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愛知県からハイエースKDH201 マルチサーブ前編。   ディーゼルインテーク煤堆積完全除去。  時々警告灯点灯。  DPF(DPR)再生が途中で止まる!!

愛知県からお越しいただいたのはトヨタ ハイエース KDH201 1KD-FTV 平成22年式

HP(お問い合わせフォーム)からご相談がありました。




・エンジンのフケは問題なく感じる??が、DPF(DPR)再生が途中で止まる。

・エンジン警告灯が点灯する時が時々ある。

・今まで定期的なメンテナンスをしてきたが、DPFやインテークの煤に対しては現状が分からない。

・今後も定期メンテナンスをして、出来れば長く乗りたい。




相談内容はこんな感じでいただきました。

オーナーさんはクリーンディーゼル関係のメンテナンスをどうすれば良いのかが分からず、悩んでいたそうで弊社のブログを見て相談されました。




・DPF(DPR)の警告灯が点灯していれば、DPFだけを修理すれば良いのか?

・エンジンの警告灯が点灯すれば、エンジンだけが悪いのか??



今回の整備ブログ2部を最後まで閲覧していただければ、整備の現場で何が起きているのかが分かると思います。







・入庫後に問診と作業説明。
マルチサーブとはどんな作業なのか?を作業前に説明します。


・試運転とライブデータチェック&保存
スキャンツールを接続し、各センサーやアクチェーター等の数値をチェックし保存。


試運転をしてアナログ的な感性で状態をチェック。
スキャンツールを使いデジタル的なアプローチで点検。





まずは『マルチサーブ インテークカーボン洗浄システム』から始めます。


狭いエンジンルームに詰め込まれた1KD-FTVディーゼルエンジン。
年式が変れば同じ1KD系でも、各装着部品が複雑になっていきます。



慣れた手順で『第一段階』を分解していきます。







吸気シャッターバルブ・インテークダクト・EGRバルブ・水冷EGRクーラー

煤堆積が酷い状態ですね。
特にEGRバルブにこんな堆積があると空気が吸えないですよ。








外した部品にはアクチェーター(ダイアフラム・バキュームS/W)
それらの作動テストで良否判定。 壊れていれば交換や修理をしています。





この時点で煤堆積が酷くなければ、第一段階で外した吸気シャッターバルブ・EGRバルブ等を洗浄して組み立て。

マルチサーブのケミカル洗浄工程に移行します。







ですがここまで吸気上流が酷いと、当然吸気下流も酷いはず・・・。

EGRバルブを外し、インテークマニホールドの入り口を覗く・・・。

インテークマニホールドの中も煤堆積が酷い場合は、第二段階の分解に移行。





『第二段階』
インテークマニホールドを分解。
エンジンヘッドのインテークポートの確認。





インテークマニホールドの入り口は煤でゴボゴボ。
出口のスワールコントロールバルブも酷い状態。





エンジンヘッド側のインテークポートをチェック・



インテークポート内径は煤で狭くなり、奥にあるインテークバルブは見えない・・・。




(ディーゼルエンジンは空気を吸ってナンボ)のエンジン。

こんな状態でもハイエースは走る事が出来る。
ですがどう考えても燃費・加速などは劣悪だと思います。



10万キロ以上走行して、新車時のコンディションを覚えている方は少ない。
警告灯点灯などが無ければ、人間の感覚などは曖昧では?



(距離も走っているし?こんなモノかなぁ~)と思っていませんか。






特殊洗浄機と超音波洗浄機でキレイにしました。

ディーラーさんや普通の整備工場なら恐らく部品交換でしょう。
ですが弊社はいろんな種類の洗浄装置を導入していますので、完璧に洗浄再生が可能です。



・洗浄再生が出来れば、高額な部品代が必要が無い。
・ガスケット・ゴムホース等の安価な部品のみ新品交換。






もう一度アクチェーターの作動を確認し、新品ガスケットで組立。







ではエンジンヘッド側はどうなったか??



