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デリカD-5が続々と入庫!!リフレッシュプラン前編。愛車を新車時に近づけよう!! 乗り心地低下=サスペンション劣化ですよ~!

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

全国各地から弊社の提案型整備(リフレッシュプラン)のご依頼をいただいており、誠にありがとうございます。http://minato-motors.com/blog/?cat=12


先月は三菱デリカD-5が3台連続で入庫し、リフレッシュプランの作業をさせていただきました。

数えてみると今年も結構な台数のデリカD-5をリフレッシュ整備しているので、なかなか根強い人気車種だと感じます。

大阪府からはCV1W ディーゼル4WD 走行距離12万キロ
高知県からはCV5W ガソリン4WD 走行距離12万キロ
埼玉県からはCV5W ガソリン4WD 走行距離16万キロ


リフレッシュプランは10年10万キロ以上走行した愛車をもう一度新車時のコンディションに近づける為の提案型整備メニューです。


ローダウン・リフトアップなどの改造車は作業NGで、純正ノーマルの状態で使用し続けたいユーザーさんに向けてアナウンスをしています。



今回ブログで紹介するのは地元大阪から依頼されたデリカD-5 CV1W ディーゼル 4WD 平成29年式 


相談内容
・サスペンションの振動の収まりが悪い。
・AT車なのに滑るような感じがある??。
・思い入れがあり、まだまだ長く乗りたいのでリフレッシュ整備を希望。


車高の高いデリカD-5はショックアブソーバーやブッシュ等が劣化すると、すぐに乗り心地が悪くなりやすいです。

またATが滑る?と相談されましたが、問診で詳しくお聞きすると加速とアクセル操作に違和感があるそうです。


問診をして試運転をし、事前ホイールアライメント測定を行います。


バッテリーアナライザーでバッテリー/オルタネーターの状態をチェック。

スキャンツールでECUライブデータを確認し、リフトアップしてエンジンや足回り下回りを点検します。




御見積を制作してメール送信。
電話にて点検結果と整備内容の説明させていただきます。

見積内容にOKがいただけましたので作業を始めます。


ブレーキオーバーホ-ルを行います。


キャリパーを分解してピストンとシール等を外しました。
洗浄してから新しいシールKITで組み立てますね。

ホルダー側のスライドピンも洗浄して、グリスアップ&ダストブーツ交換。


ディスクローターは研磨にて再生。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924

高性能国産ブレーキ研磨機を使用して、ゆっくり確実に研磨再生します。
研磨後に耐熱塗装(500℃)で仕上げました。

ブレーキパッドも交換してブレーキO/Hが完了。




フロントハブベアリングを交換。
ナックルに圧入しているベアリングを油圧プレスと治具で組み替えますね。


ちなみにあとで紹介するリアハブベアリングは簡単に交換が出来ますが、部品価格が高額。

フロントはベアリング自体は安価ですが、交換するにはここまで分解しないと交換が出来ない構造。




フロントドライブシャフトのブーツグリスをO/H。

耐久性の高い純正ブーツグリスKITで交換すると、また10年10万キロ使用できますね。


ガソリン車のCV5Wは左右IN・OUT4点のブーツグリスKITが純正で部品供給されます。


今回のディーゼル車CV1WはFr右側のOUT側ブーツは非分解のため、ブーツグリスKITは部品設定無しです。


そこでFr左側のドライブシャフトはIN・OUTともにブーツグリスKITでO/H。

Fr右側はIN側は純正ブーツグリスKITで作業し、OUT側はブーツは再利用しブーツバンドと充填グリスだけリフレッシュします。



OUT側ブーツは劣化しやすいゴム製ではなく、耐久性のある樹脂製ブーツなので部品供給が無い場合はこの方法で対応しています。






フロントショックアブソーバーとロアアームASSY交換。
スタビライザーブッシュも同時に交換しました。





リアのサスペンションも整備します。


サスペンションアームを分解して、ブッシュをプレスで打ち替えました。
スプリングのインシュレーターとスタビライザーブッシュも同時交換。

