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マツダ CX-5 ディーゼルの煤蓄積で警告灯点灯。 ドライアイス洗浄機でDSC。マルチサーブでDPF・インジェクター洗浄!! 

大阪府北部から来店していただいたのはマツダ CX-5 KE2FW 


エンジン警告灯(EGR流量不足)が点灯してメールからご相談。
DSC等の予約入庫となりました。



スカイアクティブD定番の故障ですが、弊社がオリジナルで開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)で症状を解消したいと思います。




数日前からDSCのPR動画をYouTubeに公開しました。
DSCの事を分かりやすく紹介するために、簡単な動画でまとめてみました。

https://youtu.be/8DDgCv1P5BU



インテーク系の部品を分解し、インテークマニホールドを外します。

エンジンヘッド側のインテークポートを覗いてみると、煤の蓄積はほどほど。ですがブローバイオイルと煤が燃焼熱で固着して、ガチガチに固まっていますね。

カメラでは撮影できませんが、バルブの傘部にはガッチリと煤が固まっていました。

インテークマニホールド側も確認します。
吸気シャッターバルブの煤はそんなに多くは蓄積していませんでした。




インテークマニホールドの出口の8個の穴は、こんな感じで煤が蓄積していました。   マニホールド内部もタップリ煤が溜まっていますね。



インテークマニホールドの入り口にあるEGR導入パイプは、出口が完全に煤で塞がれています。


導入パイプを外して回転してみますね。

導入口の裏側も煤で塞がれていました。

いきなりはこんな風にならないので時間を掛けて少しずつ煤が蓄積。 徐々にEGR経路の流量・流速が低下します。

EGRバルブが開いて早い流速でEGRが流れれば問題ないのですが、そうでなくなるとEGR経路の抵抗がある場所に煤が徐々に溜まってきますよね。


導入口が詰まるとEGRクーラーも高確率で詰まります。
DSCオプション整備(水冷EGRクーラー洗浄)も追加依頼されました。

EGRクーラーが詰まって新品交換になると結構な部品代が掛かるので、完全に詰まる前に洗浄をお勧めしています。

最近の傾向ではこのEGRクーラー洗浄をオプション整備される方が多いですね。



クーラーの中を覗いてみるとフィンに煤が蓄積し、経路が狭くなっていますね。
こうなるとクールドEGRが活用できないので、スカイアクティブDの性能が低下しますよ~。




河川の(水とゴミ)とEGRの(排気ガスと煤)をミックスして、簡単に例えますのでイメージしてください。


・河川は上流で二つに分かれ、片側はマフラー側に。もう一方はEGR側へ流れる。
・EGR側の河川には一部に網が張ってあり、上流から流れてきたゴミが溜まる。
・網を張った下流には水門があります。


・下流の水門が全開に開くか?雨で増水時には、河川の水量多く水流が早くなり、ゴミは網から外れて下流に流されリセットされる。


・EGR導入口が徐々に煤蓄積で塞がるのは、水門が少しづつ全開に開かないと同じ。
・水門の開度が少ないと水量は増えず、水流も早くならないので、網に掛かったゴミはドンドン溜まっていく。



吸気シャッターバルブの役割やHOT・COOLのEGR2系統など、全てを反映している例え話ではないですが、EGRクーラーの煤蓄積を河川の水とゴミで例えるとこんな感じです。



弊社が6年前に開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
元々はガソリン直噴のインテークに蓄積するカーボン除去用に開発しました。



・ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射
・昇華爆発力と熱収縮で付着物を完全剥離
・母材金属にはダメージが残らず、残留物はゼロ

(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)DSCキャッチコピー通りに吸気系に固着した強固な煤塊を除去しますね。

軽くワンショット。母材金属が見えるまでキレイになりますよ!!


