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解説シリーズ ハイエース100系リフレッシュプラン 予約編その1。  メール相談から予約決定まで。

100系200系問わずハイエースは10万キロで馴らしが終わり、20万キロでそろそろ部品が寿命に来て、30万キロでクタクタな車になる。

ですが正しいメンテナンスさえ行えば、30万キロ以上走行したハイエースでも、新車時のようにビシッと走る車両に戻るんですけどね。



http://minato-motors.com/blog/?tag=%e3%83%8f%e3%82%a4%e3%82%a8%e3%83%bc%e3%82%b9
一部ですが全国から集まったハイエースの整備事例を参考にどうぞ。






普段のブログは1話完結か?3話ぐらいの3部作ブログでまとめていますが、今回は(解説シリーズ)ということで、普段よりも(短めで)(数多く)(頻繁に)ブログアップしていきます。

(今のところ8~10話ぐらいの連載になりそうです。)


いつもより細分化しギュッと濃縮して、リフレッシュプランの(予約~入庫まで)(作業開始~納車まで)を解説しますね~。





香川県からお越しいただいたのは、トヨタ ハイエース LH178 平成16年式 走行距離25万キロ

リフレッシュプランのご依頼で予約入庫しました。




ちなみにこの時は偶然にも同じ型式のLH178のハイエースがリフレッシュプランで入庫中。  型式やモデル違いは日常的ですが、型式まで同じとなるのは稀ですね。



ホワイトツートンのLH178ハイエースは平成12年式の走行距離35万キロです。

どちらも地元で基本整備は行っていますが、サスペンションやハブ・ブレーキ・ATF交換などは未実施のようです。

そして未実施個所を整備していないと(やはり距離相応のクタクタな車両)(音がうるさく乗り心地が悪い車両)になりますよね。



エンジンのTベルト交換やブレーキのパッド交換、車検時にするような一般整備は(正直、どこの整備工場でも出来る。)

でもこれから紹介する広範囲のトータル整備は、基本的には引き受けてくれる整備工場は少ないでしょう。

実際に弊社のブログと同じような広範囲の整備を地元で依頼すると、(やんわりと断られる)とよくお聞きします。 (小規模の整備ならOKなのに・・・。)




ハイエースを改造する整備工場は山ほどあるが、純正ノーマル新車時に戻す目的のリフレッシュ整備を行う工場は、意外と少ないんですよね。





GT-RやフェアレディZ、スープラにユーノスロードスター・ランエボなどの旧車スポーツカーの整備専門店はトータル整備の需要があるので全国を見渡しても結構ありますよね。

ハイエースをベタベタにローダウンして、デカイホイールを装着し、室内も改造するというジャンルも一定の需要があるので、これも専門店が多い。




純正ノーマル状態で大切に使用してきたハイエース。

ミナト自動車ブログのようなトータルリフレッシュ整備を地元ディーラーに依頼すれば、余程の贔屓で常連でなければ、(新車のカタログ)or(高額な御見積書)が手渡されるパターンが多いそうです。


それでも探せばハイエースの中規模ぐらいの整備を引き受けてくれる所もありますが、アライメントテスターやアライメントリフト、インジェクターやDPFの洗浄などのサスペンション・エンジン整備に必要な設備が無い場合が多いですね。


それでは部品を交換して組み立てただけで、本来の性能には戻らないのです。


そんな訳で彷徨うハイエースユーザーはネットで検索し、ミナト自動車のブログに辿り着き、リフレッシュプランの依頼をいただけるのでしょう。




そこで(リフレッシュプランっていくらなの?)とメール相談されるのですが、その時には決まってこう答えています。

(そりゃ~あんたの車をまだ診とらんから、分からんよね。)(今までどんな人がどんな整備をしてきたかで、整備内容も大きく変わるんよ。)




(でもね。百台以上ハイエースのリフレッシュプランをしてきたら、相談内容で大体分かるよ~。)(それなりに費用は掛かるけど、また愛着が増すような愛車にはなるから任せなさい。)


こんな砕けた感じの言葉で返信メールをしませんが、長文で丁重な言葉に書き換えてメール返信し、過去の整備参考事例と共に整備予算の目安を決めていただいています。



リフレッシュプランはそれなりに大規模な整備をしますし、部品点数も非常に多い。(純正部品の価格も上昇中ですし)