サスペンションのゴム部品を一新しますね。


リアハブベアリングASSYはなかなか高額で、まだ状態も良く使えそうなので再利用しました。

もし数年後に交換する時が来ても、リアはボルトオンで簡単に交換が出来る構造なので、慌てて交換しなくても大丈夫とお伝えしました。


ショックアブソーバーと周辺消耗部品も交換します。

ブレーキフルードを交換してサスペンション・ハブ・ブレーキ・ドライブシャフトの整備は一旦終了。

最後にホイールアライメント調整を行いますが、次はエンジンとATの整備に移りますね。


次回ブログでは引き続きデリカD-5のリフレッシュプランを紹介します。
どうぞお楽しみに~。


香川県からマツダRX-8 リフレッシュプラン 後編。クラッチ・ラジエーターをリフレッシュ!! ホイールアライメント調整と1G締付。

前回ブログで紹介した香川県から依頼のマツダ RX-8 SE3P 平成18年式 走行距離10万キロのリフレッシュプラン。


前回ブログでは予約から入庫し、サスペンション・ブレーキなど足回り下回り整備を紹介しました。http://minato-motors.com/blog/?p=37888



今回ブログも引き続き、RX-8の整備をご紹介します。


クラッチのO/H履歴が無いと相談時にお聞きしました。
クラッチペダルのキコキコ異音も合わせて整備しますね。


一般乗用車でMT車を好んで乗られている方は、乗用車ユーザー全体で見るとかなり少数でしょう。

そしてその少数の方は基本的に(クラッチ操作が上手な方)だと思います。


なぜならクラッチ操作がヘタ、または苦手な方は、そもそもAT車に乗るはずだしMT車には乗らないので。



クラッチ操作が上手な方なら10万キロぐらいでクラッチディスクをズルズルに滑らせる事はないと思います。

ですがレリーズベアリング等の注油部のグリスは距離年数相応に劣化します。
それをメンテナンスするにはミッションを降ろして確認するしかないのです。


予想通りレリーズベアリングのグリスは劣化し、固く硬化していました。
またレリーズホーク ピボットのグリスも劣化。

これでは摺動部がスムーズに動かないので、クラッチ操作がしずらいですよね~。


クラッチ操作が上手くても下手でも、この摺動部のグリスは経年劣化で硬化しますので、10年に1度はO/Hが必要なんですよ。


せっかくMTミッションを降ろしたのでクラッチディスク等の状態を確認。


ディスクのフェーシング残量は残っていますが、残り少ないので交換します。



となるとフライホイールを外すのだから、なかなか交換機会が無いエンジン リアオイルシールも同時交換しました。




シャフト先端にあるパイロットベアリングとオイルシールも交換しました。
挿入する深さを測定しながら、慎重に圧入します。





クラッチはディスクとカバーはもちろんフライホイールまで交換します。
これでまた10万キロ使用する事が出来ますね。


MTミッションのメインドライブシャフトのオイルシールと、リアシャフトのオイルシールも同時交換。







クラッチマスターシリンダとレリーズシリンダのO/H。
内部を洗浄してピストンKITで組立ました。



室内からクラッチペダルを外します。

リターンスプリングの取り付け部にある樹脂製ブッシュが劣化して割れると、ペダル操作でキコキコ異音が聞こえるんですよね。


この部分だけの部品供給はないので、ペダルASSY交換しました。





クラッチ組立後にMTミッションを装着。

その後エンジンマウント左右も交換します。
液体封入式マウントの充填オイルも劣化しますので、エンジン振動を吸収出来なくなるのです。

またマツダPPF(パワープラントフレーム)採用車のRX-8はミッションマウントは存在せず、リアデフマウントがその役割を担っています。

リアデフキャリアブッシュASSYも交換します。




振動吸収ダンパーも同時交換しました。


マツダPPF(パワープラントフレーム)車の組立時には高さ調整が必要。

エンジンマウント左右とリアデフマウントで支えられた(エンジン・MT・デフ)が、1直線になるようにミリ単位でPPFの高さ調整。


基準値からPPFまでの高さを測定しながら組立。
その為にエンジンやデフのマウントを新調したのです。


https://car.motor-fan.jp/article/10011063
PPFパワープラントフレームについてはモーターファンの記事で詳しく説明していますので、そちらへどうぞ。

