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東京都からスバル レガシィB4 リフレッシュプラン 後編。サスペンション整備とホイールアライメント調整。

東京都から入庫したのは袖ヶ浦ナンバーのスバル レガシィB4 BLE MT車 走行距離15万キロ


前編・後編の2部に分けて整備内容を紹介しており、今回は後編ブログです。

前編では予約から問診、点検をして整備提案。エンジン関係の整備を紹介しました。http://minato-motors.com/blog/?p=38436



後編ではサスペンションやドライブシャフトなどの足回り下回り整備を紹介しますね。





フロントロアアームブッシュ一式交換。
ボールジョイントも同時に交換しました。


油圧プレスと治具を使用してブッシュの方向性と裏表を間違えないように交換します。




リア マルチリンク式サスペンションのアームブッシュ一式交換。
スタビブッシュやリンクロッドASSYも交換しますね。


リアのサスペンションは全て分解。ハブやブレーキ等も全て外しますよ~。

入庫時には社外車高調サスでローダウンしており、コレの乗り心地が悪いそうです。


弊社のリフレッシュプランではローダウン・リフトアップなど純正車高を変更している車両の受付は不可しています。(純正ならOK)

今回はノーマル純正時に戻したいとオーダーされましたのでお引き受けをさせていただきました。


・純正ビルシュタインショックアブソーバー
・スプリングコイル
・アッパーマウント
・ダストブーツ
・インシュレーター
全てを事前に取り寄せておきます。

入庫してから発注していたのではサスペンション関係の部品は揃わないので、前金をいただいてから必要な部品を先行発注しています。







Frドライブシャフト ブーツグリスO/H

劣化している充填グリスを洗浄し、純正ブーツグリスKITで組立。
デフサイドシールも交換します。




バックリ割れているリア デフキャリアブッシュ。
サブフレームを降ろしつつ、治具でブッシュを圧入交換。


ブッシュの向きや裏表を間違えないように注意して交換しました。


ブレーキをO/Hの3点セット

・ディスクローター研磨再生
・ブレーキパッド交換
・ブレーキキャリパーO/H

(異音、片効き、ジャダー振動・効きの悪さ)はブレーキメンテナンスが不足しているからです。

ブレーキO/Hは10年10万キロに一度は実施しましょう。
よく効く、コントロールのしやすいブレーキに戻りますよ~。

ディスクローター研磨では、ローター厚みを残しながら慎重に研磨しました。
耐熱塗装(500℃)をしてリフレッシュ。http://minato-motors.com/blog/?p=14924






キャリパーも分解洗浄してシール交換。

新車時の組立用グリスもカッチカチに硬化。
これではピストンがスムーズに摺動しないですよね。

キャリパー洗浄に組立。
ピストンはコンパウンドで磨き上げて、スライドピンのホールも洗浄します。


ダストブーツ・ピストンシールを組付けました。

ブレーキパッドはWAKO’S BPR高性能ブレーキパッドグリスで組立。

高粘度グリスですが低温から高温時まで安定したグリス粘度を長期間キープします。  所謂いい仕事をするブレーキパッドグリスですよ!



MT・前後デフのギアオイル交換

ニューテック全化学合成ギアオイル(エステル系) NC-70 75W90を使用しました。
MTオイルにNC-70を使用するとシフトがスコスコ入りますよ~。



タイヤを装着し整備リフトからアライメントリフトに移動します。

サスペンション整備後の必須作業(1G締付)

整備リフトアップ時にはサスペンションは伸びており、アームの角度が付いています。

その状態でブッシュを本締めすると、地面に着地した時はアームの角度が変るので、固定されたゴムブッシュが捩られます。


捩られて余計な負荷が掛かったゴムブッシュは、早期に破断して性能低下するんですよね。


サスペンションアームを組付け時には黄色いテープを貼って仮締付。
1G締付時にはその個所を作業し、最後に赤いマーカーでチェックを入れる。


リフレッシュプラン時には100か所ぐらいのボルトナットを緩めて締め付けるのでミスが無いようにチェックマーカーをしています。

レガシィB4 BLEの場合
(Fr1か所 R7か所 各左右の1G締付が必要。)


