minatomotors のすべての投稿

大阪府堺市からハイエースKDH201 マルチサーブ洗浄システム 前編。   ディーゼルからの白煙・加速不良でマルチサーブ。  ユーザーレビュー有り

地元大阪府堺市からのご依頼は、トヨタ ハイエースKDH201 平成19年式 走行距離28万キロ。


HP(お問い合わせフォーム)からエンジン不調で相談されました。



その作業内容は前編・後編の2部に掛けて紹介します。
最後にユーザーさんからのレビューありますよ~。

・マフラーから白煙が時々出る。

・DPF再生燃焼の間隔が短い。

・加速レスポンスが鈍い。

・エンジン警告灯点灯は無し。


おそらく28万キロ走行したハイエースを上記症状を訴えてディーラーさんに行かれたとしても、おそらく○○〇〇になるでしょう。

もしくは新車の御見積書がやんわり手渡されるのではないでしょうか。



何度かメールでやり取りし、予約入庫していただきました。



ハイエースは年式によってエンジンの仕様が違います。
前期KD系・後期GD系だけではなく、もっと細分化されています。

家屋で言うなら(増改築を繰り返したような家)
ベースのエンジン本体にいろいろな装置やセンサー等を後付けしているので、狭いエンジンルームにビッシリと部品が詰め込まれている。




ハイエースに馴れていない整備士なら、E/Gルームを見ただけで(吸気系なんて触りたくね~)と思うでしょう。



まずは問診。
普段の様子や使用環境・症状や違和感などをお聞きします。


いつ・どこで・どのような?
不具合の詳細を聞き出す(問診力)が整備士には必要。


(アレはどうですか?・こんな時はどんな感じ?)
いろいろお聞きしています。



試運転をしダイアグコードを確認してから、ライブデータを観察・保存。



経験上10個ぐらいの数値をモニタリングし、スキャンツールから分かる異常部分をチェックします。




そしてエンジン吸気系・EGR系を分解しますね。

吸気シャッターバルブ・EGRバルブ・水冷EGRクーラーを分解。

インテークマニホールドの手前まで分解するのが(第一段階分解




ここまで分解するとインテークマニホールドの入り口が見えます。


鏡で覗き込むとインテークマニホールド入り口には、ビッシリと煤が堆積。

こうなるとインテークマニホールド内部・エンジンヘッド側インテークポートに煤が堆積している可能性が高い。



インテークマニホールド・コモンレール等燃料ラインを分解する(第二段階分解)に進みます。



エンジンヘッド側インテークポートまで煤まみれ。

これでは吸気の空気が入りづらく、燃焼状態は悪化します。


ディーゼルエンジンなんて空気を吸ってナンボのエンジン。
吸えないエンジンはパフォーマンスが低下するのは必然でしょう。

インテークマニホールドのスワールコントロールバルブにも煤が堆積して、酷い状態ですね。



バキュームスイッチを操作し疑似信号でテスト。
スイッチ不良&シャフト固着で、バルブ開閉が困難。



・煤が堆積して空気が入りずらい。
・スワールコントロールバルブ不良で燃料・空気の撹拌が低下。
・燃焼状態が悪化しパワーダウン/煤増加。

頑丈と言われるハイエースのKD系エンジンも、これでは本来の性能は発揮できないでしょう。




手作業で4気筒8ポートの(ある程度の煤)は除去出来ました。
それでもバルブ傘部やシャフトには少し煤が残っていますね。





弊社が開発したDSCドライアイス洗浄なら、ドライアイスで煤固着は完全除去可能。

ですがハイエースはエンジンが室内にあるのでDSCは作業不可。
(作業スペースが無い為)