クラッチ・ブレーキのフルード交換&エア抜き作業。

クラッチキルスタータースイッチの接点不良で、スイッチASSYを交換しています。 接点が悪くエンジンが始動出来ない時がありました。







狭いエンジンルームに無理やり押し込んで装着しているRX-8のラジエター。
どちらか言えば交換しずらい部類になるかな。


ACコンデンサーを外して、ラジエターを交換します。


外したラジエターのアッパータンクは熱劣化で変色。
斑点が出てくればそろそろ限界でしょう。

破裂する前に予防整備でラジエターの交換を提案しました。
ゴムホースやブッシュも交換しますね。





ACコンデンサーはラジエター交換時には外すのですが、せっかくの機会なのでコンデンサーフィルターの交換を提案しました。

マツダ純正では部品供給が無いのですが、コンデンサー製造元のデンソー経由でフィルターを調達し交換します。




ラジエター交換後にLLCの圧送式交換を実施。

ラジエターリフレッシャーでLLCを全量入れ替え。
最後にLLC再生強化剤で防錆・消泡性能を強化し、エア抜き作業も行いました。



過去の整備歴でウォーターポンプやサーモスタッド等は交換済みだったので、未実施個所を中心にリフレッシュしました。



MTミッションとリアデフのギアオイルはニューテックNC-70 75W90を使用。
低粘度で強靭な油膜性能は純正ギアオイルの数段上のスペック。

全化学合成エステル系ギアオイルは非常に高額ですが、冷間時のシフトがスコスコ入るので好評です。




コンデンサーを外す前にAC冷媒ガスを測定して回収。
規定充填量は450gで回収量は240g。
約半分ほど冷媒ガスが無かったことになります。


長年の使用で配管等からガスが漏れるので、徐々に少なくなるのは仕方がない。

コンデンサー組立後に冷媒ガスを再充填。

・長めの真空引きをして、水分や空気を配管から除去。
・再生した冷媒ガスを重量管理で高速液化充填。
・同時にニューテック謹製NC-200コンプブーストで潤滑・気密強化。






これでやっと整備リフトからアライメントリフトに移動が出来ます。

タイヤを装着してアライメントリフトで1G締付。


整備中にリフトアップをすると、サスペンションアームは垂れ下がります。
この状態でブッシュ固定ボルトを締め付けると、着地時(1G状態)ではブッシュが捻じれて不要なブッシュテンションが掛かります。



黄色いテープが張ってある箇所がボルト仮締め箇所。

アライメントリフトで4輪が接地した1G状態にし、サスペンションアームブッシュのボルトを一度緩めます。

緩めると不要なブッシュテンション(負荷)が解放されますので、それから本締めします。


サスペンション整備後には必ず実施しないといけない1G締付作業。(しないとブッシュが早期に破損します。)


4輪が接地しながらリフトアップ出来る設備が無いと1G締付がやりずらいので,依頼する整備工場には(1G締付が出来ますか??)と聞いてから依頼した方が良いかと思います。




1G締付後に軽く試運転をして、サスペンションを馴染ませます。

そこからホイールアライメント調整を行いますね。




・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター WA470ホークアイ
4つのカメラセンサーで4つのホイールターゲットの動きを捕捉。
瞬時にホイールアライメント数値を演算します。


・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト
別注カラーのロングホイールベース対応バージョン。
国産NO,1整備リフト(ビシャモンリフト)なら高剛性で水平レベルを長期に維持。



ホイールアライメントテスターもアライメントリフトも定期的に公正作業をしていますので、常に良い状態をキープしています。



組立てスグの状態だとほとんどの車両はバラバラな数値を示していますが、今回のRX-8は元々の精度が良いのでしょうね。  なかなかの数値になっていました。



そこから少しホイールアライメントを微調整。

最後にいつものテストコースで試運転を2セット。


念入りに試運転をして最終チェック。
その後リフトアップして下回りも再チェック。
万全の状態で無事納車となりました。



前編・後編の2回に分けて紹介したマツダRX-8のリフレッシュプラン

これぐらいの作業ボリュームならお預かり期間は約2週間。
(ただし入庫前に部品を揃えておく必要があります。)

前半の1週間で整備を終えて、後半の1週間でチェックや納車準備。


引き取り時には作業中の撮影した画像200枚を見ながら、今回の整備内容を説明させていただいています。

今後のメンテナンスアドバイスもお話ししながら、画像コピーもお渡しして納車しました。


本日もミナト自動車ブログ日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

リフレッシュプランは相応の部品を交換しますので、相応の整備費用は掛かります。

もう一度新車時のコンディションを取り戻したいと、リフレッシュプランを相談される方はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。


http://minato-motors.com/blog/?cat=12
実施した車両の1部ですがブログで公開していますので、(何年何月の○○のブログはいくら掛かりましたか?)聞いていただけるとお答え出来ます。
ぜひ整備予算の参考にしてください。


それではHAPPY CAR LIFE!!

