http://minato-motors.com/blog/?p=30216


第二部ではATF完全圧送式交換やホイールアライメント調整
http://minato-motors.com/blog/?p=30310



そして第三部ではDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)とマルチサーブ洗浄システムを紹介しますね。



マツダ CX-5 KE2AW 走行距離17万キロ クリーンディーゼル AWD

スカイアクティブ2.2Dのインテークマニホールドを外します。同時に水冷式EGRクーラーも分解しました。


エンジンインテークポートを覗いてみますね。

ポート内径には10mm程の煤が堆積しており、奥にあるインテークバルブは辛うじて見える程度。

バルブのシャフトや傘部は原型が分からない程に、煤が固着していますね。
8個のポートは大体こんな感じで煤堆積が酷い状態でした。


この数年でオプション指名率が急上昇の水冷式EGRクーラーの洗浄。

このCX-5も35%ぐらいは煤で経路が詰まっていました。これでは効果的にクールドEGRが使えない状態です。



このEGRクーラーは新品交換をすると高額な費用が掛かりますので、DSCと同時なら安価に収まりますよ~。


マスキング途中の画像。

ここから完璧なマスキング処理をして弊社が開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)。


元々はトヨタ・レクサスのGR直噴ガソリンエンジンのインテークバルブに蓄積するカーボン除去用に自社開発したのですが、それを応用してSKY-D用に適応。








・圧縮空気でドライアイスペレットを高速噴射
・熱収縮と昇華爆発力

ドライアイス洗浄機に弊社が開発したDSC専用ノズルとDSC専用アダプターを接続して、(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)煤を完全除去。


それでは千台以上の作業実績がある唯一無二のDSCの真価を紹介しますね。

ドライアイスペレットを洗浄機に投入。

指で潰れるほど柔らかいペレットを噴射しますので、アルミ母材や合金などの金属には傷が付きません。


軽くワンショットして、こんな感じになります。


数種類ある専用ノズルと専用アダプターを使い分けて、ポート内を完全洗浄していきますよ~。



全8ポート全てキレイになりました。


同時にLLCバイパスパイプの交換しています。





分解したインテークマニホールドと吸気シャッターバルブも確認しますね。





吸気シャッターバルブには程々に煤が堆積していました。




インテークマニホールドの入口にあるEGR導入口は煤の堆積で、ほとんど塞がっていますね。


導入パイプを回転させると裏側も塞がっています。

エキゾーストからEGR導入パイプの経路が煤で詰まると、EGRの流入量が減ります。     ですがその弊害で流速が遅くなり、EGR経路に煤が堆積しやすくなるのです。



今回のCX-5はこの導入口が徐々に塞がって流速が遅くなり、EGR上流にある水冷EGRクーラーが詰まりだしたのだと推測しました。  もっと早くDSCをしておけば水冷EGRクーラーはあそこまで詰まらなかったと思います。




効果的なEGR制御(HOT・COOL)が出来ないと燃費も悪くなるのですが、低温度かつゆっくりとた燃焼が出来ないので、想定以上に煤が発生するのですよ~。







インテークマニホールド出口も大量の煤堆積でポート内径が狭くなっていますね。 これでは流速は早くなるかもしれませんが、逆に流入量は減るので本来のSKY-Dの性能を発揮するのは難しいと思います。


