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東京都からハイエース KZH132キャンピング仕様 リフレッシュプラン後編。エンジン整備とATF交換。

前回ブログで紹介した東京都から依頼のトヨタ ハイエースKDH132 キャンピング仕様 平成10年 走行距離20万キロ。


メールで予約相談~予約入庫。
問診・見積・サスペンション、ブレーキ整備等を紹介しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=39163


今回のブログも引き続きハイエースKDH132のエンジン・AT関係の整備を紹介します。



LLCリザーバータンクの液量不足。
あと少し減ればメーター内のLLC警告灯が点灯します。


何故LLCが少なかったのか?


少し前に地元で冷却系の整備済み。
その時にLLCのエア抜きが甘のか??   もしくはどこからか漏れているのか?




フロア下にあるリアヒーターホースからのLLC漏れでした。

ただこのホースを交換するには室内の内装を分解しないといけないのですが、キャンピング仕様にしているので内装の分解はほぼ無理。


ホースの差込を1cmほど深くし、ダブルのホースバンドで対応。
これで漏れは大丈夫でしょう。


タイミングベルトやウォーターポンプは交換歴有。
そこでメインとサブのラジエター交換を提案しました。



メインは狭いエンジンルームでの交換は、慣れた作業なのでサクサク出来ました。


サブはACコンデンサーを分解しての作業は、コンデンサーの脱着が錆腐食やボルトの固着で外せない。

コンデンサーの周辺部品も生産終了。

無理に作業すると元に戻せない可能性もあり、今回はサブラジエターの交換は断念しました。



未交換のファンカップリングASSY

流体クラッチ内蔵のファンカップリングはエンジン温度に合わせてファンスピードを変化させます。

流体クラッチが劣化でスピード調整が出来ず、オーバーヒート・オーバークールや異音の原因に。

部品生産があるうちに交換しておきましょう。






ラジエターリフレッシャーでLLCを圧送式交換。

リアヒーターホースに接続し、ラジエターリフレッシャーからLLCを脈動圧送。
ヒーター・エンジン・ラジエターをぐるぐる循環し、戻ってきたLLCをW高密度フィルターでろ過再生。