・アライメントリフトで4輪が接地した状態でブッシュ固定ボルトナットを一度緩める。

・不要なブッシュテンションを開放してから本締め。
これで1G締付が完了。


1G締付をしてから軽く試運転をして、サスペンションを馴染ませます。

この試運転で異常があれば、作業の再チェックとやり直し。
問題なければホイールアライメント調整に移ります。



盛大に乱れてバラバラな数値を微調整していきますね。


フロントはクレイドル調整を行いながらキャンバー・キャスター・SAI
リアはキャンバー・トゥ

最後にフロントのトータルトゥ ステリングセンター 最大切れ角などを調整し、ステアリングセンターをバッチリ整えました。



マルチサーブで燃料ラインのシステム洗浄。

マルチサーブ専用ケミカル(インジェクションシステムパージ ガソリン用)を投入。

・マルチサーブをフューエルラインに接続。
・エンジンを掛けながら約60分。 
ユックリ確実にインジェクターや燃焼室をシステム洗浄していきます。


納車時にマルチサーブ アフターケミカルのペトロールエクストリームクリーナ1本をお渡ししています。

燃料タンクに投入する遅乾性洗浄剤ですので、ガソリン給油時に投入してもらいます。






カーエアコンリフレッシュαでエアコン冷媒ガスをリフレッシュ。


・エコマックスjrを冷媒配管に接続。
・冷媒ガスを全量回収し、ろ過・重量測定。
・真空引きで配管内の水分・空気を除去。
・再生した冷媒ガスを液化高速充填。
・コンプレッサーオイル強化剤ニューテックNC-200注入


結果的には規定充填量400gに対して230gしかガスが入ってなかったようです。

再生濾過した冷媒ガス400gをリチャージし、コンプレッサーオイルをNC-200で強化しました。

最後に試運転を繰り返します。

いつものテストコースで直進安定性・高速時のブレーキング・市街地道路の凹凸で異音確認。

再リフトアップして何度も作業した箇所をチェックします。


予定通り2週間で納車となりました。

実際は1週間で作業を終えて、残りの1週間で調整とチェックをしています。
(それを複数台を並行しながら作業しています。)





リフレッシュプランについては過去のブログを遡って閲覧してもらうと分かりやすいかと思います。


それでも分かりずらいと思われる方にはこんな感じで例えています。
・寿司屋で例えるなら(予算○○万円でお任せで!)
・コレとコレは好きだけども、アレとアレは嫌いだから食べれない。
・あとは予算に合わせてイイ感じにしてくれ。

の自動車整備版がリフレッシュプランです。




車種は違いますがリフレッシュプラン予約から納車までの流れをブログにまとめました。
宜しければ覗いてみてください。
http://minato-motors.com/blog/?p=31370


前編ブログの最初にお伝えした予約時には決めてほしい事が(改善点と予算)。
(何を改善したくて、いくらの予算があるのか?)


それをザックリ伝えてもらえると整備士の私が愛車を点検し、(予算に合わせたオススメの整備プランを提案)させていただきます。

その整備プランをユーザーさんに説明し、必要性をご理解いただいてから整備内容が決まる。

私がするのは提案ですから、押し付けはしませんのでご安心ください。

愛車の改善点や不具合点はオーナーさんなら分かると思いますが、問題は予算のイメージが想像しにくいと思います。  (一体いくら掛かるんだろう??)


例えばレガシィBLEの非ビルシュタインショックアブソーバーの部品代は4本約8万円ぐらいですが、純正ビルシュタイン製になると約22万円オーバー。 部品代が全然違いますよね。(R6年現在)




そこで弊社ブログを閲覧し(○○年○○月の△△△のリフレッシュプランはおいくらしましたか??)と聞いていただけるとお答え出来ますよ~。
それである程度の予算をイメージしていただけると幸いです。

http://minato-motors.com/blog/?cat=12 リフレッシュプラン実例



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。http://minato-motors.com/contact/


・愛車の不具合点、改善点
・今回掛けれる整備予算
・車両情報
などをフォームに入力していただけると、入庫までの案内をさせていただきます。

それではHAPPY CAR LIFE!!




