1. TOP
  2. ミナトBLOG

解説シリーズ ハイエース リフレッシュプラン。実作業編その1  ハブとディスクローターの関係性。

香川県からお越しになられたのはトヨタ ハイエースLH178 ディーゼル4WD 走行距離25万キロ

提案型整備リフレッシュプランのご依頼です。

解説シリーズ1~4で予約から整備プラン決定までのプロセスを紹介しましたね。
http://minato-motors.com/blog/?p=31100 その1
http://minato-motors.com/blog/?p=31115 その2
http://minato-motors.com/blog/?p=31124 その3
http://minato-motors.com/blog/?p=31143 その4


今回からは(解説シリーズ実作業編)に突入します。


まずは予定していたサスペンション・ブレーキ・ハブ等をバラバラに分解していきます。



100系のフロントハブは200系のようなベアリングASSYではなく、個別分解が可能な構造になっています。


ベアリングASSYの場合は基本的にはメンテナンスフリー。(悪くなればASSY交換)

ですが分解可能の100系は定期的な給油やプレロード調整が必要なんですよね。

ハブの裏側。 インナーベアリングはシールが劣化してグリスが漏れていますね。


ハイエースは乗用車のようにブレーキキャリパーを外せば、ディスクローターが外せる構造ではありません。

ハブを分解し裏側のボルトを外すと、ディスクローターが外せるのです。



ハブの分解整備は10万キロ毎だとすると、ディスクローターもその時に整備した方が余計な工賃が節約できますね。

ハブとディスクローターを分解しました。

何もせずにボルトを外してこの状態にするのは、NGです。ボルトを外す前に(ある作業)をしてから、ディスクローターを外しました。

そのあたりは何をしたかは伏せますね。


外したベアリングを観察すると、よく分からないメーカーのベアリングでした。
調べてみると中国製?なのかな?以前にどこかで交換歴があるようですね。


今回は調整ではなく、O/Hしてベアリング類は全交換します。

純正はもちろん日本製。 正直こういう部品は日本製以外を使う選択肢は弊社には無いかな。  


こうなると以前に交換したシールも、純正を使っていたかが疑わしい。


ハブの中もベアリングにもグリスを充填して、シールを打ち込みO/H完了。



ディスクローターもレコード盤状の筋が入っていますね。

このままブレーキパッドを装着すると異音が発生する可能性があります。
それに熱による歪みが発生している場合もあるでしょう。


国産車の場合ディスクローター消耗品ではなく、再生可能部品です。
弊社ではブレーキパッド交換時には、ディスクローター研磨は必ずセットで行っています。


限度厚を確認しながら研磨機にて再生しますね。


スター社製のディスクローター研磨機。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924詳しくはこちら。



均一に薄く薄く、表面を一皮剥くように削っていきます。


研磨と言うとガッツリ削っているイメージがありますが、実際はほんの少し削って整えている程度。

逆に歪みや凹凸が酷く、何度も削らないといけない場合は、厚みが薄くなりすぎるので要交換ですよ。


つや消しブラック耐熱塗装を実施して、再生完了。


ブレーキパッドが当たる部分は、研磨されて鈍く光を反射していますよね。
ローターがツルツルの鏡面仕上げに光っていれば、逆にブレーキの効きは悪いですよ。

一度愛車のブレーキディスクを覗いてみてください。
レコード盤状の筋や鏡面仕上げになっていませんか??



ハブとディスクローターを組付けて、ハブベアリングのプレロード調整を行います。その時にはバネ測りを使用しながら調整していす。

その後にディスクローターの振れをダイヤルゲージで確認。基準値以内であればOK。

基準値外だった場合はハブを外して、ディスクローターを外して、また組み直し。 そしてプレロード調整に振れ測定。


結構大変です。


そうならないようにディスクを分解する時には一手間掛けて、組付ける時も何ヵ所かに一手間を掛けると大体1発で決まる。


振れが収まらないと高速走行時のブレーキングで、ジャダーが発生しますよ~。






とりあえず今回のブログではハブO/Hとディスクローター研磨を紹介しました。


これを見ればハブとディスクローター研磨は同時に実施した方が、イイのは分かりやすいですね。


別々の時期に個別整備するのは無駄が多い事が、ご理解いただけたでしょうか?







ハブO/H・ディスクローター研磨と関連する作業と言えば、
・ドライブシャフトO/H
・ナックルシール&グリスアップ
・ブレーキパッド交換
・ブレーキキャリパーO/H

これらも作業重複度が高く、同時に行った方が良い箇所ですね。


次回ブログ(実作業編その2)で上記の整備内容を紹介していきます。
それではお楽しみに!!









2022年2月26日

このページのトップへ