40分ほど繰り返して冷却ラインに浮遊している汚れを取り除き再生します。

それだけだと濾過再生しただけなので、最後にLLC再生強化剤を注入。
防錆消泡性能を強化し、スーパーLLC同等の性能に回復させます。


エア抜き作業とレベル調整も行いました。
ラジエターキャップを閉めてLLC漏れチェック。



エンジン振動が酷いので、エンジン・ATマウント交換。

ハーネスやホース類に負担が掛からないマウント交換方法は、サブフレームを降ろして作業スペースを作りマウント交換。

サブフレームを外さずにエンジンを無理やり持ち上げたりすると、ハーネスやホース類に負荷が掛かり破損の心配がある。




サブフレームを外すとホイールアライメントは乱れますので、サスペンション整備時に同時交換の方が重複工賃分は節約になり経済的ですよ~。





マルチサーブでディーゼルインジェクターのシステム洗浄。


長年走行すれば徐々にインジェクターのニードル部や噴射口などにスラッジや煤が付着。
そうなると燃料噴射の弊害になり、結果的には燃費や加速が悪くなります。

エンジン自体は頑丈ですが、インジェクターだけは定期洗浄をおススメしています。


メインケミカルのディーゼルシステムパージ1000ml
アフターケミカルのエクストリームインジェクタークリーナー500ml


マルチサーブのホースを燃料ラインに接続。
ディーゼルシステムパージを投入して、画面の指示通りに進めていきます。

約60分ほどエンジンを掛けながら、ゆっくりインジェクターや燃焼室を洗浄。


アフターケミカルのエクストリームインジェクタークリーナー500mlは納車時に手渡ししています。  給油のタイミングで燃料タンクに注入してくださいね。


マルチサーブで即効的に洗浄し、アフターケミカルで遅効的に洗浄します。








ATFも圧送式で全量交換。

その前にオイルパン洗浄ストレーナー交換一式を行いますね。

長年未交換だったATF。
オイルパンにスラッジがこびり付いていますね。


脱着して洗浄し、磁石の鉄粉も除去。
古い液体ガスケットも取り除きます。


ATFストレーナーを交換し、オイルパンを組み立て。

某国から直輸入の特殊液体ガスケットを使用していますので、装着後にはスグ作業が出来ます。

ガスケットが硬化するまでの養生タイムが必要ないので、完璧でスピーディな作業が出来るんですよ。


高密着性・高作業性から、他の液体ガスケットを使うことは無くなりました。

ATFを補充し、エンジン暖機。
ATFチェンジャーのホースを接続して、ATF圧送式交換の準備完了。



まずはニューテックNC-RFリンシングフルードでプレ洗浄。
全量イッキに交換しますね。

9L使用してプレ洗浄が終わりました。

・左奥の新油モニターがNC-RF ほぼ透明のフルードです。
・中央ビーカーが廃油 真っ黒でした。
・右手前がプレ洗浄後のATF 少し透明度が出てきました。




ここから15分ほどのアイドリングタイム。
次は本命ATFのアイシンAFW+で圧送式交換します。



ほぼほぼ完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば、次回交換推奨距離は4万キロです。


最後にATFレベル調整も行いました。


デフオイルはガルフプロガード 75W90
ギアオイルも定期的に交換しましょう。




試運転時に感じたリアフロアからの異音振動。
プロペラシャフトの中間ベアリングが劣化していましたので交換します。




作業が終われば、いつものテストコースで試運転。

急加速・急制動・直進安定性などを再現しチェック。
市街地走行で凹凸ギャップでの異音や振動が無いか?をチェック。


試運転後には再リフトアップ。
漏れや締め忘れ等を何度も確認して、納車準備を進めます。


これぐらいの作業なら2週間預かり。

前半の1週間で作業をし、後半の1週間で調整・チェック・納車準備となるのがいつものパターン。



納車時には作業中に撮影した画像200枚ほどを見ながら、どんな作業をしてどうなったのか?を説明しています。  また画像コピーもお渡ししています。




説明時に今後の整備アドバイスや不具合が発生した時の対処などをお話ししています。

時間にして約1時間ぐらいは納車説明をしており、質問等がありましたらドンドン聞いていただければお答え出来ますよ~。



納車後少し経つとオーナーさんが戻ってきました。
乗った瞬間から車両コンディションが大幅に回復したそうで、お礼のために戻ってきてくれたようです。

ブレーキの効き・乗り心地改善・ギシギシしていた異音も解消。
直進安定性やシフトフィーリングも回復したようです。

10年10万キロ以上走行した車両をバラバラに無計画に整備しても、新車時のコンディションには戻りません。


長く良い状態で愛車を使用したいと思うなら、どこかのタイミングである程度マトメた整備は必要です。(それは家のリフォームと一緒)



その整備プランの提案が、リフレッシュプランの本質。
(1台ずつ違うリフレッシュ整備のプランニング)


(もしその車が私の愛車なら、限られた予算でどのように整備するか?)を考えながら整備提案をさせていただいています。



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。


過去の整備ブログをみて(○○年○○月の△△△の作業はおいくらしましたか?)と聞いていただけるとお答え出来ますよ~。


実施車両の一部ですがブログ公開しています。
整備予算の参考にしてくださいね。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12




それではHAPPY CAR LIFE!!




