1. TOP
  2. ミナトBLOG

大阪市 デリカD5 後期型 令和4年2月 CV1W  11万1千Km 後編。          ドライアイス洗浄オプション整備  ATF交換 &マルチサーブ




本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。



後期型であっても想像以上に吸気ポートへ煤が堆積しており、ドライアイス洗浄によって本来の吸気性能を取り戻すことができました。

 前編 ドライアイス洗浄
https://minato-motors.com/blog/?p=44229




そして今回は後編です。


オーナー様からはDSCとあわせて、マルチサーブによる燃料系洗浄、ATF完全圧送交換、ラジエーター交換など、今後も長く安心して乗り続けるためのオプション整備をご依頼いただいております。

DSC施工時だからこそ効率よく実施できる予防整備やリフレッシュメニューを中心にご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。



デリカD5 DSC オプション整備
(ラジエター交換)




今回はオーナー様のご希望により、ラジエーターも予防整備として交換します。

後期型では前期型で多発した樹脂タンク部のトラブルは改善されていますが、11万kmという走行距離を考慮すると、今後も長く乗り続けるためには交換しておきたい部品のひとつです。



また、DSC施工ではラジエーターを取り外さなければインテークポートへ的確にドライアイスを打ち込むことができません。


分解しているタイミングで交換しておけば、将来的に同じ箇所を再び分解するリスクを減らすことができます。


「壊れてから修理する」のではなく、「壊れる前に交換する」予防整備として、非常に良い判断だと思います。







デリカD5 DSC オプション整備
(LLC圧送式交換)



DSC作業ではラジエーターや冷却系統を分解するため、通常は排出したLLC(冷却水)を再利用して組み付けを行います。





しかし今回はオプション整備として、弊社独自の「LLC圧送式交換」をご依頼いただきました。



ラジエターリフレッシャーを使用し、エンジンを始動した状態で冷却ラインへ脈動圧を加えながら循環洗浄を実施。

ラジエーターだけでなく、エンジン内部やヒーターコアを含む冷却系統全体のLLCをろ過再生していきます。

通常のドレン排出では入れ替えが難しい冷却ライン内のLLCも効率よくリフレッシュできるため、冷却性能や防錆性能の維持に効果的です。






最後にLLC再生強化剤を添加し、防錆性能・消泡性能を強化。

仕上げに規定温度まで暖機を行いながらエア抜きを実施し、液量調整まで確実に行って作業完了となります。


デリカD-5 DSC オプション整備
(フューエルフィルター交換)

① カウルトップパネルカバー取り外しで作業性が向上



通常は手が届きにくいエアクリーナーケース奥のフューエルエレメントですが、DSCの作業工程上カウルトップパネルカバーを外しますので、アクセスが格段に良くなります。

エアクリーナーエレメントだけでなく、フューエルエレメントの交換もスムーズに行えるため、整備効率が大きく向上します。




② フューエルエレメントの早めの交換をすすめる理由


高圧噴射システムの不純物の影響

コモンレール式ディーゼルは、通常で300〜400 bar、最大では1,600〜2,000 barという超高圧で燃料を噴射しています。その為燃料ラインには微細な不純物が発生しやすい特性があります。


燃料中のわずかな不純物や水分でもインジェクターの摩耗や噴射不良につながりやすく、燃料品質が非常に重要です。




③ 結露による水分混入が避けられない構造



燃料がエンジンとタンクを循環するディーゼル車は、温度差によってタンク内で結露が発生しやすく、水分混入のリスクを常に抱えています。


水分はフィルターの劣化を早めるだけでなく、インジェクターやフューエルラインをの腐食といった不調を引き起こす原因にもなります。



④ フィルターは使用とともに汚れが蓄積する



不純物と水分が循環することで、フューエルエレメントは使うほど黒く汚れ、負担が増えていきます。

そのまま放置すれば燃料供給(燃料圧力不良)トラブルの原因になります。

⑤ 早めに交換することで得られる効果


1・インジェクターの保護
2・燃料供給トラブルの予防
3・エンジン性能の安定維持
4・将来的な修理費用の抑制




カウルトップパネルカバーを取り外しているタイミングは、普段触りにくいフューエルエレメントを交換する絶好の機会です。

コモンディーゼル特有の高圧噴射インジェクター保護と水分混入リスクを考えると、早めの交換がエンジンを長く良好に保つための最善策といえます。



デリカD-5 DSC オプション整備
(マルチサーブ インジェクター洗浄システム)

燃料に添加するタイプの洗浄剤とは比較にならない洗浄効果が得られます。



先ほどフューエルエレメントの項目でも触れましたが、超高圧で作動するコモンレール式ディーゼルエンジンは、微細な不純物が発生しやすく、長い時間をかけてフューエルライン内部にデポジットが蓄積していきます。