複雑な形状のポートやインテークバルブなどを、複数あるDSC専用ノズルとアダプターを使い分けて完璧に洗浄していきます。


ノズルやアダプターは弊社完全オリジナルの自社制作。
ブログでも非公開ですし、洗浄機製造メーカーにもお見せしていません。


もちろん作業中も非公開で、見学も不可になります。


4気筒8ポート全て洗浄完了。
圧縮上死点にセットして1気筒ずつ作業しています。


インテークマニホールドや各バルブ・EGRクーラーを完璧に洗浄しました。

ほぼ新品同様に戻ったと思います。


純正ガスケットで交換し、再組立。

初期型のスカイアクティブDになると、樹脂製カプラーの劣化で破損も増えてきました。 弊社では割れたカプラーを針金で固定するような作業はしないので、補修用カプラーに組み替えます。




LLCを補充して暖機し、各学習値をリセットして再学習させますね。
マル秘作業もゴニョゴニョしてDSCの作業は完了。



DSCなんてドライアイス洗浄機さえあれば簡単に出来る作業だと思うでしょ。
ですが実際は洗浄機の導入だけでは上手くいかず、また高額な洗浄機費用も回収出来ない。


DSCの作業は完全非公開ですが、公開出来る部分は多く撮影し、作業後にはユーザーさんに画像を見せて説明しています。


マルチサーブでインジェクターや噴射ポンプなどのフューエルライン洗浄と、DPF洗浄で煤・アッシュを除去しますね。


マルチサーブについてはこちら。
http://minato-motors.com/blog/?p=29071

DPFに繋がるパイプにマルチサーブを接続。

(DPFクリーナー1000mL)を投入し、画面の指示通りにエンジンを掛ける。
次に(DPFフラッシュ1000mL)を投入しDPF内をケミカルでクリーニングしていきます。

並行してインジェクター等のフューエルラインも洗浄しますね。

フューエルラインにマルチサーブを接続。
(ディーゼルシステムパージ1000mL)を投入し、画面の指示通りに作業を進めます。

約1時間ほどアイドリングをしながらフューエルラインにマルチサーブから直接ケミカルを注入しダイレクトに内部を洗浄。

年々汚れていくインジェクターやコモンレール・デリバリーパイプ内の汚れを除去していきます。

またレーシングもしながらDPFに注入したケミカル剤を、煤と一緒に排出しますね。

凄い白煙と異臭がしますが、無くなるまではレーシング等を繰り返します。




この後に試運転をして最終チェック。
問題なければ納車となります。




納車時には画像を見ながら作業内容を説明し、インジェクターとDPFのアフターケミカルを各1本ずつ手渡ししています。(ディーゼルエクストリームクリーナー・DPFリジェネレーター)



給油時に燃料タンクへ2本同時に投入してください。
マルチサーブで即効性に洗浄し、アフターケミカルは遅効性でゆっくり洗浄を促進しますよ。

上記の数値ももう少し走行すれば、もっと良くなると思います。
もちろん点灯していた警告灯は消去し、消えました。

今回作業したDSC・EGRクーラー洗浄・マルチサーブ(I/J・DPF)は1泊2日で作業が完了しました。

朝9時半入庫の翌日15時頃の納車予定になります。

DSCと各オプション整備を依頼されても最短で日帰り納車も可能ですが、そこにマルチサーブのDPFが追加されると日帰りでは時間的に難しいです。




本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

DSC等の御見積ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。 それではHAPPY CAR LIFE!!



ハイエース KDH206 ディーゼル4WD リフレッシュプラン 後編。後半の作業はエンジン・ATF・ホイールアライメント・インジェクター洗浄!!

前回ブログで紹介したリフレッシュプランの続きです。

千葉県からお越しいただいたのは ハイエース KDH206 ディーゼル4WD 平成28年式 走行距離20万キロ。

前編ブログではハイエースのサスペンション、ブレーキ、ハブ、エンジンマウントなどの整備を紹介しました。http://minato-motors.com/blog/?p=29256