(20万円~40万円ぐらいで何とかリフレッシュ出来ないですか?)と相談された場合は、(申し訳ございませんが、難しいです。)とお答えしています。


車種によって変わりますがリフレッシュプランをお引き受けする整備予算には下限を設けています。(○○万円以上からお引き受けします。)と相談時にお伝えしています。



これはね。経験上この車種なら(この部分とこの個所とここだけは整備しないとリフレッシュしたというレベルには到達しない)と分かっているから。

無暗に整備予算を上げている訳ではないんですよね。


整備予算を妥協すると仕上がりに対して(ユーザーの満足度も下がるし、リフレッシュプランの評判も下がる。)の悪循環。

相応の整備には、やはり相応の費用が掛かるのです。



注意
板金塗装などはジャンル外なので、リフレッシュプランではお引き受けしていません。



だからと言ってユーザーさんも整備予算には限りがあるので、数台の類似ブログをメールに添付し、総額でどれぐらいの費用になったかを提示しています。


(あ~これぐらいの整備規模で、これぐらいの費用が掛かるんだ)と理解してもらえると助かります。リフレッシュプランの予算の参考にしてくださいね。



または(何年何月の○○のブログ作業は総額でいくら掛かりましたか?)と問い合わせしてもらえるとお答え出来ますよ。   ただしあまり古いブログは参考にはならないので、比較的新しいブログを参考にして下さい。


予約して入庫し点検するまでは、ザックリとした概算費用でどんな感じの整備になるのかをイメージするぐらいで良いかと思います。



こんな感じでメールやり取りが進み、予約完了まで数ステップ進みます。

この後に部品代の前金振込や、入庫日の決定などをメールで順次案内していきますが、それは次回ブログで紹介しますね。


(解説シリーズ ハイエース100系リフレッシュプラン 予約編その1)はここまで。次回ブログでは予約入庫までの流れを説明しますね。

それではHAPPY CAR LIFE!!




マツダ スカイアクティブ1,5D ATF完全圧送式交換。 ATのコンディション維持は、正しいATF交換から。 

前回ブログで紹介したマツダ デミオ DJ5FSの整備作業の続きを紹介しますね。


前回ブログでは1日目にスカイアクティブ1,5Dのインテーク系に堆積する煤除去するDSCとDPFやインジェクターの煤やスラッジ等の洗浄するマルチサーブ洗浄を実施しました。http://minato-motors.com/blog/?p=30972

・DSCドライアイスショットカーボンクリーニング
・LLC圧送式交換
・マルチサーブDPF洗浄
・マルチサーブインジェクター洗浄
・ATF完全圧送式交換

一日では全ての作業が時間的に難しかったので、今回は1泊2日のお預かり。  2日目はATF完全圧送式交換を行います。





1日目に試運転をしているので、朝一からATFの状態をチェックし、オイルパンを外します。


オイルパンを外して磁石の鉄粉を除去。
オイルパンと共に洗浄します。


ATFストレーナーも新品に交換して、液体ガスケットでオイルパンを再装着しました。


海外から直輸入している特殊な高性能液体ガスケットを使用していますので、養生時間は僅かでOK。

スグにフルードを補充して、エンジンとATを暖機します。

完全暖機をしてから、密封式ATに弊社が製作したアダプターをATに装着。

ATFチェンジャー(トルコン太郎)とアダプターを接続すれば、圧送式交換が可能になります。




前回ブログで紹介したDSCもそうですし、ATF交換のアダプターも全て自社で開発し製作しています。  

今では密封式ATに対応するアダプター類はネットにて市販されていますが、それらが市販化される数年前から製作し実作業をしているので(買うより作る方がいろんな意味で早い)ですよね。



高価な本命ATFを使用する前に、まずはプレ洗浄。


NUTECニューテック(NC-RFリンシングフルード)で全量イッキに圧送式交換します。



NC-RFはニューテックさんのHPにも掲載されていない非売品。弊社がニューテックさんに提案して製作していただいたスペシャルリンシングフルードです。

詳しくはこちらのブログを見てください。http://minato-motors.com/blog/?p=17434


交換量をセットしてスタートボタンを押し、エンジンスタート。

  