これらの堆積物は、インジェクターの噴射状態や燃料供給の安定性に悪影響を与えるため、適切なクリーニングが非常に重要です。



こうした長年蓄積したデポジットを、強力な専用クリーナーで効率よく除去するのが「マルチサーブ」というプロショップ向けの洗浄システムです。

ディーゼル車の比率が高い欧州で誕生し、その性能が実証されたのち、日本市場へ導入されました。


エンジン内部のコンディション回復に高い効果を発揮する、信頼性の高いクリーニング手法です。




フューエルフィルターからフューエルサプライポンプへとつながるホースを切り離し、その接続部にマルチサーブのホースを接続します。


フューエルサプライポンプ~インジェクター~燃焼室までを、マルチサーブでシステム洗浄。



フューエルライン洗浄を選択



マルチサーブ本体に、
専用洗浄剤ディーゼルシステムパージを投入します。



強力洗浄コースを選択



洗浄剤のみを燃料として約70分間エンジンを運転し、燃料系統をクリーニングしていきます。

(注)車両側の燃料タンクの燃料ラインは切り離しますので、
軽油は使用しません。

ゆっくりとフューエルライン内部のデポジットをケミカル洗浄していきます。




無事作業が完了。

続けてマルチサーブ DPF洗浄システムに移行します。

デリカD-5 DSC オプション整備
(マルチサーブ DPF洗浄システム)



他社ディーゼル同様に、ウィークポイントのDPF詰まり。

ディーゼル車に共通する弱点として、DPF詰まりは避けて通れない問題です。

DPF(DPR)は排気ガス中の煤を濾過するフィルターで、走行を重ねるほど内部に煤が蓄積していきます。

一定量が溜まると自動再生燃焼によって浄化される仕組みですが、再生がうまく行われないと警告灯の点灯や出力低下、燃費悪化などの不具合が発生します。

対処法としては、

・DPFを新品やリビルト品に交換する。
・ケミカル剤で簡易洗浄する。

などが挙げられますが、必ずしもDPFだけが原因とは限りません。
他の箇所の不調が巡り巡ってDPFに影響し、結果的に詰まり症状として表れるケースも少なくありません。


そこで、まずDSCでインテーク周りをクリーニングし、その後にマルチサーブのDPF洗浄システムを施工することで、吸排気の流れを本来の状態に整え、多くのトラブルを改善します。

弊社では、強力な大容量ケミカルを使用したマルチサーブによるDPFシステム洗浄を推奨しており、より確実な改善を目指すメンテナンスとしてご提供しています。




マルチサーブのホースをDPFに繋がるパイプに接続。



DPF洗浄には2種類のケミカル剤を使用します。

ちなみに市販のDIY系スプレー缶式DPFクリーナー。裏面のラベルを見てNET,○○ml溶剤が充填されているか見てください。



一見すると大容量に見える市販スプレー缶ですが、中身の大半は加圧ガスです。

洗浄ケミカルそのものの量は意外と少なく、マルチサーブのように高濃度の洗浄剤を原液で使用するシステムとは、洗浄条件が大きく異なります。


(マルチサーブは1000ml+1000mlの2000mlです。)




それでは、画面指示通りに進みます。


まずは1液目(DPFクリーナー 1000ml)を投入。 
 (ケミカルとしては大容量。)



投入後15分間のインターバル。
泡状に注入したケミカル剤はDPFの空間に充満します。



液剤が浸透したところで、
エンジン始動 アイドリング状態で5分間暖気します。




次は2液目(DPFフラッシュ 1000ml)をマルチサーブに投入。

DPFに泡状注入し すすぎ洗い工程に入りますます。



エンジン回転数を上げてDPFの温度上昇。
ケミカル効果を促進させ、内部の溶剤を排出します。



マフラーから廃液が大量に排出されますので、これを回収装置でキャッチ。

途中に確認用のクリアーパイプを付けているので、これで廃液の色を確認します。



今回は灰色に茶色がかった廃液でした。



マルチサーブ施工中は、排気ガスが想像以上に強い臭いになります。工場内で何も対策をせず施工すると、すぐに臭いが充満してしまうため、作業環境にも配慮しながら施工しています。




DPF洗浄では、洗浄後に泡状の廃液がマフラーから大量に排出されます。この廃液がボディや塗装面に付着すると好ましくないため、適切に回収しながら作業を進めます。



また、DPF強制再生時には、廃液とともに強い臭気や大量の白煙が発生します。初めて見る方なら「火災では?」と思うほどの勢いで排出されることもあります。

弊社では、この廃液や臭気、白煙を近隣へそのまま放出するような作業は、プロの整備として適切ではないと考えています。

そのため、ディーゼル車専用の排気回収システムを自社開発し、施工時に使用しています。
車種ごとの排気レイアウトに合わせて、マツダ SKY-D・三菱デリカD:5・ハイエースディーゼルの3種類を製作し、廃液・臭気・白煙を回収しながら作業を行っています。

