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和歌山県からハイエースKDH201 エンジン不調でマフラーからの白煙・黒煙!! マルチサーブでインテーク煤除去。  前編。

和歌山県から入庫していただいたのはハイエースKDH201 平成22年式 走行距離20万キロ


ディーゼルの煤除去やインジェクター・DPF等の洗浄で相談されました。



相談内容
・少し前からマフラーから黒煙・白煙が出る。

・地元整備工場でも原因が分からないのでネットで調べると、ミナト自動車に辿り着いた。

・改善したいので見積希望。


こんな感じでHP(お問い合わせフォーム)から相談がありました。
ありがとうございます。


ハイエースに搭載されているKD系・GD系エンジンは、クリーンディーゼルエンジンの中では高耐久性が有るかと思います。


それでも10万キロ・15万キロ走行すると、少しずつ違和感・不調を覚えるでしょう。


燃費が低下した、加速が鈍い、振動が大きい、音がうるさい。

その少しの違和感や不調を無視し続けると、流石の頑丈なハイエースでも故障が表面化してくるのです。


地元整備工場に相談してもスキャンツールを接続して(ダイアグコード 異常コード)が無ければ、故障の解消するのは難しいのが現状。

もしくは関係のない部品まで交換して、(しばらく様子を見て下さいね。)と言われるでしょう。




最近弊社に相談があるハイエース不調は、大体このパターンが多いですね。



HP(お問い合わせフォーム)からの問い合わせから、マルチサーブの作業説明と御見積をメール返信し、予約となりました。



後日入庫してもらい問診と説明。
メールでは伝えきれない内容を口頭で説明し、詳しく症状をお聞きしています。


ハイエースのマルチサーブ 一式は1週間預かり。
代車をお貸ししてお預かりしました。


ハイエースのエンジン・インジェクター・DPFの不調は、吸気~排気までをトータルで診ていかないと解消しません。

DPF(DPR)の警告灯が点灯したから、DPFが悪いわけではない。
(それ以外の原因も考えられる。)




川の流れのように上流から下流に。
エンジン吸気上流から下流の排気へ。
各部品をクリアしていくことが、結果的には近道なのです。

マルチサーブ インテークカーボン洗浄システムから始めます。

まずは『第一段階分解』
吸気シャッターバルブ・EGRバルブ・水冷EGRクーラーなどを外しますね。


インテークマニホールド手前まで分解するのが『第一段階分解』


この時点で煤堆積が酷くなければ、外した部品を洗浄して組み立てる。
そのあとにマルチサーブのケミカル洗浄に移行します。





ですが今回のハイエースは煤がモリモリ堆積。
上流がコレならば、下流のインテークマニホールドやエンジンヘッドなどの煤堆積が心配。


インテークマニホールドまで外す『第二段階分解』に移行します。




アレ! 意外と煤は堆積していないんじゃない??と思ったでしょう。

煤が堆積しているか?を判断するためだけに、インマニを外したんじゃないんですよ。



上記画像 バキューム負圧ON

下の画像 バキューム負圧OFF


負圧を掛けてスワールコントロールバルブを作動させても、フラップが動きませんね。

スワールコントロールバルブが動かないとエンジン低回転時には、強いスワール旋回渦が発生しないので、空気と燃料の拡散が鈍くなります。

低回転時のトルクは薄くなり、必要以上にアクセルを踏むでしょうね。(燃費・加速悪化)


