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アルファードMNH10 リフレッシュプラン。 サスペンションやブッシュ、ブレーキ・ATFなどをリフレッシュ整備しました~。

大阪府からお越しいただいたのは
トヨタ アルファードMNH10 走行距離10万キロ 
リフレッシュプランのご依頼です。



10年10万キロ以上走行した車両をもう一度新車時に近いコンディションに戻すリフレッシュプランは、非常に好評で慢性的な入庫待ち状態が続いています。



月に作業できる台数が限られるので、ご迷惑をお掛けしますがご理解の程宜しくお願いします。



メールからの相談内容はこんな感じ。

・新車時から使用し普段の整備は地元ディーラーにてメンテナンスをしてきた。
・乗り心地がガタガタとずいぶん悪くなったが、ディーラーさんに相談しても問題なしの回答に疑問。
・足回りの劣化とATF交換を希望整備に入れてほしい。
・良いコンディションにしてから子供に譲りたい。



個人的な感想を言えば10系アルファードはもともとドッシリとして乗り心地いいですよ。それが異音がしたり車酔いしたりするのは各機関が劣化しているから。


V6の3.0エンジンもトルクフルなので、リフレッシュプランで整備すれば問題なくまだまだ快適に乗れるでしょう。


ただ無暗に無計画に整備しても意味はなくコンディションも戻らない。

相応の費用は掛かりますがお勧めのリフレッシュ整備をプランニングし提案させていただいています。




問診をして試運転をしホイールアライメントを測定。



フロントは大幅なトゥアウトでリアのスラスト角もややズレている。
(リア左のトゥアウトはあまり良い状態ではないですね。)

ここで安易な考えで整備するなら(ホイールアライメントを調整すれば、快適に走るのでは?)思うでしょ!!


10年10万キロ走行した車両にはそれは焼け石に水というもので、
その理由はこの後で分かりますよ~。


整備リフトに移動してタイヤを外し車両点検します。

・E/G整備の基本 排気ガステスターで燃焼状態をチェック。
・スキャンツールでライブデータ確認
・バッテリアナライザーで充電・発電状態のチェック。
・下回りや足回り・ブレーキ等を点検


車両全体を点検してお勧めの整備プランを制作し、提案させていただきました。


ユーザーさんと協議してOKがもらえたので作業を始めます。

フロントとリアのサスペンションやハブ・ブレーキなどをバラバラに分解。

まずは定番のリアアクスルビームのブッシュから始めましょうか。



マルチリンク式のリアサスなら多くのブッシュでアームの動きを支えていますが、トーションビーム式の場合はアクスルビームにある左右のブッシュのみで負担しています。


2個のブッシュで前後左右上下の動きを負担すれば、それだけ劣化は早くゴムブッシュもバックリ破損しています。

SSTと特殊治具で交換しずらいビームブッシュを打替えます。
位置決めをして打ち抜いて、元の位置に圧入しました。


スプリング上下のゴムインシュレーターも同時に交換します。

トヨタのリアアクスルビームはブッシュが破損している状態で長く使用すると、ビーム自体が歪みます。

ほんの少しの歪みですがそれが直進安定性を低下させ、タイヤ偏摩耗の原因になるのです。


SPC社製のリアシムをビームとハブベアリングとの間に装着し、適正角度にホイールアライメントを修正します。

角度の違うシムが6種類あるので(どれを装着するか?)の目安は、事前に測定したホイールアライメント数値を基準に選びます。

ですが数値通りにはうまくいかないので、そこは経験でどのシムを選ぶか決めていますよ~。

次はショックアブソーバーの交換です。

今回はショックアブソーバーをKYBニューSRスペシャルをチョイスしました。
スプリング以外は純正品で全交換します。


フロントナックルからハブベアリングをプレスで打ち抜いて、ロアボールジョイントも交換しました。

異音が出る前に交換しましょう。

フロントロアアームはブッシュのみの単体供給は無いので、ASSYで交換します。

同時にエンジンマウント左右も同時に交換します。



10系アルファードには4つのエンジンマウントがありますが、前後2点は簡単に交換が出来ます。  ですが左右のエンジンマウントはエンジンを持ち上げる方法だとハーネスやホースに負担が掛かるのでNGです。


