奈良県 CX-5 H27年8月 KE2AW 9万2千㎞ 警告灯が点灯 コ-ドP2463 DPF過堆積 DSCで改善できるか?前編

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。
今回のご紹介するのは、奈良県 からお越しいただいたのは、
マツダ CX-5 KE2AW H27年式 走行距離9万4千キロ
DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)&マルチサーブのご依頼です。
全国各地からスカイアクティブDの完全煤除去作業 DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)のご依頼をいただいています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=192

オーナー様からお伺いした内容
1・1週間ほど前からエンジンチェックランプが点灯、3日ほど前には「DPF内にPMが堆積しています。」という表示がインフォメーションディスプレイに表示された。
その後、高速道路をしばらく走行したところ、その表示は消えたが、エンジンチェックランプは点いたままの状態。
2・最近車内に少し排ガスのような臭いを感じる。
弊社のお問い合わせメールからご相談を頂き、
メールで数回やり取りし、入庫日を決めて来店していただきました。
ありがとうございます。

弊社に来られた時点で、再びインフォメーションディスプレイに表示されていました。

来店時に問診をして作業内容の確認と説明。
エンジンの状態をチェックしてから、試運転を行います。
丁寧な問診や試運転と最新スキャンツールでのライブデータ数値確認などを、30分以上エンジン分解する前に実施します。




診断機で各センサーの数値を確認すると、いくつかに通常範囲から外れる異常な傾向が見られました。
数値の変化からは故障の発生時期や不調のまま使用されていた期間もある程度読み取れます。
また、同じエンジンを多数診てきた経験から特有の違和感や不具合傾向も踏まえて判断しています。
重要なのは、この数値が実際の異常を示しているのか、それともセンサー自体の不具合によるものかの見極めであり、複数のデータを突き合わせながら慎重に診断を進めていきます。

エンジン分解の準備が整いました。
ここまでくれば、あとはいつもの手順でテンポ良く作業を進め、インテークマニホールドをはじめとした各部を順に分解していきます。

やはりエアーエレメントは目詰まりを起こしていました。しかも社外品
社外品は濃い色のものが多く、汚れ具合が分かりにくいことがあります。加えて高性能フィルターは異物をしっかりキャッチできる反面、目詰まりしやすく、交換時期も早くなる傾向があります。
ここまで汚れた状態で使い続けると、吸入効率の低下や燃焼状態の悪化など、エンジンにとって良い影響はありません。

さらに、サードパーティー製のサブコンが取り付けられていました。
この手の製品は燃調や各種信号に補正が入るため、エンジンコンディションが崩れた際に本来の状態が見えにくくなり、トラブルシュートの難易度が上がる傾向があります。

いつも見ている状態と比べても、EGR系統には明らかに煤の蓄積が多い印象です。




インテークマニホールドおよびEGR系統の分解が完了しましたので、ここから各パーツの状態を一つずつ確認していきます。

EGRクーラー出口を確認すると、内部は煤で半分以上閉塞しています。この状態では本来必要なクールドEGR流量を確保できません。



ヘッドのインテークポート内の煤堆積を確認していきます。
4気筒8ポートすべてにおいて、量としては他車と比べるとやや少なめですが、エンジンオイルと混ざった粘着質の煤が燃焼熱によって焼き付いた、私の中ではウエットで頑固な堆積物が確認できました。
量としては少なめですが、性質が最も厄介で除去には手間がかかる状態です。




EGR流入経路の最終端パイプおよびスロットルボディ周辺にも、エンジンオイルと混ざったウエットな煤の堆積が確認できました。
最終端のパイプは完全に閉塞しており、今回のご入庫はDPFの警告灯点灯によるものですが、このままの状態では、いずれEGR流量不足の警告灯も点灯する可能性が高いと考えられます。
このようなウエットな煤が、EGR流入経路を詰まらせる主な原因となります。

ドライアイス洗浄の準備が整いましたので、施工に入ります。
ボディに煤が付着しないよう徹底したマスキングを実施(3M製高性能マスカーを使用)し、SKY-D専用に製作したDSCノズルおよび各種アダプターを用途に応じて使い分けています。
なお、DSC施工時の詳細なノズル形状・煤の回収方法・マスキング手法については非公開としており、ブログでは一部のみのご紹介としています。
単にドライアイスを打ち込むだけではなく、確立されたノウハウに基づき、「エンジンにノーダメージで、短時間で確実に」をコンセプトに施工を行っています。

手で触ると簡単に砕けるほど柔らかいペレット状のドライアイスを使用します。
このペレットを高速で噴射し、蓄積した煤に当てることで急速冷却が起こり、煤が収縮してクラック(ひび割れ)が発生します。
さらにその隙間にドライアイスが入り込み、昇華時の膨張力(固体から一気に気体へ変化する力)によって煤を内側から剥離させます。
これにより、ポート内部の金属面にダメージを与えることなく、煤だけを効率よく除去することが可能です。
サンドブラストのような研磨力に頼らない点がドライアイス洗浄の大きな特徴であり、施工後はドライアイス自体も昇華して気化するため、残留物が残らないのもメリットです。

インテークポートのクリーニング方法には、ケミカル溶剤、手作業での除去、ウォルナット(クルミ殻)ブラストなど様々な手法がありますが、2015年にDSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)を立ち上げる際、これらはすべて検討しました。
D・S・C Project(ディーエスシープロジェクト)
http://minato-motors.com/blog/?p=5905
しかし、奥深く複雑なインテークポート内部を、残留物を一切残さず確実に洗浄できる方法はドライアイス洗浄しかないと判断し、導入コストは高額ではありましたが採用に至りました。