特殊装置と手作業でポート内の煤除去。
それでも奥には硬化した煤が残っていますね。






本来であればインテークポートの煤はDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)のドライアイス洗浄で完全除去したい・・・。


ですがエンジンが室内にあるハイエースでは、マツダCX-5や三菱デリカD5のようにドライアイス洗浄をすると、室内に煤が飛び散って汚してしまう。
https://minato-motors.com/blog/?p=39487

またエンジンルームも狭いので、ドライアイス洗浄のDSCノズルが入らない。



なので手作業である程度煤を除去するに留めています。



組立完了。
エンジン始動・完全暖機。



これだけだとエンジンポート内の煤は取り切れていない。
違う不具合があった場合は、その煤残留が原因の懸念も残る。



そこで次に行うのがマルチサーブのケミカル洗浄。






欧州から導入したマルチサーブ。

ガソリン・ディーゼルのインテーク・インジェクター・ターボチャージャー・DPF等をケミカルの洗浄効果でシステム洗浄が可能。



このような特殊なエンジン整備機器は日本製はあまり無い。
世界中に販売しないと開発費が回収できないので、市場規模のデカい欧州や米国の方が少し先を進んでいます。



アトマイザーコーン(噴霧器)をインテークダクトに接続。



・30秒に1回噴霧のペースでエアインテーククリーナーを噴霧し吸気に導入。

・吸気流に乗ってエンジン奥までダイレクトにケミカルが届く。

・ケミカルが固着した煤に吸着する。

・塊の煤の結束を緩めて、粒子状の煤に解れる。

・金属から少しずつ離れた煤粒子が、チョットずつ燃焼室で燃えて消滅。




約2時間ほど掛けてゆっくり洗浄工程を行います。






・一切インテークを分解せず、煤堆積の状況も確認せず。
・アクチェーターやバルブの作動テストもしない。
・煤の堆積も酷い状態。

分解無しでいきなりケミカル洗浄をしても意味無いです。



今回のように分解洗浄して、各装置の作動をチェックし、煤もある程度除去しないと、高価なケミカル剤1本だけでキレイに出来ないのですよね。





これで『マルチサーブ インテークカーボン洗浄システム』が完了。



ハイエースのディーゼルエンジンや排気系等のDPF(DPR)が悪い場合でも、整備するのはインテークから。


インテークから空気が流入し、燃料噴射で高温燃焼。
排気ガスが下流のDPFやマフラーに流れる。

上流から下流へクリアにしていかないと、故障原因には辿り着かない。




(警告灯点灯)や(再生完了しない)など、DPF(DPR)だけが悪いわけではないのです。  まずはエンジンが正常かを確かめる(リセットする)必要があるのですよ。




次回ブログでも引き続き、愛知県ハイエースKDH201のマルチサーブ洗浄システムを紹介します。

インジェクター・ターボ洗浄システム・DPF洗浄システムを紹介しますね~。
それではお楽しみ!!




大阪府からハイエースKDH201 ディーゼル白煙・黒煙・加速不良 後編!! DPFとターボをマルチサーブでシステム洗浄。

前回ブログで紹介したハイエースKDH201 平成23年式 走行距離21万キロ


エンジン不調でマルチサーブの依頼を承りました。

・運送会社の営業車
・白煙があり、加速時には黒煙が出る。
・近々の車検はなんとか合格で、次回は難しいと言われたそうです。


ディーラーさんでは白煙・黒煙の解消にはDPF交換を提案され、費用は50万円。
どうもディーラー説明が腑に落ちないので、ネット検索。



ミナト自動車にメール相談され、マルチサーブの必要性を説明させていただきました。





昔のような単純なディーゼルエンジンではなく、環境対策がされたクリーンディーゼルは様々な装置が装着されています。




前回ブログではインテーク系統に堆積する煤を完全除去洗浄する(マルチサーブ インテークカーボン洗浄システム)を施工。https://minato-motors.com/blog/?p=39365