東京都からハイエース KZH132キャンピング仕様 リフレッシュプラン前編。ブレーキ・サスペンション整備はトータル整備に意味がある。

東京都から依頼をいただいたのはトヨタ ハイエースKZH132 ディーゼル 2WD キャンピング仕様車 走行距離21万キロ

リフレッシュプランのご依頼です。


リフレッシュプランは10年10万キロ以上走行した愛車を、もう一度新車時のコンディションに近づける為の整備メニューになります。


個別にバラバラに無計画に整備をしても、過走行車はいつまで経ってもコンディションは改善しません。

ある程度まとめて整備した方が、無駄な重複する工賃が節約出来る。

結果的には満足度が上がり、コンディションも大幅に回復しますよ~と弊社ではアナウンスしています。


4年前に個人売買で中古車購入。

室内はキャンピング仕様に改造済み、今後も長く使用できるようにリフレッシュプランを相談されました。


100系ハイエースワゴン ハイルーフロングの2WDディーゼル
キャンピング仕様の場合、1点だけ確認してほしい箇所があります。


荷室にリアタイヤハウスの出っ張りの間に、ショックアブソーバーを外すためのサービスホールがあります。

床を外してサービスホールが見えなければ、ショックアブソーバーが外せませんので注意が必要です。

(100系バンや200系はこの確認は不要です。)





予約時にサービスホールの有無を確認し、数か月後に入庫。

問診をして不具合や不満箇所をお聞きしてお預かり。
試運転をし、事前ホイールアライメント測定を実施。



盛大に乱れたホイールアライメント数値。

大阪府堺市までの自走入庫は大変だったでしょう。
数値を見ただけで、真っ直ぐ走らせずらい車両だと想像できます。


サスペンションやブレーキ・エンジン・ATなどをリフレッシュ整備、
復路は全然違う愛車になるように整備提案をさせていただきました。。




冷却水のリザーバータンクは、LLCがほぼゼロ。

冷却水漏れがありそうですが、オーバーヒートは今のところ大丈夫。
どこから漏れているのか?調べましょうか。

リフトアップして車両点検。
少しサスペンション部品を分解。


整備プランの見積を制作し、予算に合わせた整備を提案しました。



ガタがあったフロントハブ。


Frハブベアリングは整備歴有と聞いていましたが、おそらくプリロード調整だけだと思います。(グリスがかなり古いので、交換はしていないはず)

ハブを分解してO/Hしますね。

古いハブベアリングは打ち抜いて、ハブケース内を洗浄。

新しいハブベアリングを圧入し、グリスとオイルシールも交換しました。





FrアッパーアームASSY交換。

アッパーボールジョイントを上下に揺すると、カタカタとガタ有。
ガタが有ると据え切りしたり、段差を乗り越えると異音がします。



ボールジョイントは非分解構造なので、ブッシュもまとめてアームASSY交換。


ロアアームはブッシュをSSTで打替え交換。
テンションロッドのブッシュも交換します。



・ナックルのロアボールジョイント
・スタビライザーのリンクブッシュ
・ショックアブソーバー
全て寿命が来ているので交換しました。


外したショックアブソーバーを手で押し込もうとしても動かない。
完全に内部でピストンが破損していますね。




ステアリングのラックエンド。
ハイエースでこの走行距離なら、大体ガタが出ています。

ボールジョイント摩耗によるガタ。
操作時の異音やステアリングのセンターが決まらなくなりますよ。



試運転ではブレーキの効きが悪いなぁ~と。
コントロールがしづらく、ペダルの踏み込みも深い。



Frブレーキをオーバーホ-ルしますね。

ハブからディスクローターを分解し、ディスクローター研磨機で再生。
仕上げに耐熱塗料で塗装しました。


ディスクローター研磨のススメ。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924


研磨で再生すれば予算が抑えられる。
また10万キロ使用し、浮いた予算は別の箇所の整備に使いましょう。



キャリパーは分解して完全洗浄、シールKITでリフレッシュ。
ブレーキパッドはWAKO’S高性能ブレーキパッドグリスBPRで組付け。



10年に一度はブレーキO/Hでリフレッシュすると、新車時と同じ性能に。  逆に中途半端な整備をすると異音やフィーリング低下が残るんですよね。

ディスクローターを装着し、ナックルにプリロード組付け。

そこからディスクローターの振れチェック。
基準値を超えている場合は振れが最小になるように組み替えます。

振れが大きいと高速ブレーキング時にジャダーが出ますよ~。






リア アクスルシャフトのベアリング交換。(ABS無し)