東京都からスバル レガシィB4 リフレッシュプラン 前編。改善点と整備予算を明確に!!それがリフレッシュ整備の始まりです。

東京都からお越しいただいたのは袖ヶ浦ナンバーのレガシィB4
平成19年式 BLE MT車 走行距離15万キロ

リフレッシュプランのご依頼です。

弊社のリフレッシュプランとは(10年10万キロ以上走行した愛車を、もう一度新車時のコンディションに近づける為のリフレッシュ整備)です。



普段地元で行う定期整備以上の内容で、フルオーバーホール・レストア未満の整備規模を希望するユーザーさんをターゲットにしています。


30~50年前のクラシック旧車ではないのでレストアのような内容は求めていないが、普段の整備では足りていないなぁ~と感じている方にお勧めしています。




リフレッシュプランをもっと正確に言うならば、(リフレッシュ整備のプランニング)

ユーザーさんに(整備士目線でその車両を整備するには、限られた予算内でどうしたら最善なのか?)を提案(プランニング)するのがメインテーマ。



そして重要なのが以下の2点。
1・愛車の現状不満点、改良点の認識
2・今回整備に掛けられる予算


・乗り心地が悪い。
・ロールが大きくて同乗者が酔ってしまう。
・段差でガタゴト異音がする。
・エンジン振動が大きい加速が悪い などなど。

愛車の不満点をお聞きして(改善したい内容)をメールから受付して、今回用意できる(整備予算)も同時に聞いています。


予算に対して過去の整備歴・走行距離・改善点などが妥当な範囲ならお引き受けし、(改善点に対してどう考えても予算が少なすぎる場合)は無理ですよ~とやんわりお断りしています。


HP(お問い合わせフォーム)から相談されたのが2024/7月ぐらい。

・今年12月に車検があるのでそれまでにリフレッシュ整備をしたい。
・ディーラーではパワステとエンジンからオイル漏れがあると言われた。
・整備予算は100万円以内。
・冷却水の減りが早いような?
・ハンドルのセンターがズレているような??

・サスペンションなど足回り下回りの整備を中心に整備したい。
・社外車高調サスが装着されているが乗り心地が悪いので、新車時装着のビルシュタインに戻したい。

・11万キロ時にクラッチO/H歴あり。


予約前に要望と整備予算などをディスカッションし、数か月後に予約入庫してもらいました。



入庫すれば問診をします。
メールや電話でお聞きした内容を整理して、整備方向を決めていきます。


今回は代車不要との事で、新幹線でお帰りになられました。
2週間後に引取予定です。


試運転をして事前ホイールアライメント測定を実施。
フロントトゥは酷い状態ですが、それ以外は許容範囲かな。

リフレッシュプランの最後にホイールアライメント調整を行うので、今の時点では気にする程でもないでしょう。



排気ガステスト・バッテリーテストをしてECUのライブデータを確認。
リフトアップして下回りやエンジンルームをチェック。


(LLCの減りが早い??)

・冷却水が漏れていないか?を水圧テスターで確認。(時間が経過しても問題なし)

・下から見ても漏れた形跡が無い。



問診時にお話を詳しく聞くと(リザーバータンクの液面が低いと感じる)(減っているのでは??)と言う事でした。

冷却ラインからの漏れが無く、エンジンオイルの白濁もない。

液面レベルが低いなら(そもそも正確なエア抜きとレベル調整が出来ていない可能性がある)とお伝えしました。


今回の整備で劣化して寿命が来ているラジエターを交換して、正確にLLCのレベル調整するので、それでもまだリザーバータンクの液面が減るのかを経過観察してくださいとお伝えしました。







