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スバル WRX S4 VAG リニアトロニックCVTF完全圧送式交換。 ニューテック全化学合成でCVTFを入れ替えますね!!

大阪府からお越しいただいたのは、スバル WRX S4 VAG 走行距離6万キロ

リニアトロニックCVTFの完全圧送式交換の依頼で予約来店していただきました。

・リニアトロニックCVTF圧送式交換
・オイルパン洗浄ストレーナー交換一式
・Fr、Rデフオイル交換
今回も3点の作業を日帰り作業で行いますね。

朝9時半に入庫していただいて、問診をしお車をお預かりしました。

試運転をしてからリフトアップして、CVTFの状態をチェックします。



そこからオイルパンを外して洗浄し、磁石に付着した鉄粉も除去します。

またストレーナーも同時交換しますね。


洗浄したオイルパンに液体ガスケットを塗ってから、清掃したCVTに再組立てします。


ただ再組立てするにはCVTからポタポタ落ちてくるフルードが止まらないと、組み立てが出来ないんですよね。

ポタポタ落ちてきたフルードが一粒でも液体ガスケットに付着すれば、密着不良を起こしフルード漏れの原因になります。


スバルのリニアトロニックCVTは他社AT・CVTFに比べて、フルード切れが悪いんですよね~。  2時間3時間ぐらいの放置でも、フルードのポタポタが止まらず時間が掛かるタイプなんです。



普通では一晩置いて1泊お預かりで作業しますが、弊社では基本は日帰り作業で完結しています。


リニアトロニックCVTの構造を把握し、独自技術で(フルードポタポタ)を短時間で止める方法を開発しましたので、余裕をもって日帰り納車を実現しています。


リニアトロニックCVTのCVTF交換だけでも、年間かなりの台数を作業してきていますので、このあたりは経験値の差になるのでしょう。


他府県からの依頼が圧倒的に多いので、なるべく日帰りで納車が出来るようにしています。

オイルパンを組み立ててからフルードを補充し、完全暖機します。


CVTとATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続して、まずはプレ洗浄を行いますね。


本命CVTFにはニューテック全化学合成ハイパフォーマンスフルードを使用しますので、その前にニューテックNC-RFでプレ洗浄します。


弊社がニューテックさんに提案して制作していただいたプレ洗浄専用フルード(NC-RF リンシングフルード)。


本命に使用するNUTECのフルードに対して最適化するために開発していただきました。   過度な洗浄力は求めず、AT・CVTに対しての攻撃性も無くし、効率よく内部を洗浄していきます。

名称をフラッシングフルードではなく、リンシングフルードとしているのはそんな理由からなんですよね。





まずは全量イッキに圧送式交換でプレ洗浄しますね。


1回のプレ洗浄でここまでキレイになりました。


左奥の新油(NC-RF)に比べるとやや濁りがありますが、中央ビーカーの廃油と比べるとかなりキレイになりましたね。



ここまでキレイになれば、高価な本命CVTFが使えます。



(プレ洗浄フルード)と(高価な本命フルード)を分けないと、費用が掛かりすぎて非経済的ですよね。

本命にはニューテック(ZZ51改)全化学合成ハイパフォーマンスフルード。

エステル系基油を贅沢に使用した100%化学合成フルードで、純正フルードを遥かに凌駕する潤滑性・耐熱性を発揮。


低温から高温時まで安定した強靭な油膜性能は、フィーリング向上だけではなくフルード耐久性向上でCVT自体を保護します。



NC-RFとZZ51改を入れ替えて、もう一度全量圧送式で交換しますね。

キレイに入れ替わりましたね。


ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約5万キロ。
それまではノーメンテでOKです。

フロント・リアデフオイル交換

こちらもニューテック NC-70 75W90を使用します。
全化学合成ギアオイル(エステル系)


最後にCVTFクーラーを洗浄して、一度CVTを冷却します。


そこからエンジン始動し暖機、規定フルード温度でレベル調整を行います。
試運転をして最終確認をし納車となりました。

CVTF交換もデフオイル交換も予防整備です。

壊れたり、違和感が出てから交換するものではなく、(そうならない為に実施しておく整備)だと弊社ではアナウンスしています。


間違った解釈や間違った交換方法が広がった故に、(ATF・CVTFは無交換でOK)と認識している方が未だに多いですが、それは間違っていますよ~。



ただ施工する整備工場を間違えると、残念な結果になる可能性がありますので、施工実績なども考慮して整備工場を選びましょう。

http://minato-motors.com/blog/?cat=8
ほんの一部ですが参考にどうぞ。

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

CVTF・ATF交換のご予約お見積りはHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

どうぞ宜しくお願い致します。
それではHAPPY CAR LIFE!!