適切な空気量と理想的な吸気渦が形成されないと、理想的な燃焼から離れていきます。



ディーゼルは(空気を吸ってナンボ)のエンジンですから、空気が吸いづらい状態は良い事なんて何もない。



いかにスムーズに燃焼室に空気を充填するかが、最新のクリーンディーゼルには必要なんですよね。


吸気シャッターバルブやインテークマニホールドを軽くホジホジしましたが、これではキリが無いのでこちらもDSCで完全洗浄しますね。








水冷EGRクーラーも完全洗浄しました。
洗浄後には長さ30cmほどの棒を差し込んで、全ての経路が貫通しているかを確認しています。


見えるところだけキレイになって、奥が詰まっていたら意味が無いですからね。




オプション整備のフューエルエレメントも同時に交換しました。
弊社では6万キロ毎の交換を推奨しています。

純正ガスケットを使用して、元の状態に組付けますね。




DSCオプション整備のラジエターリフレッシャーを使用したLLC圧送式交換。


ラジエター・エンジン・ヒーター内にあるLLCを全量交換しながら、エア抜き作業も同時に行いました。

ラジエターキャップも交換します。






次はマルチサーブ洗浄システムでインジェクター洗浄・DPF洗浄を行いますよ。


マルチサーブ専用のケミカルを使うのですが、このケミカルは結構高額です。

工賃よりもケミカルの方が圧倒的に高額でプロショップオンリー商品。

マルチサーブのホースをEGRの経路に接続して、DPFクリーナー1液目を投入します。
あとはマルチサーブの指示通りに進みます。







次にDPFフラッシュ2液目を投入します。

このあとにはDPF内にある廃液を排出するのですが、引き続いてインジェクター洗浄を並行して行います。



フューエルサプライポンプのIN・OUTホースを切り離し、マルチサーブのホースを接続。


ポンプ・コモンレール・デリバリーパイプ・ピエゾインジェクターのフューエルラインをケミカルの効果で内部洗浄します。

約1時間ほどアイドリングをしながら、ゆっくり確実にフューエルラインを洗浄しました。


マルチサーブ洗浄システムにはアフターケミカルは各1本ずつ付属しています。
・ディーゼルエクストリームクリーナー
・DPFリジェネレーター

納車時に手渡ししますので給油時に燃料タンクに投入してください。





ここまでは機械任せなので簡単なんですが、この後が大変なのです。


エンジンを暖機しながらDPFの温度も急上昇。 DPFやマフラーに溜まった廃液排出作業を行います。  猛烈な異臭と白煙が出ますので、出なくなるまで作業を行いますね。



上記の画像は入庫前にチェックした各数値です。  ここからどこまで改善されたかを確認します。



差圧の数値と堆積量はゼロ近くに改善し、インジェクター補正値のバラツキもフラットになりました。


・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
こちらは日帰りor1泊お預かりで作業が出来ます。(オプション整備含む)
http://minato-motors.com/blog/?cat=169



・マルチサーブ洗浄システム (I/J DPFセット)
これも日帰りで作業が出来ます。
http://minato-motors.com/blog/?cat=270







見過ごしがちのAC冷媒ガスも点検。

エコマックスjrを接続して、冷媒ガスを回収再生再充填します。
同時にACコンプレッサーオイルもNUTEC NC-200を注入して強化しますね。



年々減少する冷媒ガスの充填量は定期的に点検しましょう。

リフレッシュプランで予定していた作業が完了してからは、約1時間ほど試運転をします。

ドライブフィーリングの確認や異音や振動などをチェックしながら走り回ります。    いつものテストコースでステアリングのセンターを確認し、スピードを出してブレーキングなどを確かめました。



試運転後はリフトアップして、何度もオイル漏れや締め忘れ等を確認して納車となります。


納車のお連絡をして無事引き取りとなりました。

今回の整備で撮影した画像は約300枚。

納車時にはそれをお見せしながら、作業内容を説明しています。
またそれらの画像はDVDにコピーしてお渡ししていますので整備記録用に保管してくださいね。


また長く良い状態で使用するための整備アドバイスをお伝えしています。




3部作でお伝えした17万キロ走行したマツダCX-5のリフレッシュプランはいかがだったでしょうか?


今の車両は適切で正確な整備を行えば、長く良い状態で使用する事が出来ます。  ただし無計画で見当違いの整備をしても、費用が掛かるだけでコンディションは改善しません。



ある程度の費用を掛けて一気に整備する方が、結果的には経済的で満足度の高い結果になるのだとお伝えします。



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHPお問い合わせフォームからお待ちしていますね。

それではHAPPY CAR LIFE!!



マツダ CX-5 リフレッシュプラン 特大号第二部。 ATF完全圧送式交換ってなんですか?? ホイールアライメント調整は必要ですか??