後編はエンジン整備やATF交換、ホイールアライメント調整を紹介します。




運転席シートとフロアパネルを外して、エンジン前部にあるウォーターポンプ等を交換しますね。



ウォーターポンプを交換し同時に実施しておいた方が良い部品もお勧めしました。




・クランク・カムシャフトシール
工程上ベルトやプーリー類を外すので、ついでにオイルシールを交換。





1KD-FTVエンジンのウォーターポンプを交換するなら、オルタネーターのワンウェイクラッチプーリーも要交換。

点検時に発電状態をチェックして発電数値に問題なければ、クラッチプーリーのみ交換してオルタネーターの予防整備をしておきましょう。


クラッチプーリーが破損すると、エンジン回転数の変動によるベルトのタワミからの振動が吸収出来ず、オルタネーターのシャフトに直接振動が伝わります。

そうするとシャフトが歪むので、酷くなると発電不良になるでしょう。

クラッチプーリーが正常なら無駄なベルトの振動を吸収するので、シャフトには伝わりづらく予防整備には有効です。



オルタネーターを外すとサーモスタッドを交換する作業スペースが確保出来ます。

その時に冷却水の温度調整弁であるサーモスタッドも交換しますね。

結構奥まった場所にサーモスタッドがあるので、周辺の部品が外れている時なら作業がしやすく工賃も安い。



ウォーターポンプを外すにはタイミングベルトも外す事になるので、今回2回目のタイミングベルト交換も実施します。

・オイルシール
・ワンウェイクラッチプーリー
・サーモスタッド
・タイミングベルト

これらの部品代は個別では非常に安価。シールなんて数百円でクラッチプーリーでも1万円以下。  W/P交換と同時ならこれらの交換工賃は安価です。

ですが作業重複度も考慮せず、別々のタイミングで個別に交換すると、其のたびに工賃が掛かり結果的には整備費用が多く掛かる。





リフレッシュプランの本質は大きく分けて2つ。

・重複する無駄な工賃はなるべく抑えて、その費用で劣化した部品を多く交換し、車両全体をバランスよくリフレッシュ整備する事。

・(何を交換して)(何を交換しない)を一般ユーザーさんが判断するのは難しいので、整備工場側がプランニングをして整備を提案する事。



(今はチョット予算が無いんです!!)(少ない予算で何回かに分けてリフレッシュ整備したい!!)と、少なすぎる予算の整備依頼をご遠慮しているのは、これも理由の一つなのです。


(もう無駄な重複工賃は使わずに、その費用は部品代に使いましょう。)
(無計画で意味のない整備は無駄が多いので、結果的には不経済ですよ。)


ATFも交換しますね。

まずはオイルパン洗浄ストレーナー交換を行います。

ストレーナーを交換して磁石の鉄粉を除去し、オイルパンを洗浄してから接着面を脱脂して液体ガスケットで装着します。


そこからアイシンAFW+で全量イッキに圧送式交換します。

アイシン精機製のATにアイシン精機のAFW+で互換性はバッチリですね。

ATFは定期的に交換されていましたので、プレ洗浄無しの1回の圧送式交換で完璧にキレイになりました。

最後にフルードクーラーを洗浄して、フルードレベル調整を行います。


アイシンAFW+でここまでキレイになれば、次回交換推奨距離は約4万キロになります。  その時はもうオイルパン脱着洗浄をする必要はありませんよ~。






LLCもラジエターリフレッシャーで脈動圧送交換。
ホースにバイパスさせてエンジンを掛けながら冷却ライン全てのLLCを交換します。


・脈動圧送でLLCを注入ながら、ラインを循環後に回収。
・ダブル高密度フィルターでろ過して、また注入。
・冷却ライン内で浮遊している汚れをキャッチします。


サーモスタットが開くまでは時間が掛かるので、行程的には30分以上は脈動圧送しています。

最後にLLC再生強化剤で劣化している防錆・消泡剤を強化し、エア抜き作業も同時に行います。




デフ・トランスファのギアオイルも交換しますね。

ガルフ プロガード75W90 LSD対応







ディーゼルフューエルラインもリフレッシュ。

マルチサーブ洗浄システム(インジェクター洗浄)でフューエル噴射ポンプ・コモンレール・デリバリーパイプ・インジェクターをケミカルで内部を洗浄していきますね。


エンジン温度上昇と燃料の高圧化でフューエルラインの内側には少しずつスラッジが蓄積します。  ほんの少しの蓄積ですがこれが徐々に増え噴霧状態が悪くなると、それを補うようにECUが噴射量を補正します。