全量イッキに圧送式交換をして、ここまでキレイになりました。


・左奥は新油モニターのNC-RF
・中央ビーカーは作業前の廃油(真っ黒)
・右手前はプレ洗浄後のATF

新油と比べるとマダマダですが、廃油と比べると結構キレイになりましたね。




このまま15分ほどアイドリングタイム。

次は本命ATFで再交換しますね。



ニューテック最高峰ATF(NC-65)

極薄で強靭な油膜性能は市販ATFでは最強レベル。

ハイパフォーマンス、ローフリクションはエステル系全化学合成基油を贅沢に使用しているからで、よくある高性能ATFとはレベルが違います。

サーキット走行時の高温高圧高回転に真価を発揮し、一般ストリート走行レベルの熱負荷ではなかなか劣化しない高耐久性が特徴です。


その結果は長く高性能を維持し、ATFのロングライフ化にもなるのですよ。

頻繁に交換しないATFをロングライフ化が出来ると、結果的には経済的なんですよね。



ニューテックNC-65の評判は既にみんカラ等のSNSで絶賛されているので、もう弊社からのレビューは不要でしょう。

唯一のデメリットと言われた(フルード単価が高額)は、多く有るメリットを差し引くと十分元は取れますからね。


特にマツダ6速ATはATFが劣化してくるとシフトフィーリングの低下や粗さが目立ちますね。 ATを守るメンテナンスはATF交換しかないんですよ。



チェンジャーのNC-RFとNC-65を入れ替えて、もう一度全量圧送式で交換しますね。

ほぼ完璧に入れ替わりましたね。


ここまでキレイになれば次回推奨交換距離は約6万キロ。
次回はオイルパン洗浄ストレーナー交換はしなくても、プレ洗浄と本命ATFの圧送式交換のみでこれぐらいキレイになりますよ。

最後にATFクーラーを洗浄して、フルードレベル調整を行いました。



試運転をして最終確認し、納車となります。




夕方前には作業が完了して、お引き渡し。


作業中は画像をバンバン残しているので、それを見ながら作業内容を説明させていただいています。

また画像が必要な方にはDVDにコピーしてお渡ししていますので、記録用に保管してくださいね。





・DSCドライアイスショットカーボンクリーニング
・LLC圧送式交換
・マルチサーブ洗浄 (DPF、インジェクター)
・ATF完全圧送式交換

これらの作業を1泊2日で完璧に施工出来るのは、日本ではミナト自動車のみでしょう。


スケジュール通りに作業開始・納車引き取りをする為に、弊社は完全予約制でお引き受けをしています。



DSCやマルチサーブ洗浄、ATF交換等のご依頼はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。

必要事項を記入してもらえれば、御見積や予約の案内をメール返信しますね。
また各オプション整備も多数ありますので、そちらの案内もさせていただいています。

それではHAPPY CAR LIFE!!





マツダ デミオ スカイアクティブ1,5D ドライアイスとマルチサーブで完全洗浄1泊2日!! (前編)煤が堆積すれば本来の性能は発揮出来ないよ~!

京都府からお越しいただいたのは、マツダ デミオ DJ5FS 走行距離10万キロ


スカイアクティブ1,5Dのインテーク系堆積する煤除去作業を含めた整備を依頼されました。

・DSCドライアイスショットカーボンクリーニング
・LLC圧送式交換
・マルチサーブDPF洗浄
・マルチサーブインジェクター洗浄
・ATF完全圧送式交換

1泊2日の予定で5点の予約をいただきました。ありがとうございます。



予約当日は朝9時半入庫。
(翌日夕方に納車引き渡しが出来るように進行します)


問診をし、試運転をしてから作業を始めますね。


エンジンから樹脂製インテークマニホールドを外します。



外すとエンジンヘッドのインテークポートやインテークバルブが確認出来ますので、覗いてみますね~。


1,5Dは2,2Dに比べて細いポート内径ですが、更に狭くなるように煤が堆積してますね。

奥に見えるインテークバルブ傘やシャフトにも、煤堆積しているので(原型が分からない)状態です。


こうなるとどんなデメリットがあるのかを簡単に言えば(吸気抵抗が増えて、燃焼室への空気充填率が下がる)でしょう。


最新のエンジンはガソリン・ディーゼル問わず、極限まで吸気抵抗を少なくするのがトレンド。  吸気抵抗を下げて、空気充填率を上げる吸気ポートデザインが煤で乱れれば、本来の高性能が発揮出来ないのは想像できるかと思います。