EGRを積極的に導入しているクリーンディーゼルは、どうしても煤が溜まるのですね。


クリーンディーゼルのエンジン不具合は上流から下流へ処置をする。
吸気からクリアにし、インジェクターを洗浄して、下流のターボやDPFへと順番に。

結果的にそれが解決への早道なのです。







次はDPFとターボチャージャーのシステム洗浄を行います。

マルチサーブ DPF洗浄システム

DPFクリーナー1000ml
DPFフラッシュ1000ml

こちらを使用してDPFの内部洗浄を行いますね。



DPFに繋がるパイプにマルチサーブのホースを接続。




1液目のDPFクリーナーをマルチサーブに投入。




スタートボタンを押して、洗浄スタート。
液晶画面の指示通りに作業を進めます。



泡状のDPFクリーナーを注入。
15分間のインターバルタイム。


エンジン始動し5分待機。


DPF全体にケミカルを浸透させます。



2液目DPFフラッシュをマルチサーブに投入。




エンジン回転数を上げて排圧と温度を高め、洗浄効果を活性化。



エンジン回転数を上げてしばらくすると、洗浄液の廃液がドバドバ出てきます。


弊社では廃液等を回収する装置を製作。
一部経路をクリアパイプにしており、廃液の色を確認出来るようにしています。


DPFのコンディションによって廃液の色も濃さも変わり、今回は濃いグレー色の廃液が大量に出てきました。





廃液をある程度出し切って、DPFを強制燃焼。
猛烈な白煙と異臭が出てきますので、これらも回収装置でキャッチします。






次はインジェクター&ターボチャージャー洗浄システム。


今回入庫したハイエースKDH201は運送会社様の営業車。

自社の所有するトラック用にディーゼルインジェクター洗浄装置を導入しているそうです。(マルチサーブではないですがハイエースにも施工済み。)



トラックを50台・100台以上所有している運送会社さんは、インジェクターやDPFの定期洗浄を理解されている会社が多いそうです。


マルチサーブの営業さんに聞くと、マルチサーブ機器の購入が多いのは(圧倒的に大型トラックの整備工場か、トラックを所有している会社です)と。



インジェクターやDPF洗浄などはメーカーやディーラーで行うと高額になる。   であるならマルチサーブのような機械ごと購入して自社で整備した方がトータルで安価だと判断されるようです。




それに対して乗用車のディーゼルメンテナンスはインジェクター・DPFともに認知度が低い。   弊社では積極的にアナウンスしていきたいと思います。

という訳で通常はセットで施工しているインジェクター&ターボチャージャー洗浄を、ターボチャージャー洗浄のみ今回は施工します。



フューエルラインにマルチサーブのホースを接続。
ディーゼルターボセーブ1000mlをマルチサーブに投入。


排気ガスに含まれる煤がダイレクトに流入するターボタービンに専用ケミカル剤が届くように専用設定されています。


エンジンを掛けながら、作業時間は60分ほど。
ゆっくり確実に洗浄していきますね。



フューエルフィルターの交換歴が不明だったので、フィルターも依頼されました。



エアエレメントも汚れが酷いので交換。
吸気抵抗が過大になると燃費も落ちますよ~。



スキャンツールを接続し、最後に試運転。


ダイアグコードやライブデータ数値を確認し、異常な数値を出ていないかを確認。




センサー数値がどのような増減をし、どのように変化するのかを見極める必要。

数値の見極めは企業秘密。
ハイエース数十台も施工した過去データを蓄積し、良否判断をしています。







ハイエースのディーゼルエンジン不調は、ただ単純に煤を清掃洗浄すればOKではありません。   煤清掃洗浄しても、センサーや装置自体が異常なら不具合は出る。


また煤堆積が原因となり、センサーや各装置を故障させる場合もある。



ブログではお見せできる部分だけ公開し、(入庫時の異常を示したダイアグコード)や(故障し交換した部品)などはオーナーさんにはお見せしますが、ブログでは非公開にしています。 


ダイアグコードも無くなり、無事納車となりました。
これで白煙・黒煙は出ないし、次回車検も問題ないでしょう。





本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


ハイエース ディーゼルへのマルチサーブのご相談はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。https://minato-motors.com/contact/

警告灯が点灯している場合は(お近くの整備工場さんでダイアグコードを調べてもらってください。(アルファベットPから始まる数字)


必要事項を記入していただいて、ダイアグコード(エラーコード)と症状を教えていただけると助かります。


どうぞ宜しくお願い致します。


大阪府からハイエースKDH201 ディーゼル白煙・黒煙・加速不良 前編。 マルチサーブでインテーク煤除去・インジェクター&DPF洗浄。

関西・中部地方や中国・四国地方からハイエース ディーゼルのエンジン不調への依頼が多いですね。


KD系・GD系のディーゼルエンジンは頑丈ですが、15万キロを超えてくると徐々に不具合が表面化してきます。

(マフラーから出る白煙や黒煙、加速不良にエンジン振動などなど)