インテークポートも煤で狭くなると、やはりトルクが薄くなり燃焼悪化で煤が発生しやすい。



水冷EGRクーラーに煤が溜まり、EGRバルブにも煤堆積。

燃費向上・振動低下・環境対策。
大容量EGRが効果的に使えなくなると、上記の性能は悪化します。


クリーンディーゼルの定義はまちまち。
・超高圧のコモンレール式燃料噴射。
・大容量高効率EGRの流入。
この2点が出来てクリーンディーゼルかなと私は思います。


その後の環境対策によってDPFやアドブルーや可変ターボなどの装置が増えてきた感じでしょう。


エンジンヘッドのインテークポートは手作業と特殊装置で(ある程度の煤を除去)しました。

残された煤はマルチサーブのケミカル洗浄で対応します。










インテークマニホールドを洗浄し、負圧を掛けるとバルブ開閉もカパカパとスムーズ。



分解した部品を完璧に洗浄。


再利用しないのはガスケット・ホース類ぐらいでしょうか。
熱劣化で破損しているハーネスカプラーも補修しますね。




それでは元の状態に組み立てますね。



組立後に冷却水を補充。
エンジンを暖気してから、ケミカル洗浄が始まります。



インテーク・インジェクター・ターボ・DPFの各専用ケミカル剤。

今回の作業ではこれだけのケミカル群を使用します。

インテークのボタンを押して、画面指示通りに進む。



アトマイザーのエア抜き作業をしてから、インテークの吸気シャッターバルブに接続。




エンジンを始動。

30秒に1回噴霧のインターバルで、霧状のケミカル剤をインテークに流入させます。


吸気流に乗った微細なケミカルが最深部のエンジンヘッド インテークポートに到達。

取り切れなかった煤堆積を洗い流していきます。






このケミカルには硬い粒子の(煤カーボン)を溶かす効果はありません。
結束しやすい煤粒子の結束を緩めるだけ。

ほぐれた粒子は吸気流に流されて、燃焼室内に到達。
高温で燃焼して煤は無くなります。


エンジンにはノーダメージ。
ゆっくり時間を掛けて、75分ほどの洗浄工程。


ケミカル・煤が燃焼するので、マフラーからは猛烈な異臭が出ます。
工場内に異臭が充満すると、耐えきれなくなるほど。



そこで弊社では異臭や白煙・黒煙等を回収する装置をオリジナルで開発。
排気ガスはこの装置で全て回収し、無害化して作業をしています。


垂れ流すとヤバいよ~。






ハイエースKDH201 マルチサーブ インテークカーボン洗浄システムが終わりました。


次回ブログではインジェクターの燃料系やDPFの排気系のマルチサーブ洗浄システムを引き続き紹介しますね。



それではお楽しみに!!
HAPPY CAR LIFE!!

愛知県からハイラックスRZN167リフレッシュプラン後編。リアサスペンションとホイールアライメント調整!

前々回ブログから3部に分けて紹介しているトヨタ ハイラックスRZN167
平成10年式 走行距離16万キロ ガソリン車MT



10年10万キロ以上走行した車両を、もう一度新車時のコンディションに近づける(提案型整備 リフレッシュプラン)でお預かりしています。



https://minato-motors.com/blog/?p=40634 前編
https://minato-motors.com/blog/?p=40703 番外編
https://minato-motors.com/blog/?p=40728 中編


エンジン・MTクラッチ・フロントサスペンション等の整備が終えたので、次はリア側を整備しますね。


リアドラムブレーキ等を分解して、アクスルシャフトを引き抜きます。
シャフトに圧入されているベアリングやオイルシールを交換しますね。




シャフトの根元にあるベアリングは、専用治具SSTがないと交換が出来ません。

グラインダーで削ったりハンマーでガンガン叩かなくても、SSTと油圧プレスがあれば簡単に外せますよ~。




新しいベアリングやオイルシールを組付けますね。

またホーシング側のシャフトシールとオーリングも交換します。


ドラムブレーキのライニングシューを交換して、ドラムは研磨をしました。

(ドラム研磨機は弊社には無いので、こちらは外注にお願いしました。)

ブレーキシリンダのカップ交換。

カップキットで組み替えますね。




リーフスプリングの前後ブッシュとシャックルブッシュも交換しました。
長年の使用でゴムブッシュが割れていますね。



リアブレーキホースを交換して、ブレーキフルードのエア抜き作業&フルード交換。


ブレーキフルード交換は(吸引式・加圧式)の2種類があり、弊社ではどちらでも作業は可能。  ケースバイケースで使い分けしています。

全ての交換作業が完了。

整備リフトからアライメントリフトに移動し、1G締付と車高調整を行います。




<1G締付>
言葉で説明すると長くなるので、(1G締付)で検索してください。
(分かりやすい動画がいっぱいありますので。)