SSTと油圧プレスでシャフトを打ち抜いて、ベアリングやオイルシールを交換。



ベアリングを引き抜くには専用工具SSTが必要。
無理やり作業をすると、シャフト自体を傷付けてしなうので注意が必要ですよ。




リアサスペンションアームのブッシュ全数交換。

ワゴン車の5リンク式サスペンションアームに圧入しているブッシュは全て交換。

スプリングインシュレーターも同時交換しました。



アームブッシュを交換するにもSSTが必要。

SSTは自社で製作しておりますので、簡単にアームを傷付けることなく交換が出来るのです。



ブッシュの角度や方向性がありますので、印を付けてから交換していますよ~。






リアスタビライザーのブッシュも摩耗でガタガタ。
高速走行時のレーンチェンジはフラついて安定感がないでしょう。


全数ブッシュを交換。
スタビがリニアに仕事が出来ますね。





リアドラムブレーキもオーバーホ-ル。

ライニングシューを交換してブレーキシリンダもカップKIT交換。
ドラムは研磨にて再生しました。


ブレーキホースを交換して、ブレーキフルード交換&エア抜き作業。

リアドラムはクリアランス調整をして、4輪でキュッと止まるコントロールがしやすいブレーキに戻ります。





整備リフトからアライメントリフトに移動して、リアショックアブソーバーを交換。


100系ワゴン車は室内からアクセスして、ショックアブソーバーの固定ナットを外します。  内装の改造次第で交換が出来ない場合があるんですよね。



リアもフロント同様に内部のピストンは破損し、ショックアブソーバーの性能は発揮出来ていない状態でした。


サスペンションアームのブッシュを1G締付してから、軽く試運転。
ブッシュやインシュレーターなどを少し走行して馴染ませます。



もう一度リフトアップして車高調整。
ハイエースのフロント車高は調整機構があり、基準値と実測値を考慮しながら高さを調整します。


入庫時の高さは、フロント車高はかなり高い。
お尻が下がった状態だったのです。


それを新車時のように少し前傾にするには、フロントの数値を割り出して下げる必要があります。

地面水平ライン(赤い糸)を設定して、Fr車高を調整。  左右のバランスも整えます。

車高調整が出来れば、ホイールアライメント調整。


・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスターWA470ホークアイ
・国産最高峰イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト




10万キロ以上走行した車両にホイールアライメント調整だけしても意味が無い。
サスペンション整備と同時に実施すると効果絶大。


数分で測定完了。
組立てスグの状態だと、こんな感じでバラバラな数値。

部品を交換しただけでは、本来のサスペンション性能は回復しない。




サスペンション整備後には必ずホイールアライメント調整。   これをセットで行うのは意味があるんですよね。


車体下に潜り込んで、ホイールアライメント調整。
数値を確認しながら調整作業をしていきます。



フロントはほぼ完璧な数値に。
リアはリジットで調整不可ですが、かなりキレイに整いました。


ブレーキング・高速安定性・乗り心地はほぼ新車同様に戻ったと思います。



次回ブログでもハイエースKDH132のリフレッシュプランを紹介します。

エンジン・ATなどを整備しますのでお楽しみに!!
それではHAPPY CAR LIFE!!