今回地元大阪府から入庫したのはハイエース KDH201 H23年式 走行距離20万キロ

クリーンディーゼルエンジンのマルチサーブを依頼されました。


HP(お問い合わせフォーム)から相談をいただいて予約入庫してもらいました。https://minato-motors.com/contact/




まずは問診と作業説明。

どのような時にどのような症状が出るのか?
過去の整備歴や不具合点をお聞きしています。


マルチサーブはディーゼルエンジンへの万能整備ではありません。

どんな不具合もマルチサーブで全て解決!!ではなく、施工する事によって順番に診断をし、本当の不具合箇所を見つけるのが目的。


順番に紹介しますね。


スキャンツールで警告灯のダイアグコードを確認しリセット。

ライブデータの数値を確認・保存して、現状の状態と不具合症状とを検証します。



つい最近地元ディーラーさんで車検整備。
黒煙が出ていますが何とか車検は通過しました。
次回は難しいかも??

と車検から帰ってきたそうです。

(車検の甘~い基準をクリアすれば、車検合格になります。)
(車検合格=次回車検まで快調に走れるではありません。)





その後の不具合が・・・。
・エンジン音が大きい。(加速時にはさらに酷い)
・白煙があり、加速時には黒煙が酷い。
・仕事で使用している。

弊社でも現状を確認し、まず最初に(マルチサーブ インテークカーボン洗浄システム)を行います。


狭いエンジンルームに埋め込まれたエンジンのインテーク系を分解します。


整備士ならこの画像だけで(インテーク分解するの嫌だな~)と思うでしょう。
上から横から下からアクセスして、分解するのは結構大変なんです。

やっと水冷式EGRクーラー全体が見えてきました。

・フューエルパイプ
・バキュームパイプ
・各バルブ類 各スイッチ類
ギッシリ部品が装着していますが、順番に分解していきます。



水冷式EGRは内部経路が煤で詰まりそう。


特殊洗浄機と超音波洗浄機で内部を洗浄してリセットしますね。




この時点でインテークマニホールドの入り口が見えます。
煤堆積が酷くない場合は、洗浄したEGRクーラーや各バルブを組み立てて、後で紹介するマルチサーブのインテーク洗浄に移行します。

インテークカーボン洗浄の基本料金では、ここまで分解します。






ですが今回は煤堆積が酷いのでインテークマニホールドも分解し、エンジンヘッドのポート内まで確認し洗浄します。 (ここからの分解洗浄は別途オプションです。)

2分割のインテークマニホールド。
外すとスワールコントロールバルブが見えてきました。


バルブのシャフトを手で動かそうとするが、動かない。
バルブシャフトが煤堆積で固着していますね。



これでは丸いバルブが開閉せず、低回転時のトルクが薄くなり、パワーも出ない。


4気筒8ポートを確認。

やはり煤が堆積してポート内径が細くなっていますね。
そうすると吸気に抵抗が掛かり、燃焼室への空気充填率が低下します。



(入るはずの空気量)と(実際入る空気量)に誤差が出てくるので、エンジンパフォーマンスが低下するのですね。



・スワールコントロールバルブ
・水冷式EGRバルブ
・エレクトリックEGRバルブ

これらはECUからの指示信号で開閉制御しています。



ECUが指示を出して実際に開閉してなくても(そのバルブは動かない!不良だ!)というエラーコードは出ない場合があります。 (そこまで自動車の自己診断機能は優秀じゃない。)


その代わりに全然違うところで不具合が発生したり、違う個所のダイアグコードが出たり、訳の分からない症状が出たりするのです。



自動車整備の故障診断って大変なんですよね。



エンジン警告灯はあくまでも不具合のサインで、故障個所をズバリと示してくれない場合が多いのです。


各部品を洗浄して開閉テスト。
ペコペコ丸いバルブが開閉しています。


仮設スイッチング装置で疑似信号を送り、開閉するかを確認。




ただ単に洗浄するだけではダメ。
各装置が動くのかを地道に調べるのが、クリーンディーゼルの整備には必要なのです。

外した部品は完璧に洗浄しました。
新品同様になりましたね。






次はエンジンヘッド・インテークポート内の洗浄。

本来ならDSCで簡単除去出来るのですが・・・。




ハイエースはエンジンルームが狭く、DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)が出来ないので、ドライイアス洗浄以外の方法で煤を除去しました。