そこで弊社では取り切れなかった煤は、マルチサーブのケミカル洗浄で除去する事にしています。




ディーゼルエンジンの煤が吸気経路にビッシリ堆積した状態で、マルチサーブのケミカル洗浄をしても無意味。



吸気シャッターバルブ~エンジンヘッド側インテークポートまでの大量の煤を、ケミカルで洗い流すのは出来なくはない。

ですが高価なケミカル剤を5~6本ぐらい使用しないと無理だと思う。






それならば分解して(ある程度の煤は事前に除去)し、少し残された煤はケミカル剤1本だけ使用して洗浄する方が圧倒的に有効。


例えば・・・。
道路溝に溜まった砂を水道水で洗い流す。
でもまずは砂をホウキで掃いて、回収しますよね。

ある程度砂を除去してから、水道水で流せば簡単にキレイになる。


・水道水=マルチサーブ ケミカル剤
・砂 = 煤堆積
・道路溝 = インテーク経路


お判りいただけたでしょうか。


それにバキュームスイッチや各バルブ開閉の確認も、分解しないと分からないですよね。



インテークの煤を分解清掃しましたので、ここからはマルチサーブのケミカル洗浄に移行します。



専用ケミカル(ディーゼルエアインテーククリーナ)をマルチサーブに投入。
アトマイザーのエア抜き作業で(霧状にケミカル)を噴射確認。




吸気経路にマルチサーブのアトマイザーを装着。
エンジンを掛けながら30秒に1回の間隔で、ケミカルを吸気経路に噴霧。



吸い込まれたケミカルは空気の流れに乗って、最深部のインテークポートや燃焼室に到達。   ゆっくり確実に時間を掛けてケミカル洗浄で煤除去。



イメージ的にはケミカルが煤に付着すると、煤粒子の結束が緩む。
緩んだ粒子は気流に流されて、燃焼室で完全燃焼し消える。


硬い煤(カーボン粒子)を、ケミカルで溶解しているわけではありません。
ケミカルは結束を緩めているだけなんですよね~。






約70分ほどエンジンを掛けながら作業し、ケミカルが無くなれば終了。


作業中の排気ガスの異臭は強烈。
屋内でするとかなり匂いがヤバいです。


弊社では工場内や近隣に迷惑が掛からないように、排気回収システムを自社製作して作業をしています。





マルチサーブの機械とケミカルだけあれば、万事OKではありません。

・バルブ開閉スイッチやダイアフラムの作動も調べもせず。
・分解し吸気経路に堆積した煤も除去せず。


ただ単にマルチサーブをエンジンに注入しているだけでは、不具合は解消しません。

・スキャンツールを接続して、ライブデータの読み込み
・実作業で分解し、各装置の作動確認。



遠回りが、結果的には近道。
クリーンディーゼルの不具合は簡単には治らないのですね。
(原因は多岐に渡りますので。)






これでマルチサーブ インテークカーボン洗浄システムはとりあえず終了。

次回ブログではインジェクター & DPF洗浄システムを引き続き紹介しますね。



宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!

スバル レガシィ3.0R BPE リフレッシュプラン後編。        エンジン整備とホイールアライメント調整。 納車後レビューあり。

前回・前々回ブログの続きです。
東京都から依頼いただいたスバル レガシィ3.0R BPE リフレッシュプラン。


クラッチO/H~サスペンション整備。
足回り・下回りを整備し、前編・中編ブログで紹介しました。


https://minato-motors.com/blog/?p=41334 前編
https://minato-motors.com/blog/?p=41385 中編


後編ブログでもレガシィBPEの作業を案内しますね。



リアデフ キャリアブッシュから充填オイル漏れ。

Rデフの前部にあるこのブッシュは単品供給が無いので、ASSYで交換しました。





次にリアデフのリア側キャリアブッシュ2個は、サブフレームに圧入されています。

そのままではスペースが無く、治具・工具も入らないので、ブッシュ交換が出来ない。



・デフを降ろし、サブフレームを外す。
・作業スペースを確保して、圧入交換。


このブッシュは裏表・向きがありますので、間違わないように圧入しないといけません。

ブッシュに印をマーキング。
治具をセットしてブッシュ交換が完了。

サスペンションやブレーキを組み立て後に、ブレーキフルードとクラッチフルード交換。




パワステホースからの漏れはありません。
ですが予防整備でP/Sホース交換をしたいところですが、高圧側ホースは生産終了・在庫なし。

在庫が有る低圧側ゴムホースは交換して、P/Sフルードを圧送交換。


ゴムホースとオーリングを交換し、ハンドルを回して旧油を圧送交換。

・タンクに新油を補充し、エンジン停止でハンドルを回す。
・押し出された旧フルードはタンクに戻さずに、廃油受けに排出。


最初は真っ黒のフルードが出てきましたが、繰り返していると徐々にキレイになっていきます。


エンジン始動して、エア抜き作業も行いました。




MTギアオイルとデフオイルはニューテックNC-70 75W90
全化学合成ギアオイル(エステル系)