このようなディーゼル用排気回収システムを自社で開発・運用している整備工場は、全国でも非常に珍しい取り組みだと思います。






続いてDPF強制再生(強制燃焼)を行います。


このタイミングでは、洗浄時以上に大量の白煙が発生します。しかし、自社開発の排気回収システムを使用しているため、白煙・臭気ともに確実に回収。近隣環境へ配慮しながら、問題なく施工することができます。





スキャンツールでライブデータのDPF燃焼温度もを確認。申し分ありませんでした。




燃料噴射学習ももちろん実施します。



マルチサーブは、
マツダSKY-Dやハイエースディーゼルでは、
すでに定番整備となっている整備メニューです。


https://minato-motors.com/blog/?p=39724
https://minato-motors.com/blog/?p=40859
https://minato-motors.com/blog/?p=40184

デリカD-5 DSC オプション整備
(ATF循環式交換 for NUTEC NC-65)



デリカD:5のATF交換については、以前までフルードクーラーラインへ専用アタッチメントを接続する圧送式交換を採用していました。



しかし、後期型デリカD:5に搭載されるATは、フルード冷却ラインの流量および圧力が非常に低く、圧送交換に必要な十分な循環量を確保することが困難です。




また、ATFクーラー固定ボルトは比較的細径で、使用環境によっては塩害や経年劣化による固着が発生している場合もあります。

無理な脱着によるボルト折損や関連部品の破損リスクも考慮し、現在は循環式交換(ドレンアウト方式)を採用しています。




確かに交換効率だけを比較すると、循環式交換は圧送式交換に及びません。

しかし弊社では交換回数や交換量、交換手順を工夫することで、可能な限り高い交換率を実現しています。





さらに、いきなり本命ATFであるNUTEC最高峰ATF「NC-65」を使用するのではなく、まずはNUTEC NC-RFによるプレ洗浄を実施。

AT内部に残る旧油を希釈・洗浄した後、NC-65へ入れ替えていきます。




今回のデリカD:5は走行11万kmでATF未交換車両ということもあり、排出されたATFはかなり汚れが進行していました。



本来であればプレ洗浄回数をさらに増やし、より高い交換率を目指したいところですが、今回はDSCをはじめ複数のメンテナンスを同時施工しているため、トータル予算とのバランスも考慮して交換プランを組み立てています。



そのためATF交換については、必要十分な洗浄・交換を実施しながらも施工回数を調整し、予算内で最大限の効果が得られる内容としました。




結果としてATFのコンディションは大幅に改善しましたが、弊社が理想とするレベルまで完全に仕上げるには、あと一歩という状態です。



幸いオーナー様は大阪市内にお住まいで再来店も容易なため、次回は少し短めのスパンでATF交換を実施し、段階的にAT内部をさらにクリーンな状態へ仕上げていく予定となりました。



一度にすべてを行うだけが正解ではありません。

車両状態やご予算に合わせて優先順位を決めながらメンテナンスを進めることも、長く良好なコンディションを維持するための大切な考え方だと思います。





ご依頼いただいたすべての作業が完了しました。



最後に各部のオイル漏れや冷却水漏れの有無を点検し、試運転を実施。エンジン・AT・冷却系統ともに問題なく、フィーリングも良好であることを確認できました。



ご納車時には、作業中に撮影した数百枚の画像をご覧いただきながら、施工内容をご説明。

今回確認できた車両の状態や、今後おすすめするメンテナンスについてもアドバイスさせていただきました。



オーナー様にも仕上がりをご確認いただき、無事ご納車となりました。今後も快適なデリカD:5ライフを楽しんでいただければと思います。





またインジェクター/DPFに各アフターケミカルをお渡ししているので、後日燃料タンクに投入してください。




本日もミナト自動車ブログ日々是好日にお越しいただきありがとうございます。



おかげさまでDSCやマルチサーブ、ATF完全圧送式交換のご依頼で全国各地からお越しいただいています。  ありがとうございます。


・ATF/CVTF交換
http://minato-motors.com/blog/?cat=8



・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
http://minato-motors.com/blog/?cat=169



・マルチサーブ 洗浄システム
http://minato-motors.com/blog/?cat=270



・提案型整備リフレッシュプラン
http://minato-motors.com/blog/?cat=12




弊社はこの4点を中心に作業をお引き受けしていますので、御見積・ご予約のはHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。


それではHAPPY CAR LIFE!!

2026年7月16日

このページのトップへ