マツダ スカイアクティブ-Dの燃料系・DPF系をリフレッシュ!!マルチサーブでシステム洗浄。

大阪府からお越しいただいたのはマツダ アクセラ BM2FS。

2年前にDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)でスカイアクティブ-Dの吸気系に堆積する煤除去作業をさせていただきました。

今回のご依頼はマルチサーブでフューエル系・DPF系のシステム洗浄をさせていただきます。



前回DSCを実施したのが53000km。
今回の入庫は67000km。


マルチサーブを導入して以来、DSCを依頼される方の約半数は同時施工をしていただけています。


今回の和泉ナンバー(アクセラBM)は2年前のDSC入庫時には、まだマルチサーブを導入していませんでしたので、後日ブログを見て予約をしていただきました。  ありがとうございます。



最近はアクセラのように後日マルチサーブ依頼も好調に増えてきましたね。

軽く試運転後にスキャンツールを接続し、ライブデータ数値を確認。
もちろんECUの異常コードは無し。

マルチサーブに関してはエンジン・DPFの調子が悪くなってから行うのではなく、(悪くならないための予防整備)として提案しています。



もちろん少々の汚れ堆積でインジェクターとDPFが劣化していても、マルチサーブで回復するのですが、物には限度がありますよね。


あまり酷い状態だと洗浄では回復せず、高額な部品交換になる場合もありますよ。


インジェクターやサプライポンプやデリバリパイプの燃料系洗浄、排気のDPF系洗浄には全5本のマルチサーブ専用ケミカルを使用します。

ちなみにこの5本のケミカル剤は非常に高額。 皆さんが想像している金額の倍ほどだと思いますよ。

まずはDPFから洗浄しますね。


DPFに通ずるパイプにマルチサーブのホースを接続。


DPFクリーナー1液目をマルチサーブに投入。




エンジン停止状態から1液目を自動注入し、15分のインターバル後にエンジン始動。





エンジン始動してから5分間アイドリングタイム。


5分後にDPFフラッシュ2液目をマルチサーブに投入。


エンジン回転数を上げて5分間維持します。

これでDPFの第一段階は終了。


引き続いてインジェクターなどのフューエル系を洗浄します。

サプライポンプに通ずる配管にマルチサーブのホースを接続。


ディーゼルシステムパージをマルチサーブに投入。

強力洗浄にセットして時間と圧力を設定します。

約60分間ほどアイドリングしながら、ケミカルの効果でサプライポンプ・デリバリパイプ・インジェクターなどのフューエルラインを内部洗浄しますね。


・・燃料(軽油)が流れる経路がなぜ汚れるのか??
液体を高圧で圧縮すると温度が上がります。そうするとほんの僅かですが微細な汚れが発生するから。





下の画像はトヨタ系のコモンレール式ディーゼルのフューエルプラグです。黒い汚れが付着しており、指で拭くとキレイになりました。   こんな感じで微細な汚れはフューエルラインには付着するのですね。



特にクリーンディーゼルのコモンレール式になってからは、非常に高圧で燃料を圧縮するので汚れは発生しやすい。

またコモンレール式インジェクターのニードル周りは繊細で精密に出来ていますので、ほんの僅かな汚れの付着が噴射性能に大きく影響するのですよ。



・・噴射性能が劣化すればどうなりますか??
当然精密な噴射コントロールが出来なくなるので、均一で効率的な燃焼が低下しますよね。(煤発生率増加、パワーダウン)



近年はガソリン車以上にクリーンディーゼルは予防整備の必要性が増しています。


これでDPF系とインジェクター系の洗浄作業は完了です。

ここからエンジンと排気系の温度を上げて、洗浄効果を促進させますね。
同時にDPF内部のケミカルと煤・アッシュ等を排出作業を行います。



マルチサーブを接続して行う作業自体は簡単。 大変なのはこの後に行う(洗浄促進・排出作業)


泡まみれの廃液と大量の白煙が収まるまでは、エンジンの回転数を上げながら作業を行います。






スキャンツールでライブデータ数値のビフォーアフターで見比べますね。

DPFの差圧センサーの数値が改善しましたね。



PMの堆積量もほぼゼロに。




各インジェクターのバラツキも整いました。



マルチサーブの作業時間は約6時間。
朝10時入庫で夕方納車の日帰り作業で完了します。

納車時には画像を見ながら作業内容を説明。質問等がありましたら是非どうぞ。


手渡しでDPFリジェネレーターとディーゼルエクストリームクリーナーを各1本ずつお渡ししています。


これはマルチサーブ施工後にガソリンスタンド行った時で良いので、燃料タンクに投入。    走りながらゆっくりと各機関を洗浄していくアフターケミカルです。



もともと煤が溜まりやすいスカイアクティブ-Dですから、理想は今回のようにDSC施工後にマルチサーブのシステム洗浄を行うのがベスト。


煤が凄く堆積して燃焼状態が悪い車両にマルチサーブを実施するのは、どうなんでしょうか?  基本は吸気系の煤を取り除いてからの方が効果的で良いかと思います。


マルチサーブの施工予約やお見積りはHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!


