ランドクルーザー UZJ100 H14年12月 19万3千km ATF完全圧送交換 for NUTEC NC-65 +マルチサーブインジェクター洗浄

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。
今回のご紹介するのは、
神戸市からお越し頂いた トヨタ ランドクルーザー UZJ100
初年度登録 H14年12月 走行距離19万3千km
ご依頼いただいている内容は、
・ATF完全圧送交換 for NUTEC NC-65
・マルチサーブ インジェクター洗浄
・スロットルボディ清掃&初期化
・LLC圧送式交換
・カーエアコンリフレッシュα
のご依頼です。
長年にわたり大切に乗り続けられているお車で、20万km目前となる現在も良好なコンディションを維持されています。

ランドクルーザー100系は高い耐久性と信頼性を誇るモデルですが、走行距離の増加とともに各部のメンテナンスが重要になってきます。
今回は、お車をより長く安心してお乗りいただくための整備をご依頼いただきましたので、その作業内容をご紹介していきます。

オイルパン脱着を伴うATF完全圧送交換に加え、複数のオプション作業を同時施工していきます。
まずはご入庫後に試運転を実施し、変速タイミング、変速ショックの有無、滑り感など、ATの基本コンディションを確認します。

まずは、ミッションケース周辺のオイル漏れ点検を実施しました。
オイルパン周辺や各シール部、ケース接合部を確認した結果、ATFの漏れや滲みは見られませんでした。
この事前点検は、単に現状確認を行うだけでなく、万が一後日オイル漏れが発生した際に、それが作業前から存在していたものなのか、作業後に発生したものなのかを判断するための重要な記録にもなります。
そのため、ATF交換前には必ず実施している大切な確認項目です。
19万km超の車両ですが良好な状態を維持していることが確認できましたので、このままATF完全圧送交換作業を進めていきます。

ATF完全圧送交換作業に先立ち、ATFのコンディションチェックを実施、
走行距離約19万3千km時点のATFをサンプリングしました。
走行距離は約19万3,000kmですが、採取したATFは透明感が残り、変色や劣化も少ない良好な状態です。
これまで適切なメンテナンスが行われてきたことがうかがえ、AT内部も良好なコンディションを維持していると考えられます。
今後も長く快適にお乗りいただくため、定期的なATF交換をお勧めします。


オイルパンを取り外しましたので、内部の状態を確認していきます。
磁石には鉄粉が少量吸着している程度で、内部コンディションは比較的良好な印象です。

一方で、オイルパン底部には灰色の沈殿物が確認されました。
これらは磁石に吸着しないことから鉄粉ではなく、AT内部の各部品から発生した微細な摩耗粉や、長期間の使用によるATFの熱劣化によって生成されたデポジット類と考えられます。
こうした汚れは通常のドレン排出だけでは十分に除去できないため、オイルパンを取り外して清掃を行うことで、AT内部をよりクリーンな状態へリフレッシュすることができます。

オイルパンにはコルクガスケットが使用されています。
経年による硬化や圧縮変形が起こりやすいため、組付け時はガスケット面を清掃し、規定トルクで均等に締め付けることが重要です。
締め過ぎは変形やオイル漏れの原因となるため注意しながら作業を進めます。


ATFの劣化は走行距離だけでは判断できません。
坂道の多い地域や渋滞路走行、車両重量、エンジン出力などによってATFにかかる負荷は大きく変化するため、同じ走行距離でもコンディションには差が生じます。
特にランドクルーザーのような重量級SUVはAT内部の発熱量も大きく、ATFが劣化しやすい傾向があります。
ATFは潤滑・油圧制御・冷却を担う重要なフルードのため、車両の使用状況に合わせた定期的な交換がATのコンディション維持に欠かせません。



ストレーナーの吸入口を観察しましたが、特に大きな異物も無く問題なし。

AT内部のストレーナーも純正新品へ交換します。
ストレーナーはATF内の異物や摩耗粉を捕集する重要な部品で、長期間使用すると目詰まりやろ過性能の低下が発生します。
ATF交換とあわせて新品へ交換することで、AT内部をよりクリーンな状態に保ち、安定した油圧制御の維持につながります。