トヨタ資料参照




インテークマニホールドと内蔵水冷インタークーラーも確認しますね~。


水冷インタークーラーはそこそこの汚れですが、マニホールドの出口は結構煤が堆積していますね。


ブローバイからのオイルで煤がカチカチに固まっています。



こうなると手作業での煤除去は、ほぼ不可能。
完璧に取り除くのは難しいでしょう。

実際ディーラーさんでもお手上げだと思います。


弊社が7年前に開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)ならば、固着した煤塊も完璧に除去が出来ますよ~。


おかげさまでガソリン・ディーゼル合わせて多くの作業実績を積み重ねてきました。http://minato-motors.com/blog/?cat=169 一部になりますがブログ公開しています。

(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)DSCは唯一無二。

ドライアイス洗浄機は市販品を使用していますが、それ以外は弊社が独自に開発した技術と自社製作の特殊装置でDSC作業をしています。




煤がボディに付着しないようにマスキングをして、DSCノズルをセットして軽くワンショットしてみますね。

軽くワンショットすれば固着した煤が剥離しましたね。



複雑な形状のポート内や最深部にあるバルブ傘部の煤も完全除去するために、数種類あるDSC専用ノズルとDSC専用アダプターを組み替えて洗浄作業を行います。


4気筒8ポートを全てキレイに洗浄しました。


これで設計通りの吸気効率になるでしょう。


ビフォーアフターを比べると分かりやすいですよね。

目視では見えませんがシャフトの裏やバルブ傘部も完璧にキレイにしていますよ~。

これで空気充填量が回復し、設計通りのスワール渦が発生すれば、少ない燃料をキレイに撹拌出来て効率的な燃焼が出来ると思いませんか?


