ハイエース 200系ディーゼル4WD リフレッシュプラン 第2部。 急激なブレーキ磨耗の原因は。
前回ブログの続きです。
http://minato-motors.com/blog/?p=10463
どちらか言えば西日本側の某県からお越し頂きました。
ハイエース KDH206 ディーゼル 4WD
走行距離17万キロ
エンジン不調による警告灯点灯。
それと平行して進行するリフレッシュプラン。
エンジン不調の方は前回ブログで紹介したセンサー不良。
お預かりの間も経過観察しながら様子を見て、
次の工程に進みますね。
問診時にお聞きしたブレーキ関係の整備暦は
去年4月に某民間整備工場でブレーキのO/Hは実施済み。
(走行距離14万キロ時)
ですが点検をしてみるとフロントブレーキに違和感がある。
上記画像を見て何か気が付きませんか~?
プレーキディスクローター当たり面にあるキズは
実は去年に交換したディスクローターのスリット跡。
スリット溝が無くなると言う事は・・・。
O/H後の僅か3万キロ走行で
ブレーキパッドは残り3割以下ほどしか残っていない。
普段の使用環境は市街地走行 と 高速道路。
高低差の激しい地域にお住まいではないので、
ガンガン激しいブレーキングもしてはいない。
それに新車時から14万キロまで
ブレーキパッドの交換暦は無いので、
もともと急ブレーキが多い乗り方はしていないと思います。
となると考えられるのは整備不良か?整備ミスか?
整備不良=必要な整備をしていない。
整備ミス=整備したが作業方法が間違っている。
ハイエースのような
フロントはディスクブレーキ・リアはドラムブレーキの場合、
Fr側パッドの減りが早くなるのは
リアブレーキの調整不足が多いです。
特にドラム当たり面が荒れていると、
微妙なクリアランス調整が出来ないので
ライニングシューの残量が残っていても、
ある一定の時期にはドラムを研磨 or 交換して
クリアランスを整えた方が良いと思います。
自動車は4輪のブレーキで止まろうとするのですが、
リアドラム式の場合はリア側の調整が甘いと制動始めが遅くなります。
ですがFr側はいつも通りスグに制動を始めるので、
Fr側のみで止まろうとする時間が多くなります。
(そして少し遅れてリア側が制動を始めます。 遊びが多いので)
本来4輪で制動を掛けるのを
2輪のみの時間が増えると車両が止まらない。
そこでさらに深くブレーキペダルを踏み込むと
Frブレーキの負担過多でパッドが早く磨耗する。
と最初の点検診断では思っていましたが、
どうやら他にも原因がありました・・・・。
オーバーホールしているはずの
キャリパーホルダーのスライドピンが固着。
かなり固くて抜けません。
(正常な状態は内部のグリスで、スムーズにスライドします。)
手では抜けないのでプライヤーで挟み、
無理やり引き抜く事に。
グリスが硬化し
カチカチになっていました。
1年3万キロぐらいでグリスが硬化?
チョットありえないですね。
グリスのチョイスミスか?
スライドピンのグリスを
パーツクリーナーで溶かしながら拭き取ると
何か付いてますね。
調べてみると実はコレ塗料なんです。
何故塗料がスライドピンに?と不思議に思い、
改めてお客様のメールに記載されていた
前回Frブレーキ関係をO/Hした
某整備工場のブログアドレスをクリック。
そこにはキャリパーを塗装した様子が映っていました。
そしてスライドピンはキャリパーから外さずに、
キレイにシルバーで化粧塗装。
ホルダー側をチェックすると、
剥がれた塗装と硬化したグリスの塊。
通常スライドピンはメッキ加工しているので、
サンドブラストも塗装もNGです。
塗装業界なら当たり前のメッキ面への塗装処理。
正しいプライマー処理をしないとペロンっと簡単に剥がれるし、
そもそもピンを塗装しちゃダメですし・・。
Frブレーキは認識不足の整備ミス。
Rブレーキは調整不足の整備不良。
2つが重なり、ありえないほどのブレーキ磨耗。
前回スリットディスクローターを使用したのも、
磨耗を加速させたのかもね。
というわけでリフレッシュプラン 第2部は
長くなったのでココまで。
まだまだ終わらないハイエースのリフレッシュプラン。
次回ブログは問題があったブレーキ関係と、
ハブベアリング交換も一緒に紹介しますね。
Happy Car Life!!