香川県からマツダRX-8 リフレッシュプラン 前編。サスペンションとブレーキをリフレッシュ!!  

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


全国各地から続々とリフレッシュプランのご依頼をいただいております。

10年10万キロ以上走行した愛車をもう一度新車時に近いコンディションの戻すのが(リフレッシュプラン)のメインコンセプト。

車高調サスでのローダウンや社外改造品等は一切使用せずに、新車ノーマルに戻すには相応の部品代や工賃が必要になります。




リフレッシュプランは全ての自動車ユーザーに提案するサービスメニューではなく、100人ユーザーがいれば1人ぐらいが興味を示してくれるニッチな整備提案なのですね。






香川県からお越しいただいたのはマツダ RX-8 SE3P 平成18年式 走行10万キロ   (ナンバープレートは横浜ですが、香川県の方からの依頼です。)


依頼内容
http://minato-motors.com/blog/?p=19195 のような整備を依頼したい。
週末走行ですがまだまだ乗り続けたい。

・寒い時期にはブレーキからの異音(キー)が気になる。車検時にディーラーに相談したが治らなかった。

・クラッチペダルから異音(ギコギコ)があり、車検のたびにグリスアップして凌いでる。




リフレッシュプランの入庫までの流れは、こんな感じ進めています。


1・メール問い合わせ (予算・不具合箇所を確認等)

2・数回のメールやり取りで大まかな整備内容と入庫日を確認。 
(車種毎の最低整備予算を設定していますので、依頼内容に対して予算が妥当か?も確認しています。)

3・入庫日の1か月前に手付前金の振込案内をします。
(入金確認後に交換を予定している部品を先行発注します。)


4・予約入庫日に来店していただいて問診と現車確認。
(代車が必要な方にはお貸ししています。)

5・試運転をして車両点検をし、御見積書を制作。   整備プランを提案し、どこまで整備するかを相談します。








メール問い合わせから車両入庫するまでは、混雑具合にもよりますが1~3か月ぐらい。

よくあるのが(今月車検が切れます。リフレッシュプランを依頼したいです。)という問い合わせですが、上記のような流れで進めているので時間的にほぼ無理だとお答えしています。


数か月お待ちいただいてからの入庫となるので、車検時期とは全く関係ない時に余裕を持って依頼して頂いた方が良いかと思います。






予約日に来店されたら問診を行います。
依頼内容を確認し、不明な点がありましたら相談してくださいね。


試運転後に事前ホイールアライメント測定。
サスペンションの状態をチェック。


エンジンコンディションを調べる基本点検(排気ガステスター)で排気ガスのCO/HC/CO2を確認し、スキャンツールでECUライブデータの数値確認。


整備リフトでリフトアップし、エンジンやバッテリー、ブレーキやサスペンションなど足回り下回りも点検しました。



ここでようやくリフレッシュプランの御見積書が出来上がります。


(リフレッシュプランっておいくらですか??)
(予約前に見積出来ますか??)
とメールで聞かれるのですが、上記のように入庫し点検してからでないと正確な見積書は提示できませんとお伝えしています。




だって分解しないと分からない部分もありますし、まだ診てもいない車両をアバウトな見積書を提示しても意味ないですしね。

ただそれでは整備予算のイメージが分からないので、依頼者の方も困ると思います。






そこでまずは弊社のリフレッシュプラン参考ブログ http://minato-motors.com/blog/?cat=12 を閲覧してください。

そこから(○○年○○月の△△△のブログ内容はおいくらしましたか?)と問い合わせしていただけると数件の類似車両と整備総額をお伝えしています。

これで(ある程度の整備規模がどれだけの費用が掛かるのか?)をご理解いただけると幸いです。




お寿司屋さんで例えるなら(予算はいくらで、お任せで。)(コレとコレは食べたいけど、アレは嫌いだから食べれない。)のお任せ自動車整備版だとイメージしていただければ分かりやすいかな。



