1. TOP
  2. ミナトBLOG

USトヨタ 4Runner GRN285  4WD 6万4千マイル(約10万3千km)  ATF完全圧送交換 for NUTEC NC-65 



今回ご紹介する車両は、神戸市よりご来店いただきました USトヨタ 4Runner(GRN285) です。

搭載エンジンは耐久性に優れた 1GR-FE 4.0L V6エンジン。走行距離は 6万4,000マイル(約10万3,000km) で、各部のコンディションも良好な一台です。


ご依頼内容は、

・ATF完全圧送交換 for NUTEC NC-65 
・スロットルボディ清掃 & 初期化

をご依頼いただきましたので、その作業内容をご紹介していきます。




すべての逆輸入車に対応できるわけではありませんが、必要な部品を確実に確保できる車種についてはATF完全圧送交換を承っております。

作業品質を維持するため、事前に部品供給状況や適合情報を確認したうえで施工しております。


(約10万3,000km)


各部のコンディションは良好な一台ですが、中古車として購入されたため、過去のATF交換履歴は不明です。

そこでオーナー様より、現状把握と今後のメンテナンス基準作りを兼ねて、ATF完全圧送交換をご依頼いただきました。


まずはAT内部の状態を確認しながら作業を進めていきます。



まずはいつも通りご入庫後に試運転を実施し、変速タイミングや変速ショックの有無、滑り感などを確認してATの基本コンディションをチェックします。

今回の4Runnerは特に気になる症状もなく、変速状態は良好で、ATは正常に作動していることを確認できました。




作業に入る前にミッションケース周辺のオイル漏れ点検を実施します。

オイルパン周辺や各シール部、ケース接合部を確認した結果、ATFの漏れや滲みは見られませんでした。

この点検は現状確認だけでなく、万が一後日オイル漏れが発生した際に、作業前から存在していたものなのか、作業後に発生したものなのかを判断するための重要な記録にもなります。