それでは早速、1ショット。
ドライアイスが当たった部分だけが的確に除去され、母材は無傷、残留物も残りません。この工程を繰り返し、8ポートすべてを丁寧に仕上げていきます。


当然ながら各ポートを上死点に合わせ、1ポートずつ丁寧に、ウエットな煤を飛散させないよう細心の注意を払いながら確実に施工していきます。
企業秘密の為詳細はお見せできませんが、ドライアイスで除去された煤は、除去と同時にオリジナルの回収装置により確実に回収され、産業廃棄物として適切に処理しています。
そのため、煤が飛散してボディを汚すことはありません。

ドライアイス洗浄と他のブラスト洗浄との大きな違いは、使用するメディア(ブラスト剤)が施工後に昇華して消えてしまう点です。
そのため、インテークポート周辺はもちろん、周囲に汚れが残っている状態でも安心して洗浄が可能で、ポートの中だけでは無く、作業箇所の周辺部も同時にクリーニングしています。


8ポート全数、洗浄完了。
一目瞭然、画像を見ていただければ仕上がりは明らかです。
1気筒ずつ丁寧に施工し、煤・キズ・残留物を一切残さないDSCにより、すべてのポートを本来の状態へと確実に復元しました。

ドライアイス洗浄が完了しましたので、続いてオプション整備であるバイパスパイプの交換を行います。
現在はマニホールドが取り外されている状態のため、作業性が良く、このタイミングでの施工が最適です。
工賃も抑えられ、確実に作業が行えることから、同時施工をおすすめしています。

このお車のバイパス部は、現時点では冷却水漏れは確認されませんでしたが、熱による劣化が進んでいます。
樹脂パーツを接着して構成されているため、経年劣化により今後漏れが発生する可能性が高い状態です。
さらにこのパーツはインテークマニホールド直下に位置しており、通常は目視が困難なため、漏れが発生しても発見が遅れやすい点にも注意が必要です。

加えて、この部分からの冷却水漏れは当該エンジンのウイークポイントでもあり、実際にこれが原因でオーバーヒートに至り、最終的にヘッドガスケット抜けによるブローとなった車両を弊社でも複数確認しています。
そのため、メーカー側でも対策として当該パーツを樹脂製から金属製へと変更しています。
なお、この部分は視認しづらい位置にあるため、万一の水漏れリスクを確実に排除する目的で、接続されている3本のゴムホースも同時に交換しています。

続いての施工はインタークーラー内部洗浄です。
主な目的は内部に溜まったオイルの除去ですが、もう一つ重要なのが、両サイドに接続されているダクトパイプ取付部のゴムガスケット交換です。
エンジンオイルの付着によりゴムが膨潤・劣化し、吸入空気圧に耐えられずオイル漏れを起こすケースが多いため、同時に交換を行います。





工程上、インタークーラーはドライアイス洗浄前に取り外し、吊り下げた状態で上部から洗浄剤を流し込み、内部を洗浄・乾燥させています。
内部洗浄は完了しており、しっかりと脱脂された状態です。

続いてのオプション整備は、フューエルエレメントフィルターの交換です。
ディーゼル車のフューエルフィルターは、燃料中の異物や水分を除去し、インジェクターを保護する重要な部品で、劣化や目詰まりが進むと燃料供給や噴射に影響します。

今回はEGRクーラー脱着のためにバッテリーを取り外しており、その奥に設置されているフューエルエレメントへ容易にアクセスできる状態のため、交換には絶好のタイミングとなっています。

当然、取り外したフィルター内部の燃料や濾紙の状態も目視で確認し、汚れや水分混入の有無をチェックしています。
ここを確認することで、燃料系統全体のコンディション把握にも繋がるため重要な工程となります。



各パーツも洗浄が完了しましたので、純正ガスケットを使用して再組付していきます。









新車時に近い状態まで徹底洗浄することで、インテーク系の煤によるトラブルは解消されます。万一改善しない場合でも、原因が他にあると明確に切り分けできる点がDSCのメリットです。
中途半端な洗浄では因果関係が曖昧なまま終わってしまう可能性があります。

分解時に点検で再利用不可になったパーツを交換します。


配線カプラも新品へ交換します。
マツダ純正では単体供給がないため、形状や品番を洗い出して適合品を選定し交換しています。
補修カプラも常時複数ストックしており、スムーズに対応可能です。

LLCは圧送式交換をオプション整備を実施。
ラジエターリフレッシャーを使用し、LLCを脈動圧送式交換。
エンジン・ラジエター・ヒーターコアのLLCを、エンジンを掛けながら全量交換します。
その後のエア抜き作業も入念に行い、エア残りによるオーバーヒートを防止します。最後にLLC再生強化剤を注入し、防錆性能および消泡性能を強化しています。





当然、使用限度を超えたラジエーターキャップも純正新品に交換
ウォーターラインのエア抜きとリザーバータンクの量調整を確認して完了。

忘れがちなエアコン冷媒ガスもリフレッシュ。
オプション整備のカーエアコンリフレッシュαを実施
冷媒は経年で徐々に減少するため、定期的なチェックが重要です。
エコマックスJrにより冷媒を全自動で回収・ろ過再生し、真空引き後に規定量を液化状態で正確に充填します。
あわせてニューテックNC-200(コンプブースト)を注入し、コンプレッサーオイルの性能も強化しています。


約半分ほどクーラーガスが減少していました。
規定量のクーラーガスが充填されることで、クーラーシステムが本来の性能を発揮し、冷却効率の向上やコンプレッサーへの負担軽減にもつながります。
ここまでで、DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)のオプション整備を含むパートは終了です。

マルチサーブ インジェクター洗浄システム
マルチサーブ DPF洗浄システム
これらの作業は次回ブログで紹介しますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!