地道にポート内の煤を除去しますね。

ドライアイス洗浄が出来れば100%キレイになりますが、そうでないと10%ぐらいは煤が残ります。




そこで登場するのがマルチサーブのインテーク洗浄。
マルチサーブのケミカル剤で煤を洗い流します。





煤で詰まりかけだった水冷EGRクーラーもキレイになりました。


新品ガスケットで組立。

インテーク・EGR系部品の組み立てが終われば、LLCを補充しエンジン暖機。
暖気が終わればマルチサーブの洗浄作業に移行。





堆積した煤を除去せずに、いきなりマルチサーブ洗浄を行っても効果が薄い。  (高額なケミカル剤の使用本数を増やせば良いのですが、費用が高額になりすぎる。)


地道に手作業である程度煤を除去してから、ケミカル洗浄する方が圧倒的に洗浄効果は高く、しかも安価。




マルチサーブのアトマイザーコーン(噴霧器)をインテークの吸気シャッターバルブに接続。

霧状に噴霧した(ディーゼルインテーククリーナ 1000ml)を吸気経路に送ります。


30秒で1回噴霧を繰り返し。
霧状になったケミカル剤が、吸気の流れに乗ってドンドン燃焼室まで届く。


インテークポートまでは完璧にキレイなので、奥にあるインテークバルブ傘部や燃焼室にある煤にダイレクトでケミカルが吸着します。


ケミカル剤で硬い煤粒子を分解するのは無理。
そうではなく煤粒子の結束を緩めて、金属から剥離させるだけ。


ゆっくりジワジワ時間を掛けて、結束が緩んだ煤粒子が吸気の流れに乗って燃焼室へ。


煤粒子とケミカルは、高温燃焼。
約2時間ほどエンジンを掛けながら、取り残した煤堆積をキレイにしますね。





洗浄中は猛烈な異臭がマフラーから出ますので、排煙回収装置を作動させながら作業しています。



1000mlのケミカルが無くなれば作業完了。
インテークの部品を組み立てて、エンジン状態をチェック。

各部リセット&再学習を実施。


これが弊社の(マルチサーブ インテークカーボン洗浄システム)です。


次回ブログでも引き続きハイエースKDH201のマルチサーブを紹介します。

ターボやDPFなどもマルチサーブ洗浄しますので宜しくお願い致します。
それではHAPPY CAR LIFE!!



東京都からハイエース KZH132キャンピング仕様 リフレッシュプラン後編。エンジン整備とATF交換。

前回ブログで紹介した東京都から依頼のトヨタ ハイエースKDH132 キャンピング仕様 平成10年 走行距離20万キロ。


メールで予約相談~予約入庫。
問診・見積・サスペンション、ブレーキ整備等を紹介しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=39163


今回のブログも引き続きハイエースKDH132のエンジン・AT関係の整備を紹介します。



LLCリザーバータンクの液量不足。
あと少し減ればメーター内のLLC警告灯が点灯します。


何故LLCが少なかったのか?


少し前に地元で冷却系の整備済み。
その時にLLCのエア抜きが甘のか??   もしくはどこからか漏れているのか?




フロア下にあるリアヒーターホースからのLLC漏れでした。

ただこのホースを交換するには室内の内装を分解しないといけないのですが、キャンピング仕様にしているので内装の分解はほぼ無理。


ホースの差込を1cmほど深くし、ダブルのホースバンドで対応。
これで漏れは大丈夫でしょう。


タイミングベルトやウォーターポンプは交換歴有。
そこでメインとサブのラジエター交換を提案しました。



メインは狭いエンジンルームでの交換は、慣れた作業なのでサクサク出来ました。


サブはACコンデンサーを分解しての作業は、コンデンサーの脱着が錆腐食やボルトの固着で外せない。

コンデンサーの周辺部品も生産終了。

無理に作業すると元に戻せない可能性もあり、今回はサブラジエターの交換は断念しました。



未交換のファンカップリングASSY

流体クラッチ内蔵のファンカップリングはエンジン温度に合わせてファンスピードを変化させます。

流体クラッチが劣化でスピード調整が出来ず、オーバーヒート・オーバークールや異音の原因に。

部品生産があるうちに交換しておきましょう。






ラジエターリフレッシャーでLLCを圧送式交換。

リアヒーターホースに接続し、ラジエターリフレッシャーからLLCを脈動圧送。
ヒーター・エンジン・ラジエターをぐるぐる循環し、戻ってきたLLCをW高密度フィルターでろ過再生。