マルチサーブ インジェクター洗浄システムは、その汚れを解消し補正値を整えるインジェクターの予防整備としてお勧めしています。


インジェクターが故障すると、全数交換がセオリーなので高額な費用が掛かりますからね。


マルチサーブをフューエルラインに接続し、インジェクター専用ケミカルの(ディーゼルシステムパージ1000ml)を投入して、画面の指示通りに作業スタート。

エンジン始動しアイドリング状態で約60分ほど、ゆっくり確実にライン内の汚れを除去していきます。

http://minato-motors.com/blog/?p=29071

インジェクターはコモンレール式ディーゼルの主要部品。(壊れる前に)(気筒間バランスが悪くなる前に)メンテナンスをお勧めします。



またフューエルエレメントも同時に交換しました。

マルチサーブのインジェクター洗浄にはアフターケミカル(ディーゼルエクストリームクリーナー500ml)が1本付随しており、納車時に手渡ししています。

これは次回燃料給油時に軽油と一緒に燃料タンクに投入してくださいね。
遅効型の洗浄用ケミカルになります。




最後にホイールアライメント調整を行いますが、その前に(1G締付)を行います。


サスペンション整備の必須作業である(1G締付)は、4輪接地状態でブッシュを固定しているボルトを一度緩めます。

ブッシュの無駄なテンションを一度開放して、再締め付けするのが(1G締付)。


これを行わずにサスペンション整備を終えると、折角交換したブッシュが早期に劣化します。

またサスペンションが本来の柔軟な動きにならないので、整備した作業が無駄になり本来の性能にはならない。必ず行いましょう。


ただこの初歩的な必須作業は4輪接地した状態でリフトアップ出来るアライメントリフト等が無いと意外と実施する事が出来ないのです。


この状態までリフトアップし、車体の下から高トルク(規定トルク)で締め付けします。  (黄色いテープは仮締めの印で、このボルトナットを1G締付します。)



整備リフトではサスが伸びて4輪が接地していないので、1G締付が出来ないのです。  (もしくは4輪を台の上に乗せれば出来ますが・・・。)



1G締付と並行して、車高調整を行いますね。
ハイエースはフロント車高のみ調整出来ます。

ちなみにホイールハウス頂点の高さが目安ではありません。シャシの基準点と地面までの距離で測定します。

ホイールハウスの弧の頂点から地面までの高さを、前後で比べて調整するのは間違いですよ。それをすると前傾になりすぎますからね。



リアの基準点から地面までの高さを測定し、基準値との差を調べます。
その数値の差を考慮して、フロントの高さを決定して調整するのが正解。

またモデル毎に基準値は違うので適当はダメですよ~。


アライメントリフトに水平仮想線を赤い糸で引いて、フロント基準点(ロアアームのボルト中央)との距離を合わせます。

そこから軽く試運転をして、サスペンションを馴染ませてホイールアライメント調整を行いますね。

・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター WA470 ホークアイ
4つの高性能カメラでホイールターゲットの動きを捕捉し演算します。

・イヤサカ社ビシャモン マルチアライメントリフト ロング 特注レッド。
国産NO,1リフトメーカー 高剛性アライメントリフトで高精度の水平レベルを長期に維持します。


車両の下側に潜り込み、ナットボルトを回して微調整。
リアはリジットの為に調整は出来ませんが、フロントはキャンバー・キャスター・SAIをバランスよく調整しました。  キレイに整いましたね。


ここからいつものテストコースを試運転。
約1時間ほど走行して、その後もリフトアップして何度も最終チェック。
(締め忘れ・オイル漏れ・異音などが無いかをチェックしています。)

こんな感じで作業は完了し、無事納車となりました。


作業中は全てデジカメで撮影していますので、今回の作業で画像は200枚以上あります。納車時にはその画像を見ながら作業内容を説明しています。


その方がユーザーさんも何を整備したかが分かりやすいので、なるべく画像に残しコピーも希望があればお渡ししています。(記録用に保管してください。)