おそらくこのデミオも新車時には良い燃焼が出来ていたのだと思いますよ。




水冷インタークーラーも洗浄して、マニホールドに組付け。


エンジンに装着します。






汚れているエアエレメントも交換し、LLCを補充。

そこからラジエターリフレッシャーでLLCを脈動圧送式交換で全量入れ替えます。








エンジンを始動させながら脈動圧送。エンジン・ラジエター・ヒーターコアのLLCを回収しながら高密度フィルターでろ過再生。

再生したLLCを再注入し、約30分ほどアイドリングで入れ替えます。


最後にLLCの防錆・消泡剤を強化するために、LLC再生強化剤を注入し、エア抜き作業も行いました。


次はマルチサーブでインジェクターとDPFを強力洗浄していきますね。


ディーゼル車のメンテナンスが充実している欧州から輸入されたマルチサーブ。 今回は全部で5つの専用ケミカルを使用して洗浄作業をします。

マルチサーブのホースをDPFに繋がるパイプに接続。

DPFクリーナー1液をマルチサーブに投入し作業を進めます。



1液目の洗浄工程が終われば、DPFフラッシュ2液目を投入。

接続したホースを切り離し排煙作業に移行しますが、その前にインジェクター洗浄を行います。


マルチサーブのIN・OUTホースをインジェクターに繋がるフューエルサプライポンプに接続。


ディーゼルシステムパージ1000mlを投入して、ゆっくり時間を掛けてフューエルラインを洗浄しますね。

インジェクター内部のニードル周辺やノズル先端はスラッジやカーボンで燃料噴射の邪魔をします。

これはメーカーも織り込み済みで各気筒の燃料噴射量を補正し、なんとか支障がないように精密な制御をしていますが、それも限度があるのですね。

補正値がバランスを崩すとその分は性能が低下し振動も増加しますので、出来るだけ噴射量のバランスは整えた方が良いのですよ。


作業が終了すればマルチサーブのホースを切り離します。


ここからはDPFやマフラー内に溜まっている廃液や煤などを排出します。


エンジンを掛けてDPFの温度を上昇させ排出するのですが、その時にはスゴイ量の白煙と異臭が出てきます。


一応弊社では排煙回収装置を導入しているので、そんなに問題ではないのですが、やはり全ての白煙を排出するには結構時間が掛かりますね。


むしろこの作業が一番時間が掛かるんですよね~。


納車時にはマルチサーブ洗浄システムに付随しているアフターケミカルをお渡ししています。

・DPFリジェネレーター
・ディーゼルエクストリームクリーナー

燃料タンクに注入し、走行しながら少しずつアフター洗浄。



マルチサーブでも洗浄して、アフターケミカルでも更に洗浄効果を高める2段階で作業が完了します。


DPFの差圧センサー数値もPM堆積量もほぼゼロになり、インジェクターの補正値もゼロになってバランスが整いましたね。


入庫時にはこの3点の数値を記録してから、マルチサーブ後と比べてユーザーさんにお見せしています。




こんな感じで1日目は無事終了。


結構大急ぎで作業しながらも確実な作業を目指しているので、見学等は一切不可としています。   また作業中は工場の扉も閉鎖しているので、アポ無しの来客があっても対応不可になります。


弊社は少人数で一人1日1台限定の完全予約制で作業をしています。
遠方から来店されたお客様の予約作業はスケジュール通りに完璧に完了したいと思っているので、このような対応となっておりご理解の程宜しくお願い致します。





次回ブログでは引き続きデミオDJ5FSのATF完全圧送式交換の内容を紹介しますので、今回のブログではひとまず終了しますね。


それではHAPPY CAR LIFE!!

トヨタ セルシオUCF20 リフレッシュプラン特大号。サスペンションを一新し、新車の乗り心地を取り戻すには。

10年10万キロ以上使用した車両を新車時のコンディションに近づける整備を行っている(提案型整備リフレッシュプラン)は大変好評をいただいています。


(長年使用した愛車をリフレッシュプランで再生したい)という方も多いですが、中古車購入した車両をリフレッシュプランでシャキッと再生させたいと依頼される方もおられます。



今回の依頼されるユーザーさんは後者の方で、中古車市場で探しまくった稀少車を購入し、リフレッシュプランのご依頼をいただきました。




トヨタ セルシオ UCF20 B仕様 走行距離7万キロ
リフレッシュプランのご依頼で予約入庫されました。



相談内容
・昔から憧れてやっと見つけたセルシオで、整備して乗れるだけ乗りたい。

・アイドリング時のシャーという異音が気になる。セルシオってこんな音がするのかな??

・10万キロは到達していないが、Tベルトやウォーターポンプ等も交換したい。

・内装、外装ともにほぼノーマル純正ですが、ショックアブソーバーが社外品(ビルシュタイン)&ローダウンスプリング装着でローダウンが酷い。    底が擦る時があるので新車ノーマル状態に戻したい。



今回整備に掛けられる予算は約100万円。
(本来のセルシオに戻したい!!)こんな感じで依頼されました。

(もう少し年式が新しい車両ならここまで必要は無いのですが、旧車ほど純正部品価格は高騰しているのが現状です。)





文章で書くと簡単に見えますが、実際は入庫前に何度もメールやTELでやり取りし、部品の在庫状況なども確かめながら予約受付しています。



予約入庫してもらい、問診をします。

メール内容を掘り下げてお聞きし、質問があればお答えしています。また今後の流れも説明してお預かりしました。



・アイドリング時はシャーシャー異音があり、信号待ち時のエンジン微振動がボディに伝わり不快で快適性は低い。

・ローダウンと劣化したサスペンションは非常に状態が悪く、乗り心地の悪化。



試運転から総合的に見て世界一の静粛性を誇るセルシオとは別の車両になっているようです。

なかなかヤリ甲斐のある整備が出来そうですね。どこまで新車時に近づけるか?にご期待ください。


ホイールアライメントは基準値から外れていますが、ローダウン車ならこんな感じでしょう。


排気ガステストの数値は問題ありませんが、バッテリーに充電するオルタネーターは数値が少し弱いね。

整備リフトに移動して、タイヤを外し車両全体を点検。


点検結果から整備プランを御見積して、ユーザーさんに作業内容を説明します。
プラン内容でOKをいただけましたので作業を始めますね。



まずは前後のサスペンションやブレーキ、ハブナックル等をバラバラに分解しました。


足回り系は乗り心地と満足度への影響が非常に高いので、ここはガッツリ整備しますね。


また足回り・下回り関係の部品は発注してもスグには揃わないので、入庫前に先行発注しています。

・車両に合わない過度なローダウン。
・無理に取り付けたショックアブソーバーとローダウンスプリングの組み合わせ。


予想通りサスペンションアームブッシュの1G締付していなかったので、フロント・リアともにアームブッシュの状態が破損していました。


ブッシュが悪い状態でショックアブソーバーだけ交換しても無意味。  全ての作業をやり直します。


車高をノーマルに戻すには純正スプリングが必要ですが、残念ながらスプリングは生産終了でメーカー在庫無し。

4本が同一車両から外された中古のショックアブソーバー一式を調達して、スプリングだけを拝借します。(購入店データでは5万キロ走行の中古品。)


