滋賀県 デリカD5 H25年式 CV1W ディーゼル 19万3千Km 前編。 ドライアイス洗浄&マルチサーブ だけでは無い提案。整備工数を考慮すると・・・

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。
今回のご紹介するのは、
滋賀県からお越し頂いた デリカD5 H25年式 CV1W
ディーゼル 走行距離19万3千Km
ドライアイス洗浄&マルチサーブのご依頼です。
整備履歴不明の中古車を購入されたオーナー様より、エンジン・ミッション系のリフレッシュをご希望いただきました。
この年式/走行距離/症状のクリーンディーゼルですと、たとえ表面上不具合が出ていなくても、いたるところで経年劣化していますので、整備を依頼しても敬遠されるパターンが多いですね。
走行距離19万3千kmですが、今後も長く乗り続けたいとのご意向に沿い、ご予算に合わせた最適なメニューを実施しました。

早速、試運転とスキャンツールによる診断を実施。エラーコードや異常なセンサー数値は見られず、簡易診断では問題なし。
でも、やっぱり加速時のトルクが薄いように感じます。




エンジンのライブデータはモニタリング・記録し、作業後に比較・確認できるよう大切な資料として保存しています。
それでは、準備が整いましたので、先ずは、ドライアイス洗浄から始めますので、リフトアップしインテーク関係のパーツを分解します。

デリカD:5(CV1W)のエンジンルームは非常に狭く、ボンネットを開けてもエンジンの半分ほどしか見えません。
マツダ SKY-DのKD系のように簡単に分解できる構造ではなく、作業にはフロントバンパー・ラジエーター・ファンシュラウド・コンデンサーの取り外しが必要です。

デリカD:5のドライアイス洗浄は、他のエンジンと比べて数倍の手間と費用がかかります。
それでも弊社では、「長くこの車に乗り続けたい」というお客様のために、
分解時に外した部品や、劣化が見られるパーツの交換を積極的におすすめしています。
分解中であれば、通常は交換しづらい部品にもアクセスでき、工賃を抑えて交換できるからです。
あとから不具合が出て再作業となると、どうしても工賃も時間も余計にかかってしまいます。
「今だからこそできる整備で、コストを抑え、長く安心して乗り続ける」
愛車を大切にしたい方にこそ、今このタイミングでの整備をおすすめします。


ACコンデンサーを外すので、エアコン冷媒ガスを回収。
規定充填量は780gで回収量は680g。
約100gほど減っていたようですが、ガス漏れを疑う程ではないです。
最後にカーエアコンリフレッシュαでリチャージします。


デリカD:5で定番の水漏れポイントであるラジエーターの、樹脂製コンデンサー取り付けブラケット部にはクラックは発生していませんでした。
しかし、ラジエーターおよびコンデンサーを取り外して点検したところ、両部品のフィンに塩害による著しい腐食が見られ、手で触れただけで崩れてしまうほど劣化していました。

また、ラジエーターの下部は、何かに接触して変形し、
冷却水漏れをいつ起こしてもおかしくない状態でした。

ラジエーターは当初からウィークポイントであったため交換を予定していました
が、再利用を予定していたコンデンサーについても腐食が確認された為、
オーナー様に交換の必要性を説明し、パーツを発注いたしました。

「どうしてそこまで分解するの?」
その理由は、ドライアイス洗浄のノズルを、バルブに的確に当てられる作業スペースを確保するためです。
バルブポートの内部はとても狭く、奥まっていて、形状も複雑です。
そのため、角度が中途半端な状態でドライアイスを吹き付けても、しっかりと汚れを落とすことができません。
せっかくやるなら、徹底的にキレイにしたい。
だからこそ、しっかりとスペースを確保して、ベストな角度でクリーニングできるように分解しているのです。