ちなみに今回のハイエースのリフレッシュプランで使用した部品代だけで約27万円ぐらい。

ここまで部品交換したリフレッシュプランをすると、ビフォーアフターは歴然で今後も長く良い状態で使用する事が出来るでしょう。


逆にここまでの整備は求めない方は弊社のリフレッシュプランは不要です。

相応の費用は掛かるが(もう一度新車時に近いコンディションに愛車を戻したい方)や(長く良い状態で使用したい方)には、ぜひぜひおススメしています。




リフレッシュプランを依頼された方のほとんどは、普段の整備は地元ディーラーやショップで行っています。

ですがこれぐらいの規模の整備を依頼すると、(どうも良い返事がもらえないのでネットで検索し弊社を見つける)というパターンが多いですね。





また数年前に(リフレッシュプラン・ミニ)のような小規模の整備を受け付けようかと検討した時期もあったのですが、(リフレッシュプラン)の依頼が多く、慢性的に混雑している予約状況ではそれも難しい。  

今は小規模の整備は引き受けず、リフレッシュプランのみお引き受けしています。(ATF交換・DSC以外)





リフレッシュプランのご相談ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

出来たら過去のリフレッシュプラン事例から気になる事例がありましたら、○○年○○月の△△△のブログはいくら掛かりましたか?と質問してもらえるとお答えできます。  下記のブログを見て、整備予算の参考にして下さいね。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12





それではHAPPY CAR LIFE!!



ハイエース KDH206 ディーゼル4WD リフレッシュプラン 前編。40万キロを目指してリフレッシュ整備!! 

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

車両全体を整備するリフレッシュプランは大変好評をいただいており、予約待ちが慢性化してご迷惑をお掛けしています。 

一台でも多くの車両をお引き受けしたいのですが、少人数で営業している弊社では整備出来る台数に限りがありますのでご理解のほどよろしくお願い致します。



リフレッシュプランはお引き受けする整備予算の下限を設けています。
(○○万円以上からお引き受けしますという意味で、車種別に予算下限も変わります。)


メール予約時には(今回の整備に掛ける予算)をお聞きしており、下限を下回る整備予算での依頼は不可としています。


これはなぜか?   リフレッシュプランは簡単な小規模の予防整備ではないからです。

車検時にするような軽整備プラスαの規模ではなく、長年使用した愛車をリフレッシュ整備をして、(なるべく新車時に近づける)トータル整備作業。



『20~40万円ぐらいの予算でリフレッシュプランをお願いします!』という問い合わせが多いのですが、(それは無理ですよ~。)とやんわりメール返答しています。


若干冷たい返答にも思えますが、お互いの為にここはハッキリとお伝えしておかないと、あとでトラブルにも発展します。

また制限なく引き受けると、おそらく予約状況はさらに混雑し長期化するでしょう。それでは本当にリフレッシュプランを希望する方が予約出来なくなるのですよね。



(何百台もリフレッシュプランを作業してきた弊社)からの意見ですが、過走行で年式が経過した愛車は、中途半端な整備をするといつまで経っても車両コンディションが新車時に近づかずに、お金ばかりがいつまでも掛かる。

そうならないようにまとめて整備した方が工賃は節約され、断然お得なのです。




論より証拠

リフレッシュプランはいつもこのような整備をしていますので、下記のブログを参考にして下さいね。


千葉県からお越しいただいたのは、
ハイエースKDH206 ディーゼル4WD 平成28年式 走行距離20万キロ。

リフレッシュプランのご依頼です。


整備の希望個所・改善点
・乗り心地がゴツゴツする。
・新車からエンジンオイル等の油脂類などの軽整備ぐらいしか実施していない。
・まだまだ長く乗りたいのでリフレッシュプランを希望。
・オーリンズのショックアブソーバーはO/H済みで交換不要