ラジエター樹脂製アッパータンクが茶色く変色して斑点が出ていますね。
ラジエターキャップも同様に劣化変色し、斑点が出ています。


おそらくこの車両は長~い間、LLC等の冷却ラインのメンテナンスをしていないと感じました。


特にラジエターキャップがここまで変色させるには、6年以上キャップを使い続けているはず。

ラジエターキャップは地味な部品ですが、エンジン冷却の重要な仕事をしているので数年に1回は交換しましょう。

ラジエターリフレッシャーでLLC脈動圧送式で全量交換して、LLC再生強化剤を投入してエア抜き作業。

LLCレベル調整を行いました。


エアエレメントをチェックしてみると、フィルターが真っ黒。
中古車購入したそうなので、前オーナーからの整備が不足しているようです。


スロットルボディを清掃初期化しました。


ディーラーさんから指摘されたオイル漏れ。

以前のオーナー所有時にパワステポンプからのオイル漏れを修理し、その後漏れたオイルの清掃洗浄が不十分だったようです。

それがエンジン下部に流れてきた。
(オイルを洗い流して清掃し、様子を見る事に)







もう一つの漏れを調べるとサブフレームにあるステアリングギアボックス自体からのP/Sフルード漏れ。  こちらはリビルト品で交換します。





エンジンマウント・スタビライザーブッシュ・リンクロッドも交換します。

エンジンマウント左右と上部にあるチッピングロッドとミッションマウントを交換。   外してみるとゴムブッシュはバックリ破断していました。


スタビはリンクロッドのブーツが破れているので、これでは車検不合格ですので交換します。



・LLC冷却水が減る
そもそも正確にレベル調整をしていたのか?それでも減るのか??


・エンジンオイル漏れ??
まずは上から順番に洗浄清掃し、それで走行してどこから漏れてくるのかを調べる。


パワステギアボックスのように明確にフルード漏れしていれば部品交換ですが、そうでない場合はじっくり観察してから整備する方が無駄が無いですよとお伝えしました。


次回ブログも引き続きレガシィBLEのリフレッシュプランを紹介しますね。


サスペンションやドライブシャフト、ブレーキにマルチサーブと、普段整備しない箇所を中心に紹介しますね。

それでは後編ブログもお楽しみに!!
HAPPY CAR LIFE!!



スバル レヴォーグVM4 リニアトロニックCVTF完全圧送式交換。 日帰り作業で納車完了!

石川県からお越しいただいたのはスバル レヴォーグ VM4
走行距離9万キロ 

今回2回目のリピート来店です。


作業内容
・リニアトロニックCVTF 完全圧送式交換
・スロットルボディ清掃初期化

HP(お問い合わせフォーム)からご予約を頂いて、予約日当日の朝9時半からスタートします。



試運転をしてからCVTFチェックを行い、オイルパンとストレーナーを外します。

オイルパンを洗浄し、磁石に付いた鉄粉を除去。

ストレーナーも純正新品に交換します。

オイルパンに液体ガスケットを塗ってから脱脂したCVTに装着します。


よくお客様から質問されるのが、(液体ガスケットでオイルパンを装着後に、1晩ぐらい養生しなくて大丈夫なのですか??)

(他社だと預かり期間が数日だと返答があり、ミナト自動車は日帰りで納車可能と返答をもらいましたが??)



ミナト自動車ではAT・CVTのオイルパン洗浄ストレーナー交換&CVTF交換一式は日帰りです。


入庫してすぐにオイルパンを洗浄し、CVTケース側の脱脂後に準備が整えばすぐにオイルパンを液体ガスケットで装着。

一定のインターバル後には、ATF/CVTFの圧送式交換を始めています。



某国から直輸入している高性能液体ガスケットを使用しているので、インターバルの時間は僅かで済みます。

すぐに次の作業に移れるので、リニアトロニックCVTでも日帰りで完全圧送式が出来るのですね。


この高性能液体ガスケットは非公開でお見せ出来ません。
ガスケット性能は申し分ないのですが欠点が2点。

・価格が高額。
・密着性が良好過ぎて、リピートで再脱着する時が少し大変。

お客様へのデメリットはないのですが、使用する整備工場側にも欠点を上回る程のメリットがあるので長年採用しています。

排出した分のCVTFを補充し、完全暖機。
CVTとチェンジャーを接続して、まずはプレ洗浄を行います。



プレ洗浄で使用するフルードはニューテック謹製スペシャルリンシングフルード(NC-RF)