極薄で強靭な油膜性能でギアを保護し、スコスコとシフトフィーリングが楽しめますよ。



スロットルボディ清掃初期化 エアエレメント交換


熱劣化で樹脂タンクが劣変色したラジエターとキャップ。
ここまで変色していると、いつ破損してもおかしくない。


予防整備でラジエター・キャップ・サーモスタッド・ホース等を交換しました。

ラジエターリフレッシャーでLLCを脈動圧送式交換。


冷却ラインに浮遊している異物を濾過してクリーニング。
最後にLLC再生強化剤で防錆・消泡性能を強化し、エア抜き作業。







マルチサーブで燃料系システム洗浄。

インジェクターや燃焼室のスラッジやカーボンを、専用ケミカルで除去洗浄します。

車両側燃料ポンプは停止。
フューエルホースも切り離して、マルチサーブと接続。


専用ケミカル(インジェクションシステムパージ1000ml)投入し、作業開始。
エンジンを掛けながら、マルチサーブからケミカルを送り込み、ゆっくり確実にフューエルラインの洗浄工程。


約75分ほど作業をし、ケミカルが無くなれば作業完了。







エアコン冷媒ガスもリフレッシュ。

年々減少する冷媒ガスは定期的なメンテナンスが必要です。





結果的には規定充填量400gに対して、回収できたガス量は150g
半分以下まで減少していました。


真空引き後に400gの再生ガスをリチャージ。
ニューテックNC-200コンプレッサーオイルを注入し、潤滑・気密を強化。


エアコンガスは定期的なリフレッシュを推奨。
故障させない為の予防整備。

アライメントリフトで1G締付作業

組立時に掛かるブッシュの不要なテンションを、ボルトナットを緩めて解放。
そこからサスペンションのボルトナットを本締め。





サスペンション整備後の必須作業(1G締付)を行い、軽く試運転してサスペンションを馴染ませます。

そこからホイールアライメント調整をしますね。

組み立てたばかりの状態は、こんな感じでバラバラな数値。

これでは真っすぐ走らないし、本来の性能は発揮出来ませんよね。
(部品だけ交換しても意味が無い。調整作業は必須です。)



キャンバー・キャスター・SAIをバランスよく調整。
ステアリングセンターを合わせながら、トゥを調整。


最終的にはこんな感じに整えました。
キレイに整えたので、真っすぐ矢のように走ってくれるでしょう。



最後に試運転。
いつものテストコースを走行します。

・ハンドルセンターに狂いはないか?
・異常な異音や振動が無いか?
・サスペンションの動きや加速減速のフィーリング。
・クラッチ操作のタッチや操作感。

高速走行をしたり、住宅地の凹凸を走ったり。
入念にチェックします。




帰ってきてから再リフトアップ。
漏れや緩み・締め忘れなどを念入りに確認。
何度もチェックをして、納車となりました。




納車時には作業時の画像を見ながら、作業内容を説明させていただいています。
また今後の整備アドバイスもしていますよ~。


画像コピーをお渡ししていますので、記録用に保管してくださいね。


納車時の説明や整備アドバイス・質問に対しての答えや残金の精算。
いつも平均で1時間以上はお時間を頂戴しています。


納車後にオーナーさんからレビューをいただきました。

この度は整備して頂きありがとうございました。
一年前に購入した85000キロのレガシィは、そこそこ状態は保っていると思っていましたが、蓋を開けてみれば、お約束な部分がかなり明瞭に劣化しており、改めて集中的に整備して頂き正解でした。

今回の整備で私として最も満足した点はクラッチですね。
購入したスバル専門店では作動に問題ないと言われたものの明らかに使用感が悪く、どうせ整備するならフライホイール、クランクシールまで一通り整備したいと思っていました。

仕上がりは今までよくこれで乗っていたものだと思う程激変しました。軽くキレも良くストレスフリーです。

サスペンションは当初はピッチングの収まりがやや気になりましたが、2〜300キロ走った辺りで違和感が無くなりかなり静かでしなやかな乗り心地になりました。

エンジンの吹け上がりはレッドゾーンまで滞りなく綺麗に力強く回ってくれます。ブレーキの効きは至極自然でしっかり作動してくれています。
東京までの帰りは、矢の様にまっすぐ走るので、行きと比べて疲労感が少なく快適なドライブを堪能しました。