今回のRX-8依頼者は相談時に整備予算は80万円程度。 あとはオススメ整備の提案次第でプラスα予算追加とオーダーされました。






入庫し車両点検した数日後。

・御見積書をメール送信。
・オーナーさんと電話で協議し、どこまで整備するか決めます。
・OKをいただけたので整備作業を始めます。



お互いが見積書を見ながら不具合箇所や整備内容の説明。

ユーザーさんの要望を優先しながら整備内容を決定しますので、(お任せ=押しつけ)ではないのでご安心ください。



RX-8はサスペンションブッシュの単品供給はありませんので、アームASSY交換。

劣化しやすいフロントのアッパー/ロアアームをASSY交換しました。
スタビライザーブッシュは単品供給されていますので、ブッシュのみ交換します。



リアマルチリンク式サスペンションブッシュの状態は良好。


こちらもブッシュの単品供給はありませんので再利用しますが、劣化しやすいボールジョイントダストブーツは単品供給は有り。

グリスを入れ替えて新品ダストブーツで全数交換しました。

簡単に交換出来るFrハブベアリングは状態が良かったので、今回は再利用する事になりました。  

ボルトオンで簡単に交換が出来る車種ならば、Frハブベアリングは使えそうなら悪くなってから交換でも良いと思います。




ですがRX-8のリアハブベアリングは圧入式になるので、ナックルをここまで分解しないと交換が困難。 分解するとホイールアライメント再調整が必要になります。



そこで交換が困難なリアのみベアリング交換をして、フロントは延命再利用となりました。

何でも交換すればイイって訳ではなく、費用対効果を説明して整備プランを提案しています。




ショックアブソーバーはスプリング以外は全て交換しました。


ショックアブソーバーは見た目で(オイル漏れがなければ大丈夫だ!)と思っていませんか??

ショックアブソーバーの寿命は一般走行なら5万キロぐらいでしょう。
その後徐々に劣化が進み、10万キロならほぼお役御免、寿命を迎えます。



内部のオイルも劣化し粘度低下、充填ガスも抜けて反発も無くなる。
見た目では判断せずに、フィーリングと走行距離・年数で交換した方が良いですよ~。





ブレーキをリフレッシュします!!
ディスクローターは研磨機で再生し、耐熱塗装でリフレッシュ。


これでまた10万kmは使えるでしょう。






ブレーキキャリパーをオーバーホ-ル。
キャリパーやピストンを分解し、内部洗浄。

ダストブーツやピストンシールを新しいグリスを注油しながら組み立てます。

抜き取ったピストンには古いグリスが固着していますね。

新車時のグリスが経年劣化で硬化し、ブレーキダストや水分でピストンにこびり付いているのです。


固着したグリスがピストンシールに干渉し、ピストンの摺動を阻害する。

ブレーキ異音やパッドの片効き偏摩耗などは、ブレーキメンテナンスが不足しているからなんですよ。



キャリパーホルダー側のスライドピンや硬化したグリスを洗浄。

ダストブーツを交換して新しいグリスで組立ました。








ブレーキパッドはWAKO’S BPR 高性能ブレーキパッドグリスで組立。

低温から高温まで安定したグリス粘度を長期に維持します。

こんな感じでサスペンション・ハブ・ブレーキを整備しました。
次回ブログでサスペンション整備後のホイールアライメント調整も紹介しますよ~。



RX-8の作業はまだまだ続き、次回ブログではエンジン・MTクラッチ・ラジエター等の整備も紹介しますね。


それではHAPPY CAR LIFE!!



兵庫県から三菱パジェロ V97W リフレッシュプラン。サスペンションにブレーキO/H。  燃費や乗り心地を回復するのは?  長編ブログの最後にレビュー有!!

兵庫県からお越しいただいたのは三菱 パジェロ V97W 走行距離13万キロ

車両全体を整備するリフレッシュプランのご予約を頂きました。


現在三菱の新車ラインナップにはないパジェロ。

トヨタ・レクサスは多くのクロカンSUV車を販売し生産が追い付かない程の好評。

三菱パジェロの国内需要も十分あるように思えるのですが・・・。
どうして復活しないのか?? 個人的には好きな車種なんですけどね。


HP(お問い合わせフォーム)からリフレッシュプランの相談をされました。



・エンジンのトルク感が無いように思える。燃費が悪い。
回転数を上げると唸り音が大きい。

・コーナリング時のロールが大きい。ギャップ越え時の揺れ収まりが悪い。
リアの突き上げが大きく、乗り心地が悪い。

・ブレーキのコントロール性が悪く、カックンブレーキになりやすい。

・エアコンの効きが悪く感じる。


整備予算やお預かり出来る日数などをお聞きして、ご予約を頂きました。




入庫後に問診を行います。
整備の方向性と説明を行い、不具合点などを詳しくお聞きしました。

・どのような時に?(冷間時・暖機後・加速、減速時など)
・どの辺りが?(前・後ろ エンジン・足回り、ブレーキ?)
・どんな感じになる?(異音、振動、ギクシャク)
分かる範囲で結構ですので、教えていただけると助かります。