弊社がニューテックさんに提案して開発していただいたプレ洗浄専用フルードがNC-RFです。http://minato-motors.com/blog/?p=17434


プレ洗浄に高額な本命フルードを使用すると(モッタイナイ)ので、洗浄用は本命用より少し安価なNC-RFリンシングフルードを使用しています。




プレ洗浄が終わりました。

・左奥の新油モニターがNC-RF
・中央ビーカーが廃油のCVTF
・右手前クリーナーモニターがプレ洗浄後のCVTF

NC-RFはほぼ透明のフルードで、プレ洗浄後には結構キレイになりました。
廃油はほぼ真っ黒なので、その違いが分かりやすいですね。



15分のインターバル。
次は本命CVTFでもう一度圧送式交換を行います。


ニューテック史上最高峰のCVTF 『NC-65』
全化学合成ハイパフォーマンスフルード(エステル系)


ローフリクション・ハイパフォーマンス
極薄で強靭な油膜性能は、市販CVTFでは最強レベル



こちらでもう一度圧送式交換を行います。

完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイに入れ替われば次回交換推奨距離は6万キロ。


・エンジンオイルに比べてATF/CVTFは交換サイクルが長い。
・ATF/CVTFはそもそも頻繁に交換するオイルではない。


耐熱・耐久性の高い全化学合成基油を贅沢に使用したNC-65なら、ストリート走行レベルではそんな簡単には劣化しません。

高品質・高性能のNC-65を長期間使用し、良好な状態でドライブ走行した方が、安価なATF/CVTFを使用するよりも結果的には経済的なんですよね。




オプション整備 (スロットルボディ清掃初期化)

走行距離が増えてくるとスロットルボディにカーボンが付着。
ほんの僅かな付着ですが、それだけでアイドリングが不安定になります。


弊社では定期的なスロットルボディ清掃初期化を推奨していますので、ATF/CVTF時にご相談ください。



フルードクーラーを洗浄して規定温度でフルードレベル調整を行いました。
最後に試運転をして納車となりました。




納車時には作業中に撮影した画像をPCモニターで見ながら、作業内容を説明させていただいています。  要望があれば画像データのコピーをお渡ししていますよ~。

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


リニアトロニックCVTF完全圧送式交換は日帰り作業で納車可能。
朝9時半入庫で当日18時頃の納車予定になります。(多少変動あり)


スバルリニアトロニックのCVTF交換を希望される方はHP(お問い合わせフォーム)に必要事項を記入していただいて送信していただけると幸いです。


それではHAPPY CAR LIFE!!



京都府からマツダCX-3 ガソリン直噴エンジンをドライアイス洗浄。 インテークに堆積するカーボン除去。 ATFも完全圧送式交換でリフレッシュ!!

京都府からお越しいただいたのはマツダCX-3 DKEFW 令和1年式 走行距離5万キロ。


リピートのお客様で前回入庫時にはマツダCX-3 DK5FWのスカイアクティブディーゼル。
定番のインテーク系に堆積するディーゼルの煤をドライアイス洗浄のDSCで完全除去しました。



そこから数年経過し車両を乗り換えてCX-3 DKEFWガソリン車を購入したようです。
CX-3ガソリン車のエンジンは直噴エンジンですので、こちらもインテークバルブ傘部にカーボン(煤)が堆積するのは皆さんご存じだと思います。