それ以外の消耗品は在庫が有りましたので、ショックアブソーバーを組み立てますね。


ショックアブソーバーやマウント、インシュレーターにバンプ。  前後ともにスプリング以外は新品に交換しました。


並行してサスペンションアームもフロント・リアともにアッパー・ロア全数交換します。


リフレッシュプランの整備予算の大部分を占めるのが部品代。


サスペンションアームブッシュは単品供給はないので、基本的にはアームASSY交換。 (一部のブッシュだけ単品供給があります。)


サスペンションが外れている状態から、エンジンを保持しつつサブフレームを外して、エンジンマウント交換をします。


サブフレームを外さずにエンジンを持ち上げてマウント交換をするとハーネスやホースに無理な負担が掛かるので、弊社では出来るだけサブフレームを外してマウントを交換していますよ。



フロントハブベアリングとオイルシールも交換しました。






ブレーキ関係も整備します。

ブレーキのO/Hでリフレッシュ。

・ディスクローターはローター研磨機にて再生し、耐熱塗装
・キャリパーはピストンを外して洗浄し、シール交換
・ブレーキパッドはWAKO’S BPRで組立交換
・ブレーキホースも交換してフルードのエア抜き作業。



エンジンから聞こえるシャーシャー異音。
調べていくとベアリング系から聞こえる。


オルタネーターか?ベルトプーリーか?ACコンプレッサーか?耳を澄ましても反響して分かりずらいので、デジタルサウンドスコープで判定します。


各部品をクリップ付き配線で繋いで、ダイヤルを回すと聞き分けが出来る便利整備グッズ。   デジタル聴診器ですから個別の音が増幅され、個別に聞き分けが出来るのですよ~。




赤・白・黒配線を聴き比べると赤い配線からの異音が一番酷かったので、オルタネーターのベアリング不良と判定しました。




ウォーターポンプやタイミングベルトなども交換しながら、オルタネーターはリビルト品で交換します。




予防整備で劣化しているラジエターやホースなども交換し、LLCも圧送式で全量交換しました。




ATF交換も行いますが、まずはオイルパン洗浄ストレーナー交換一式を実施。


オイルパンを洗浄して磁石の鉄粉を除去。ストレーナーも交換してオイルパンを組付けます。




NUTECニューテック (NC-RFリンシングフルード)でプレ洗浄をし、本命ATFのZZ51改でもう一度圧送式交換を行いますね。



ほぼほぼ完璧にATFが入れ替わりましたね。

全化学合成のZZ51改を使用しているので、次回推奨交換距離は約5万キロです。






・カーエアコンリフレッシュαで冷媒ガスの全量再生しリチャージ。
・製造終了したヒーターバルブの交換
・デフオイルの交換
・ステアリングラックのブッシュ交換
・スロットルボディ清掃初期化

書き切れない程作業をしていますが、長くなるのでブログ記載は省略します。



整備リフトからアライメントリフトに移動して、1G締付を行います。


4輪が接地した状態でアームブッシュを固定しているボルトナットを一度緩め、ブッシュに掛かる無駄なテンションを開放します。

そこからもう一度ボルトナットを締め付ければ1G締付が終了。


これをしないと交換したブッシュが早期に破損するので、サスペンションを整備した時には必ず行いましょう。必須作業ですよ~。


1G締付後に軽く試運転をして、アームブッシュやショックアブソーバー等を馴染ませます。

そこからホイールアライメント調整を行いますね。


調整する前の数値はこんな感じでバラバラ。この数値では真っすぐ走れない事が直感的に分かると思います。


サスペンション整備した時は1G締付とホイールアライメント調整が必須作業なんですが、ディーラーさんでもこの作業をしないし、出来ない場合が多い。


そもそもアライメントリフトとアライメントテスターが無いと、1G締付やアライメント調整は出来ないですからね。





・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター ホークアイWA470
・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメント ロング特注