結局もう一台分の費用?がかかりましたが、満足度はそれを大きく上回るものでした。今後8〜10年はこのまま乗り続けるつもりで次回もお願いしたいと思いますが、次はさすがに部品の問題が出てくるでしょうか?ミナト自動車のリフレッシュプランは、ありそうでなさそうな良い企画だと思います。改めてありがとうございました。


BP系レガシィが今も根強く人気なのは、オーナーさんならご存じでしょう。

ですが新車時のコンディションを保っているBP系レガシィはほぼ無いし、新車も存在しない。

10年10万キロ以上走行した愛車をもう一度新車時のコンディションに近づけるのがリフレッシュプランのコンセプト。


相応の費用は掛かりますが、メーカーが部品生産しているうちに実施する事をお勧めします。



今回も一部生産終了・在庫なしの部品がありましたので、年々純正部品は減っていくかと思いますので。




リフレッシュプランのご相談・予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。


・愛車の不具合箇所、不満点・
・預けられる日数 (代車必要の有無)
・今回の整備に掛けられる予算
上記3点も教えていただけると助かります。


出来ましたら過去の整備事例を閲覧していただいて、(○○年○○月の△△△の整備は総額いくら掛かりましたか?)と聞いていただけるとお答え出来ます。
整備予算の参考にしてくださいね。

どうぞ宜しくお願い致します。
HAPPY CAR LIFE!!




スバル レガシィ3.0R BPE リフレッシュプラン中編。サスペンションとブレーキをリフレッシュ。

前回の前編ブログで紹介したスバル レガシィ3.0R BPE リフレッシュプラン。https://minato-motors.com/blog/?p=41334



今回は中編ブログになります。
クラッチオーバーホールを終えたので、サスペンション等を整備しますね。


スバルレガシィの一部のモデルには、ビルシュタインショックアブソーバーが純正採用。


リフレッシュプラン時には(純正ビルシュタイン)or(エナペタル ビルシュタイン)のどちらにしますか??とお聞きしています。


今回はエナペタルビルシュタインでショックアブソーバーを用意しました。
アッパーマウントやダストブーツ等は純正品で、スプリング以外は全交換。


Frサスペンション ロアアームのブッシュとボールジョイント交換一式。


ロアアーム リア側のブッシュは負荷が大きいので、クラックが入り破損していました。


ブッシュの向きや方向性を間違えないように、油圧プレスで圧入交換します。



予防整備でハブベアリングASSYを交換します。



フロント ドライブシャフトのブーツグリスをO/H。


経年劣化で破損しやすいゴムブーツや劣化し粘度が低下したグリス。
ドライブシャフト自体が摩耗破損する前に、純正ブーツグリスKITでリフレッシュ。


ドライブシャフトのブーツグリスは純正品一択。
なぜなら耐久性が違いますから。




ブレーキもリフレッシュ再生の3点セット。

・キャリパー 完全洗浄 シールブーツ交換。
・ディスクローター研磨再生 耐熱塗装
・ブレーキパッド交換

リア キャリパーピストン1個に傷があり、新品交換。
それ以外のピストンは洗浄して再利用可能。






リア サスペンションブッシュ 全数交換。

レガシィBP系はサスペンションブッシュが単品供給してくれます。
ASSY交換だと部品代が高額になりますが、ブッシュ交換だと費用が抑えられます。



リア ハブベアリングASSYも交換。

前後のスタビライザーブッシュも交換しました。

・サスペンションブッシュ ボールジョイント
・ショックアブソーバー及び周辺消耗部品
・ハブベアリングASSY
・Frドライブシャフト
・ブレーキ
・スタビライザーブッシュ

車体から分解して、個別にリフレッシュ整備。
そこから一気に組み立てますね。



今回のレガシィBPEのリフレッシュプラン。
作業範囲が広いので、前編・中編ブログでは収まらない。



次回後編ブログではリアデフマウントやサスペンション組立。
エンジン整備とホイールアライメント調整~納車までを紹介しますね。


後編ブログもお楽しみに!!
HAPPY CAR LIFE!!