まずは問診をし試運転。

スキャンツールでライブデータを確認後、エンジンインテーク系の部品を分解していきますね。


インテークマニホールドを外すとエンジンヘッドにあるインテークポート8個の穴が見えてきました。

内部にあるインテークバルブ傘部を確認しますね。



僅か5万キロの走行距離でインテークバルブ傘部にカーボンが大量に堆積。

煤の厚みは2~3mmでしょうか?
望遠レンズのカメラで撮影しているので分かりにくいと思いますが、肉眼で見ると結構酷いですね。


またポート内径にも1mm程の厚みで煤が堆積。


ガソリン直噴エンジンは高効率・高出力に優れたエンジンですが、唯一の欠点はインテークバルブ周辺にカーボン(煤)が堆積しやすく、エンジン性能が低下する事です。


これは東西のメーカー問わず、ガソリン直噴ならば大体同じ。

VW・アウディやトヨタなども同様に直噴エンジンならカーボンが堆積しての弊害が出ています。 (フケ上り不良・燃焼不良など)


残念ながらこの状態でもエンジン警告灯は点灯しないので、気が付かない方も多いです。

その煤堆積を手作業で完全除去するのは、ほぼ不可能。
出来たとしても多くの時間が掛かるか?中途半端で終わるか?のどちらか。


弊社が8年前に開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)なら、日帰り作業で完全除去が出来ます。





・-78℃のドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
・熱収縮と昇華爆発力で母材金属を傷つけずに付着物を剥離。


ドライアイス洗浄は大きな産業プラントなどの個別洗浄方法として普及していましたが、自動車整備にこの洗浄方法を用いたのは弊社が世界初でしょう。


当時からトヨタのガソリン直噴の煤堆積が問題でしたが、それを解消するため8年前にDSCを自社開発しました。



おかげさまでガソリン・ディーゼルでのDSC施工台数は数千台になっております。



ドライアイス洗浄機にDSC専用ノズルとアダプターを装着。

ドライアイスペレットを投入し、軽くワンショットしてみました。
ペレットが直撃した部分だけキレイに剥離しましたね。
4気筒8ポートを圧縮上死点にセットしながら、ドライアイス洗浄を行います。