代車をお貸ししてお預かりしました。


早速、試運転をして事前ホイールアライメントを測定します。





ホイールアライメントを測定してみると、前後共に酷い数値。
これでは直進安定性も悪く、長距離移動が疲れる車になっていますね。



ここでチョット車に詳しい方なら(ホイールアライメント調整をすればイイじゃん。)と思うでしょう。 


ですがもっと車に詳し方なら10年10万キロ以上走行した車両は、サスペンションをリフレッシュしてからホイールアライメント調整をしないと根本的な改善しないと思うでしょう。



そうなんです。小手先の整備でどうにかなるのは、低走行かつ年式が新しい車両のみなんですよね。



ガソリンエンジン整備の基本 排気ガステスト。
CO/HCの数値は良好。

でも燃費や加速が良くない。

エンジン・AT・シャシ全てが良好でないと、燃費や加速が回復しないんです。


オルタネーターの発電状態も問題なく、バッテリーライフも良好。


点検をして御見積書を制作。
おススメの整備プランを提案し、作業内容を説明しました。




メール予約相談時によく言われるのが(予約前の事前見積をもらえますか?)という質問。

返答はノーです。
問い合わせがあればこれくらいの整備予算でどれだけの整備が出来るかを、過去のブログと総額費用を数例でご案内をさせていただいています。

(それでこれぐらいの費用が掛かるんだなぁと目安にしてくださいね。)


正確な整備見積りが出来るのは、問診をして点検し、部品価格を照会してはじめて御見積書が出来上がります。 



オーナーさんが見積書を見る時には、既に前金を支払い予約入庫して、リフトアップしサスペンションがバラバラになった時ぐらいです。


つまり作業をある程度着手してからでないと、リフレッシュプランの見積りは出来ないんですよね。


なので整備事例ブログと総額費用だけは事前にお伝えしています。



○○年○○月の△△△のブログはいくら掛かりましたか?とメール相談していただけるとお答え出来ますよ~。



整備見積りにOKがいただけたので作業を進めますね。



サスペンション等を分解してからエンジンマウント左右を交換しました。
狭いスペースで作業をしながら、片側ずつ交換しました。




フロントロアアームはASSY交換。
アッパー・ロアのボールジョイントも交換しました。


アッパーアームは劣化が少なかったので再利用です。

ショックアブソーバーは純正で交換。


スプリング以外の消耗品も同時交換します。




リアサスペンションはブッシュ単体で部品供給されていたので、劣化しているブッシュを圧入交換しますね。


10万キロも走行するとブッシュのセンターもズレていますね。

この少しのズレがホイールアライメントの乱れに繋がる。
そこにショックアブソーバーが劣化すると更に乗り心地が悪化。



ブッシュを打ち換えてショックアブソーバーも交換しました。





スタビライザーのブッシュも交換し、ステアリングタイロッドエンドブーツ交換も実施。



フロントドライブシャフトをブーツグリスKITでO/H。


残念ながらV97Wパジェロのドライブシャフト。
アウター側はブーツグリスKITで部品供給されないので、今回はインナー側のみO/Hします。



右側のみハーフシャフトがありますので、ベアリングを交換しました。


ブレーキのO/Hします。

・ディスクローターは研磨して再生し耐熱塗装を。
・キャリパーは分解洗浄して、シールKITでO/H
・ブレーキパッドはWAKO’S BPR高性能パッドグリスで組立。