そのため、ATF交換前には必ず実施している大切な確認項目です。


良好な状態を維持していることが確認できましたので、このままATF完全圧送交換作業を進めていきます。



ATFのコンディションチェックを実施、
走行距離約6万4,000マイル(約10万3,000km)時点のATFをサンプリング。

走行距離約19万3,000km時点のATFをサンプリングしましたが、透明感が残っており、酸化による変色や劣化は比較的少ない状態でした。

過去のメンテナンスが適切に行われてきたことがうかがえ、AT内部の管理状態も良好と考えられます。



今後も長く快適にお乗りいただくため、定期的なATF交換をお勧めします。





オイルパンを取り外し、AT内部の状態を確認していきます。



磁石への鉄粉の付着は少量で、内部コンディションは良好な印象です。一方で、オイルパン底部には灰色の沈殿物が確認できました。



これらは磁性を持たないため鉄粉ではなく、AT内部で発生した微細な摩耗粉や、ATFの熱劣化によって生成されたデポジットと考えられます。





このような汚れは通常のATF交換だけでは十分に除去できません。

オイルパンを取り外して内部清掃を行うことで、蓄積した汚れを確実に除去し、AT内部をよりクリーンな状態へリフレッシュすることができます。




この車両のオイルパンガスケットは、コルクガスケットが採用されています。

コルクガスケットは密着性に優れる反面、長年の熱や締付荷重の影響で硬化や圧縮変形が進行しやすい特徴があります。

そのため、組付け時には接合面を丁寧に清掃し、規定トルクで均等に締め付けることが重要です。

過度な締め付けはガスケットの変形を招き、オイル漏れの原因となるため注意しながら組み付けを行います。




ATFの劣化は走行距離だけで判断できるものではありません。

使用環境や車両重量、エンジン出力によってATFにかかる負荷は大きく変化するため、同じ走行距離でもコンディションには差が生じます。

特に4Runnerのような本格SUVは車両重量に加え、大径オフロードタイヤが装着されているケースも多く、発進時や登坂時にはATへ大きな負荷がかかります。

その結果、AT内部の発熱量も増加し、ATFの劣化が進みやすくなるため、定期的なATF交換によるコンディション管理が重要となります。




ストレーナーの吸入口を観察しましたが、特に大きな異物も無く問題なし。



AT内部のストレーナーも純正新品へ交換します。

ストレーナーはATF内を循環する微細な摩耗粉や異物を捕集する重要な部品で、長期間使用すると汚れの蓄積によりろ過性能が低下していきます。

ATF交換と同時に新品へ交換することで、AT内部をよりクリーンな状態に保ち、安定した油圧制御と良好な変速性能の維持につなげます。




オイルパン脱着作業で抜けたATFを補充した後、エンジンを始動して油量および各部の漏れ点検を実施します。

ミッション周辺に異常がないことを確認できましたので、トルコン太郎を接続し、ATF完全圧送交換工程へ進みます。



本命ATFでの交換に入る前に、まずはプレ洗浄を実施します。プレ洗浄に使用するATFは、ニューテック NC-RF リンシングフルードです。




全国でも数多くのATF交換を施工している弊社では、プレ洗浄用フルードの消費量も非常に多く、一般的な20Lペール缶ではすぐに使い切ってしまいます。

そのため現在は200Lドラム缶単位で常時在庫し、多くの施工に対応できる体制を整えています。



これほど大量のプレ洗浄用フルードを使用する背景には、年間を通じて数多くのATF完全圧送交換を施工している実績があります。



ブログで紹介しているのは、実際の施工台数の一部です。

ニューテック NC-RF



ニューテック製 NC-RF は、弊社が企画立案し、ニューテック社に開発していただいた専用リンシングフルードです。

http://minato-motors.com/blog/?p=17434

本命ATFの使用を前提として最適化されたリンシングフルードを用いたATF完全圧送式交換は、日本国内では弊社のみが実施しています。




それでは、NC-RFを使用し、全量を一気に圧送式にて交換していきます。





圧送交換を開始すると、スタート直後からサンプル採取時とほぼ同レベルのATFが排油モニター側へ流れ込んできます。

一見すると良好な状態に見えますが、オイルパン脱着清掃およびストレーナー交換を実施した後でも、AT内部には古いATFや微細な汚れが残存していることが分かります。




この状態からも分かるように、ドレンボルトから排出できるATFは全体の一部に過ぎません。


ドレンアウトによる少量交換だけではAT内部のフルードを十分に入れ替えることは難しく、良好なコンディションを維持するためには圧送交換による効率的な入れ替えが有効となります。



また、ATFチェンジャーの監視モニターを通してフルードの状態を確認することで、汚れの進行度合いを視覚的に把握することができます。

実際にモニターを見ると、トルクの大きいエンジンを搭載した車両や車両重量の重い車両ほど、ATFが高温・高負荷な環境で使用されていることがよく分かります。



プレ洗浄が完了しましたので、状態を比較してみます。


・左奥が新油モニターのNC-RF
・中央のビーカーが新車時から (約10万3,000km)使用した廃油ATF
・右手前のクリーナーモニターがプレ洗浄後のATF



交換前の廃油と比較すると、プレ洗浄後のATFは大幅に透明度が向上しており、十分にクリーンな状態まで改善されていることがお分かりいただけるかと思います。


約15分間のアイドリングタイムを経て、次はいよいよ本命ATF「NC-65」での交換に移ります。




ニューテック史上最高峰のATFである「NC-65」は、全化学合成のハイパフォーマンスATF(エステル系)です。



極めて薄く、かつ強靭な油膜特性を持ち、ローフリクションかつハイパフォーマンスな特性を実現しており、高温・高回転・高負荷条件下においても安定した油膜性能を発揮します。



エステル系基油を贅沢に使用しているため劣化しにくく、長寿命である点も大きな特長です。

純正ATFを大きく上回る性能を持つ、市販ATFの中でも最上位クラスの高性能フルードで、高トルクかつ車両重量が重く、負荷の大きい4Runnerには特に適したATFと言えます。




ニューテック NC-65 は、みんカラをはじめとした各種SNS等において高い評価を受けており、改めて弊社が宣伝するまでもないでしょう。



その結果、現在ご依頼いただくATF交換車両の8割以上が、NC-RFによるプレ洗浄とNC-65を組み合わせた施工内容をオーダーされています。




ニューテックNC-65を
ATFチェンジャーにセットして、再度 圧送式交換をします。


それでは、最終の本命ATFに交換します。




ATFは全量が新油へ入れ替わり、非常にクリーンな状態となりました。

ここまで確実に交換できていれば、次回の交換目安は6万km以上とすることが可能です。



ハイパフォーマンスATFをおすすめする理由の一つが、その優れた耐熱性とロングライフ性能にあります。

一般的なストリートユースであれば性能低下が起こりにくく、長期間にわたり安定した潤滑性能と油圧性能を維持することができます。



交換サイクルを延ばすことができるため、結果的には短期間で頻繁に交換を繰り返す場合と比較して、トータルコストの面でもメリットの大きい選択肢となります。





すべての作業完了後、最終点検および試運転を実施しました。

変速状態や油量管理、各部のオイル漏れなどを確認し、異常がないことを確認できましたので、無事お客様へご納車となりました。




作業完了後は、作業中に撮影した数百枚の画像をオーナー様と一緒に確認しながら、施工内容やAT内部の状態についてご説明させていただきました。

あわせて今後のメンテナンスプランについてもご提案し、その後無事にご納車となりました。


なお、ご希望のお客様には作業画像のコピーをお渡ししております。




本日もミナト自動車ブログ「日々是好日」にお越しいただき、ありがとうございます。


おかげさまでATF完全圧送交換、DSC(ドライアイス洗浄)、マルチサーブによるインジェクター洗浄などのご依頼を全国各地よりいただいております。

遠方にもかかわらずご来店いただくお客様も多く、日々感謝の気持ちで作業に取り組んでおります。


・ATF/CVTF交換
http://minato-motors.com/blog/?cat=8

・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
http://minato-motors.com/blog/?cat=169

・マルチサーブ 洗浄システム
http://minato-motors.com/blog/?cat=270

・提案型整備リフレッシュプラン
http://minato-motors.com/blog/?cat=12



弊社はこの4点を中心に作業をお引き受けしていますので、御見積・ご予約のはHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。



それではHAPPY CAR LIFE!!

2026年8月11日

このページのトップへ