東京都からスバル レガシィ3.0R BPE リフレッシュプラン前編。クラッチO/Hは定期的に! エンジンマウントは消耗部品です。

東京都から入庫したのはスバル レガシィツーリングワゴン 3.0R。
平成16年式 BPE 走行距離9万キロ

リフレッシュプランの依頼を承りました。
前編・中編・後編の3部作で紹介しますね。

後編には納車後のユーザーレビューがありますのでお楽しみに。




リフレッシュプランは10年10万キロ以上走行した愛車を、もう一度新車時のコンディションに近づける提案型整備メニュー。


一般ユーザーさんが愛車のコンディションを見極めるのは難しく、またどこから整備をすれば良いのかも分かりずらい。


(もしその車両が私の愛車なら、限られた予算でどのように整備するか?)をコンセプトに、おススメ整備を提案しています。


HP(お問い合わせフォーム)からリフレッシュプランのご相談。

弊社からはリフレッシュプランの案内と(過去のレガシィBP系 リフレッシュプラン事例とその時の総額費用)をお知らせしました。


そして3点質問をさせていただきました。
1・車両現状の不満点。不具合点。
2・お預かり出来る日数
3・リフレッシュプランに掛けれる予算。




1に関しては普段使用している中で、気になる点がありましたら教えていただけると助かります。 プラン制作の参考にします。


2に関しては2週間ぐらいを想定していただけると良いかと。
ほとんどの場合は2週間以内で入庫~納車になります。
ただ予算規模が大きい場合は、もう少し預かり期間が増えます。


3に関しては車種毎に(お引き受ける整備予算下限)を決めています。
比較的新しい車両と30年以上経過した過走行車では、整備しないといけない範囲が違います。 またコンパクトカーとレクサス車では、部品自体の価格も違うからです。





今回ユーザーさんから3点を教えていただきました。

1・・
クラッチを繋ぐとシャーと異音アリ。クラッチのタッチが悪い。
クラッチペダルが重い。 
もう少し乗り心地を改善したい。低回転時にブルブル振動アリ。
9万キロ走行の中古車購入なので、整備歴は不明。
購入時に販売店で少し整備済み。

2・・
2週間~4週間ぐらいならOK
代車は不要。電車で帰ります。


3・・
整備予算は○○万円。 状態を見て提案が有れば増額を検討。


ざっくりこんな感じで相談されました。




入庫日の日程を決めて、予約入庫していただきました。

リフレッシュプランの混雑状況は時期によって変動しますが、近年は1~3か月待ちが多いです。   それ以上の予約待ちが発生した時は、予約ストップとしています。



まずは問診から始めます。
メール等で相談された内容を詳しくお聞きし、今回の整備の方向性をお話しします。

お預かり後に試運転。 現状を確認します。

事前ホイールアライメント測定・排気ガステスト・バッテリー充電テストなどを行い、リフトアップして車両点検。




整備プラン概算見積を提示し、作業内容を説明。
どこまで整備するかを協議して、作業内容を決定します。




整備プラン内容にOKがもらえたので作業を始めますね。


まずはサスペンション・ブレーキ・ドライブシャフトなどをバラバラに分解。



そしてMTミッションを降ろして、クラッチ分解。


慣れた作業なので、どんどん部品を外していきます。

(以前知人にそんなにバラバラにして、組み立て方忘れたりしないの?)
(あとでボルトナットが余ってしまう事はないの?)
そんな質問を受けた事があります。




大丈夫。全て覚えているから。
https://minato-motors.com/blog/?p=40703
上記ブログを覗いてみてください。
プロの整備士ですから、そうならない為に対策しています。

問診時の相談で(クラッチペダルが異様に重いんですが・・・) (レガシィBP系クラッチはこんな感じですか?) (販売店では曖昧な返答だったので・・・)


過去に愛用していた他社のMT車と比べて、クラッチペダルが重いと感じたようです。

そこで私が操作をすると(ペダル 重い~!!)
一回の踏み込みで異様なほどペダルが硬い・重い。

これではクラッチ操作が多い市街地走行では、足がパンパンになるでしょうね。


たった1回の試乗でクラッチ異常だと思いました。

・クラッチディスク摩耗・振れ
・カバーやフライホイールのプレートは焼け・摩耗
これではクラッチのミートが分かりずらく、半クラがしにくいでしょう。



・ディスクスプライン部やレリーズベアリング摺動部のグリス切れ。
経年劣化で摺動部のグリスがなくなり、引っ掛かりが出来て動きが渋い。

・クラッチカバーのダイヤフラムとレリーズベアリングとの当たり面が摩耗。
クラッチペダルの切れ点・遊びが分かりずらく、操作しにくい。



クラッチO/Hを提案させていただきました。



クラッチディスク クラッチカバー フライホイール3点交換。


フライホイールの奥にあるエンジンクランク リアオイルシールも同時交換。


そこからクラッチを組み立てますね。


MTミッション側も整備します。

清掃洗浄をしてから、適材適所に専用グリスで組み立て。
メインシャフトとプロペラシャフトのオイルシール交換。
レリーズベアリングを交換。
段付き摩耗しているレリーズベアリングのガイドも交換。