福井県からマツダCX-8 ATF完全圧送式交換 forニューテック最高峰ATF NC-65。

全国各地から弊社のATF交換依頼をいただいています。
私の記憶を辿ると(沖縄県・青森県)からの依頼車両はまだ無かったはず。
両県の方、是非お待ちしています。



福井県から入庫したのはマツダCX-8 KG2P 令和1年式 走行距離10万キロ

ATF完全圧送式交換のご依頼です。


予約入庫から問診。
お預かりをして代車をお貸ししました。


作業は1日で完結させ、日帰り作業になります。



試運転をしてリフトアップ。

ATFの状態をチェックして、オイルパンは外しました。


オイルパンを洗浄し、磁石の鉄粉を除去。
ストレーナーも交換し古い液体ガスケットを除去して、組み立てますね。


弊社では特殊な液体ガスケットを使用しています。
某国から直輸入している高性能液体ガスケットなら、装着後スグに次の作業が始められて、シーリング性能も非常に高い。


日帰り作業で行うには、確実で手際よい作業が求められます。

オイルパンを組付けて、排出した分のATFを補充。
完全暖機後に専用アダプターをATに接続。

これで密封式ATでも圧送式交換が可能になります。



本命ATFで交換する前にまずはプレ洗浄。

プレ洗浄に使用するATFはニューテックNC-RFリンシングフルード。



全国でもトップクラスのATF交換実績のある弊社では、プレ洗浄用フルードはスグに無くなる。

20Lペール缶では追い付かないので、200Lドラム5本の1000Lでオーダーしています。


日本でプレ洗浄用フルードを大量に在庫している整備工場は恐らくないと思います。(年間施工台数が他社とは全然違うので。)


ブログで紹介しているのは、実際の施工台数の一部です。

ニューテック謹製NC-RFは弊社が企画し、ニューテックさんに開発していただいた専用リンシングフルード。http://minato-motors.com/blog/?p=17434


本命ATFを使用するために最適化されたリンシングフルードを使用してのATF完全圧送式交換は日本では弊社のみになります。


それでは全量イッキにNC-RFで圧送式交換をしますね。


・左奥が新油モニターのNC-RF
・中央ビーカーが廃油ATF
・右手前のクリーナーモニターがプレ洗浄後のATF

交換前の廃油と比べて、プレ洗浄後はかなりキレイになりましたね。



15分間のアイドリングタイム。
次は本命ATFで交換します。


ニューテック史上最高峰ATF 『NC-65』
全化学合成ハイパフォーマンスATF(エステル系)


極薄で強靭な油膜性能はローフリクション・ハイパフォーマンス。
高温・高回転・高負荷時でも安定した油膜性能を発揮。
エステル系基油を贅沢に使用しているので、なかなか劣化せず長寿命。


純正ATFの数段上を行く、市販ATFで最強レベルの高性能フルード。
高トルクスカイアクティブD車にお勧めしています。


ニューテックNC-65のレビューはみんカラ等のSNS等で絶賛されていますので、弊社が宣伝する必要もないでしょう。

おかげさまで依頼車両の8割以上は(NC-RF & NC-65)でのATF交換をオーダーされます。


ATFチェンジャーにセットして、圧送式交換をしますね。


完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイに入れ替われば、次回交換推奨距離6万キロ以上です。


ストリート走行レベルの負荷では簡単に劣化しないので、長く使用出来てロングライフですよ~。



ATFクーラーを洗浄し、規定温度でATFレベル調整。
ATF量は多くても少なくてもNGです。


オプション整備のリアデフ・トランスファギアオイル交換。
ニューテックNC-70 75W90
全化学合成ハイパフォーマンスギアオイル (エステル系)







最後に試運転をして、無事当日納車となりました。


マツダCX-8などのスカイアクティブ6速ATで、ニューテック(NC-RF & NC-65)でのATF完全圧送式交換が施工可能なのは日本で弊社のみ。


御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。
ぜひニューテックのATFを体感してくださいね。
それではHAPPY CAR LIFE!!

デリカD-5 CV1W リフレッシュプラン後編。    サスペンション・ブレーキもリフレッシュ。 ホイールアライメント調整!!

前回・前々回ブログで紹介した大阪市から依頼のデリカD-5 CV1W ディーゼルエンジン 走行距離12万キロ。


車両全体を整備するリフレッシュプランを依頼されました。
最優先のディーゼルエンジン整備がDSCとマルチサーブで完了しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=38899 DSC
http://minato-motors.com/blog/?p=38959 マルチサーブ