40分ほど繰り返して冷却ラインに浮遊している汚れを取り除き再生します。

それだけだと濾過再生しただけなので、最後にLLC再生強化剤を注入。
防錆消泡性能を強化し、スーパーLLC同等の性能に回復させます。


エア抜き作業とレベル調整も行いました。
ラジエターキャップを閉めてLLC漏れチェック。



エンジン振動が酷いので、エンジン・ATマウント交換。

ハーネスやホース類に負担が掛からないマウント交換方法は、サブフレームを降ろして作業スペースを作りマウント交換。

サブフレームを外さずにエンジンを無理やり持ち上げたりすると、ハーネスやホース類に負荷が掛かり破損の心配がある。




サブフレームを外すとホイールアライメントは乱れますので、サスペンション整備時に同時交換の方が重複工賃分は節約になり経済的ですよ~。





マルチサーブでディーゼルインジェクターのシステム洗浄。


長年走行すれば徐々にインジェクターのニードル部や噴射口などにスラッジや煤が付着。
そうなると燃料噴射の弊害になり、結果的には燃費や加速が悪くなります。

エンジン自体は頑丈ですが、インジェクターだけは定期洗浄をおススメしています。


メインケミカルのディーゼルシステムパージ1000ml
アフターケミカルのエクストリームインジェクタークリーナー500ml


マルチサーブのホースを燃料ラインに接続。
ディーゼルシステムパージを投入して、画面の指示通りに進めていきます。

約60分ほどエンジンを掛けながら、ゆっくりインジェクターや燃焼室を洗浄。


アフターケミカルのエクストリームインジェクタークリーナー500mlは納車時に手渡ししています。  給油のタイミングで燃料タンクに注入してくださいね。


マルチサーブで即効的に洗浄し、アフターケミカルで遅効的に洗浄します。








ATFも圧送式で全量交換。

その前にオイルパン洗浄ストレーナー交換一式を行いますね。

長年未交換だったATF。
オイルパンにスラッジがこびり付いていますね。


脱着して洗浄し、磁石の鉄粉も除去。
古い液体ガスケットも取り除きます。


ATFストレーナーを交換し、オイルパンを組み立て。

某国から直輸入の特殊液体ガスケットを使用していますので、装着後にはスグ作業が出来ます。

ガスケットが硬化するまでの養生タイムが必要ないので、完璧でスピーディな作業が出来るんですよ。


高密着性・高作業性から、他の液体ガスケットを使うことは無くなりました。

ATFを補充し、エンジン暖機。
ATFチェンジャーのホースを接続して、ATF圧送式交換の準備完了。



まずはニューテックNC-RFリンシングフルードでプレ洗浄。
全量イッキに交換しますね。

9L使用してプレ洗浄が終わりました。

・左奥の新油モニターがNC-RF ほぼ透明のフルードです。
・中央ビーカーが廃油 真っ黒でした。
・右手前がプレ洗浄後のATF 少し透明度が出てきました。




ここから15分ほどのアイドリングタイム。
次は本命ATFのアイシンAFW+で圧送式交換します。



ほぼほぼ完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば、次回交換推奨距離は4万キロです。


最後にATFレベル調整も行いました。


デフオイルはガルフプロガード 75W90
ギアオイルも定期的に交換しましょう。




試運転時に感じたリアフロアからの異音振動。
プロペラシャフトの中間ベアリングが劣化していましたので交換します。




作業が終われば、いつものテストコースで試運転。

急加速・急制動・直進安定性などを再現しチェック。
市街地走行で凹凸ギャップでの異音や振動が無いか?をチェック。


試運転後には再リフトアップ。
漏れや締め忘れ等を何度も確認して、納車準備を進めます。


これぐらいの作業なら2週間預かり。

前半の1週間で作業をし、後半の1週間で調整・チェック・納車準備となるのがいつものパターン。



納車時には作業中に撮影した画像200枚ほどを見ながら、どんな作業をしてどうなったのか?を説明しています。  また画像コピーもお渡ししています。




説明時に今後の整備アドバイスや不具合が発生した時の対処などをお話ししています。

時間にして約1時間ぐらいは納車説明をしており、質問等がありましたらドンドン聞いていただければお答え出来ますよ~。



納車後少し経つとオーナーさんが戻ってきました。
乗った瞬間から車両コンディションが大幅に回復したそうで、お礼のために戻ってきてくれたようです。

ブレーキの効き・乗り心地改善・ギシギシしていた異音も解消。
直進安定性やシフトフィーリングも回復したようです。

10年10万キロ以上走行した車両をバラバラに無計画に整備しても、新車時のコンディションには戻りません。


長く良い状態で愛車を使用したいと思うなら、どこかのタイミングである程度マトメた整備は必要です。(それは家のリフォームと一緒)