まぁ~簡単に言えば、組付け時にブッシュボルトを本締めすると、4輪が接地した走行時にはブッシュにネジレ負荷が掛かり早期破損します。

そのネジレを解消して、本来のブッシュ性能を発揮するのが1G締付作業。
サスペンション整備の必須作業ですよ~。

サスペンションアームに黄色いテープを貼っている箇所は1G締付が必要。



私の場合は組付け時にはボルトナットは仮締めにして、黄色いテープを仮締めの目印として貼る。   1G締付実施後には赤色マーカーでチェックを入れる。


仮締めして数日後の作業となると、本締めを忘れる可能性があり得る。
ヒューマンエラーを防ぐのに、(テープ&マーカーは有効)だと採用しています。


そこから軽く試運転をして、次は車高調整。
ハイラックスやハイエースはFr車高を調整する機構があるんですよ。



・リアの基準点と地面の高さを測定。
・その測定数値と基準値を比べて、数値差を割り出す。

その数値差をフロント基準値から差し引きして、Frの調整数値を決める。



これも簡単に言うと・・・。
長年の走行でリアが基準値より10mm下がっていれば、Frも基準値から10mm差し引いた数値で高さ調整しましょうと言う事。


そのためにはアライメントリフトでリフトアップし、仮想地平線を赤い糸で引いて、高さを測りながら調整する必要があるのです。



これでやっとホイールアライメント調整の準備が出来ましたね。


・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスターWA470ホークアイ
4カメラ・4ターゲットクランプで高精度のアライメント数値を瞬時に演算。



・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト
国産最高峰アライメントリフト 高剛性で長期に渡り水平レベルを確保。




サスペンションを整備した直後は、こんな感じで数値がバラバラ。

下の画像のようにアライメント調整用カムボルトを中立の位置にして組付けても、こんな感じでバラバラなんです。 

この扇状カムボルトを右に左に回していくと、ボルトセンターが左右に動く。


そうするとロアアームの位置が変化しますので、ロアアーム前側・後側の2本のカムボルトを動かして、Frキャンバー・キャスターを微調整します。




左右のキャスター・キャンバー・SAIを調整後に、トータルトゥとステアリングセンターを調整。


リア側はリジットなので調整は出来ません。


最終的にはこんな感じで整えました。

フロント側はトゥ・キャンバー・キャスター・SAI共にバッチリ決まりました。
リア側は調整不可ですが、入庫時よりは数値が改善していますね。

スラスト角に合わせてステアリングセンターを調整。
これでハンドルは真っすぐになり、直進安定性も改善しました。



最後に試運転。
いつものテストコースを走行し、ブレーキング・直進性・異音・振動などをチェック。

45分ぐらいのコースなんですが、数か所ほど直進性を確認できる道があります。
一見真っすぐの道でも実際は路面が傾いている場合が多い。


ホイールアライメント調整をするには、確認できるテストコースは必要なんですよね。


コーナリングや加速・減速を繰り返し、工場に引き返します。



試運転後には再リフトアップ。
締め忘れやオイル漏れなどのミスが無いかを入念にチェック。

こんな感じの(試運転&チェック)を繰り返して、納車準備が整いました。




納車引き渡し日には、約1時間ほど作業内容を説明。

今後の整備課題やメンテナンス方法などもアドバイスしており、質問等がありましたらお答えさせていただいています。




これぐらいの作業内容だと作業中の画像は250~300枚ぐらい。
・コレがこのように整備して・・・。
・この部品は破損しているので、この部品に交換した・・・。
画像を見ながら作業説明をし、コピーもお渡ししています。



請求書を渡してハイ終わり。ではなく、入庫時の問診同様に時間を掛けて納車説明をさせていただいています。




本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


純正部品を比較的長期間供給してくれるトヨタでさえ、平成一桁年式だと(生産終了部品)が増えてきました。

平成10年式だと27年前の車両なので、致し方がないのかな??と思います。


また全メーカーで年々純正部品価格の上昇どころか、数か月で値上げされるのが最近の傾向。    リフレッシュプランを検討されている方はお早めに。




リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

予約時には整備予算をお聞きしています。
○○年○○月△△△の整備ブログは総額でいくら掛かりましたか?と聞いていただけるとお答え出来ますので、過去の事例から整備予算の参考にしてくださいね。



https://minato-motors.com/blog/?cat=12 過去の事例

それではどうぞ宜しくお願い致します。







愛知県からハイラックスRZN167 リフレッシュプラン 中編。フロントサスペンションとクラッチO/H!

