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トヨタ ランドクルーザープラド KZJ95 リフレッシュプラン 中編。   フロント足回り・下回り・ブレーキ関係の整備実行。

前回ブログで紹介したリフレッシュプランの続編です。
http://minato-motors.com/blog/?p=31806

石川県から来店したトヨタ ランドクルーザープラド KZJ95 平成11年式 走行距離23万キロ



点検から整備プラン見積、エンジン吸気系の煤除去作業(DSC)を施工して、次は足回り下回りを整備していきます。


北陸の降雪地の使用なので一般的な下回りの錆止め塗装は実施されているようですね。


ですが塗装をしていてもボルトのネジの隙間に少しづつ水分等が侵入し、そこそこ固着があるんですよ。



まずはフロントサスペンションやブレーキを分解。

実際はこれだけでも結構大変。 ボルトナットの固着が作業進行を邪魔します。

ミニダクター2の電磁誘導加熱で、狭い箇所の錆固着したボルトナットを緩めます。(原理的にはIHクッキングヒーターと同じ)


錆固着にはバーナー等の炎で加熱すれば緩みやすいのですが、ハーネスやゴム部品が近くにある場合はバーナーは使えないんですよね。

ミニダクター2なら電磁コイルの内側だけの金属のみが局所加熱されますので、周辺のゴム部品への被害はありません。   錆固着が多い車両整備には必須工具です。


ミニダクター2やバーナー等の加熱でも対処できないのが、フロントロアアームのアジャストカム固着。


ロアアームのアジャストカムがブッシュと錆固着して抜けず、このカムが引き抜けないとロアアームが外れない。

サブフレームやロアアームを傷付けずに、ブッシュとカムをセーバーソーで切断します。  作業スペースが5mm程の幅しかないので、この工具ぐらいしか使えないのですよね。


これでアームブッシュが打ち換え出来ますね。


油圧プレスと治具でブッシュを全数交換します。


同じくアッパーアームもブッシュ交換。




フロントナックルのハブベアリング交換。
油圧プレスでシールとベアリングを打ち換えます。

ナックルのボールジョイントも同時交換。







ショックアブソーバー及び周辺消耗部品もリフレッシュ。

スプリング以外は全て交換します。




ブレーキもO/Hでリフレッシュ。
・キャリパーシール交換
・ディスクローター研磨再生
・ブレーキパッド交換

キャリパーピストンは一部錆腐食の虫食い穴がありました。再利用不可で新品に交換しました。

それ以外は完全洗浄してシールやブーツを組付けます。




ディスクローターは段付き摩耗の錆腐食。

厚み測定で再生可能と判断し、研磨して耐熱塗装を処理します。



ブレーキパッドはバックシムを洗浄し、WAKO’S BPRパッドグリスで組み立て。  リアのバックシムは錆腐食で再利用不可の交換です。



ドライブシャフトもO/Hします。


分解洗浄してIN・OUTのブーツとグリスを入れ替えますね。
使用するブーツグリスKITは耐久性の高い純正品で一択。



Frデフ右側のハーフシャフトベアリングとシールを交換。

油圧プレスで打ち換えます。






エンジンの振動を吸収するエンジン・ATマウントインシュレーター。

何度も作業しているのでもう慣れましたが90系プラドのマウント交換は結構大変です。作業スペースが狭い狭い!!




スタビライザーとリンクロッドのブッシュ交換。
ゴムブッシュを全数交換しますね。





ガタの出やすいステアリング ラックエンドも交換しました。

ここにガタがあるとホイールアライメント調整時のステアリングセンターが決まらないので重要なんですよ~。

・スタビライザーブッシュ交換
・ステアリングラックエンド、ブーツ交換
・タイロッドエンドグリス、ブーツ交換

普段は整備しない箇所は10年に一度はリフレッシュしましょう。





ロアアームを組み立てる時には今後アジャストカムが錆び付かないように、カムに薄くグリスを塗っておきますね。

この部分が錆び付くとホイールアライメント調整が出来ませんよ~。



こんな感じででフロント回りの整備が完了。


次回ブログではリア周りの整備とATF完全圧送式交換。
そしてホイールアライメント調整から納車までの内容を紹介しますね。


それではHAPPY CAR LIFE!!


2022年5月23日

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