その整備プランの提案が、リフレッシュプランの本質。
(1台ずつ違うリフレッシュ整備のプランニング)


(もしその車が私の愛車なら、限られた予算でどのように整備するか?)を考えながら整備提案をさせていただいています。



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。


過去の整備ブログをみて(○○年○○月の△△△の作業はおいくらしましたか?)と聞いていただけるとお答え出来ますよ~。


実施車両の一部ですがブログ公開しています。
整備予算の参考にしてくださいね。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12




それではHAPPY CAR LIFE!!




東京都からハイエース KZH132キャンピング仕様 リフレッシュプラン前編。ブレーキ・サスペンション整備はトータル整備に意味がある。

東京都から依頼をいただいたのはトヨタ ハイエースKZH132 ディーゼル 2WD キャンピング仕様車 走行距離21万キロ

リフレッシュプランのご依頼です。


リフレッシュプランは10年10万キロ以上走行した愛車を、もう一度新車時のコンディションに近づける為の整備メニューになります。


個別にバラバラに無計画に整備をしても、過走行車はいつまで経ってもコンディションは改善しません。

ある程度まとめて整備した方が、無駄な重複する工賃が節約出来る。

結果的には満足度が上がり、コンディションも大幅に回復しますよ~と弊社ではアナウンスしています。


4年前に個人売買で中古車購入。

室内はキャンピング仕様に改造済み、今後も長く使用できるようにリフレッシュプランを相談されました。


100系ハイエースワゴン ハイルーフロングの2WDディーゼル
キャンピング仕様の場合、1点だけ確認してほしい箇所があります。


荷室にリアタイヤハウスの出っ張りの間に、ショックアブソーバーを外すためのサービスホールがあります。

床を外してサービスホールが見えなければ、ショックアブソーバーが外せませんので注意が必要です。

(100系バンや200系はこの確認は不要です。)





予約時にサービスホールの有無を確認し、数か月後に入庫。

問診をして不具合や不満箇所をお聞きしてお預かり。
試運転をし、事前ホイールアライメント測定を実施。



盛大に乱れたホイールアライメント数値。

大阪府堺市までの自走入庫は大変だったでしょう。
数値を見ただけで、真っ直ぐ走らせずらい車両だと想像できます。


サスペンションやブレーキ・エンジン・ATなどをリフレッシュ整備、
復路は全然違う愛車になるように整備提案をさせていただきました。。




冷却水のリザーバータンクは、LLCがほぼゼロ。

冷却水漏れがありそうですが、オーバーヒートは今のところ大丈夫。
どこから漏れているのか?調べましょうか。

リフトアップして車両点検。
少しサスペンション部品を分解。


整備プランの見積を制作し、予算に合わせた整備を提案しました。



ガタがあったフロントハブ。


Frハブベアリングは整備歴有と聞いていましたが、おそらくプリロード調整だけだと思います。(グリスがかなり古いので、交換はしていないはず)