サブフレームを下に下げてスペースを確保し、マウントを外すのが正解。

ロアアームもマウントを外さないと交換が出来ないので、ロアアーム交換時にマウントも同時交換すれば重複工賃も無くなり経済的なのです。


結局ブッシュが劣化している状態でホイールアライメントを調整しても意味はなく、ショックアブソーバーだけ交換して乗り心地を新車時に戻すのは無理なんです。


サスペンションの性能は総合力ですから、総合的に整備しないとダメなんですよね。


ブレーキキャリパーをO/Hします。
キャリパーやピストンを洗浄して、シールキットでリフレッシュ。


ホルダー側のスライドピンも洗浄して古い固着したグリスを洗い流し、
新しいグリスで潤滑復活。

ブレーキパッドもWAKO’S BPR高性能パッドグリスで組替ました。

ディスクローターは研磨機にて再生します。


ガッツリ削るのではなく、薄く軽く均一に研磨すれば新品交換せずとも元の状態に戻りますのでご安心ください。


フロントドライブシャフトをブーツグリスKITでO/Hしました。


どうやら以前にインナーブーツが破損して簡易の(割れブーツ)で補修をしたようですね。

割れブーツはドライブシャフトを車体から外さずに、破損したブーツを交換出来る商品です。

ブーツ装着時にグリス充填量が多いと接着部分にグリスが付着して密着不良になるので、グリス量が足りない商品が多い印象。



ちなみに純正ノーマルの反対側は溢れてくるほどグリスが出てきます。
グリスで潤滑や摩耗を予防しているのですが、もう一つは結露も予防しています。

新車時に相応のグリスが充填されているのは、意味が有るんですよね。


割れブーツの使用を否定はしませんが、これから長く使用する前提の弊社リフレッシュプランでは割れブーツを採用する事は無いと思います。
(ユーザー側も望んでいないでしょうし。)

ドライブシャフトを分解して洗浄し、
中間ベアリングを交換しました。

ドライブシャフトのグリスってバターぐらいの粘度です。
それが飲むヨーグルトぐらいシャバシャバになれば、もうグリスの寿命だとお伝えしています。


耐久性の高い純正ブーツグリスKITでO/Hすれば、また10万キロは余裕で使用出来ると思いますよ~。

スタビライザーのブッシュを交換して、エンジンスロットルボディ清掃初期化を行います。


ブレーキフルードのエア抜き作業とフルード交換。





10万キロですのでウォーターポンプ&タイミングベルト・オイルシールも交換します。


アルファード1MZエンジンのウオーターポンプ交換は、やんわり断られる定番整備でしょう。

普通の手順では交換しづらいのですが、手順を少し変更すると問題なく交換出来ますよ~。

LLCはラジエターリフレッシャーを使用して圧送式で全量交換。

循環ろ過して最後にエア抜き作業とLLC添加剤で強化します。


一度も交換歴がないATFを完全圧送式で全量交換しますね。

オイルパン洗浄ストレーナー交換をして、元の状態に装着。
エンジンを暖機してからATFチェンジャーを接続して、まずはプレ洗浄を実施。

プレ洗浄後にもう一度圧送式交換。

今回は純正同等フルードのアイシンAFW+を使用しました。

整備リフトからアライメントリフトに移動して、サスペンションブッシュの1G締付を行います。


捻じれた不要なブッシュテンションを4輪が接地した状態で一度緩めて、
テンションを開放してから再増し締めするのが1G締付。

これをしないとブッシュの動きが悪くなりますし、寿命も縮むのでサスペンション整備の必須作業でしょう。

1G締付後に軽く試運転をしてから、ホイールアライメントを調整しますね。

組付けた段階でここまでアライメント数値が改善しましたが、あともう少し微調整します。


最終的にはこんな感じになりました。

フロントはほぼ完璧に近い数値になり、リアは入庫時に比べると非常に良い状態になりましたね。


ここから試運転をして最終チェックを繰り返し、無事納車となりました。

納車後にレビューをメールでいただいたので紹介します。


このたびはアルファードをよみがえらせていただきありがとうございました。丁寧に仕事をして下さったことは、走り出してすぐ最初の左折前に感覚として気づきました。310号線に出る道を、にやけながら運転していたに違いありません。それほど変化が大きかったです!本当にありがとうございました。
足回りやエンジンの調子がよくなった分、室内のカタカタ音が気になりだすほどスムーズです。。。あれ!こんな落としていたかな?と。(多分鳴っていたのでしょう)
少々値は張りましたが、修理して良かったと思えるに違いありません。また、通勤で使っているシーマハイブリッドもお世話になるかもしれません。その節はよろしくお願いします。







車種やコンディションにもよるのですがクタクタに劣化した車体だと、最後の試運転の時点ですぐに改善が分かる。

ましてや長年愛車として使用していたユーザーさんなら、もっとハッキリ感じられるのではと思います。



日本車の根幹部分は丈夫ですから、劣化している個所を総合的に整備すると新車とは言わないが(新車に近い状態にはなると思っています。)


ただ相応の費用は掛かるので・・・。
・あと少しだけ(1年ぐらい)この車を乗りたい。
・整備予算を多くは掛けたくない。
・最小限で低予算でリフレッシュしてほしい。
という要望は予約相談時には断らせていただいています。




私の甘いセールストークで作業を引き受けても、部品代だけでも結構掛かるので予算が足りないとお互い不幸・不満足な結果に終わりますからね。



リフレッシュプランのご依頼・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。

何年何月の○○○のブログは総額いくら掛かりましたか?と聞いていただけるとお答えできますので予算の参考にして下さいね。
どうぞ宜しくお願い致します。







2020年11月18日

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