車体下から数値を見ながらアライメントを微調整します。

フロントのキャンバー・キャスター・SAIを調整しながら、リアのキャンバーとトゥを調整。

最後にステアリングのセンターを合わせながら、フロントトゥを調整しステアリングセンターを調整しました。





最終的にはこんな感じに仕上げました。

左右差15分以内で全て収まったので、良好でしょう。




最後の最後に試運転。  いつものテストコースを回ってグルグルと約1時間試運転をします。

異音がないか?振動がないか?ブレーキのフィーリング、加速や乗り心地を確かめながら走り回っています。



これぞセルシオという仕上がりになりましたね。
・V8エンジンの加速トルクに高い静粛性。
・スムーズなATシフトフィーリング。
・しっかり踏ん張って乗り心地の良いサスペンション。
・コントロールしやすいブレーキング


本来のセルシオに戻ったと思います。


納車の連絡をしてお引き取り。


納車時には約30~60分ほど作業内容を説明しています。
また画像も数百枚ありますので、それをモニターで見ながら分かりやすく解説しています~。


また画像が必要な方にはコピーしてお渡ししています。







純正部品は年々上昇していくのが普通。(価格改正)

特にモデルチェンジで新車製造が無くなれば、数%ほど少しずつ価格が上がる場合が多い。   これは部品の管理コストの関係で仕方がないのですが、問題はソコではありません。



旧車乗りにとって一番厄介なのは、純正部品の製造終了です。


今回のセルシオならスプリングが該当するのですが、メーカーに3本在庫が有っても意味ないですから。 4本揃わないと・・。



エンジンマウントも実は製造終了在庫無しだったのですが、ユーザーさんが情報を集めて、違うモデルのエンジンマウントが互換性有との情報を得たので交換する事が出来ました。



エンジンやブレーキなどの消耗部品は比較的問題ありませんが、駆動系やサスペンションなどのマイナーパーツは車齢20年を過ぎると少し供給に心配がありますね。


本日もミナト自動車ブログにお越しいただきありがとうございます。
また長~いブログを最後まで閲覧していただいて恐縮です。



弊社のリフレッシュプランは基本的にはノーマル純正の新車時に戻す事を目的としているので、ローダウンなどの改造等はお引き受けしていません。

純正状態で長く良い状態に愛車をリフレッシュしたい方は、ぜひご相談ください。  HPお問い合わせフォームに必要事項を記入して送信していただければ案内や参考見積等も返信させていただきます。



出来れば弊社の過去ブログを見て、(○○年○○月の△△△のリフレッシュプランは、いくらの費用が掛かりましたか?)と問い合わせていただけるとお答えしやすいです。



それではHAPPY CAR LIFE!!


全化学合成ハイパフォーマンスATF ニューテックNUTEC NC-65でATF完全圧送式交換。  フェアレディZ RC-Fもサーキット走行前のメンテナンス。

愛車の性能を存分に堪能するサーキット走行を楽しまれる方に、弊社がオススメするハイパフォーマンスATF NUTECニューテック(NC-65)での完全圧送式交換。 好評をいただいています。


通常ストリート走行ではATFの油温は100℃以下で安定しています。

ですがサーキット走行では油温がドンドン上昇し限界を超えると、ATのパフォーマンス低下が発生します。  また最悪の場合はATミッションが破損するでしょう。



そうならない為に皆さんはATFの熱対策(ATFクーラー増設)も実施されていると思いますが、その第一歩としてNUTEC最高峰ATF(NC-65)をオススメさせていただいています。



今回初入庫のニッサン フェアレディZ Z34 走行距離12万キロ
サーキット走行用にATF交換のご依頼をいただきました。

試運転をしてからATFの状態をチェックし、作業を始めますね。


オイルパンを脱着し洗浄しました。

磁石に付着している鉄粉を除去して、ガスケットを交換して組み立てます。


組立後に不足している分のATFを補充し、完全暖機。

そこからATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続して、プレ洗浄を行いますよ。




プレ洗浄に使用するフルードは弊社がNUTEC社に提案して製作していただいているニューテック(NC-RF リンシングフルード)  http://minato-motors.com/blog/?p=17434