解説シリーズ ハイエースリフレッシュプラン。 予約編・実作業編まとめ。検討される時は一読を。

ハイエース LH178 平成16年式 走行距離25万キロのリフレッシュプランの様子を全8回に分けて紹介しました。


これからリフレッシュプランを依頼しようかと検討されている方は、ぜひ下記のブログをサラリと見ていただけると助かります。


予約編
http://minato-motors.com/blog/?p=31100 その1
http://minato-motors.com/blog/?p=31115 その2
http://minato-motors.com/blog/?p=31124 その3
http://minato-motors.com/blog/?p=31143 その4

実作業編
http://minato-motors.com/blog/?p=31171  その1
http://minato-motors.com/blog/?p=31218 その2
http://minato-motors.com/blog/?p=31277 その3
http://minato-motors.com/blog/?p=31338 その4




いつもは1回のブログ更新で紹介している内容を、あえて8回に分けて解説したのは(リフレッシュプランを利用する方は、ほぼ新規のお客様だから)です。


・知らない整備工場に自分の愛車を預ける。
・初めての利用なのに、前金を振りこまないといけない。
・そもそもリフレッシュプランっ何??

特に遠方からの依頼が多いので、その辺りの不安を少しでも取り除ければな~と思い書いてみました。



リフレッシュプラン完了後の納車時には作業中の画像をモニターで見ながら、作業内容を説明しています。


・ここの部分が劣化しているので、交換をしました。
・予算上でこの部分は保留としていますが、今後は経過観察で良いかと思います。

作業時に気が付いた事や今後の整備アドバイスも納車時には行っていますので、不明な点がありましたらドンドン質問をしていただけるとお答え出来ます。


撮影した画像は平均200~300枚ぐらいはありますので、DVDにコピーしてお渡ししています。 

何かの役に立つかもしれないので、記録用に保管保存しておいてください。


トヨタは比較的に部品供給は長めです。  結構古い車種でも純正部品が供給されます。   ですが一部そうでない部品もあるんですね。


ちなみに今回の平成16年式LH178 ハイエースのエンジン・インテークダクトゴムホースは既に生産終了でした。

ですが下の画像にあるツートンカラーのH12年式ハイエースLH178のダクトゴムホースは部品供給があるのです。


なぜか??は不明ですがそんな事もあるんですよね。

新車から20年ほど経過してくると徐々に純正部品が手に入らなくなるのは、少し想定しておいた方が良いかと思います。




あとはどのメーカーにも言える事ですが、純正部品はある一定の年数が経過すると価格改正され、一部値上がりします。


値下がりする事は稀ですが、大体は管理コストの理由から部品価格は高くなるのが多いですね。


今までの経験上で一番値上がりしていたのは、レクサスLSのエアサスでしょうか。 もともと高額のエアサス価格が1,5倍ほど高くなってくると整備予算も大幅に変わるんですよね。



弊社は(純正部品至上主義)ではありませんので、純正部品と社外部品は使い分けしています。   (性能が低い安価なだけの社外部品は使わない)という考え方です。

・車両現状の不具合や不満点
・お預かり出来る期間
・今回のリフレッシュ整備に掛けれる予算

HPのお問い合わせフォームからリフレッシュプランのご相談を受けた時は、上記の3つの質問をしています。

同時に類似作業の参考ブログも総額を付けて提示しています。


弊社ブログから気になるブログがありましたら、○○年○○月の△△△の整備は総額いくらの費用が掛かりましたか??と聞いていただけるとお答え出来ますよ。





それではHAAPY CAR LIFE!!










解説シリーズ ハイエース リフレッシュプラン。実作業編その4  サスペンション整備の必須作業。車高とホイールアライメント調整作業。1G締付もお忘れなく!!