年式は新しいですが走行距離は多いので、40万キロ・50万キロに向けての整備を依頼されました。

問診をしてから事前ホイールアライメントを測定しました。 結構乱れていますね。

整備リフトに移動し、タイヤを外して各部点検。
点検結果から予算に合わせた整備プランを提案しました。

整備内容を説明して、OKがいただけましたので作業を始めますね。




まずはフロントサスペンションやブレーキ等を分解します。

・ブレーキキャリパー ディスクローター
・ハブナックル
・ドライブシャフト
・アッパーアーム ロアアーム
・スタビライザー

ハブから外したブレーキディスクローターは研磨機にて再生します。

ディスクローター研磨のススメ。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924



最後に耐熱塗料(耐熱温度500℃)で均一に塗装して仕上げています。

フロントサスペンション ロアアームのブッシュを全数交換。

劣化し硬化したブッシュは乗り心地も悪くなりますので、ある一定の距離で交換した方がいいですよ!!

またロアボールジョイントも同時に交換します。

アッパーアームは一番劣化しやすいアッパーボールジョイント部が単品供給されないのでアームASSYにて交換します。



またスタビライザーのブッシュ類も全数交換しますね。




ドライブシャフトもブーツが破れたり、異音が出たりする前に、純正ブーツグリスKITでO/H。 そうすればまた長く使用出来ますからね。


壊れてから安価なリビルトシャフトに交換するより、O/Hの方がお得です。

右側のハーフシャフトの中間ベアリングを打替えますね。




ナックルから外したハブベアリングを交換します。


弊社ではグラインダーで削ったり、ハンマーでガンガン叩いたりは一切しません。   SSTと油圧プレスを使用して、安全で確実に交換しますよ~。

間違った方法で作業をすると部品の寿命を縮めますからね。



ハブとディスクローターを組付けて、ダイヤルゲージで振れをチェックしてから装着します。  ここで限度以上の振れがあればブレーキング時に振動が出ますよ!




ブレーキキャリパーもO/H。

キャリパーを分解して完全洗浄し、ピストンを磨き上げてから、シールとダストブーツを交換しました。

またホルダー側も古いグリスを洗い流して、新しいグリスとブーツ装着。


ブレーキパッドは高性能パッドグリスWAKO’S BPRを使用して交換していますよ。


次はエンジン・ATマウントも交換しますね。

エンジンは持ち上げずにサブフレームを降ろして隙間を作り、エンジンマウント交換。

この方法ならエンジンのハーネスやホースに余計な負荷が掛からないので、弊社ではサブフレームを降ろす方法で交換しています。






ダメージの受けやすいステアリング ラックエンドも交換。
ここにガタが出来るとフラフラしますよ~。



次はリアのハブベアリングやリーフスプリングを整備します。

ドラムブレーキを分解し、ホーシングからシャフトを引き抜きますね。



シャフトベアリングとオイルシールを交換します。


これもSSTと油圧プレスを使用して安全・確実に交換しますよ~。
グラインダーで削ったりハンマーで叩く事もありません。






リアドラムブレーキもリフレッシュ。

ライニングシューを交換してブレーキシリンダーのカップを交換。
ドラムは当たり面が摩耗していましたので、研磨にて再生します。



リーフスプリングのブッシュを打替えます。

フロントは位置決めがありますのでマーキングしてから交換しました。


これでサスペンションやブレーキ等の整備が一段落。
今回のリフレッシュプランの半分が終わりました。


サスペンションやブレーキはバラバラに整備しても、ダメですよ。
トータルのコンディションで性能を発揮しているので、個別に作業をしても効果は薄いです。

また未整備の個所がのちに悪くなれば、再度分解して交換するので2度手間になり工賃が無駄になる。


しかしある程度まとめて整備をすれば、無駄な重複する工賃も不要になり、整備した効果がハッキリするので結果的には満足度は高くなる。





弊社のリフレッシュプランはあと少し乗りたいというユーザー向けの整備ではなく、(まだまだ愛車を長く良い状態で乗り続けたいユーザー)向けの整備提案です。

その為には相応の費用が掛かり、少なすぎる予算では現実的にリフレッシュが無理なのはこのブログで分かると思います。






それでは次回ブログではハイエースKDH206の後半のリフレッシュ整備を紹介しますね。
・エンジン W/P・タイミングベルト関係
・ATF完全圧送式交換
・ホイールアライメント調整

まだまだハイエースのリフレッシュプランは続きます。
それではHAPPY CAR LIFE!!