やっとインテークマニホールド周りにアクセスできるスペースが確保できましたので、順番に分解していきます。

吸気スロットル

EGRバルブ~マニホールドに連結している EGRパイプ

インテークマニホールドのEGRの流入口


EGRバルブ



インテークマニホールド内部

インテークバルブポート
スキャンツールで見る数値では判断できないが、多量の煤が蓄積していますね。

バルブポート内部


EGRクーラーの冷却フィン

EGRクーラー ウォーターラインホース

4気筒・8ポート構造のディーゼルエンジン。
各ポートの内径と、インテークバルブの傘部分には、大量のカーボン(煤)がびっしりと堆積していました。
ご存じのとおり、ディーゼルエンジンは**“空気をしっかり吸ってこそ”**本来の性能を発揮できるエンジンです。

しかし、吸気ポートやバルブにこれだけ煤が溜まってしまうと、吸気効率が大幅に低下してしまい、本来持っているパワーや燃費性能を発揮できなくなってしまいます。

煤が飛び散らないように完璧なマスキング
3M社高性能マスカー使用。
DSCノズルとアダプター
自社で開発し、用途に合わせて数種類製作。
DSCの風景もノズル形状も完全なマスキング状態も完全非公開。
ブログで公開しているのは一部のみで、いまだに真似・模倣はされていないようです。
ドライアイス洗浄の仕組み

ポイントは3つです。
① −78℃のドライアイスペレットを高速で噴射
② 衝突時の急冷+昇華による爆発的な膨張力
③ 残留物が無い
柔らかいドライアイスがカーボンに当たると、表面を一瞬で冷却。
その瞬間、堆積物に細かなクラック(隙間)が入り、そこへドライアイスが入り込んで 固体 → 気体へ一気に昇華 します。
ドライアイスは気体になると 体積が約750倍 に膨張。
この“膨張力”が堆積物だけを剥がし消えて無くなります。


母材を傷付けずメディアが残留しないのが最大のメリット
サンドブラストやクルミブラストは、硬いメディアを当てて 研磨力で削り落とす 方式。
そのためメディアは安価で作業性はいいのですが、強く当てすぎると 母材金属にダメージ を与えたり、飛び散ったメディアが残留するリスクがあります。
一方、ドライアイス洗浄は“削らない”ため、
母材は無傷のまま、汚れだけを瞬時に剥離できる のが大きな魅力です。

DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
2015年 世界初 エンジン整備用にドライアイス洗浄機を導入し開発。
・当時はドライアイス洗浄機の存在は、整備業界では皆無。
・導入後にエンジンポート洗浄用にノズル等を自社開発。
トヨタのガソリン直噴エンジンのインテークに堆積するカーボン(煤)堆積が、エンジンに悪影響が出るので、それを除去するために弊社がDSC開発しました。
その後、他社のガソリン直噴・トヨタKD系ディーゼルやマツダSKY-D。
累積施工数は数千台。
その経験と応用で三菱クリーンディーゼル(4N14)にも対応しています。
D・S・C Project ディーエスシープロジェクト
http://minato-motors.com/blog/?p=5905
それでは、ドライアイス洗浄スタート。

軽くワンショット!
試し打ちをするとドライアイスペレットが直撃した箇所だけキレイになりましたね。
たまに、質問を受けるのですが、この除去された煤は何処に行くのですか?
ご安心ください。
企業秘密になるので、お見せ出来ませんが、ドライアイスがで除去された煤は、除去した瞬間 オリジナルの回収装置で完璧に回収され、産業廃棄物として処理されます。
よって飛び散ってボディーを汚すことは有りません。


ポート内径や最深部にあるバルブ傘部などを洗浄します。
複数あるDSCノズルとアダプターを使い分けて、ショットを繰り返します。


8ポート全て洗浄完了。
硬く固着していた煤は無くなりました。
エンジンにもダメージは無く、完璧です。

各パーツも洗浄が完了しました。







エンジンと各パーツが洗浄できましたので、純正ガスケットを用いて組み立てします。

デリカD5 CV1W ディーゼルのDSCを前編ブログで紹介しました。
・ある程度走行した車両は、一か所だけ整備するよりも、関連する部分をまとめて整備した方が結果的に効率が良い。
・無計画に整備しても工賃が重複して無駄が出たり、再作業が必要になる。
次回の後編ブログでは後編では、
DSCと同時に行うと効果的なオプション整備
について詳しく解説していきます。






引き続きデリカD5 DSC後編ブログを宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!