前回・前々回ブログで紹介しているトヨタ ハイラックスRZN167 平成10年式 走行距離16万キロのリフレッシュプラン。


10年10万キロ走行した愛車をある程度の予算を掛けて整備し、新車時の状態に近づける事を提案しています。


前々回ブログから前編・番外編と続いて、今回は中編。
サスペンションやクラッチなどの整備を紹介しますね。
https://minato-motors.com/blog/?p=40634

分解したフロントサスペンションやハブ・ドライブシャフト。
これから劣化した部品を交換しますが、ここまで分解すると利点があります。


交換しずらいエンジンマウントが少しだけ交換しやすくなります。
(作業するスペースが出来るので。)
(その分 工賃が安くなります。)

エンジンの振動を吸収するエンジンマウント左右を交換しました。


ミッション側のマウントは長期欠品中で在庫がありませんでしたので交換が出来ませんでした。(数か月待ち以上とのメーカー返答)


フロントロアアーム ブッシュ&ロアボールジョイント交換。

専用治具SSTを使用して、アームからブッシュを打ち抜いて油圧プレスで圧入。

アッパーアームは個別のブッシュが生産終了。
アームASSYでは在庫が有りましたので、左右ASSY交換しますね。





ナックルのダストシールとアッパーボールジョイント交換。
グリスも入れ替えました。





ハブ・ディスクローターを分解。
ハブベアリングを外してハブを洗浄します。

洗浄後にハブベアリングIN・OUTを交換して、グリスを充填しました。


スタビライザーのブッシュ交換。
一度も交換していないので、ブッシュがガバガバ。






ドライブシャフトブーツをO/H
点検するとドライブシャフトブーツINは、過去の整備でリペア済みでした。

通称(ドライブシャフトの割れブーツ)は、車検に合格するためには有効です。

ですがドライブシャフトを長く良い状態で使いたいなら、個人的にはおススメしません。

なぜなら、充填グリス量が少なすぎるから・・・。
(グリスが少ないと潤滑・耐摩耗性能が落ちますからね。)