8月から9月のDSC予約制限のお知らせ!!

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)の予約についてお知らせします。






ATF完全圧送式交換やリフレッシュプランは通常通りに進行出来ているのですが、DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)に関しては少し予約受付を制限しています。




8月も多くのDSC予約をいただいていますが、7月下旬~9月中旬頃までは(DSC作業の日帰り作業)は不可としています。

連日の猛暑の中でDSCを数日おきに複数台作業すると、体力的にかなりキツイ。    工場内が38℃近くに上昇すると休憩をしながら少しずつDSC作業をしないとフラフラになるのですよね。




猛暑日が少し収まる9月中旬までは(朝9時半入庫で当日夜納車の日帰り予約)は不可にして、翌日お昼納車の1泊2日のDSC予約のみお引き受けをしています。


ATF交換に関しては今まで通りに日帰りでの圧送式交換を行っていますので、ご安心ください。


ATF交換・DSC・リフレッシュプランについての御見積・ご予約は、HP(お問い合わせフォーム)から受け付けしていますのでどうぞ宜しくお願い致します。



マルチサーブ (インジェクター・DPF洗浄)システム。 クリーンディーゼルのウィークポイントは予防整備で万全に。

この7月からDSCの新オプション整備メニューとしてリリースした、マルチサーブ(インジェクター・DPF)洗浄システム。

http://minato-motors.com/blog/?p=29071
http://minato-motors.com/blog/?p=29134


数か月前からテストを繰り返してデータ収集し、満を持して今月からリリースしたのですが・・・。




いきなり多くの問い合わせがあり、DSCと同時にマルチサーブのご予約をいただきました。

和歌山ナンバー CX-5 KF2P
三河ナンバー アクセラ BM2FS
和泉ナンバー アクセラ BM2FS
その他多数・・・ありがとうございます。



おかげさまで8月のお盆明けまでビッシリと(DSC&マルチサーブやその他オプション整備)の予約が早い段階で埋まってしまいました。  お盆帰省時に来店希望された方にはご迷惑をお掛けしています。

ディーゼル比率が高い欧州では、クリーンディーゼルのメンテナンスが普及しており、同時にそれに対応する整備機器も多く開発されています。



その中でも評価が高いマルチサーブは、日本でもクリーンディーゼルのメンテナンスの必要性をアナウンスする最適な機器となってくれるでしょうね。



フューエル・ターボ・インテーク・DPFの4か所を1台で洗浄が出来るマルチサーブ。


現時点でオプション整備メニューとしてリリースしたのは、インジェクターとDPFの洗浄のみ。



ディーゼルインテークの洗浄システムはまだリリースしていませんが、既に数台ほどテストをしてデータ収集中となっています。  正式にリリースした時はブログにて発表しますね。

(DSCが出来ないエンジン)or(DSC作業がしづらいエンジン)など、クリーンディーゼルのインテーク系に蓄積する煤除去効果をテストしています。

お楽しみに!!

DSCの作業前問診時にマルチサーブの質問があればお答えしています。


よく聞かれるのが(どれぐらい洗浄効果があるのですか?洗浄って必要なんですか?)という質問。   この時にはこんな感じに答えています。



DPFやインジェクターのメンテナンスが、整備市場に存在するのは大きく分けて3つ。

1・新品、リビルト品へのASSY交換
2・専用機器を使用して、DPFやインジェクターに直接ケミカルを注入し、内部を強制的に洗浄する方法。
3・燃料タンクにケミカルを注入し、ゆっくり時間を掛けて内部の汚れを除去する方法。


1・2・3の順に洗浄改善効果は高いのですが、1・2・3の順番から費用と整備時間が掛かり、マルチサーブは2・に該当する整備メニューになります。



1・(新品、リビルト品へのASSY交換)

新品・リビルト洗浄品のインジェクターやDPFに交換すれば、そりゃ一番いいと思いますよ。
(その部分はほぼ新車と同じになるのですから、イイに決まっている。)


でも一体いくらの費用が掛かるのか? 何日時間が掛かるのか?