香川県から依頼されたハイエース LH178 ディーゼル4WD のリフレッシュプラン。

平成16年式 走行距離が25万キロの車両ですが、バッシと走るハイエースに戻すリフレッシュ作業を行いました。


予約編
http://minato-motors.com/blog/?p=31100全4部

実作業編
http://minato-motors.com/blog/?p=31171その1~3まで

今回の実作業編その4では、サスペンションやブレーキ・ハブ等の足回り下回り整備が完了したので、次のステップに進みます。

サスペンションのアームブッシュを交換して、ショックアブソーバーも交換しました。

タイヤを装着して整備リフトからアライメントリフトに移動します。


ハイエースのサスペンションは乗用車に比べると少し特殊で、フロントのみ車高が調整出来ます。

リアはリーフスプリングなので高さは固定なのですが、重い荷物を常時積み込みしていると、スプリングがヘタって車高が徐々に変動します。


劣化具合や使用用途に合わせてフロント車高を調整出来るのが、ハイエースの特徴。


街でハイエースを見た時に、お尻が下がって走行しているハイエースを見た事はないですか?    フロントが上がり、リアが下がった状態で走行するとブレーキの効きも悪いですし、走行安定性も低下しますよ。


ハイエースの整備書には各モデルに対して、リア車高の基準値があります。

A・リアはリーフスプリング前側のブッシュボルト中心から地面までの高さ。
B・フロントはロアアーム前側のアジャストボルト中心から地面までの高さ。


リアのブッシュボルトから地面までの高さを測定し、リア基準値(A)と比べる。


基準値Aよりも測定値Aが10mm短かったと仮定すると、フロントは基準値Bから10mmマイナスで調整値Bを割り出します。

簡単に言えばリアが10mm下がっていれば、フロントは基準値より10mm下げて高さ調整するんですよね~。


今回はフロントの車高が下がり過ぎていたので、リアの測定値から計算してフロント車高を微調整しました。


もちろん左右のロアアームのボルトの高さも合わせますよ。

車高が決まれば、そこから交換したブッシュやショックアブソーバーのボルトを(1G締付)します。

・タイヤ4輪が接地した状態にする。
・固定していたブッシュボルトを一度緩める。
・ブッシュのテンションが開放される。
・テンションフリーの状態でボルトを本締めする。



リフトアップして整備をしている状態は、サスペンションアームは伸びています。(垂れ下がる。)

リフトアップした状態で本締めすると、4輪が接地した状態(1G状態)ではアームが上方に角度を変えてブッシュがグニュッと捩じれます。

捻じれてテンションが掛かった状態で走行すると、せっかく交換したゴムブッシュが早期に劣化し、最悪破断します。

1G状態でブッシュのテンションをフリーにして、本締めするのが(1G締付)というサスペンション整備の必須作業。

1G締付後に軽く試運転。
交換したサスペンション部品を馴染ませます。


そしてやっとココからホイールアライメント調整を行いますね。




・アライメントリフトはイヤサカ ビシャモンマルチアライメントリフト。
ロングバージョンの特注レッドを使用しています。

国産最高峰のリフトのビシャモンリフト。
高剛性で水平レベルを長期に維持します。


ホイールアライメントを測定するのは、ハンター社アライメントテスター。
ホークアイWA470 最新鋭のアライメントテスターです。

ホイールに軽量樹脂製ホイールターゲットを装着。  ターゲットをホイールのディスク面にセットしてクランプで挟みます。

ディスク面とターゲットは大体中心付近にセットすればOK。
(アバウトな装着でも、全く問題ありません。)
(ターゲットにはシリコンリングが装着されているので、ホイールには傷が付きません。)



高精度カメラセンサー4基で、ホイールに装着したターゲットの動きを捕捉し、精密なのアライメント数値を瞬時に演算します。


ロアアームのアジャストボルトは中心にセットして測定しても、組み立てただけではバラバラな数値が演算されました。


サスペンション整備ではブッシュ交換やショックアブソーバー交換などをした時には、ホイールアライメント調整をしないと数値が乱れたまま走行する事になります。


真っすぐに安定して走るにはホイールアライメント調整も必須作業なんですよ~。

車体下に潜りこんで、ホイールアライメント調整を行います。

車体下からではPCモニターが見えにくいので、リモコンコントローラーを見ながら調整します。


車種によって手順は違うのですが、今回のハイエースはリアを少し調整してから、フロントの調整を行いました。


特にフロントのキャンバー・キャスター・SAIの微調整がしやすいハイエースですから、入念に調整作業を行いますね。

最後にフロント個別トゥを調整して、ステアリングセンターを合わせます。

フロントの左右の数値も最小限に抑えられて、なかなか良い数値になりました。
メーカー基準値にバランスよく近づけました。


このあとは試運転をして最終チェックを繰り返し、納車連絡をメールで行います。


次回ブログで実作業編もいよいよ最終回。
納車引き渡しからの総括をご案内したいと思います。

それではHappy Car Life!!