オイルパン脱着時に排出されたATFを補充した後、ミッション周辺にオイル漏れがないことを確認します。
問題がないことを確認できましたので、トルコン太郎を接続し、ATF完全圧送交換を開始していきます。

本命ATFでの交換に入る前に、まずはプレ洗浄を実施します。
プレ洗浄に使用するATFは、ニューテック NC-RF リンシングフルードです。

ATF完全圧送交換の施工台数が多い弊社では、プレ洗浄用フルードの使用量も非常に多く、一般的な20Lペール缶ではすぐに使い切ってしまいます。
そのため現在は200Lドラム缶を複数本単位で常時在庫し、多くのATF交換に対応できる体制を整えています。

ニューテック製 NC-RF リンシングフルードは、弊社が企画立案し、ニューテック社にて開発された専用フルードであり、国内他社では取り扱うことのできない専売品となります。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434
本命CVTFでの交換を前提に最適化された特性を持ち、プレ洗浄工程において内部の汚れや劣化フルードを効率よくリセットできるよう設計されています。
このような専用リンシングフルードを用い、圧送式にて全量を一気に入れ替えていく交換方法は、日本国内でも弊社のみが実施している独自の施工方法となります。
それでは、NC-RFを使用し、内部をリフレッシュしながら圧送式にて全量交換を進めていきます。

それでは、交換スタート!
圧送交換を開始すると、まずオイルパン脱着時に排出された約4L分のATFを補充した状態となりますが、そのうえでスタート直後からサンプル採取時とほぼ同レベルのATFが排油モニター側へと流れ込んできます。
これは、ミッション内部に依然として多くの旧フルードが残留していることを示しており、ドレンアウトによる少量交換だけではフルード全体のリフレッシュには至らないことがよく分かります。


チェンジャーの監視モニターを通してフルード状態を確認することで、汚れの進行度合いを視覚的に捉えることができます。

こうしたリアルタイムでの変化を追うことで、ミッション内部がこれまでどのようなコンディションに置かれていたのかを、より具体的に把握することが可能です。


プレ洗浄が完了しましたので、各状態を比較していきます。
・左奥が新油モニターのNC-RF
・中央のビーカーが交換前のATF
・右手前のクリーナーモニターがプレ洗浄後のATF
となります。

交換前のフルードと比較すると、プレ洗浄後は透明度が大きく向上しており、内部がしっかりとプレ洗浄されていることが確認できます。
今回のように走行距離が多い車両であっても、これまで定期的に適切なタイミングと走行距離で交換が行われてきた履歴があるため、1回のプレ洗浄でもここまでコンディションを改善できている点が特徴です。
なお、この段階で洗浄状態が不十分と判断した場合には、オーナー様のご了承をいただいたうえで追加のプレ洗浄(2回目)を実施することも可能です。
特にハイパフォーマンスフルードを選択された場合は、投入前に内部洗浄をより高いレベルまで仕上げておくことで、交換後のフルードも汚れにくく、良好な状態を長く維持しやすくなります。

約15分間のクリーニングタイムを経て汚れの変化が落ち着いたことを確認した後、いよいよ本命ATFでの圧送交換工程へと移行していきます。

ニューテック史上最高峰のATFである「NC-65」は、全化学合成のハイパフォーマンスATF(エステル系)です。
極めて薄く、かつ強靭な油膜特性を持ち、ローフリクションかつハイパフォーマンスな特性を実現しており、高温・高回転・高負荷条件下においても安定した油膜性能を発揮します。
エステル系基油を贅沢に使用しているため劣化しにくく、長寿命である点も大きな特長です。
純正ATFを大きく上回る性能を持つ、市販ATFの中でも最上位クラスの高性能フルードで、高トルクかつ車両重量が重く、負荷の大きいランドクルーザーには特に適したATFと言えます。

ニューテック NC-65 は、みんカラをはじめとした各種SNS等において高い評価を受けており、改めて弊社が宣伝するまでもないでしょう。
その結果、現在ご依頼いただくATF交換車両の8割以上が、NC-RFによるプレ洗浄とNC-65を組み合わせた施工内容をオーダーされています。