前回ブログで紹介した富山県から入庫のマツダCX-5 KE2AW 17万キロのリフレッシュプランの第1部の続きです。  http://minato-motors.com/blog/?p=30216



第2部はATF完全圧送式交換とホイールアライメント調整を紹介しますね。


サスペンションやブレーキの整備を終えてATFの交換を行いますが、その前にフルードチェックをしてオイルパンを脱着洗浄します。





バルブボディのフルードストレーナーを交換して、オイルパンとの合わせ面をキレイにしますね。

液体ガスケットで装着されているオイルパンの場合は、合わせ面のガスケット除去と完全脱脂が重要です。

これを怠るとフルード漏れの原因になりますので慎重に行いますね。

磁石に付着した鉄粉を除去し、オイルパン洗浄後に再装着します。

排出された分のフルードを補充し、一度完全暖機しますね。





いきなり高額な本命ATFを使用する前に、まずはプレ洗浄を行います。

使用するプレ洗浄ATFは(NUTECニューテック NC-RF リンシングフルード)    弊社が企画しニューテックさんに開発していただいたのが、NC-RFプレ洗浄専用フルードです。  http://minato-motors.com/blog/?p=17434



専用アタッチメントをATに装着して、全量イッキに圧送式交換しますね。




・左奥に見えるのが新油モニターのNC-RF
・中央ビーカーは交換前の廃油
・手前右のクリーニングモニターは交換後の状態。



オイルパンを脱着洗浄してプレ洗浄をし、やっとここまでキレイになりました。



本命ATFはニューテックNC-65 全化学合成ATF(エステル系)
極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベル。


元々大排気量・高トルク輸入車の多段AT用に開発されたNC-65は、高品質な全化学合成基油を贅沢に使用して基本油膜性能を強化しています。

また均一で極薄な油膜によってローフリクション・ハイパフォーマンス。


同時に耐熱性能を純正よりも大幅にUPし、ストリート走行レベルではなかなか劣化しない耐久性を確保しています。



全化学合成のATFを使用する理由はシフトフィーリング向上・伝達力向上などいろいろありますが、一番大きいのはロングライフ化にあるのですよ。



NC-RFとNC-65を入れ替えて、もう一度全量圧送式交換を行います。



完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約6万キロ。

その時はオイルパンを脱着洗浄は不要で、プレ洗浄と本命ATFので圧送式交換でキレイになります。


フルードクーラーを洗浄後して規定温度でフルードレベル調整を行いました。




整備リフトからアライメントリフトに移動して、1G締付を行います。


前回ブログでサスペンションの分解整備を行いました。   サスペンションの再組付け時には(1G締付)が必須作業ですよね。





4輪が接地した状態でブッシュを固定しているボルトナットを緩めて、不要なテンションを一度開放します。

テンションが無くなったフリーの状態で、もう一度ブッシュ固定ボルトナットを再締付するのが1G締付作業。


これをしないと捻じれたブッシュ状態で走行する事になるので、せっかく交換したブッシュが早期に破損劣化しますよ~。 また乗り心地も悪いままです。



1G締付が理解できない方は一度グーグルにて検索してくださいね。親切に解説している記事等がありますよ~。



1G締付後に軽く試運転をして、ブッシュを馴染ませてからホイールアライメント調整を行います。

サスペンションアームを交換し、ショックアブソーバーも交換したばかりの状態はこんな感じで数値はバラバラです。



つまりサスペンション整備をしてホイールアライメント調整を行わずに走行するのは全く意味がない事がこの数値で良く分かると思います。


けれどもほとんどの自動車整備工場には、ホイールアライメントテスターは完備されておらず、ディーラーさんも例外ではありません。


サスペンション整備の重要性と理解度が低い日本の自動車整備事情は、令和になってもこんな感じです。

乱れた数値を整えるのがホイールアライメント調整。


CX-5の場合は世間一般的には(フロントトゥ・キャンバー)(リアトゥ)の3点のみが調整可能と言われています。


弊社ではそれに加えてフロントキャスターとSAI・包括角度等も調整しています。


決まる時は短時間で出来るのですが、車種や個体差により四苦八苦する場合も良くあります。簡単そうで大変なんです。



車体下に潜りこんで調整カムやボルトナットを締めて緩めてをしながら、全体的にバランスを調整します。

少しずつ少しずつ基準値に近づけながら、左右差を整えますね。



最終的にはこんな感じになりました。


左右の数値が全く同じになる事は無理ですが、ほぼほぼキレイに整いましたね。


この後にフロントのタイロッドエンドのナットを調整して、ステアリングセンターを調整すれば、真っすぐ走る車両になりました。



皆さんの愛車はステアリングのセンターがズレてませんか??

シートに深く座りポジションを整えて、ハンドルをしっかり握って真っすぐの直線道路を運転した時に、ハンドル中央は正確に真ん中を示していますか?