DSCの作業は完全非公開でブログではお見せ出来ません。
企業秘密の部分が多すぎるのでごめんなさい。


ドライアイス洗浄をすると完璧にキレイになりましたね。


(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)
DSCキャッチコピー通りに洗浄が終わりました。


メーカーは多額の開発費でエンジン設計。
インテークバルブ周辺の形状は非常に重要で、いかに空気をシリンダーへ高効率に充填するか?がキーポイント。

空気充填率が低いとエンジン性能を引き出せないのですが、経年劣化でインテークポート周辺がカーボン堆積で形状が変化すると、新車時の性能は発揮できないのですよね。


最新のエンジンはそんなに簡単には壊れない。
ですがカーボン・煤・スラッジなど経年劣化で汚れが堆積すると、少しづつ初期性能が落ちてくるのです。


よって弊社では(いわゆる清掃系整備)の必要性をブログでアナウンスしています。


インテーク部品を元の状態に組み立て。
ガスケット一式は純正新品で交換します。




ここからはオプション整備の紹介です。
エンジン始動をしてから次はLLC圧送式交換。

スーパーLLCは長寿命だと言われていますが、それでも数年でLLCの添加剤は劣化します。


防錆剤・消泡剤などのLLC添加剤が劣化すると、アルミエンジンなら白い粉が冷却ラインに発生します。

これが冷却効率を低下させるのと、ウォーターポンプのシールを痛めてLLC漏れの原因になる。

そうならない為に定期的なLLC圧送式交換をオススメします。





次はATF完全圧送式交換を紹介。

ATF交換をする前にまずはオイルパン洗浄ストレーナー交換一式を実施。



オイルパンを洗浄して磁石の鉄粉を除去。
ストレーナーも交換して再組立て。



排出したATFを補充し、密封式ATにアダプターを接続すれば、圧送式交換の準備は完了。



そしてニューテック謹製プレ洗浄フルード NC-RFで全量圧送式交換をしプレ洗浄をします。

プレ洗浄が終わりました。
この時点でかなりキレイになりましたね。


・左奥が新油NC-RF
・中央ビーカーが廃油ATF
・右クリーナーモニターがプレ洗浄後の状態。


15分間のインターバル後には本命ATFでもう一度圧送式交換を行います。


ニューテック史上最高峰ATF 『NC-65』
全化学合成基油(エステル系)を贅沢に使用したハイパフォーマンスATF


ローフリクション・ハイパフォーマンス
極薄で強靭な油膜性能は純正ATFの数段上のスペック
おそらく市販ATFでは最強レベルの油膜性能



NC-65のレビューは(みんカラ)等のSNSで絶賛されているので、弊社が改めて説明する必要はないでしょう。


どうですか?完璧に入れ替わりましたね。

ここまでキレイに入れ替われば次回交換推奨距離は約6万キロ。
それまでノーメンテで初期の高い性能が長く発揮します。


ATFクーラーを洗浄し、規定温度でレベル調整を行いました。

最後に試運転をして無事納車。

今回は2日間で作業が完了。
京都北部からお越しいただいたので、週末入庫~翌週末引き取りの1週間預かりで作業をさせていただきました。

お預かり期間中は無償代車をお貸ししています。



経年劣化をしている個所を最適な整備方法で解消し、新車時の性能に戻す。


愛車を長く良い状態でドライブされたい方は、DSC・ATF交換・LLC交換などをお勧めしています。


ブログのような整備を希望される方はHP(お問い合わせフォーム)に必要事項を記入していただいて送信してください。

おススメの整備を提案させていただきます。



本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!



デリカD-5 リフレッシュプラン後編。LLCとATFの圧送式交換。マルチサーブでディーゼル インジェクター&DPFをシステム洗浄!!

前回ブログから紹介しているデリカD-5 CV1W ディーゼル 4WD 走行距離12万キロのリフレッシュプラン。

サスペンション・ハブ・ブレーキ等の足回り下回りの整備は終えました。


今回のブログではエンジン・AT等の整備とマルチサーブでのインジェクター&DPF洗浄を紹介しますね。



エンジンマウント全数交換。
簡単そうに見えて地味に時間の掛かる作業です。

狭いので周辺部品を外して、知恵の輪状に隙間から引き抜きます。


ちなみにエンジンマウントもサスペンション同様に1G締付が必要です。


・デリカD-5の場合、まずは左右のエンジンマウントを交換して本締め。
・その後に前後のマウントを交換。

エンジンの自重が左右のマウントに乗っかった状態で前後のマウントを本締めするのが正解。

ラジエーターリフレッシャーでLLC圧送式交換。

冷却ラインに流れるLLCに含まれる浮遊物の汚れを、この装置でろ過循環回収します。


40分ほど時間をエンジンを掛けて循環濾過し、最後にLLC再生強化剤で防錆・消泡性能を強化しました。



ATFも圧送式で交換します。

CV1Wは6速ATでオイルパンが無い構造。
まずはミッション下部からATFを排出し、抜けた分だけ新油を補充。

そこからATFチェンジャーに接続して、まずはプレ洗浄を行います。

プレ洗浄をしてここまでキレイになりました。

・左奥が新油モニター
・中央ビーカーが作業前の廃油
・右手前のクリーナーモニターはプレ洗浄後のATF


15分ほどインターバルをおいて、今度は本命ATFのアイシンAFW+で再交換しますね。


完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約4万キロです。

最後に規定温度でレベル調整を行いました。




フューエルフィルター交換。
インテークエアダクト交換

ATが滑る?アクセルと加速に違和感??
エンジン吸気経路を調べてみるとエアダクトパイプが破損していました。

エンジンルーム奥にあるので、なかなか見つけづらいんですよね。



エア経路に割れがあると、エア吸いを起こしエンジンの調子が悪くなりますよね。


トランスファ/リアデフオイル交換。

ガルフ プロガード75W90 部分化学合成ギアオイル

ディーゼルエンジンにはマルチサーブ。

・インジェクター洗浄システム
・DPF洗浄システム

マツダスカイアクティブDやトヨタ系ディーゼルエンジンには多く施工してきましたが、三菱デリカD-5のディーゼルにもマルチサーブが対応しました。
http://minato-motors.com/blog/?p=29071