BP系6速MTの場合はレリーズシリンダはシールキットが部品供給されないので、シリンダーASSY交換。






MTミッションマウントのゴムは剥離しており、機能不全。
上下の揺れを抑えるチッピングロッドもクラックあり。

極低速走行での車庫入れ時には、ここのブッシュが機能していないので、車体がブルブル振動を発生していたのでしょう。

フロントデフサイドシールも打ち直し。


ミッションを車体に装着。


・車庫入れ時のリバースシフトが入りずらい。
MT脱着時にシフトワイヤーを確認すると、ブッシュが砕けてる。

これではワイヤーの引き代が変るので、要交換ですね。
ブッシュだけの部品供給はないので、ワイヤーASSY交換しました。






次はエンジンマウント左右を交換します。


エンジンマウントのゴム部は硬化してクラック。
重いエンジンを受け止めているので、新旧を比べると高さが押し潰されていました。

水平対向6気筒エンジンのレガシィBPEは、本来は凄く静かなエンジンなんですよね。   でも部品が劣化して消耗していると、本来の静粛性は発揮出来ないのですね。




レガシィBPEのリフレッシュプランは、まだまだ続きます。


次回ブログ中編で続きを紹介しますね。
それではお楽しみに~!!



高知県から三菱デリカD-5 CV5W リフレッシュプラン 後編。     サスペンション・ATF交換やホイールアライメント調整!!

高知県から依頼いただいた三菱デリカD-5 CV5W ガソリン車4WD
平成22年式 走行距離16万キロ 

提案型整備リフレッシュプランの作業を紹介しています。


前回ブログで問診~点検をし、エンジン整備などを行いました。
今回は足回り・下回りの整備を紹介しますね。
https://minato-motors.com/blog/?p=41085




フロント・リアのサスペンションを分解。
Frドライブシャフトやハブナックルも外しました。



柔軟性を失ったフロントロアアームブッシュとスタビブッシュ。

ロアアームのブッシュやボールジョイントは単品供給がないので、アームASSYで交換し組み立てます。



リア側のサスペンションブッシュは一部ブッシュ単体での部品供給は有ります。 それ以外は単品供給が無いので、アームASSY交換しました。



ブッシュの向きや角度などを間違えないようにマーキングして打ち抜き。

同じ方向で新品ブッシュを組付けました。

フロントドライブシャフトをブーツグリスKITでO/H。

・劣化してグリス漏れをしやすいインナーブーツ。
・グリス漏れはしないが、グリス負荷が高いアウターグリス。


純正ブーツグリスKITで組み替えてあげると、また10万キロ使えます。

インナー側ブーツは通称(割れブーツ)で交換していたようですね。

車検合格する為ならアリですが、長く使用する為なら純正1択。



リビルトドライブシャフトへの交換も選択肢としてあるのですが、リビルト品はだいたい使用ブーツの耐久性が低い。 数万キロでスグ破けるんですよね~。



耐久性なら断然純正ブーツグリスKITですよ。
グリスもたっぷり、ブーツも長寿命。


フロントハブベアリングを交換します。


Fr側のベアリングはナックルに圧入しているので、分解し油圧プレスで交換しないといけません。  (また作業後にホイールアライメント調整は必須。)




リア側はボルトオン固定なので、予算が合えば交換もアリ。
予算的に厳しい場合は保留にし、悪くなってからの交換でも大丈夫。
(D-5はリアハブベアリング交換はホイールアライメントには影響しませんので。)






愛車のブレーキオーバーホールをしていますか??