今回のブログではサスペンションやドライブシャフト・ブレーキやATF交換等を整備していきます。



リフトアップしてタイヤを外し、サスペンション整備。

少し前にショックアブソーバー関係はKYBに交換済みだそうで、今回はサスペンションブッシュ関係を整備させていただきます。



リアサスペンションアームブッシュ交換。

ブッシュ単体で部品供給される箇所は油圧プレスで圧入交換。
アームASSYでしか供給されない部品はASSY交換になります。






ロアアームを外しますのでスプリングインシュレーターも同時交換しました。




フロントロアアームはブッシュやボールジョイントの単体供給は無いので、アームASSY交換になります。


前後スタビブッシュも交換しました。






劣化しやすいフロントドライブシャフトをリフレッシュ。

純正ブーツグリスKITでO/Hしました。

半固体のグリスが液体状になれば寿命ですよ。
またシャフトブーツもIN側はゴム製ですので劣化して割れます。


定期的に整備すればドライブシャフトも長く使えるんですよ。


CV1WのデリカはFr右のアウターブーツKITは部品供給がありません。
(Fr右のみブーツを再利用し内部洗浄して、グリス注入してブーツバンドを交換しました。)




ハブベアリングはFrのみ交換を提案しました。


フロントは圧入式でバラバラに分解しないと交換が出来ません。
また交換時にはホイールアライメント調整が必要です。
今回同時に実施しておけば無駄な工賃の重複が省けますよね。



リア側はボルトオンで固定されているので、あとから簡単に交換可能。
悪くなって異音が出てからの交換で良いかと思います。


ちなみにフロントハブベアリングは単体供給で部品代は安価ですが、リアはベアリングASSYになるので部品価格はなかなか高額。


予算に合わせて整備提案をさせていただいています。


ブレーキのキャリパーは以前に地元で整備済み。

今回はディスクローターを研磨再生して、ブレーキパッドをリフレッシュします。

前後のディスクローターを研磨再生し、耐熱塗装(500℃)でリフレッシュしました。

ブレーキパッドはWAKO’S BPR高性能ブレーキパッドグリスで組立。

エンジンマウント 全数交換。
前・右・後・左の順番で交換難易度があがります。

後側のエンジンマウントは簡単に外れそうで外れない。
サブフレームを降ろさないとブッシュ交換が出来ません。


左側のミッションを支えているマウントは固定ボルトを回すスペースが無いので、周辺部品をゴッソリ外さないとボルトが回せないんですよね。


最後にマウントブッシュの1G締付。
マウントブッシュに無駄なテンションが掛からないように、順番にボルトを締め付けていきます。

狭いデリカD-5のエンジンルーム。
その奥にある樹脂製インテークダクトパイプ。

このパイプのバンド締付部が高確率で割れるので、今回の整備時に新品パイプに交換しました。

車齢10年 走行距離12万キロでの予防整備ですね。

ATF交換を行いますが、この車両は過去に何度もATF交換済み。

そこで今回はプレ洗浄等は省いて、いきなり本命ATFで圧送式交換をしました。



使用する本命ATFはニューテック史上最高峰ATF(NC-65)
全化学合成ハイパフォーマンスATF エステル系

・極薄で強靭な油膜性能はローフリクション・ハイパフォーマンス
おそらく市販ATFでは最強レベルの油膜性能。


ドライブシャフトを外した時に排出した分のATFはニューテックNC-RFを補充し、ATFチェンジャーで全量イッキに圧送式交換をしますね。


キレイに入れ替わりましたね。

プレ洗浄を行えば色までキレイに入れ替わりますが、無しでもここまでキレイになったので全く問題ないでしょう。


次回交換推奨距離は6万キロになります。


トランスファとリアデフオイル交換
ガルフプロガード 75W90で交換しました。



ブログ前編のDSC時には冷媒ガスを530gを回収しており、リチャージと同時にカーエアコンリフレッシュαで冷媒ガス780gをリチャージ。


冷媒ガスリフレッシュと同時にニューテックNC-200コンプブーストを注入。 コンプレッサーの気密潤滑を強化しました。


整備リフトからアライメントリフトに移動。

タイヤが4輪接地した状態で1G締付を行います。



サスペンション整備時の必須作業(1G締付)