職業柄で毎日いろんな方の車両を試運転しますが、結構ハンドルセンターがズレて走っている車両が多いですよね。   (私なんかはこのズレが気になって仕方がないので、オーナーさんは気が付かないのか?気にしないのか??不思議に思います。)




またショックアブソーバーやブッシュ等が劣化した状態で、ホイールアライメント調整をしても意味ないですから。


劣化したサスペンションでホイールアライメント調整は、(ただの数値合わせ)の意味ない作業だと思っています。


サスペンションを総合的にリフレッシュ整備して、ホイールアライメント調整をすれば本来の走行性能が元に戻り、一層走りやすい愛車になるでしょうね。


次回ブログは第3部で完結編になりますよ~。


スカイアクティブDの吸気系に堆積する煤を除去し、インジェクターやDPFをマルチサーブでの洗浄を紹介しますね。


それではHAPPY CAR LIFE!!







マツダ CX-5 リフレッシュプラン 特大号第一部。乗り換えますか??まだまだ愛用されますか?? サスペンション・ブレーキをリフレッシュ。 

本日は2021年10月の末日。
今年も残り2か月ですね。早いな~。


今月も多くのマツダ スカイアクティブD搭載車が入庫しました!!
この日は4台ほどの入出庫が重なって、工場内はこんな状態でした。


毎週全国各地からsky-D車が入庫しますが、ミナト自動車はマツダ整備専門店ではないんですけど・・・。


今回のブログは富山県から入庫したマツダ CX-5 KE2AW 17万キロのリフレッシュプランを紹介しますね。

作業ボリュームが多いので何回かに分けてブログ公開します。


HP(お問い合わせフォーム)からご相談をいただきました。

現在エンジン警告灯が点灯しており地元ディーラーに診てもらうと、エンジン載せ替えを勧められています。また何故か認定中古車をプッシュされている状況です。

この愛車を非常に気に入っており、まだまだ乗り続けたいのでリフレッシュプランを検討されたようです。


(今回実施したいのは2020/11/29に公開している島根県CX-5の作業内容をイメージしていますので、大体どれぐらいの費用かを教えてください。)とメールで相談されました。  http://minato-motors.com/blog/?p=27143



始めてリフレッシュプランをご依頼される方は費用や内容が分からないと思います。

弊社の過去ブログで類似する車種や作業内容を検索して、○○年○○月の○○○○は総額いくら位掛かりましたか??と問い合わせていただけると概算費用をお知らせ出来ます。

http://minato-motors.com/blog/?cat=12 (日々進化していますので古いブログ記事はあまり参考にせず、なるべく新しいブログ記事を参考にしてくださいね。)



入庫前に警告灯に関してのアドバイスをして地元ディーラーにて対処してもらい、様子を見てから数か月後に入庫してもらいました。


問診をしてリフレッシュプランの説明をし、代車をお貸ししてCX-5をお預かりします。


試運転をしてから事前ホイールアライメントを測定しますね。



ホイールアライメントは盛大に乱れており、富山県からの高速走行は乗りにくい状態だったと思います。



この辺りはこの後に紹介するリフレッシュ整備で大幅に改善するでしょう。
ビシッと走る車に仕上げますよ!!


バッテリーとオルタネーターを点検して、整備リフトでリフトアップし車両全体を点検しました。

・(ユーザーさんが希望される整備)と(弊社がオススメする整備)を合わせた整備プランを制作。
・プラン見積をメールにて送信し、点検結果と作業内容の説明。
・TELにてどこまで整備するかをご相談して、作業内容を確定します。




整備プランにOKがいただけたので、作業を始めますね。




まずはブレーキキャリパーから始めます。

入庫前からディーラーにて交換を勧められていたようで、分解してみると錆腐食が進行していました。



4輪ともにキャリパーピストンが錆腐食で(虫食い状態)。
これでは洗浄してもピストンの再利用は出来ませんね。


そこでキャリパーは洗浄してピストンのみ新品交換しようかと思ったのですが・・・。  どうやらピストンのみのメーカー部品供給は無いようです。



(おいおいマツダさん本気かよ!!)と思ったのですが、純正・社外ともにピストンがないので、前後一台分のキャリパーASSY交換となりました。


(ただ意外にキャリパーASSYが安かったです。そういう意味では良心的。)




