京都府 デリカD5 CV1W ディーゼル エンジンパワーダウンの原因は?前編。 ドライアイス洗浄&マルチサーブ!!
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。
今回のご紹介するのは、京都府からお越しいただいたのは三菱 デリカD5 CV1W 走行距離20万キロ
エンジンシステム及びDPF異常の警告点灯の経験は無いが、どうもエンジンパワーダウンしているように思う。との事。

オーナー様のからお聴きした症状
1・登り坂でパワー低下。
アクセルベタ踏しても、高速道路での長距離登坂で速度低下。加速しない。
2・エンジン回転2000回転付近での度々起こるノッキング 。
問題解決できるショップを検索したところ、弊社に辿り着いたそうです。
この年式/走行距離/症状のクリーンディーゼルですと、整備を依頼しても敬遠されるパターンが多いですね。



早速試運転。状態を確認。
スキャンツールでエラーコード及び各センサーのパラメータをチェック。
エラーコードも無く、異常センサー数値も無い。
簡易診断で、観察で異常は見受けられない。
エンジンライブデータの数値をモニタリング。そして記録保存。
作業後にこの数値を確認して、どう変化したかも見ています。
大事な資料として。

リフトアップしインテーク関係のパーツを分解します。

デリカD5のエンジンルームは激狭。
ボンネットを開けてもエンジン半分しか見えません。
D-5 CV1WのエンジンはマツダのSKY-DやハイエースのKD系ディーゼルエンジンのように簡単には分解できない構造。 (作業スペースが狭いから)
メカニック泣かせです。
フロントバンパー・ラジエター・ファンシュラウド・コンデンサーを分解。
他社エンジンのドライアイス洗浄の作業工程に比べて数倍手間が掛かります。

ACコンデンサーを外すので、エアコン冷媒ガスを回収。
規定充填量は780gで回収量は420g。
約360gほど減っていたようです。
最後にカーエアコンリフレッシュαでリチャージします。

なぜそこまで、分解するのか?
その理由は、ドライアイス洗浄のノズルが的確にバルブを狙える作業スペースを確保する為。
中途半端な角度でドライアイスを打っても複雑で狭く奥まったバルブポートを完璧に洗浄出来ない。
やるからには、徹底的に!

スペースが確保できましたので、順番にエンジンのパーツを外します。


吸気スロットル


EGRパイプ

EGRバルブ

EGRクーラー



インテークバルブポート
想像した以上に煤が蓄積していますね。

バルブポート内部

4気筒8ポート。
ポート内径とインテークバルブ傘部に堆積した大量の煤。
(ディーゼルエンジンは空気を吸ってナンボのエンジン)
空気が吸いづらい状態だと本来の性能は発揮出来ないのです。

煤が飛び散らないように養生し、ドライアイス洗浄の準備OK、作業開始!

ドライアイス洗浄
・-78℃のドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
・熱収縮と昇華爆発力
・母材金属を傷付けずに、堆積物を瞬時に剥離。
サンド・クルミブラストなどは硬いメディアを衝突させ、メディアの研磨力で付着物をそぎ落とす。 (硬いメディアを採用すれば、作業性はUPするが、母材金属にダメージ)

ドライアイス洗浄はメディアの研磨力で除去洗浄しない。
・柔らかいドライアイスペレットがカーボンに衝突。
瞬時に冷却し、堆積物にクラックの隙間を作る
・その隙間にドライアイスが高速で侵入。
衝突した瞬間に昇華爆発。
ドライアイスが固体から気体に変るのが(昇華)
その体積膨張率は750倍。
母体金属と堆積物の間で昇華爆発が連続する事で、(エンジンにノーダメージで、短時間に完璧に)作業が出来るのです。

DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
2015年 世界初 エンジン整備用にドライアイス洗浄機を導入し開発。
・当時はドライアイス洗浄機の存在は、整備業界では皆無。
・導入後にエンジンポート洗浄用にノズル等を自社開発。
トヨタのガソリン直噴エンジンのインテークに堆積するカーボン(煤)堆積が、エンジンに悪影響が出るので、それを除去するために弊社がDSC開発しました。
その後、他社のガソリン直噴・トヨタKD系ディーゼルやマツダSKY-D。
累積施工数は数千台。
その経験と応用で三菱クリーンディーゼル(4N14)にも対応しています。

では、軽くワンショット!
試し打ちをするとドライアイスペレットが直撃した箇所だけキレイになりましたね。

ポート内径や最深部にあるバルブ傘部などを洗浄します。
複数あるDSCノズルとアダプターを使い分けて、ショットを繰り返しますね。





8ポート全て洗浄完了。
硬く固着していた煤は無くなりました。
エンジンにもダメージは無く、完璧です。










・インテークマニホールド
・EGRバルブ
・水冷式EGRクーラー
・吸気シャッターバルブ などなど。
煤だらけの部品類は全て洗浄し、再生しました。



洗浄しただけではなく、機能確認も行います。
指示信号で部品が作動するか?
バキューム負圧を掛けて気密チェック&スイッチ操作ON・OFF。
チェックもせず、ただ単純に洗浄しただけでは意味無いですから。







交換するのはガスケットと一部のゴムホースのみ。
元通りに部品を組み立てますね。

デリカD5 CV1W ディーゼルのDSCを前編ブログで紹介しました。
・ある程度走行した車両はまとめて整備した方が良い場合が多い。
・無計画に整備しても無駄な工賃が掛かるだけ。
次回の後編ブログではDSC時のオプション整備について紹介しますね。




引き続きデリカD5 DSC後編ブログを宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!