ロアアーム等のカムボルト。

ホイールアライメント調整時にはこの部分が錆固着すると、調整作業が出来ません。

今後錆固着にならないように、カムボルトに薄くグリスを塗ってから組み付けました。


黄色いテープは仮締めの印。

このあとに行うホイールアライメント調整前に、1G締付を行う予定でその時に本締めします。



ATマウントインシュレーター交換。

ATFも交換しますので、その前にATオイルパン洗浄ストレーナー交換をします。


ストレーナーを交換し、古い液体ガスケットを除去。
オイルパンを洗浄して液体ガスケットで組付けました。



少し前にATF交換をしたそうです。
今回はプレ洗浄なしでイッキにNC-65で圧送式交換をしました。

フルードクーラーを洗浄し、フルードレベル調整も行いました。



整備リフトからアライメント用リフトに移動します。


フロント・リアのサスペンション整備後には(1G締付)を行います。


4輪が接地した状態でブッシュを固定しているボルトナットを緩めます。
緩めると不要なブッシュテンションが解放しますので、その後に本締めするのが1G締付です。


これをしないと折角交換したブッシュが早期に痛みますので、必ず実施しましょう。


1G締付後に軽く試運転をして、サスペンションブッシュやショックアブソーバーを馴染ませます。


そこからホイールアライメント調整を行いますね。

1G締付時には上記画像のように調整用カムボルトは中立の位置で締付しています。


そうすると下記の画像のようにホイールアライメント数値はバラバラ。

サスペンション整備後にホイールアライメント調整をしないと、車両は真っすぐ走らず、乗り心地も直進安定性も良くならないのです。

ここから前後のホイールアライメント調整を行いますね。


ハンター社 最新鋭ホイールアライメントテスター ホークアイWA470
4つのカメラセンサーでホイールターゲットの動きを捕捉し数値を演算。


イヤサカ社 ビシャモンマルチアライメントリフト
国産NO,1リフトメーカーのビシャモンリフト。
高剛性・超耐久・高水平レベルのアライメントリフト。



最終的にはこんな感じで調整しました。

フロント・リアともに良好な数値になりました。リアも調整が出来るのでスラスト角もゼロにしています。



ガソリンエンジンのインジェクター洗浄システム。

欧州から導入したマルチサーブで燃料ラインやインジェクターを洗浄します。
約60分ほどで洗浄工程は終了しました。




エアコンガスもリフレッシュ。
カーエアコンリフレッシュαで冷媒ガスを全量回収しろ過再生。

真空引き後に規定充填量を重さで管理しながら液化高速充填。
同時にコンプレッサーオイルNC-200を注入して、潤滑・気密性を強化しました。



結果的には冷媒ガス充填量が250gほど少なかったようです。
ガスが少ないとコンプレッサー稼働時間が長くなり、燃費にも影響しますよ。

冷媒ガスは年々減少していきますので、定期的なリチャージは必要ですよね。



最後に試運転をして、最終チェックをしました。


何度も繰り返して、無事納車となりました。
納車時には画像を見ながら作業内容を説明しており、画像コピーもお渡ししています。


また今後の整備アドバイスなどもお話しさせていただきました。


いつもお世話になっております、○○です。
先日はありがとうございました。
1週間乗ってみましたが、不満が全て解消され大変満足しております。


・エンジン
トルク不足の件は、登坂や高速の追越し加速で、ギアを1段落とさないと加速しない状態だったものが、そのままの段で加速してくれるようになりました。


・足回り
これまでちょっとした段差の突き上げや、コーナーでのふらつき、発進時のピッチングによる加速遅れが気になっていましたが、劇的に改善されました。


・ブレーキ
すごくコントロールしやすくなり、これまで出やすかった雨の日の鳴きも収まりました。


・ATF
Dレンジにしてクリープが出るまでのタイムラグが小さくなり、変速も非常にスムーズになりました。
前回2月にATF交換した時にもかなり良くなったんですが、今回は更にレベルアップされた感じです。
燃費の方も少し改善しており、本当にお願いして良かったです。

この度は本当にありがとうございました。
また今後ともよろしくお願い致します。


本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


今回のパジェロ整備ブログは長編になりましたね。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。

リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。http://minato-motors.com/contact/


リフレッシュプラン以外にもお引き受けしている整備をブログで発信していますので宜しければ覗いてみてくださいね。http://minato-motors.com/blog/



どうぞ宜しくお願い致します。


愛知県からレクサスIS250 GSE20。 ガソリン直噴エンジンのウィークポイントのカーボン堆積!!   ドライアイスで完全除去は日帰りです。

愛知県からお越しいただいたのはレクサス IS250 平成22年式 12万キロ走行

・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
・マルチサーブ インジェクター洗浄システム
のご依頼をいただきました。


メール相談では、
・エアコンON時にアイドリングが不安定。
・気温が高い時に起こりやすく、毎日発生するわけではない。

いろいろネットで検索し弊社ブログに辿り着いたようです。


トヨタ クラウンGRS180系以降のGR直噴エンジン(マジェスタも含む)
トヨタ マークX GRX120系以降のGR系直噴エンジン

レクサス IS250 IS350 GS250 GS350のGR系直噴エンジン
トヨタレクサスのハイブリッドセダンのGR系直噴エンジン


2GR-FSE・3GR-FSE・4GR-SFEガソリン直噴エンジンの搭載車で、7万キロぐらい走行すれば、ほとんどの車両はインテークバルブ周辺にカーボン(煤)が堆積しています。



同じGR系エンジンでもアルファード20系などに搭載されている2GR-FEは、直噴ではなく従来型ポート噴射なのでカーボン堆積は少ない傾向です。


ガソリン直噴エンジンはインテークバルブ周辺にどれだけカーボンが堆積するのか??