純正同等のグリス量だと割れブーツの接着部にグリスが付着する可能性が高く、作業性も落ちる。 手際が悪いと密着不良もあり得る。



トヨタ系の純正ドライブシャフトブーツグリスKITは比較的安価。
ちなみにマツダ系はトヨタ系に比べて2倍ほど高額なので、困ったものです。


純正ブーツグリスKITでO/Hするのがベスト。
ゴムブーツの耐久性も高く、O/Hすればまだまだ使えますから。



それにサスペンション整備をする時に一緒にすれば、分解工賃の重複も省けて経済的。    



フロントブレーキ ディスクローターを研磨して再生。
ディスクローター研磨機にセットして、薄く慎重に研磨していきます。

限度厚みを測定しながら、研磨していきます。
最後に耐熱塗装で化粧直し。

これでまだまだ使えますよ~。







サスペンションアームやハブ等を、車体に組付け。
ハブベアリングを締め付けるプリロード調整。



組付け後にはハブ・ディスクローターの振れチェック。

基準値以上の振れがあると、高速走行時にジャダーが出ます。
基準値に収まるように組付けました。







対向4ポッドブレーキキャリパーO/H。

ピストンを引き抜きシール等を分解。
洗浄後にシールキットで組み立てます。

ピストンには古いグリスが固着していますので、除去してからコンパウンドで磨き上げ。

専用グリスでピストンシール・ダストブーツを組み立てします。





ブレーキパッドはWAKO’S BPR 高性能ブレーキパッドグリスで組立。
バックシムにグリスを塗って組み立てました。

ブレーキホースも全数交換。

フロントは組立完了。

これでフロントはひと段落。


クラッチO/HのためにMTミッションを降ろしますね。


・クラッチペダルが重い。
・クラッチミートポイントが分かりずらい。
・ペダルの遊びが大きい・小さい
・クラッチが切れづらく、シフトが入りずらい。

クラッチが滑っていなくても、長期間・長距離走行していれば、クラッチ機構は劣化しています。


今回のハイラックスRZN167はクラッチの滑りは無いが、ペダルの違和感と重さを感じました。


オーナーさんも気にされていたのでクラッチO/Hを希望されました。



お約束のレリーズベアリングの潤滑不良&ベアリング劣化。
ペダル操作が重かったり、シャーと異音があると寿命です。



新品レリーズベアリングに薄く適量グリスを給油。
スプライン部も清掃してグリスアップ。

・フライホイール
・クラッチディスク
・クラッチカバー
・パイロットベアリング


フライホイールまで分解する機会は少ないので、今回の整備でエンジンクランクリアオイルシールも交換します。


滑ってはいないけど摩耗はしているクラッチディスク。
厚みが8.4mm→6.0mmになっていました。



アドペチプド・シールロック剤をフライホイールボルトに塗ってから組み立て。

ディスク・カバーを装着しMTミッションを元通り。
クラッチレリーズシリンダもカップシール交換をしました。

次回の後編ブログではリア側の整備と納車までの様子を紹介しますね。

・リアサスペンション
・リアアクスルシャフトベアリング
・ホイールアライメント調整
・試運転 納車準備
・納車時 作業説明

それではお楽しみに!!

愛知県からハイラックスRZN167 リフレッシュプラン 番外編。一般ユーザーの方や新米整備士さんが思う事への回答。  私こうしています。

前回ブログで紹介したのは愛知県から依頼された トヨタ ハイラックスRZN167 平成10年式 走行距離16万キロ。


・メールでの予約相談~入庫。
・問診・点検をして御見積制作。
・エンジン整備を実施。(オイル漏れ・冷却系・燃料系)
などを紹介しましたね。 https://minato-motors.com/blog/?p=40634


今回のブログではクラッチO/Hやサスペンション・ハブ・ブレーキなどの整備を紹介しますが、その前に番外編。



新米整備士の方・普段整備をしない方・もしくはDIY整備をする方が懸念している事に対してお答えしますね~。


フロントサスペンションを分解しました。


ほとんどの整備工場ではサスペンション系のトータル整備を依頼すると(やんわりお断り)される場合が多いと思います。

特に年式が経過したクロカン車やハイエース系などは、部品脱着が困難な事。
・どの部品が必要か?その部品のメーカー在庫が有るのか?などが分からない。
・SST専用工具が必要で、SSTが無いと交換が出来ない。


乗用車に比べて部品点数が多いので、それを事前に全ての揃えておかないと作業は出来ません。



リフレッシュプランでは年式や走行距離・整備予算をお聞きして、入荷に時間が掛かる部品は手付前金を振り込んでいただいて先行発注しています。


特にサスペンション系の部品は頻繁に出荷される部品ではないので、メーカー在庫も薄いのです。


入庫して点検し、御見積をOKもらってから発注しているようでは間に合わないのです。


見てもいない車両のどの部分の部品を先行発注するかは、経験がないと難しいのが現状でしょう。



こんな感じで足回り・下回りはバラバラ。

フロントを分解しながら、並行してMTミッションを降ろしたり、リアも分解したりします。



以前にその作業を見学していた知人が私に聞いてきました。

・そんなに部品バラバラにして元の状態に組立られるの??
・ボルトナットなどを間違わない??余らない??
・どの場所のボルトナットか?忘れない??



私の答え
(もう30年整備士してますねん。笑)
(大丈夫。全部覚えているから。)
(今まで何千台と整備してきてるので、経験上分かる)


それでは答えとして面白くないので、このブログを見ている新米の整備士さんに(組立時の間違いを無くす方法)を少し教えますね。


・このような磁石が3つ付いてあるトレーを用意する。

一見無造作に置いておるボルトナットやワッシャー・スプリングなどは、実は規則性を保って配置しています。


・Aの場所に時計と反対回りで外したボルトナットを配置。

・Aの次はBに配置。

・Cの位置に配置して、まだ足りない場合はもう一つの磁石トレーを使う。


組み立てる時はCから順番にボルトナットを使っていくと、部品の組立てる順番を間違わない。(そもそも覚える必要もない。簡単。)