ニューテックNC-65を
ATFチェンジャーにセットして、再度 圧送式交換をします。
それでは、最終の本命ATFに交換します。









ATFは全量が完全に入れ替わり、非常にクリーンな状態となりました。ここまで確実に入れ替えが行えていれば、次回の交換推奨距離は6万km以上を目安とすることが可能です。
ハイパフォーマンスATFをお勧めする最大の理由は、そのロングライフ性能にあります。ストリート走行レベルの負荷であれば容易に劣化することはなく、長期間にわたり安定した性能を維持できます。
その結果、短いスパンで頻繁に交換する場合と比較して、トータルでのコストパフォーマンスにも優れる選択となります。

マルチサーブ ガソリンインジェクターシステム洗浄 オプション整備
続いて、マルチサーブによるインジェクターシステム洗浄へ移行します。
マルチサーブは欧州で開発された専用機器で、ガソリン・ディーゼルの両エンジンに対応し、燃料系統を包括的にクリーニングできる高度な洗浄システムです。
インジェクター単体にとどまらず、燃焼系に関わる各部へアプローチできる点が大きな特徴となります。

装置本体は非常に高額であることに加え、使用する専用ケミカルも高い洗浄性能を持つ反面コストが高く、導入・運用には相応の設備投資が必要です。
そのため、同システムを常設し安定して施工できる整備工場は国内でも限られています。

さらにガソリンエンジンへの施工においては、接続箇所や燃料の送り込み圧力を整備書に基づいて正確に管理する必要があり、施工条件の見極めが非常に重要となります。
接続ポイント一つを取っても、シングル直噴エンジンかデュアル直噴エンジンか、あるいは従来のポート噴射式かによって適切な取り出し位置が異なり、さらに燃料リターンの有無なども含め、年代や型式ごとに仕様は多岐にわたります。
こうした違いを正確に把握したうえで最適な接続と圧力管理を行う必要があるため、ディーゼルエンジンに比べて危険性への配慮も含め作業難易度は高く、より専門的な知識と経験が求められる施工となります。
また、各メーカーごとに異なるフューエルラインの接続カプラ形状にも対応するため、専用工具に加え各種自作の接続カプラを取り揃えており、幅広い車種に対して柔軟に対応できる体制を構築しています。
これにより車種ごとの仕様差にも確実に対応し、安定した施工品質を確保しています。

インジェクター洗浄剤として一般的に販売されている燃料タンク投入型のケミカルは数多く存在します。
これらは燃料タンクへ添加し、ガソリンと混ざった希釈状態で燃料系統を通過することで、緩やかな洗浄効果を発揮するよう設計されています。
手軽に使用できる反面、洗浄成分の濃度には限りがあるため、堆積した汚れを短時間で除去することは難しいのが実情です。
一方、マルチサーブ インジェクターのシステム洗浄では、車両側の燃料タンクからのフューエルラインを切り離し、マルチサーブとエンジンを直接接続して施工を行います。
ガソリンエンジン燃料ライン洗浄用の特殊ケミカルを希釈せず原液のままフューエルラインへ供給し、車両側の燃料(ガソリン)は使用せず、マルチサーブの洗浄剤のみでエンジンを稼働させながら内部をクリーニングしていきます。

最大の特徴は、インジェクターをエンジンから取り外すことなく、「原液濃度のまま」直接洗浄できる点にあり、この高い洗浄能力こそが大きなメリットとなります。


今回の車両は従来型のポート噴射エンジンを採用しており、インジェクターがインテークポート側へ燃料を噴射する構造となっています。
そのため、システム洗浄を行うことでインテークポートからインテークバルブ上面、さらにはシリンダー内部に至るまで、燃料の流れに沿って効率よく洗浄を行うことが可能です。

モードを強力洗浄に設定して、作業スタート!
約70分ほど掛けてクリーニング工程。

時々エンジン回転数を調整しながら作業が進みます。
特にポート噴射エンジンは、燃料がインテークバルブ上面を通過する構造上、洗浄剤の効果が直接作用しやすく、直噴エンジンに比べて構造的に有利な面があります。
そのため堆積物の除去効果が得られやすく、燃焼状態の改善やフィーリング向上にもつながりやすい特性を持っています。こうした理由から、定期的な施工をおすすめしま。