・エアクリケースを外して燃料ラインを切り離し。
・エンジン側のラインにマルチサーブのホースを接続。
・エアクリケースを戻して準備完了。


マルチサーブ専用ケミカル(ディーゼルシステムパージ)をマルチサーブに投入。   これでサプライポンプ・コモンレール・インジェクター・燃焼室をシステム洗浄します。




約60分ぐらいかけてマルチサーブからケミカルを送り続け、エンジンを動かしながらの洗浄工程。


作業完了すれば燃料噴射量補正もスキャンツールで行います。

次はDPFシステム洗浄。
DPFに繋がるパイプにマルチサーブを接続。



まずは1液目の(DPFクリーナー)をマルチサーブに投入。

ゆっくり確実に洗浄していきます。


エンジンを始動して5分間。
排気温度を上げていきますね。

2液目(DPFフラッシュ)投入。

その後エンジン回転数を上昇させて、DPF温度を上昇。
洗浄効果を促進させます。


最後にDPF内にある廃液を強制排出します。

猛烈な白煙と異臭が排出されるので、オリジナルの排煙回収装置を使用して作業をしています。

回収装置のクリアパイプを覗くと、茶色い廃液がドロドロ出てきました。

無くなるまで排出作業を繰り返し、白煙や異臭が出なくなれば完了。
各学習値をリセットして再学習させますね。



前回ブログでサスペンション整備を行いましたので、アライメントリフトで(1G締付)を実施。

サスペンション整備時に掛かる無駄なブッシュテンションを開放し、1G状態でブッシュボルトを本締めしました。

文章で1G締付を説明すると難しく感じるので、ググっていただければいろんな動画で解説してくれますよ~。


そこから軽く試運転をしてサスペンションを馴染ませて、ホイールアライメント調整を行います。

ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター(WA470ホークアイ)
イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト

高剛性リフトと高性能アライメントテスターで瞬時にアライメント数値を演算。

ホイールアライメント調整を行いました。



カーエアコンリフレッシュαでエアコンガスの冷媒をリフレッシュ。

このデリカD-5は210gほど冷媒ガスが少なかったようです。
年々減少する冷媒ガスは定期的にリチャージしてエアコンをメンテナンスしましょう。





最後に試運転を繰り返し、無事納車となりました。

納車時には撮影した200枚ほどの画像を見ながら作業説明をし、画像データもDVDにコピーしてお渡ししています。
また今後の整備アドバイスもさせていただきました。



ミナト自動車 ○○様
お世話になります。
車は非常に快調で、今までおかしいと感じていた部分は本来の機能を取り戻したように生き生きと動いてくれます。
もっと早くにミナト自動車様に出会っていればとおもいます。
ありがとうございました。



数日後にメールにてレビューをいただきました。
長く良い状態でドライブを楽しんでください。

その状態が本来のデリカD-5です。 
劣化した愛車の状態は意外と気が付かないので、リフレッシュプラン後にドライブするとその違いに驚く方が多いですね。



リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。http://minato-motors.com/contact/

またデリカD-5・CV1Wへのマルチサーブ(インジェクター/DPF洗浄)を希望される方もお問い合わせフォームからお願いします。




リフレッシュプランの予算を知りたい方は(何年何月の○○○の整備総額はおいくらですか?)と聞いていただけるとお答え出来ますよ~。

リフレッシュプラン実施事例の一部ですが、ブログに公開していますので宜しければ覗いてみてくださいね。http://minato-motors.com/blog/?cat=12



それではHAPPY CAR LIFE!!