この方法で普段から整備をすると、ボルトナットが余るや、どのボルトナット・ワッシャーか?が分からないような事態にはならないのです。



あるYouTuberが(ザル)を使え!と言っていました。


金属メッシュや空箱などに、部分ごとのボルトナットをガバッと放り込んで、枚数を増やして管理する方法もあります。

ただこれだと、ボルトナットを(紛失する事は無くなる)が、組み立てる(順番)までは分からない。



組立て時に(アッ順番間違えた。こっちが先に組み立てないとダメだった。)
こんなイージーミスも磁石のトレーで規則的な置き方をすればノーミスです。


エンジンのタイミングベルトやウォーターポンプを交換する時も同様。
同じ太さで長さが違うボルトも、場所を間違える事は無くなります。



それでも忘れる心配性な整備士さん(私です。)は、磁石トレーにマスキングテープを貼る。


そこにメモ書きするんですよ。
ウォーターポンプとか、テンショナーとか、アース用ボルトとかね。

私もアース用ボルトとよく似たボルトを間違えないように、マスキングテープにメモ書きしています。


ボルトナットを探す手間は、時間の無駄。
これなら早いイイ仕事が出来ますよ~。


ボルト締付後にはマーカーでチェックをすれば、さらに万全。


タイミングベルトやウォーターポンプなどは、組立後はカバーなどで目視確認が出来ない場合が多い。

マーカーをしてからデジカメで撮影し、画像を残しておけば更に完璧になります。


組立後や納車後に(アレッ締めたかな??)(覚えてない??記憶があいまい??)なども無くなります。


ボルトナットの締め忘れでドエライ失敗をしない為に、私はこのようにしています。


整備士あるあるの小ネタを番外編で紹介しました。

次回ブログでは引き続きハイラックスRZN167のサスペンション作業等を紹介しますね~。
HAPPY CAR LIFE!!




愛知県からハイラックスRZN167 リフレッシュプラン 前編。 エンジン整備とマルチサーブ。

弊社のリフレッシュプランは、(もしその車両が私の愛車なら、限られた予算でどこを整備するのか?)をメインテーマにしています。


リフレッシュプランを依頼された方との会話の中で、よくお聞きするの事があります。



・愛車をとても気に入っている。でも簡単な定期メンテナンスしか実施していない。

・新車時に近づけてコンディションが良い状態で、今後も長く使用したい。

・中古車購入で過去の整備歴が不明。現状には満足していないが中古車だから乗り心地等には妥協している。





オーナーさんそれぞれ愛車には想いがあり、(ある程度の予算を掛けて、大規模な整備をしたい。)という要望からリフレッシュプランがスタートしました。



おかげさまで13年間で数百台のリフレッシュプランを実施してきましたが、全ての事例をブログアップは出来ないので、一部ですがブログ公開していますので宜しければ覗いてみてください。

過去の事例 https://minato-motors.com/blog/?cat=12


愛知県からの入庫したのはトヨタ ハイラックスRZN167 平成10年式 走行距離16万キロ ガソリンMT車

提案型整備リフレッシュプランのご依頼をいただきました。
ありがとうございます。



HP(お問い合わせフォーム)からメールでの相談内容。


・この先10年とは言わないが、5~6年ぐらいは乗れるように今時点で悪い箇所はリフレッシュ整備をしたい。

・年式的に保安部品が無い場合もあるかと思いますので、悪くなりそうな部品は予防整備で全交換したい。

このような内容でリフレッシュプランの相談をされました。





メールとTELで要望をお聞きして、本予約となりました。
(予約混み具合にもよりますが、入庫は1ヶ月~3か月待ちが多いです。)


・入庫日の1か月前に(手付前金)を銀行振込。
入金確認後に(確実に交換する部品)は先行発注しておきます。

・予約日に入庫。
問診をして要望や不具合点を確認し、整備の方向性をお話しします。
(無償代車ナビETC付き完備 土日祝も営業しています。)



試運転後に排気ガステスト・バッテリー充電テストを実施。


事前ホイールアライメント測定でサスペンションの状態を確認。


年式に対して相応の簡単な保守整備は実施していた車両でしょう。
(激しいオイル漏れや、ガタゴト酷い異音もない。)
(車両コンディションは年式にしては良好でしょう。)



ですがこれが新車時と比べてどうか?と言われると・・・。
・ブレーキは効くが、コントロールがしずらい。

・乗り心地が悪く、直進安定性も低い。
最近ショックアブソーバーは交換したそうですが、ホイールアライメント数値はバラバラ。

・エンジンルームを点検すると、車検時に行う軽整備のみ実施している。
(プラグやコード・ベルトやエアエレメントなどは交換済み)
(サスペンションやハブなどの重整備は未実施)