スロットルボディ清掃 & 初期化 オプション整備を施工します。
このお車は、走行距離19万3千kmですが、距離相応のデポジットが付着していました。

走行距離が増えてくるとスロットルボディにカーボンが付着します。
ほんの僅かな付着ですが、蓄積するとそれだけでアイドリングが不安定になります。
弊社では定期的なスロットルボディ清掃初期化を推奨していますので、ATF/CVTF交換時にご相談ください。

WAKO’S の専用クリーナーを使用して、ウエスで優しくカーボンを除去。
溶解力の強いクリーナーを乱暴に掛けると、スロットルの基盤が壊れECUまでダメージが行く事があるので要注意。
最後にスロットル学習値をリセットして、再学習すれば完了です。

続きまして、LLC圧送式交換 オプション整備を施工します。
年々劣化するLLC冷却水を全量交換します。
ラジエターリフレッシャーでの脈動圧送交換は、エンジン・ラジエター・ヒーターコアの中のLLCを全量交換してリフレッシュ。



最後にLLC再生強化剤を注入して、防錆消泡性能を強化します。
(LLC強化剤は以前は赤・青・緑と色分けしていましたが、このロットから無色透明タイプに変更しています。)
LLCもATF同様に定期交換しましょう。
ウォーターラインのエア抜きとリザーバータンクの量調整を確認して完了。

カーエアコンリフレッシュα オプション整備を施工します。
年々減少する冷媒ガスを、リフレッシュ&リチャージ。

エアコンガスは規定充填量を重量管理にて正確に充填し、システムに最適なガス量へ調整します。
回収作業を行わずに冷媒ガスを追加充填すると、過充填やガス量不適正となり、冷却性能の低下やコンプレッサー故障の原因となるため注意が必要です。
また、長時間の真空引きを実施することで、配管内部に残った空気や水分を徹底的に除去します。
エアコンシステム内に水分が残留すると、膨張弁付近で凍結して冷媒の循環を妨げたり、内部部品の腐食を促進したりする原因となるため、真空引きは非常に重要な工程となります。

仕上げとしてニューテックNC-200 高性能コンプレッサーオイルも同時注入。、潤滑性と気密性を強化します。


このお車のエアコン冷媒規定量は1,050gですが、実際に回収できた冷媒ガス量は590gでした。
診断の結果、460gの補充が必要な状態で、約200g缶2本分の冷媒が減少していたことになります。

冷媒ガスは密閉されたシステム内で循環していますが、正常なエアコンシステムであっても経年により少しずつ減少することがあります。
そのため、ガス不足による冷却性能の低下を防ぐためにも、頻繁に行う必要はありませんが、定期的にガス量をチェックし、適正量を維持することがエアコン性能を長く保つポイントとなります。
ご依頼いただいた全ての作業完了後、最終点検と試運転を実施。
各部に異常がないことを確認できましたので、予定通りの日時での納車準備が出来ました。
今後も快適にお乗りいただければと思います。

納車日当日は、作業中に撮影した数百枚の画像をご覧いただきながら、オーナー様へ作業内容のご説明と、今後のメンテナンスについてのアドバイスをさせていただきました。
その後、無事にご納車となりました。
希望が有れば画像のコピーはお渡ししています。

本日もミナト自動車ブログ(日々是好日)にお越しいただきありがとうございます。
累計数千台以上のATF/CVTF交換実績がありますので、全国各地から続々と入庫しています。 http://minato-motors.com/blog/?cat=8

・ATF/CVTF交換
http://minato-motors.com/blog/?cat=8
・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
http://minato-motors.com/blog/?cat=169
・マルチサーブ 洗浄システム
http://minato-motors.com/blog/?cat=270
・提案型整備リフレッシュプラン
http://minato-motors.com/blog/?cat=12
弊社はこの4点を中心に作業をお引き受けしていますので、御見積・ご予約のはHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!