1G締付についてはググっていただけると分かりやすく解説しているのでそちらを参考に。


簡単に言えば組付け時に発生するブッシュの捻じれを取りましょう!という作業。  それをしないと走行中は捻じれたブッシュに負荷が掛かりすぎるので、交換したブッシュが早期破損します。


それを(やらない・やれない)整備工場もありますが、弊社ではサスペンション整備時には確実に行っています。



そこから試運転をしてブッシュを馴染ませてから、サスペンション整備時にもう一つの必須作業(ホイールアライメント調整)を行います。



調整用カムボルトを中立の位置にして組み立てても、ホイールアライメント調整前はこんな感じでバラバラな数値。

これでは真っすぐに走る事は難しく、ハンドルも曲がった状態で走る事になるでしょう。



車体下に潜り込んでホイールアライメント調整を行いますね。

・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター WA470ホークアイ
・イヤサカ社高剛性ビシャモンマルチアライメントリフト


整備後のホイールアライメント数値

最終的にはこんな感じで調整しました。

上の画像がサスペンション整備後の数値。
下の画像は入庫時の測定したアライメント数値。

参考 整備前のホイールアライメント数値

サスペンション整備後にはホイールアライメント調整は必要なんです。
ですが国内の自動車整備工場でホイールアライメントテスターとアライメントリフトを導入しているのはほんの僅か。(国産車ディーラーも同様)

おそらく輸入車ディーラーの整備工場にはほぼ導入しているはずですが、国産車メインの整備工場となると・・・・でしょう。



先進運転支援システム(ADAS)は搭載された最新の車両などは、更にホイールアライメント調整が必須作業なんですけどね。


作業を終えて試運転。

いつものテストコースを走ります。
高速走行からのブレーキングや市街地の凹凸走行などをして、異音や振動・整備ミスが無いかを入念にチェック。

帰ってきてから再リフトアップ。
オイル漏れや締め忘れなどを何度も確認。



リフレッシュプランでは百か所以上はボルトナットを緩めて締めて。

締め忘れをしない為にはマーキングが確実。
締め付けたら必ずマーキングをする習慣を付ければ、締め忘れのミスは無くなります。



下回りのマーキングは気にしていませんが、エンジンルームのマーキングは雑にすると美しくないので、ユーザーさんの目に付きやすい箇所は極小のマーキングに留めています。


タイミングベルトなどカバーをして再確認しにくい箇所のマーキングは、デジカメで撮影しています。



(○○は武士の恥)ならば、(締め忘れは整備士の恥)かな?と思っています。


デリカD-5 リフレッシュプラン3部作を見ていただいてありがとうございます。

デリカD-5へのDSC・マルチサーブのご依頼・御見積は、HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。


また車両全体を新車時に近づけるリフレッシュプランをご希望の場合も同様に、HP(お問い合わせフォーム)からご相談ください。



どうぞ宜しくお願い致します。

大阪市からデリカD-5 リフレッシュプラン中編。  DSCインテーク煤除去のあとは、マルチサーブでインジェクター・DPFシステム洗浄。

前回ブログで紹介したデリカD-5 CV1W 平成26年式 走行距離12万キロ
リフレッシュプランで入庫しました。

まずはDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
ディーゼルエンジンのインテークに堆積する煤を完全除去しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=38899


次はインジェクターとDPFをマルチサーブでシステム洗浄します。




欧州から導入したマルチサーブ。

ディーゼル車の普及率が高いヨーロッパではディーゼル整備も一歩先を行っています。 


あちらの市中ではまだまだディーゼル車が多く走っているので、年数の経過したディーゼルメンテナンスは必須作業なのでしょうね。

日本ではディーゼルエンジンへの整備意識が低いので、知らない方が多いのが現状。   ディーラーさんも販売する時には何も言わないですから。

まずは作業スペース確保のためにワイパーやガーニッシュ等を外します。

エアクリケースの奥にあるフューエルラインにマルチサーブのIN・OUTホースを接続。 

(燃料タンクにある燃料ポンプは作動させず、タンクの燃料も使用しません。)