点検をして整備プラン見積を制作。
御見積書を提示して、(どこまで整備するか?)を相談します。


・この部品は交換しないと危険です。

・この箇所の整備は優先順位が低いので、予算オーバーなら保留もありえる。

整備内容を提案して予算内でどう組み替えするかを相談し、整備プランが決まれば作業を進めます。



ちなみに整備プランの提案や御見積は、予約前や入庫前に提示するのは不可です。   (というか無理なんです。)


まだ(診ていない・点検もしていない)車両の見積なんて出来ないし意味もない。


それでは依頼者様も困るので、類似車両の整備ブログを数点ほど案内し(総額でこれぐらい掛かりました)という目安をお知らせしています。


それで整備予算の目安にしてくださいね。
(車種やグレードによってお引き受けする整備予算の下限はあります。)
(年式や距離・要望に対して予算が低すぎる場合は受付不可になります。)





それではエンジン関係から始めますね。

新車から無交換のラジエター。
樹脂製アッパータンクは熱劣化で変色しています。


こうなると弱くなった樹脂製タンクはクラックが発生し、LLCが漏れてオーバーヒートしてしまいます。


予防整備のために新品ラジエター・ホース類を交換しますね。

次に未交換のウォーターポンプ交換。

ファンベルトを外していくと様子がおかしい・・・。

クランクプーリーが外れていました。
ダンパー部のゴムブッシュが破損しています。

・ウォーターポンプ
・クランクフロントシール
・クランクプーリー
を交換しました。




冷間・温間時のファンスピードをコントロールするファンカップリングASSY。

そろそろ生産終了しやすい部品なので、今回交換を提案しました。






LLC冷却水の温度制御用弁サーモスタッドも予防整備で交換します。





組立てをし、LLCを圧送式交換。

ラジエターリフレッシャーで脈動圧送式交換をすると、エンジン・ラジエター・ヒーターコア全てのLLCが入れ替わります。

また回収したLLCを高密度Wフィルターで濾過し、30分ぐらい掛けて作業をしました。





最後にエア抜き作業をして、LLC再生強化剤を注入。
防錆・消泡性能を強化して、スーパーLLC同等の性能に戻します。



おそらく長期交換していないだろう??ラジエターキャップも交換しました。
地味な部品ですが壊れるとオーバーヒートしますからね。







エンジンオイルはやや漏れており、下回りにオイルが付着していました。

酷くはないが、良くはない。


オイル漏れは上から順番に処置するのが基本。
定番のシリンダーヘッドカバーからのオイル漏れでした。


ヘッドカバーを外します。
エンジンオイル管理が非常に良好なので、エンジン内部は非常にキレイ。

大切に乗られてきたのが良く分かります。




ヘッドカバーガスケットを交換。

ブローバイグロメットやゴムホース、ディストリビューターのオーリングゴムも交換します。


ヘッドにある三日月状のプラグも外して、液体ガスケットを塗り直し。




組み立ててからエンジン暖機をして、アイドリングを調整します。


スクリューのオーリングを交換して、スロットル側も綿棒でカーボン除去。
点火時期やアイドルアップ&ベースアイドルを調整しました。


マルチサーブでインジェクターシステム洗浄。

専用ケミカルを使用してインジェクター噴射口やインテークポート内部バルブ傘部のカーボンを洗浄します。


燃料タンクとインジェクターの間を切り離し、マルチサーブのホースをエンジン側に接続。   (燃料タンクのガソリンは使用しません。)



接続が終わればマルチサーブに(インジェクションシステムパージ1000ml)を投入し、画面の指示通りに操作。




60分ほど掛けてケミカルをフューエルラインに送り込み、ゆっくり確実に洗浄工程を行います。




弊社のマルチサーブではW洗浄を推奨。

・マルチサーブを使いインジェクションシステムパージで即効的に洗浄。

・アフターケミカルのペトロールエクストリームクリーナで遅効的に洗浄。
(後日燃料タンクに注入して、走行しながらゆっくり洗浄します。)
(納車時にボトルを手渡しします。)




AC冷媒ガスもリフレッシュ。

カーエアコンリフレッシュαで冷媒ガスを再生し、ニューテックNC-200でコンプレッサーオイルを強化しました。



これでエンジン系は整備完了。

次回ブログではクラッチO/H・サスペンションやハブ・ブレーキなどを整備します。

普段車検時には整備しない箇所の足回り・下回りを重点的に整備しますので、どうぞお楽しみに!!