論より証拠。

インテークのサージタンクやスワールコントロールバルブなどを分解して、エンジンヘッドのインテークポートを確認しますね。


高出力・低燃費を達成するために採用されたガソリン直噴システム搭載エンジン。


メリットが大きいのですがデメリットもあります。
それがインテークポート内のカーボン(煤)堆積による弊害。




ガソリンエンジンは混合気に点火し燃焼させてパワーを出します。

キーポイントは混合気。
液体のガソリンが気化し、空気と撹拌して混合気になる。


従来型ポート噴射は混合気になってから点火燃焼までに時間があるので、カーボンの発生が少なく弊害も表面化しづらい。

直噴の場合は燃料噴射から点火燃焼までの時間が短いので、どうしても燃料が気化する前に燃焼が始まる。


そこでインテークポートやインテークバルブ傘部の形状を最適化し、吸気渦(タンブル・スワール)を発生させ、燃料と空気を高効率で撹拌出来るように設計されています。


そのポートやバルブの形状が変ってしまえばどうなるでしょうか?
(微細な液粒のガソリンが高温で焼けると炭化し、煤が発生する。)
(気化した混合気ではないので、パワーに変換されない。)



僅かにカーボンは発生し、インテークポート内に堆積。
7万キロも走れば先ほどの画像のようにカッチカチにカーボンが固着しているのですよ。

直径4cm深さ約15cmの奥底で、硬化し固着したカーボンを除去するのは手作業ではほぼ不可能。


そこで弊社が8年前に開発したのがDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)




ドライアイス洗浄機を用いて、エンジンにノーダメージで短時間で完璧に除去する事を可能にしました。(世界初で唯一無二)





ボディにカーボンが付着しないように3M社製高性能マスカーで完全防備。


・ドライアイス洗浄機にDSC専用ノズルとアダプターを装着。

・使用するのは3mmドライアイスペレット





・圧縮空気でドライアイスを高速噴射

・昇華爆発力と熱収縮を利用して、母材から付着物を剥離させる。

エンジンにダメージを残すことなく、短時間で完璧にカーボン除去が出来るのです。


まずは軽くワンショット。
ドライアイスが直撃した部分だけキレイになりました。



専用ノズルとアダプターを組み替えて、複雑な形状のポート内を完全洗浄していきますね。



6気筒12ポートとスワールコントロールバルブの洗浄完了。


完璧にキレイになりましたね。
こうなると吸気効率が良くなり、空気・燃料の撹拌も良好。

高効率・低燃費のGRエンジンに戻るでしょう。


新品ガスケットで組立て、スロットルボディ清掃し初期化しました。




分解時には熱劣化したハーネスカプラーが破損する時もあります。

その場合でも補修カプラーは常時100種類在庫していますので、交換して組付けしていますよ。




エンジン始動し完全暖機。
次はマルチサーブでインジェクターや燃焼室をシステム洗浄します。


空気の流れは良くなれば、次は燃料噴射をリセットしましょう。


燃料タンクからのラインを切り離し、マルチサーブと接続。

インジェクションシステムパージ1000mlをマルチサーブに投入。


強力洗浄にセットして燃圧を調整し、エンジン始動。

アイドリング状態で約70分間の洗浄工程


専用ケミカルのインジェクションシステムパージをインジェクターに送り込み、フューエルラインをゆっくり洗浄。

また噴射されたケミカルは燃焼室に届き、ピストン等のカーボンも洗浄します。


作業が終われば、リフトダウンして試運転。

最終チェックをして納車となりました。
朝9時半入庫で当日夕方納車になります。




引き取り時には作業していた時の画像を見ながら、作業説明をさせていただいています。

また画像が必要な方にはコピーをお渡ししていますよ~。


DSCやマルチサーブの御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。http://minato-motors.com/contact/



御見積には同時作業可能なオプション整備(LLC圧送式交換やカーエアコンリフレッシュα・ATFかんぜん圧送式交換)なども提案させていただいています。
どうぞ宜しくお願い致します。


それではHAPPY CAR LIFE!!