ハブを分解してO/Hしますね。

古いハブベアリングは打ち抜いて、ハブケース内を洗浄。

新しいハブベアリングを圧入し、グリスとオイルシールも交換しました。





FrアッパーアームASSY交換。

アッパーボールジョイントを上下に揺すると、カタカタとガタ有。
ガタが有ると据え切りしたり、段差を乗り越えると異音がします。



ボールジョイントは非分解構造なので、ブッシュもまとめてアームASSY交換。


ロアアームはブッシュをSSTで打替え交換。
テンションロッドのブッシュも交換します。



・ナックルのロアボールジョイント
・スタビライザーのリンクブッシュ
・ショックアブソーバー
全て寿命が来ているので交換しました。


外したショックアブソーバーを手で押し込もうとしても動かない。
完全に内部でピストンが破損していますね。




ステアリングのラックエンド。
ハイエースでこの走行距離なら、大体ガタが出ています。

ボールジョイント摩耗によるガタ。
操作時の異音やステアリングのセンターが決まらなくなりますよ。



試運転ではブレーキの効きが悪いなぁ~と。
コントロールがしづらく、ペダルの踏み込みも深い。



Frブレーキをオーバーホ-ルしますね。

ハブからディスクローターを分解し、ディスクローター研磨機で再生。
仕上げに耐熱塗料で塗装しました。


ディスクローター研磨のススメ。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924


研磨で再生すれば予算が抑えられる。
また10万キロ使用し、浮いた予算は別の箇所の整備に使いましょう。



キャリパーは分解して完全洗浄、シールKITでリフレッシュ。
ブレーキパッドはWAKO’S高性能ブレーキパッドグリスBPRで組付け。



10年に一度はブレーキO/Hでリフレッシュすると、新車時と同じ性能に。  逆に中途半端な整備をすると異音やフィーリング低下が残るんですよね。

ディスクローターを装着し、ナックルにプリロード組付け。

そこからディスクローターの振れチェック。
基準値を超えている場合は振れが最小になるように組み替えます。

振れが大きいと高速ブレーキング時にジャダーが出ますよ~。






リア アクスルシャフトのベアリング交換。(ABS無し)

SSTと油圧プレスでシャフトを打ち抜いて、ベアリングやオイルシールを交換。



ベアリングを引き抜くには専用工具SSTが必要。
無理やり作業をすると、シャフト自体を傷付けてしなうので注意が必要ですよ。




リアサスペンションアームのブッシュ全数交換。

ワゴン車の5リンク式サスペンションアームに圧入しているブッシュは全て交換。

スプリングインシュレーターも同時交換しました。



アームブッシュを交換するにもSSTが必要。

SSTは自社で製作しておりますので、簡単にアームを傷付けることなく交換が出来るのです。



ブッシュの角度や方向性がありますので、印を付けてから交換していますよ~。






リアスタビライザーのブッシュも摩耗でガタガタ。
高速走行時のレーンチェンジはフラついて安定感がないでしょう。


全数ブッシュを交換。
スタビがリニアに仕事が出来ますね。





リアドラムブレーキもオーバーホ-ル。

ライニングシューを交換してブレーキシリンダもカップKIT交換。
ドラムは研磨にて再生しました。


ブレーキホースを交換して、ブレーキフルード交換&エア抜き作業。

リアドラムはクリアランス調整をして、4輪でキュッと止まるコントロールがしやすいブレーキに戻ります。





整備リフトからアライメントリフトに移動して、リアショックアブソーバーを交換。


100系ワゴン車は室内からアクセスして、ショックアブソーバーの固定ナットを外します。  内装の改造次第で交換が出来ない場合があるんですよね。



リアもフロント同様に内部のピストンは破損し、ショックアブソーバーの性能は発揮出来ていない状態でした。


サスペンションアームのブッシュを1G締付してから、軽く試運転。
ブッシュやインシュレーターなどを少し走行して馴染ませます。



もう一度リフトアップして車高調整。
ハイエースのフロント車高は調整機構があり、基準値と実測値を考慮しながら高さを調整します。


入庫時の高さは、フロント車高はかなり高い。
お尻が下がった状態だったのです。


それを新車時のように少し前傾にするには、フロントの数値を割り出して下げる必要があります。

地面水平ライン(赤い糸)を設定して、Fr車高を調整。  左右のバランスも整えます。

車高調整が出来れば、ホイールアライメント調整。


・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスターWA470ホークアイ
・国産最高峰イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト




10万キロ以上走行した車両にホイールアライメント調整だけしても意味が無い。
サスペンション整備と同時に実施すると効果絶大。


数分で測定完了。
組立てスグの状態だと、こんな感じでバラバラな数値。

部品を交換しただけでは、本来のサスペンション性能は回復しない。




サスペンション整備後には必ずホイールアライメント調整。   これをセットで行うのは意味があるんですよね。


車体下に潜り込んで、ホイールアライメント調整。
数値を確認しながら調整作業をしていきます。



フロントはほぼ完璧な数値に。
リアはリジットで調整不可ですが、かなりキレイに整いました。


ブレーキング・高速安定性・乗り心地はほぼ新車同様に戻ったと思います。



次回ブログでもハイエースKDH132のリフレッシュプランを紹介します。

エンジン・ATなどを整備しますのでお楽しみに!!
それではHAPPY CAR LIFE!!