キャリパーブラケット側は清掃洗浄して、グリスアップします。


ディスクローターは研磨にて再生します。

厚みと振れを確認しながら、薄く均一に研磨していきますよ~。最後に耐熱塗装でフィニッシュすれば、まだまだ使用する事は可能です。





ブレーキパッドも交換ですがバックシムの腐食も酷いので、こちらも同時に交換しますね。




次はサスペンションを整備します。


ロアアームやナックル・ショックアブソーバーを分解。
ショックアブソーバーはスプリング以外は全て純正品で交換しました。


負担が大きいFrロアアームのリアブッシュは破断しているので、乗り心地も走行安定性も悪かったと思います。 またボールジョイントブーツも限界でしょう。

ロアアームはASSYで交換しました。




タイロッドエンドブーツは純正では部品供給がないので、社外ブーツで交換します。





リア側サスペンションも分解しますね。


リアロアアームブッシュと車体を繋ぐブッシュには、トゥ調整用のカムボルトがあります。 これが完全に錆固着し全く抜けないし、動かない・・・。


降雪地で使用していたので錆は想定内なのですが、錆固着がある車両の整備は難航しますね。


セイバーソーでサブフレームを傷付けずに、アームのボルトを切断しました。
またショックアブソーバー下部のボルトも固着して外れないので、こちらも切断しています。


また細いボルトナットは破損しないように、ミニダクター2の電磁波誘導熱で緩めていきますね。


錆固着は加熱して冷やして固着を緩めるのが基本ですが、場所によっては火災の危険があります。 それでも固着が緩まない場合は切断しか方法がない。



ブッシュカラーとボルト合わせて20mmの鉄塊を切断するのは、結構大変です。  場所的に使える切断工具が限られるので、こういう場合はセーバーソーで一刀両断が最適でしょう。

ロアアームASSYを交換して、カムボルトは錆固着防止に薄ぐグリスを塗って組付けます。   同時にスプリングインシュレーターも同時交換です。




リアショックアブソーバーも純正ASSYで交換しますね。





フロントドライブシャフトをO/Hします。


分解して劣化し粘度が低下したグリスを除去し、純正ブーツグリスKITで組み立てました。  また右シャフトの中間ベアリングも同時に交換しますね。


ドライブシャフトのブーツグリスは純正品一択。
社外品を否定はしませんが、これに関しては純正品で交換しています。

ブーツの耐久性が圧倒的に違いますので、長く使用したい方にはオススメです。





ショックアブソーバー・ブレーキ・ドライブシャフトを組み立てますね。

ブレーキフルードを交換しながらエア抜き作業も行います。







トランスファとリアデフのギアオイルはNUTEC NC-70 75W90 全化学合成ギアオイルを使用しました。


ここまで作業して今回のリフレッシュプラン全行程の約30%がやっと終わりました。

とりあえず第一部のブログはここまで。





・ホイールアライメント調整
・ATF完全圧送式交換
・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
・マルチサーブインジェクター/DPF洗浄システム
が残っていますので次回ブログで詳細を紹介しますね~。





リフレッシュプランは一部の個所を整備する作業ではございません。
車両全体を整備するトータル整備の提案です。


(少ない予算であと少し乗りたい)方向けではなく、(愛着のある愛車をまだまだ使用したい)と思う方向けの整備プランを提案させていただいていますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。


それではHAPPY CAR LIFE!!




トヨタ アルファードHV ATH10 走行距離46万キロ。リフレッシュプランでサスペンション、ブレーキをリフレッシュ!!

