ハイエース200系をリフレッシュプラン。 ガタゴト異音がし出したら・・・そろそろ交換時期ですね。
どちらか言えば西日本側の某県からお越し頂きました。
ハイエース KDH206V ディーゼル 4WD
走行距離184000km
去年8月にリフレッシュプランで入庫。
(前回ブログ同様ナンバープレートは非公開です。)
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今回は以前に出来なかった作業を中心に整備する予定。
点検や試運転等をして
オススメ整備プランを提案しました。
(今回は事情があり事前アライメント測定は無しです)
まずは希望整備のタイミングベルト&ウォーターポンプ交換。
200系ハイエース KD系ディーゼルエンジンの
タイミングベルト交換は非常に簡単。
ですがカム/クランクシール交換や
W/P-ASSY交換・サーモスタッド交換もするならば
非常に時間が掛かるエンジンです。
このハイエースは目標30万キロ以上を目指していますので、
もちろん今回は交換しますよ~。
運転席のシートを外しエンジンルームを覗くと、
ため息が出るほど外す部品が多いです・・・・しかも狭い。
サクサク分解してカムシールを交換しました。
(ここまではまだ簡単です。)
恐ろしく固く締まっているクランクプーリーボルトを外して、
なかなか外れない頑固なプーリーを外します。
(プーリーボルトを緩める・プーリーを引き抜く)
どちらもSST特殊工具が必要になり、
無いと外す事は非常に困難。
やっとシールが見えましたね。
こちらも純正クランクシールに交換します。
エアコンコンプレッサーとオルタネーターを外すと
やっとサーモスタッドが外れました。
不具合が出てオーバーヒートする前に交換しましょう。
またオルタネーターの発電状態は良好のため
今回は破損しやすいワンウェイクラッチプーリーのみを交換します。
そんなこんなでやっと外れたW/P-ASSY
もう少し簡単に外しやすくしてくれると良いのですが、
事情があってこの形状なんでしょうね。
TベルトとテンショナープーリーASSYや
ファンベルトプーリー、ラジエターアッパーホースも
交換しておきますね。
20万キロ前後走行した車両へのリフレッシュプランでは、
予算があればセンサー系の交換もオススメしています。
今回はエアフロメーターと
空燃比センサーを交換しました。
経年劣化による(センサー特性のズレ)で
正確な数値をECUに送ることが出来ず、
少しズレた数値を誤送信します。
閾値を超える大きなズレはエラーコードになりますが、
少しのズレではECUは分からない。
ズレた数値から演算して
少しズレた制御をしてしまいます。
(このズレた感を文章で伝えるには難しいですね。)
レスポンスの低下やフィーリングの悪化などは、
案外センサーの特性ズレを疑った方が
良い場合もありますよ~。
ハイエース定番整備である
フロント サスペンションアーム類のリフレッシュ。
ハブ/ナックルやドライブシャフトも外しますね。
(ハブベアリングは前回交換済み)
ある程度走行したハイエースは足回りから
ガタガタ・ゴトゴト異音がしますよね。
その原因のひとつがボールジョイントのガタ。
アッパーアームのボールジョイントは
分解してみると高確率でガタがありますね。
予防整備で交換をオススメします。
アッパー側はアームASSY交換になり、
ボールジョイントのみの部品供給は無いのです~。
アッパーアームASSYを外すと
少しだけエンジンマウントが
外しやすくなりますので・・・。
非常に外しづらいエンジン・ATマウント3点も
同時に交換しました。
狭く固いボルトはある程度スペースがないと、
レンチを振れないのです。
アッパーアームが外れていると少しスペースが生まれるので、
同時に交換する事をオススメしています。
(工賃の重複はムダですからね。)
フロント ロアアームのブッシュ圧入交換。
ロアアームのブッシュは部品供給があるけども、
外すのは結構大変です。
ブッシュを交換するのが少ないのでしょうか?
アームASSYは在庫有りでしたが
あまり需要のないブッシュ単体は在庫なしでした。
今の国産車はSSTが必要なブッシュ交換はせず、
ASSY交換が主流ですからね~。
ブッシュの位置決めをしてプレスで交換しました。
ロアボールジョイントと
スタビ・ブッシュ8点も同時交換しました。
次はドライブシャフトもリフレッシュ。
ドライブシャフトのベアリングは、
破損してからリビルト部品に交換するのか?
破損する前に劣化したグリスを交換して、
新しいブーツを装着し延命するのか?
今回は後者を選択しました。
グリスもオイルですから長年の使用で劣化します。
ドロドロで固めのグリスが、
トロトロに緩んでくるともうダメでしょう。
粘度が保てなくなり油膜が切れてくると、
金属製のB/Gが磨耗しガタ異音が発生します。
破けづらくなった樹脂製ブーツのお陰で、
グリスの劣化を見過ごしている場合が多いですね。
純正ブーツ&グリスキットは結構イイ金額をしますが、
リビルトシャフトよりかは遥かに安い。
異音さえしていないならば、
リフレッシュの方が良い選択だと思いますよ。
ブーツバンドはカシメ止めタイプですから、
専用工具のKTC ブーツバンドツールAS405でロックします。
(締付基準0.8mm以下でカシメました。)
冷却水を入れてエンジン始動し、
エア抜き作業を実施。
今度はアライメントリフトに移動し、
各アームブッシュを1Gで仮締付。
そこから最初に車高調整。
ハイエースのFr側は車高の調整が出来るので、
リアとの兼ね合いをみて基準値に合わせます。
アッパーアームを外すと
車高を決めるナットを緩めるので
予め数値を記録していました。
記録していた通りに元に戻しても
約4mmのズレていました。 左右を調整します。
1G締付後に試運転をして、
やっとトータルアライメントを調整しますね。
ハンター社アライメントテスター (ホークアイWA470)
最新アライメントテスターのターゲットは
軽量樹脂製クランプタイプ。
最初はこんな物で正確な数値が出るのかな?と
思っていた時期もありました。
http://minato-motors.com/blog/?p=10832
鉄ホイールでもある程度センター近くに装着すれば、
高精度4センサーがターゲットを捕捉して演算。
ホイールのセンターやトレッド/ホイールベースなど、
軸ズレ・歪みも3D的に測定し補正しているのです。
また樹脂製ターゲットとホイールの接触面は
シリコンリングが装着されるので、
ホイールには全く傷が付きません。
ターゲットを装着して20cmほど前進し、
ターニングラジアスゲージに載せました。(手押しで)
これだけでキャンバーなどの数値がハジキ出され、
さらに左右にハンドルを切ればキャスター数値も測定。
SAIやホイールベースやオフセットなども入れると、
15箇所以上の数値がわかります。
ハイエースのリアは調整できないので、
フロントのトゥ・キャンバー・キャスターを調整しました。
最後にWA470の便利機能(Wintoe)を起動して
ステアリングのセンター調整とトゥ調整。
この機能は非常に便利。
ステアリングセンターをセンサーで読み取り記憶させ、
トゥを調整しながらセンタリングが出来るのです。
ユーザーさんにはメリットがないのですが、
作業者にとってはなかなか使える機能なのですよ。
最後にいつものテストコースを走行して、
最終チェックし作業は完了しました。
ハイエース100系・200系問わず多くの台数を作業していますが、
毎回足回り系をガッツリ整備すると体力を使いますね。
今月はハイエース2台連続でリフレッシュプラン作業をしたので、
暑さのせいか?疲れました~。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
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Happy Car Life!!