ATのフルードホースにATFチェンジャーを接続し、NC-RFで全量イッキに圧送式交換しますね。



・左奥が新油モニター
・中央ビーカーが作業前の廃油
・右手前クリーニングモニターがプレ洗浄後のフルード


新油と比べるとマダマダですが、廃油と比べるとかなりキレイになりましたね。


本命に使用する高価なATFで交換する前に、プレ洗浄専用油で一度全量圧送式交換を行います。   なるべくAT内部をキレイな状態にしてから、本命ATFを交換する事を弊社では推奨しています~。





本命ATFに使用するのがニューテック最高峰ATF(NC-65)


おそらく市販ATFでは最強レベルの油膜性能を確保しています。

・極薄で強靭な油膜性能はローフリクション・ハイパフォーマンス
・エステル系全化学合成基油を使用による高い耐熱性と耐久性


トルコン太郎にNC-65を入れ替えて、もう一度全量イッキ圧送式交換しますね。




ほぼ完璧に入れ替わりましたね。

これでZ34の7速ATを存分に楽しめて、NC-65の真価も体感出来るでしょう。



最後にATFクーラーを洗浄して、フルードレベル調整を行いました。
試運転をして納車になります。







次はリピート来店のレクサスRC-F USC10

この車両もサーキット走行専用車にしているそうで、今回で2回目の来店です。
いつもありがとうございます。



去年1年間サーキット走行を存分に楽しんだそうで、今年の為にATF等のフルードを再交換を依頼されました。

こちらも試運転をしてからオイルパン洗浄ストレーナー交換をして、トルコン太郎に接続し、プレ洗浄を行います。

耐久レースやサーキット走行を繰り返したとお聞きしましたが、排出されたATFはそこまで汚れてはいませんでした。


弊社ではNUTEC NC-65をサーキット走行を楽しむ方へ、かなりの台数を交換してきました。   ですがクタクタに劣化した状態で帰ってきた車両はまだいません。


これが純正ATFレベルなら真っ黒になってフルードは劣化しているのですが、やはり油膜性能が最強レベルのNC-65なら、そんな簡単には劣化しないのでしょうね。




NC-RFでプレ洗浄後に、NC-65でもう一度圧送式交換を行いました。




ここまで完璧に入れ替われば、今年も存分にサーキット走行をが楽しめると思いますよ~。





リアデフ左右にあるトルクベクタリングデフフルードもNC-65で交換しました。



リアデフオイルにはNUTEC UW-76 75W140を使用します。
極限まで油膜性能を高めたNUTEC最強のギアオイルで交換しました。


ちなみにUW-76は¥5500-/L 2本と結構高額です。







<サーキット走行をしない一般ユーザーさんへのATF交換の提案>


最近では弊社でATF交換を依頼される方の約7割はNUTEC NC-65での交換を希望されます。


そのほとんどの方がサーキット走行をはしない、普通のストリート走行のみの一般ユーザーさんです。




ストリート走行しかしないのに(そこまでハイパフォーマンスATFを使用するメリットって??)と思うでしょ。


全化学合成のハイパフォーマンスATFを使用すると、ATFのシフトフィーリング向上や燃費向上はもちろんあります。

ですが本来の目的はソコではありません。一番のメリットは非常に高い耐熱性と耐久性による(ATFのロングライフ化)です。

ATFの劣化は熱による攻撃の蓄積でドンドンATFが劣化します。耐熱性の高いNC-65ならストリート走行レベルの熱負荷ではなかなか劣化しない。


劣化しずらいという事は初期の高い油膜性能が長く維持し、少し割高の価格ぐらいは十分ペイが出来て満足度も必然的に上がる。



そんな訳で新規のATF依頼もリピートでのATF交換依頼も弊社ではNC-65の指名率が常に高いのです。




またNC-65とNC-RFでのコンビネーションで圧送式交換が出来るのは、日本では弊社1社のみ。 それもNC-65指名率を押し上げている要因かもしれませんね。




ATF交換のご依頼はHPお問い合わせフォームからお待ちしています。
(1日1台完全予約制で作業をしています。)

お求めやすい価格の純正同等油のアイシンAFW+から、少しお値段が張るハイパフォーマンスATFのNC-65まで数種類のフルードをご用意しています。

完璧なATF/CVTF圧送式交換を希望される方は是非ご相談ください。
それではHAPPY CAR LIFE!!