地元大阪府堺市からお越しいただいたのは、トヨタ アルファードハイブリッド ATH10 平成15年式 走行距離は46万キロ。

車両全体を整備するリフレッシュプランのご依頼です。


この車両は全国を走り回る営業車として愛用されており、現在までに下記の部品はディーラーにて交換済み。

・エンジンASSY
・ATミッションASSY
・HV用バッテリー
・エンジンマウント一式
・ショックアブソーバー
・リアアクスルビームASSYなどなど

もちろん車検時に行うような消耗品も定期交換しているそうですが、今回はそれ以外とサスペンション・ブレーキを中心にリフレッシュ整備を承りました。


予約入庫してもらい問診を行います。
そこから代車をお貸ししてお車をお預かりします。



試運転をして排気ガスのテスト後に、事前ホイールアライメントを測定しました。

試運転では乗り心地はあまり良くなく、本来のアルファード10系の乗り心地とは、大きく離れていました。

またホイールアライメントの数値は盛大に乱れていますね。 
特にリアのトータルトゥが過大になり、これではタイヤが偏摩耗するでしょう。

以前にディーラーにてリアアクスルビームはASSY交換されたようですが、やはり距離が増えると劣化が進むようですね・・・。


整備リフトに移動しリフトアップ。
タイヤを外して下回り・足回り・エンジン等を点検していきます。

またスキャンツールも接続してライブデータも要チェック。


整備プランの御見積をして、見積書をメールにて送信。
TELにて整備内容を説明して、作業を始めます。


以前にディーラーにて交換したアクスルビームのブッシュは、左右共にもうクラックが入っていますね。


交換後に距離を走っているので、仕方が無いと言えばそれまでなんですが・・・。   このクラックとビームを見て、何か違和感を感じませんか??






上記の画像は以前に別の方のアルファード10系アクスルビームブッシュを点検した時に撮影した画像です。http://minato-motors.com/blog/?p=26995

ブッシュのクラックが大きく割れていますよね。
でもよく見るとブッシュが(捩じられている)のが分かりますか?


正確な取付をしているアクスルビームブッシュは、リフトアップするとアクスルビームが下に垂れ下がるのでブッシュは捩じられているのが正常。

そしてリフトから降ろして4輪着地した状態は(ブッシュの捻じれがない)状態で走行しているのです。



もう一度ディーラーにて交換したはずのアクスルビームブッシュを見てみましょうか?

リフトアップしビームが垂れ下がっているにも関わらず、ブッシュのクラックは有るが(捩じれ自体は無い)ですよね。


おそらく以前にアクスルビームを交換したディーラーさんは、1G締付をせずに組付けたのだと思います。

1G締付をしないで組付けると、4輪着地時にはビームの角度が変わりブッシュがグニュッと捩じれるので、常時ブッシュにテンションが掛かった状態になります。



そうなると捩じれたブッシュが地面の凹凸で更に捩じられるので、新品ブッシュは長持ちしないのですよね。

(それを防ぐ1G締付は最後のアライメント調整時に紹介します。)

それではリアアクスルビームを分解します。


降雪地を走行する事が多いようで、下回りは錆固着が多い状態でした。  部品を外す為のボルトナット脱着は、折れや破損を気にしながら作業を進めます。

ミニダクター2の電磁波誘導加熱を利用し、錆固着したボルトナットを緩めていきますよ~。http://minato-motors.com/blog/?p=27143



ミニダクター2を使用せずに、こういう細いボルトナットを緩めると、高確率で折れるでしょうね。

またバーナーで安易に加熱すると、周辺のハーネスや樹脂部品が燃えるので、非常に危険。

手間が掛かりますが折れるとリカバリーが大変なので、1か所ずつミニダクター2で加熱し分解していきます。

リアの足回りを分解して、アクスルビームを降ろしました。


そこからブッシュの位置決めをしSSTでブッシュを外して、新しいブッシュを圧入しました。

ディーラー等ではビームASSY交換になりますが、弊社ではSSTがあるのでブッシュのみ交換が可能。

ビームを組み立ててスプリングも新品に交換しました。

Rハブベアリングは交換済みなので再利用し、事前ホイールアライメントで乱れていたトータルトゥを修正するためにシムを装着しました。

ほぼ残量がないパーキングブレーキ用ブレーキライニングシューも交換します。

ライニング残量が1mmも無いですね・・・。

フロントナックルを分解して、ロアボールジョイントとベアリング交換。

ロアアームASSYやスタビブッシュも交換します。




劣化した前後ドライブシャフトのブーツグリスを洗浄して交換しますね。

シャフト中間ベアリングも圧入交換して、洗浄後のシャフトに耐久性の高い純正ブーツグリスKITで組付け完了。






ブレーキキャリパーO/Hをする為に、ピストンを抜きました。
錆が酷くメッキも腐食しているので、ピストンは再利用不可ですね。

キャリパーを完全洗浄して、シールKITで交換し、新しいピストンで組付けますね。


キャリパーホルダー側のスライドピンは錆腐食で再利用不可。

ホールを脱脂洗浄しホーニングブラシでクリーニング。
スライドピンは交換しグリスを塗ってブーツ類も交換しリフレッシュ。





錆や歪みがあったディスクローターは研磨機にて再生しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924