解説シリーズ ハイエース リフレッシュプラン。実作業編その3  ここが錆固着していると作業が進まない!! セイバーソーで一刀両断。

ハイエース LH178のリフレッシュプラン。

予約編から実作業編に変わり、やっと(その3)まで進んで来ました。

http://minato-motors.com/blog/?p=31171 その1
http://minato-motors.com/blog/?p=31218その2


今回は乗り心地や直進安定性に大きく影響するサスペンションアームブッシュの交換などを紹介します。


降雪地・塩害地で使用していたハイエースは、高確率でFrロアアームのブッシュの内径とアジャストボルトが錆固着しています。


・こうなるとボルトが抜けないので、アームが外せずブッシュ交換が出来ない。
・アジャストボルトが回せないので、ホイールアライメント調整が出来ない。



でっかいハンマーで叩こうが、バーナーで炙ろうが、全く抜けない場合が多いのです。


そこで登場する工具がコレ。

セイバーソー 電動ノコギリみたいな工具で、主に建築解体屋さんが使用するそうです。

これでアームやフレームを傷付けずに、ブッシュのカラーとボルトを一刀両断します。


固着したブッシュに対して、カットする個所は前後2か所。

幅5mmほどの隙間に超硬刃(極厚物切断用)を使用して、ボルトとブッシュカラーを切断します。


ボルトの直径が15mmで、ブッシュの金属部厚みが2ミリほど。
合わせて約17mmの鉄棒をセイバーソーでカットするのは、非常に大変。
(熱でスグに刃がナマリます。)

木材や軟鉄の板状ならサクッとカット出来ますが、18mmの鉄棒となるとそう簡単にはカット出来ないのです。

大体1カットするのに15分。ブッシュの前後をカットすると30分以上は掛かりますね。

ちなみにロアアームの4つのブッシュが全錆固着していれば、2×4で8カット必要。  ロアアームを外すだけで、軽く2時間以上は掛かるのです。


もし錆固着が無ければ、5分もあれば左右のロアアームが外せるのですが・・・錆固着があると時間は大幅に増えるのですよね。


ロアアームが外れたので、ブッシュを打替えますね~。

中空タイプのロアアームからブッシュを打ち抜くのには、SST(特殊工具)が必要です。


ロアアームを破損させないように、SSTを使用して交換しました。
またブッシュの位置も決まっているので、マーキングしてから交換しています。





リアのリーフスプリングのブッシュも打替えます。

4か所の内の1か所が錆固着していましたので、セイバーソーでカットしてリーフスプリングを外しました。


グラインダーが使えれば簡単にカット出来るのですが、残念ながら隙間が狭いのでグラインダーの刃が入らないんですよね。


リーフスプリングを油圧プレスにセットして、ブッシュ交換をします。


左右のリーフスプリングブッシュ交換が完了しました。


本当はシャックルブッシュも交換したかったのですが、LH178の構造上、燃料タンクを降ろさないと交換出来なかったので、今回は保留としました。




リアハブベアリング交換。

シャフトからベアリングを外して、シールとベアリングをSSTを使用して交換します。定番の整備個所ですね。





ホーシング側のインナーオイルシールも打ち直し。

ブレーキシリンダのカップキットも交換しました。




フロントスタビライザーのブッシュ全数交換。
丸いブッシュが5個×左右。 インナーブッシュが左右2個

錆と摩耗で擦り減ったリテーナーも交換しました。



エンジン・ATマウントを全数交換しますね。

エンジンを持ち上げずに、サブフレームを降ろしてマウント交換するのは、なるべくハーネスやホースに負担を与えず安全に交換したいから。

マウントを交換すれば、ボディに伝わるエンジン振動が大幅に軽減されますよ~。




アッパーアームやロアアーム。
ブレーキやハブ、ドライブシャフトやナックル。
ショックアブソーバー全数

順番に組付けていきますね。

ブレーキフルード交換とエア抜き作業。

前後のデフやトランスファのギアオイルはガルフ プロガード75W90LSD対応を注入。

錆固着したロアアームのアジャストボルトには、今後錆び付かないようにボルト首下部分に薄くグリスを塗っておきます。


これで錆固着は当分大丈夫でしょう。

こんな感じでサスペンションやブレーキ、ハブやドライブシャフトなどを整備して、やっとリフトからハイエースが降りました。





次回ブログでは1G締付や車高調整、ホイールアライメント調整の作業を紹介しますね。  これでサスペンション整備の出来栄えが大きく変わるので、要チェックですよ~。

それではお楽しみに~!!