1. TOP
  2. ミナトBLOG

福島県 ハイエース KDH206 H27年 21万5千㎞ 中古購入交換歴不明・・・ プレ洗浄複数回!ATF完全圧送交換 for NUTEC ZZ-51改 



本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。



今回のご紹介するのは、
福島県からお越し頂いた トヨタ ハイエース 平成27年11月 
走行距離21万5千km

お客様よりATF完全圧送交換のご依頼を頂きました。

今回のお車は中古車としてご購入されたとのことで、過去のATF交換履歴が不明であることから、今後も安心して長くお乗りいただくために、高性能ATF NUTEC ZZ-51改 での交換をご希望されました。




さて本日は、日帰りでのオイルパン脱着を含むATF完全圧送交換作業となりますので、時間を無駄にせず、スピーディーに進めてまいります!

まずはご入庫後、試運転にて変速タイミングやショックの有無など、ATの基本コンディションをチェック。

さすが、世界中で信頼されてるハイエース
この距離でも大きな違和感もなく、油圧や変速の動きも概ね良好です。




その後、リフトアップして作業開始。


最初のステップとして、ミッションケース周辺のオイル漏れチェックを実施。
長年の使用によるにじみ等がないか、目視とライトを使って丁寧に確認していきます。



やはり経年劣化の影響は否めず、
液体シーリングで取り付けられているオイルパンの合わせ面から、オイル漏れが確認できました。



長年にわたり高温や塩害にさらされている部分でもあり、
シール材自体が硬化・劣化してしまうと、わずかながらでも滲みや漏れが発生しやすくなります。




今回の圧送交換にあたっては、
この機会にオイルパンを取り外し、内部の洗浄・磁石の清掃・ストレーナー交換とあわせて、シール面の再施工(液体ガスケットの再塗布)を実施いたします。

これにより、AT内部のフルード循環環境を整えるだけでなく、
今後のオイル漏れ再発リスクも低減できるようメンテナンスします。



走行距離25万kmオーバーのATFをサンプリング
これまでの整備履歴が不明ということで、現状のフルード状態をしっかり確認していきます。


サンプルで抜き取ったATFは・・・
やはり、かなり劣化が進んでいる状態でした。



長年無交換で使用されていたため、フルードは劣化が進行していました。
焼けたような強い臭いと、黒に近い茶色のフルードが出てきました。


また、粘度も低下しており、長年の使用による劣化がはっきりと確認できます。


この状態を見た時点で、正直「1回のプレ洗浄ではとても足りない」と直感しましたので、オーナー様に状況をご説明し、プレ洗浄をもう1回追加することをご提案。


快くご了承いただき、合計2回のプレ洗浄でしっかり整えてから、本命ATF(NUTEC ZZ-51改)で交換することにりました。



脱着したオイルパンを確認すると、磁石には少量の鉄粉が付着していました。ATFは劣化していましたが、大きな摩耗は見られません。オイルパン底部には大きな異物はなく、薄く沈殿物が堆積していました。



オイルパンを洗浄し、磁石に付いた鉄粉を除去。

オイルパンの脱着を強くおすすめする理由は、内部に蓄積された不純物を効率よく取り除くことに加え、シール材を新しくすることでオイル漏れを防止するためです。


これらの不純物を除去せずにATFの交換だけを行った場合、
磁石に付着した鉄粉や、オイルパン底部に沈殿した汚れがそのまま残ってしまいます。

その結果、せっかくの高性能ATFも十分な期間使用できず、交換時期が早まる原因となります。



勿論、ストレーナーも純正新品に交換します。




ハイエース200系のATオイルパン再貼り付けは、シール性能を確実に保つことが必須で、日帰り作業の場合は特に細心の注意と丁寧な施工が必要です。



まず、古いガスケットやシール材を完全に除去することが重要です。残留物があると密着不良を引き起こし、オイル漏れの原因になります。


ハイエース200系のATミッションケースは、上部から落下するフルードは比較的早く油切れします。

しかし、オイルパン接合面には油膜が残っていると、シール材の密着不良を招きますので、接合面は確実に清掃・乾燥させる必要があります。



この作業は最も緊張を要する工程であり、ここをおろそかにするとオイル漏れが発生し、日帰り作業ができなくなる恐れがあります。




ストレーナー交換とオイルパン貼り付け面の脱脂作業が完了しましたので、これよりオイルパンを取り付けます。

当社では、特殊な高性能液体ガスケットを使用してオイルパンを装着しています。

この液体ガスケットは硬化時間を待たずにフルード補充が可能で、国内で採用している整備工場はおそらく非常に少ないと思われます。

このガスケットの採用により、作業時間が大幅に短縮できるようになりました。




フルード漏れがないことを確認した後、すぐにエンジンを暖機し、ATFチェンジャーを接続します。

まずはNUTEC NC-RF(仮名)でプレ洗浄を行います。




ほぼ透明に近いニューテック リンシングフルード NC-RFは現在弊社のみの取り扱い商品。http://minato-motors.com/blog/?p=17434