費用も時間も十分ある方は、新品・リビルト品に交換するのがベストでしょう。



3・(燃料タンクにケミカルを注入し、ゆっくり時間を掛けて内部の汚れを除去する方法。)


燃料タンクにケミカルを注入し、ゆっくりフューエルラインやDPFをクリーニングする方法は、費用は一番安いが洗浄効果は即効的ではない。



どちらか言えばこのような燃料タンク投入型のケミカルは、普段から継続的に使用して、常に良い状態を保つための予防整備的なものだとお伝えしています。


クリーンディーゼルにとってインジェクターやDPFは非常に重要ですから、日頃からのメンテナスは(やった方が絶対良い)と思いますよ。  



2・(専用機器を使用して、DPFやインジェクターに直接ケミカルを注入し、内部を洗浄する方法。)


弊社がマルチサーブを導入したのは、松竹梅で言うなら(竹)のメンテナンスが整備市場ではあまり存在感がないから。


(お手軽メンテ)(新品・リビルト品交換)どちらも極端で、中間に位置するメンテナスがDSCを行っている弊社では以前から必要だと感じていました。




そもそもDPFやインジェクターは廃車まで使うもので、せいぜい走行距離10~20万キロぐらいの乗用車なら、これらの部品は交換するような消耗品ではないと思っています。

50万~100万キロ走る貨物トラックと乗用車では、そもそも過酷度・劣化度が違うのですね。



実際このような洗浄機器を使用した洗浄方法は、トラック整備業界では結構ポピュラーで、インジェクターやDPF交換などの高額修理を抑えるために導入している大手運送会社やトラック整備工場も多いのです。




エンジンオイルの消費やインジェクターの噴霧状態悪化、吸気系の煤蓄積で、DPFにPMとアッシュが蓄積しやすい。


吸気系統に煤が蓄積すれば燃焼状態が悪くなるので、燃焼室にあるインジェクター先端は煤(PM)が付着・蓄積しやすい。


燃料を噴射ポンプで高圧に加圧するとスラッジが僅かに発生し、フューエルラインの内部に付着し、徐々にインジェクターの噴霧状態が悪くなる。





・フューエルラインが汚れて補正値が増加したインジェクター。
・PMやアッシュ蓄積で再生燃焼が上手く出来ないDPF。


マルチサーブを使用すれば、新品・リビルト品同様に内部が完璧にキレイになるか?というと(酷い場合は無理)です。  

機械的な破損や蓄積が酷くドン詰まりは改善しません。


むしろ(そうなる前に洗浄で汚れを除去する)のが、重要だと思います。



マルチサーブ洗浄システムはASSY交換のみの選択肢しか選べなくなる前に、前もって実施しておく予防的メンテナンスの提案。  


多くの車両で実施した結果では各数値は改善され、洗浄効果は十分発揮していますので、導入に踏み切ったという次第です。



・ATのシフトショックが出る前に、適切なATF交換作業。
・エンジンコンディションが低下しないように、定期的なエンジンオイル交換。

どちらも不具合が発生してからでは、修理や処置が出来ないので、基本的にはASSY交換になり高額な費用が掛かる。


インジェクターやDPFもメンテナンスの考え方は一緒。

悪くなる前にマルチサーブで予防整備。
高額な費用が掛かる前に予防整備。



松竹梅の3つのメンテナス方法で(竹)がもっと陽が当たりポピュラーになれば、クリーンディーゼルの故障率が下がり本来の性能を発揮し続けると思っています。



マルチサーブに関しては今後ぞくぞくと入庫するクリーンディーゼル車に施工していきますので、順次ブログにて紹介していきますね~。

それではHAPPY CAR LIFE!!