薄く均一に研磨し耐熱塗装(500℃)で化粧直しすれば、まだまだ使用は可能ですよ。






ブレーキパッドはバックシムを交換して、WAKO’S BPR高性能パッドグリスで組付けしますね。


今回のショックアブソーバーは純正品で交換しました。

マウントやインシュレーター・スプリング等を全てを交換しています。



今まで無交換だったフューエルポンプも交換します。


室内フロアカーペットを剥がして、フロアパネルにあるサービスホールから作業しますね。





(汚れが目立つLLCサブタンク一体型のシュラウドを交換してほしい!!)と依頼されたのですが、それならば走行距離を考慮してファンモーターの同時交換も提案しました。


ラジエターは以前に交換済み。
シュラウド交換時にモーター交換した方が、作業重複する今なら工賃が安くなりますよと提案しました。

フューエルポンプもファンモーターも40万キロ以上使えたなら、いつ寿命が来てもおかしくないですからね。


そう考えるとトヨタの部品の耐久性は非常に高いなと思います。

LLCも圧送式で全量交換。

ラジエターリフレッシャーで脈動圧送して、エンジンを掛けながら全量交換しますね。  HV車でもスキャンツールから整備モードにすれば、アイドリング維持が可能です。

サーモスタッドが開くまで作業をして、LLC再生強化剤でLLCを強化しました。
またラジエターキャップも同時交換しますね。







ATは交換してまだ距離が浅いので、ATFのみ圧送式で交換します。

プレ洗浄をしてからニューテックNC-65全化学合成ATFで交換しました。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は6万キロになります。



整備リフトからアライメントリフトに移動して、1G締付を行います。(黄色いテープは仮締めの印です。)


アライメントリフトで4輪が接地した状態でサスペンションブッシュを固定しているボルトナットを緩めます。

するとブッシュがフリーになり捻じれが解消されたら、ボルトナットを再締め付けします。  これが1G締付でこの一手間を省くと、ブッシュがスグにダメになりますよ~。


そこから軽く試運転をして、サスペンションブッシュを馴染ませてから、ホイールアライメント調整を行います。


組立後のスグの数値がこんな感じ。結構キレイに整っていますね。

ここからキャンバーやトゥを少し微調整していきます。


フロントはほぼ完璧な数値になりましたね。

リアはハブとアクスルの間にシムを挟んで修正しました。
完璧な数値を追い求めても良いのですが、このリアアクスルビームならそこまでしても意味がないので、タイヤ偏摩耗しない数値で納めました。


シムを何回も脱着すれば理想的な数値を出せますが、その分費用は倍々で掛かるので、走りに支障が無ければそこまでする必要はないかと思っています。
(この数値ならタイヤが偏摩耗する事もありません)


そしてもう一度試運転を約1時間半。
ブレーキング・高速走行・ガタガタ道・市街地幹線道路などを確認走行しながら、異音や振動・ガタなどをチェックしていきますね。


帰ってきてからリフトアップして、漏れや締め忘れなどを何度も確認します。(整備士は多少心配性気味の方がイイんですよ。)

そして納車準備が整えば、お連絡をして納車引き取りとなりました。




いくら純正部品で交換しても、その交換方法や手順が間違っていれば、車両コンディションは改善しないし部品の寿命も縮みます。

特にサスペンション整備は技術と設備が整っている整備工場に依頼しましょう。




今回のユーザーさんも10系アルファードの乗り味が気に入っているので、出来るだけ長く使用したいと相談をされました。

サスペンションとブレーキを中心に整備をしたので、乗り心地とブレーキフィーリングはほぼ新車時と同じ状態に戻りましたね。
これで数百キロの長距離移動も楽になると思いますよ~。



本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

あまり愛車に費用を掛けたくない方にはオススメしませんが、長く良い状態で新車時のコンディションをもう一度!と思う方は、ぜひリフレッシュプランをご検討ください。


相応の費用は掛かりますが、部品さえ生産終了していなければ新車時に近いコンディションには戻す事も可能ですよ~。


リフレッシュプランのご相談・ご依頼はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。   それではHAPPY CAR LIFE!!