このあと使うNUTECハイパフォーマンスフルードに最適化されたリンシングフルードは弊社が提案してNUTECさんに製作していただいた商品となっております。




フラッシングではなくリンシングを採用しているのは、過度な洗浄効果を求めないためです。


そもそも、フラッシングが必要になるほどミッション内が汚れているのは、メンテナンスとしては望ましくありません。



NUTEC社によると、「過度に洗浄効果を高めることは技術的に可能ですが、ミッションにとってはあまり良くないため、リンシング程度の洗浄効果に製品を調整している」とのことです。


それでは、NC-RFを使って全量一気に圧送式交換を行います。


1回目プレ洗浄スタート!



ドレンからサンプリングした廃油とさほど変わらないATFが廃油モニターに流れてきまたね。



ATFチェンジャーに搭載されたモニターを通してフルードの状態をリアルタイムで確認することで、汚れ具合や劣化の進行状況が一目でわかります。


交換中のATFの状態を視覚的に把握できるのは、圧送式交換ならではの大きなメリットのひとつです。



1回目のプレ洗浄が完了しました。



クリーニングモード中のモニター比較したところ、わずかに透明度は回復しているものの、本命のハイパフォーマンスATFを投入できる状態には達していないと判断しました。

やはり、1回のプレ洗浄では長年蓄積された汚れを十分に除去することは難しいようです。

オーナー様より複数回のプレ洗浄実施について事前に了承をいただいておりますので、このまま引き続き追加のプレ洗浄を行います。




15分の洗浄インターバルを取りミッション内部を洗浄した後、2回目プレ洗浄スタート!(ニューテックNC-RFリンシングフルード)



2回目のプレ洗浄が完了しました。
ここで各フルードの状態を比較してみます。

  • 左奥:新油モニター(NC-RF リンシングフルード)
  • 中央:廃油ATF(走行距離21万5千km交換歴無ATF)
  • 右手前:2回のプレ洗浄を経たATF(クリーナーモニター)



プレ洗浄を2工程実施したことで、ようやくZZ-51改を投入できるコンディションに整いました。

せっかく高性能かつ高価なATFを使用するので、その性能を最大限に引き出すためにも、下準備は抜かりなく。




今回の本命ATFには、ニューテック製「ZZ-51改」を採用。
エステル系ベースの全化学合成ハイパフォーマンスフルードです。



低温域から高温域まで安定した油膜を形成し、高い潤滑性能を発揮。
スムーズなフィーリング向上はもちろん、フルード自体の耐久性を高めることで、AT本体の保護にも大きく貢献します。



ZZ51改でもう一度全量圧送式交換を行います。



ATFは新油と遜色ないレベルまでクリアに入れ替わりました。
フルードクーラー洗浄とレベル調整を経て、ATF交換作業は無事完了です。



一般的な車両であれば、オイルパン脱着とNC-RFによる1回のプレ洗浄で、十分な洗浄効果が得られます。


ATFは「汚れてから」ではなく「汚れる前」に交換することが、ミッション保護の基本です。


内部がリフレッシュされた状態を長く保つためにも、早めの交換を推奨します。

次回の交換目安は、約5万km走行後が推奨タイミングです。




最後にオプション整備 (カーエアコンリフレッシュα)を施工します。

年々減少する冷媒ガスを、リフレッシュ&リチャージ。

ニューテックNC-200 高性能コンプレッサーオイルも同時注入。



作業中に撮影した数百枚の画像をご覧いただきながら、オーナー様へ作業内容のご説明と、今後のメンテナンスについてのアドバイスをさせていただきました。
その後、無事にご納車となりました。



ご希望があれば、撮影した画像データのコピーもお渡ししております。



本日もミナト自動車ブログ(日々是好日)にお越しいただきありがとうございます。

累計数千台以上のATF/CVTF交換実績がありますので、全国各地から続々と入庫しています。 

http://minato-motors.com/blog/?cat=8


・ATF/CVTF交換
http://minato-motors.com/blog/?cat=8



・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
http://minato-motors.com/blog/?cat=169



・マルチサーブ 洗浄システム
http://minato-motors.com/blog/?cat=270



・提案型整備リフレッシュプラン
http://minato-motors.com/blog/?cat=12



弊社はこの4点を中心に作業をお引き受けしていますので、御見積・ご予約のはHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。




弊社の近くにある仁徳天皇陵古墳で地上約100mの上空から古墳や堺の街並みを
眺望し、歴史的な価値や雄大さなどの魅力を体感できるガス気球

「おおさか堺バルーン」

がスタートしました!お越しの際はぜひチェックしてみてくださいね。


大阪・堺市 大仙公園 発着


https://osaka-sakai-balloon.com/




それではHAPPY CAR LIFE!!

2025年10月24日

このページのトップへ