マルチサーブからインジェクター洗浄ケミカル(ディーゼルシステムパージ)を送り込み、(燃料サプライポンプ・コモンレール・デリバリーパイプ・インジェクター・燃焼室)にあるスラッジ・カーボン(煤)をゆっくり洗浄します。





サプライポンプで高温高圧圧縮された軽油は、どうしても少しだけ汚れが発生します。


その汚れはインジェクターのニードル部などに少しづつ付着し、燃料噴射の弊害になります。

メーカーもその汚れは承知しているので、ECUで演算し燃料噴射量を増減させてリカバリーしてエンジン制御しています。


でもね。それも限度があります。
酷くなるとインジェクターの作動不良・振動・加速不良になるので、そうなる前に定期的なメンテナンスは必要なんですよ~。




1000mlのディーゼルシステムパージを投入。


強力洗浄にセットして、約75分ほどエンジンを掛けながらの洗浄工程。
ゆっくり確実に洗浄していきます。





75分ぐらいで作業は完了。
インジェクター洗浄システムが終われば、元の状態に組み立て。



オプション整備として今回はフューエルフィルターも同時交換しました。

エンジンルームの最深部にフューエルフィルターがあるので、マルチサーブと同時に交換した方が工賃が安くなります。





フューエルフィルターの内部を覗き込むと、濾過紙が真っ黒ですね。
この汚れがインジェクター内部などにもあるので、マルチサーブでの定期洗浄は必要なんですよ。

新品フィルターに交換しました。





次はDPFシステム洗浄を行います。

マルチサーブのホースをDPF上流に繋がるパイプに接続。


DPF洗浄用ケミカル1液目(DPFクリーナー)1000mlをマルチサーブに投入。

これがマルチサーブからDPFに直接注入されます。

DPFにセットして強力洗浄を選択。

あとは液晶画面の指示通りに作業を進めます。



DPFクリーナーを注入後、次は2液目(DPFフラッシュ)1000mlをマルチサーブ投入。



市販の安価なDPF系洗浄用フォームは容量が少なすぎると思います。
WAKO’S製品は弊社でも取り扱っていますが非採用。
あちらのケミカル容量は165ml (ディーゼル2)。


マルチサーブ専用品と一般市販品ではケミカル容量だけでも6倍ほど違います。
それにマルチサーブはクリーナーとフラッシュで2000mlですから、12倍ほど使用するケミカル量が違うんですよ~。


この辺りは本格的な整備用品とDIY商品との違いでかね。



エンジン回転数を上昇させてDPF温度を高め、洗浄効果を促進。
そうすると猛烈な廃液がマフラーから出てきます。

同時に白煙や異臭が作業場が酷い状態になるので、排煙廃液回収装置を開発し、廃液は装置で回収しています。


回収装置の一部はクリアパイプを使用し、廃液の色や状態を確認しています。
廃液の色は黒・灰・茶といろいろありますが、DPFコンディションによって変化しますね。

今回は茶色で結構汚れていました。


DSC後もマルチサーブ後も最後には燃料噴射量再学習や各部リセット初期化しています。

強制燃焼をしDPF差圧センサー等の数値も確認して完了です。




納車時にはインジェクター用とDPF用の各アフターケミカルを手渡ししています。


インジェクターにはディーゼルエクストリームクリーナー
DPFにはDPFリジェネレーター
どちらも容量は500lm

燃料タンクに抽入してインジェクターとDPFを洗浄していくケミカルです。


マルチサーブの装置で即効的に、アフターケミカルで遅効的にと、W洗浄で効果を高めています。




大阪から依頼されたデリカD-5のリフレッシュプランは、ディーゼルエンジンのメンテナスを最優先に依頼されました。(DSCやマルチサーブ洗浄はディーラーさんでは出来ないので。)



次回後編ブログもデリカD5 リフレッシュプランの続きを紹介します。
サスペンションやドライブシャフトなど足回り下回りの整備を紹介しますね。

それではお楽しみに!!  HAPPY CAR LIFE!