・キャリパー洗浄 シールブーツ交換
・ディスクローター研磨再生
・ブレーキパッド交換

3点セットを同時に行えば、新車時のブレーキフィーリングに戻りますよ~。


リア側キャリパーピストンは錆によるメッキダメージが有るので、新品交換しました。

フロントは問題なないので洗浄し再利用、シールKITで組付け。


キャリパーホルダー側のスライドピン洗浄。

古いグリスを洗い流して、薄くピストングリスを塗りますね。
ブーツも交換し組立。








ディスクローターは研磨機にて再生。

薄く均一に研磨し、耐熱塗装500℃で化粧直し。
これでまだまだ使えますよ!



ディスクローター研磨のススメ。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924






ブレーキパッドはWAKO’S BPR 高性能ブレーキパッドグリスで組立ました。
低温~高温まで安定したグリス粘度を維持します。




前後のショックアブソーバーを交換しますね。


今回はKYB製ニューSRスペシャル ショクアブソーバーで交換。
ダストブーツ・ベアリング・マウント等は純正品で交換しました。


分解してリフレッシュした足回り・下回りを組み立てます。






CVTFも交換しますね。
本命CVTFはニューテック最高峰フルード(NC-65)
全化学合成ハイパフォーマンスフルード


いきなり高額な本命フルードで交換する前に、まずはオイルパン洗浄ストレーナー交換一式。


あとは希釈ドレンアウト式でCVTF交換をします。

ドレンアウトを繰り返すと、徐々にフルードの透明度が上がり、
最後はNC-65で交換するとキレイに入れ替わりました。









トランスファ リアデフオイルはガルフプロガード75w90で交換しました。






整備リフトからアライメントリフトに移動。

サスペンションブッシュの不要なテンションを開放するために、1G締付を行います。


4輪が接地した状態で、アームブッシュを固定しているボルトナットを一度緩めます。

そうすると捻じれたブッシュテンションが解放されて、無負荷状態になります。



その状態からボルトナットを本締めするのが1G締付作業。
サスペンション整備では必須作業で、未実施だとブッシュの動きが不自然になります。

また実施しないとブッシュが早期破損しますからね~。


1G締付作業後に軽く試運転。
サスペンションブッシュを馴染ませます。


そこからホイールアライメント調整を行いますね。



キレイにホイールアライメント数値が整いました。


走りやすいデリカD-5になったと思います。





最後にマルチサーブを施工。

インジェクター洗浄システムで燃料系ラインを洗浄しますね。





・エンジンルーム奥にあるフューエルラインを切り離す。
・エンジン側ラインにマルチサーブのホースを接続。
・燃料タンク内のフューエルポンプはヒューズを抜いて停止状態。



(インジェクションシステムパージ1000ml)をマルチサーブに投入。

・強力洗浄にセットし、燃圧を調整。
・マルチサーブからケミカル剤を圧送し、エンジンスタート。
・約60分間の洗浄工程 ゆっくり確実にフューエルラインを洗浄。



ケミカル剤が無くなれば、マルチサーブでの作業完了。

納車時にはアフターケミカル(エクストリームインジェクタークリーナ)1本をお渡ししています。 (後日燃料タンクに投入してください。)



マルチサーブで即効的に洗浄し、アフターケミカルで遅効的に洗浄。
W洗浄工程でインジェクターや燃焼室の汚れやカーボンを除去します。






作業が終われば、最終チェックの試運転。
いつものコースを走行し、確認を繰り返します。

直進安定性・ブレーキング・ステアリングの動き。
異常な異音・振動などが無いかをチェック



試運転から帰ってきて、再リフトアップ。
オイル漏れや締め忘れなどを入念に何度もチェックします。



リフレッシュプランは遠方から依頼される場合が多いので、最終チェックは入念に。





作業が終われば納車連絡。
数日後に引取に来られました。


作業中はデジカメでバンバン撮影していますので、約200枚ほどの画像を見ながら説明をさせていただいています。


また今後の整備課題や注意点・メンテナンス方法などもお話ししています。
質問が有れば何でもお答え出来ますよ~。



リフレッシュプランのご依頼はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。 https://minato-motors.com/contact/


リフレッシュプラン依頼時には(愛車の不具合・不満点)(今回に掛けれる整備予算)(預けられる日数)などを教えていただけると助かります。


○○年○○月の△△△の整備ブログは総額でいくらになりましたか?と問い合わせていただけるとお答え出来ますので、整備予算の参考にしてくださいね。


それではHAPPY CAR LIFE!!