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解説シリーズ ハイエース リフレッシュプラン。実作業編その2 純正・社外の部品の使い分けは慎重に。

(解説シリーズ 実作業編その1)でハブとディスクローターを整備しましたね。http://minato-motors.com/blog/?p=31171


(実作業編その2)では作業工賃が重複する個所も同時に整備します。


リフレッシュプランでは関連するかつ工賃が重複する個所を中心に、全体的な予算を見て整備計画を実施しましょう!とアナウンスしています。


ディスクローターを整備したので、関連性のあるブレーキキャリパーもO/Hします。


昔はよくフルード漏れを起こしていたキャリパーも今ではすっかり漏れる事も無くなりました。(シール自体のシーリング性能が向上。)


ですがキャリパーのゴムシールは(フルード漏れを防ぐシーリング性能)だけではなく、(シール柔軟性によるパッドクリアランス調整機能)の含んでいるのです。


10年10万キロも使用すれば、シールの柔軟性が低下し調整機能が低下する。


(フルード漏れが無いから、キャリパーの整備はしなくても良い)は間違っているのです。

キャリパーからピストンを外すと、内部のグリスが硬化していました。

黒く硬化したグリスがシールに引っ掛かり、異音や片効きの原因になりますよ。またグリスが劣化していると防水性が低下しますので、錆の原因にもなります。



キャリパーをキレイに完全洗浄しました。
ピストンも洗浄してコンパウンドで磨き上げ。


輪ゴムみたいなのがピストンシールとダストブーツです。

・シールの硬化による柔軟性の低下。
・ピストンに付着したグリスの硬化による引っ掛かり。
・ダストブーツの気密性低下で雨水侵入。

ピストンがスムーズにスライドし続けないと、異音や振動、片効きやパッド偏摩耗になるのですよね。




ホルダー側のスライドピンも重要な役割があります。

内部に水の混入などで錆びたり、グリスが硬化すると、キャリパーが平行にスライドしません。  そうなれば異音や振動、偏摩耗の原因になるのですね。




スライドピンホールの硬化したグリスを、パーツクリーナーで洗い流し。
スライドピンも洗浄してブッシュを交換します。

スライドピンとホールにグリスを馴染ませて、ダストブーツを打替えますね。

パットが装着する部分の座金を磨いてあげればOKです。


必要な個所にだけ適切なグリスを使用し、必要のない箇所にはグリスは塗らない。


ブレーキパッド交換時にキーキー音が鳴るからと言って、ホルダー部の座金にグリスを塗るのはNGです。 異音の原因はそこじゃないんですよね。



ブレーキパッドも交換します。


パッド裏にあるバックシムの硬化したグリスは、パーツクリーナーで拭き取ります。

パッドとシムの間にはWAKO’S BPR高性能パッドグリスを前面に薄く塗りますね。


こうするとグリス粘度で振動による共振を防ぎ、異音が出ません。
また全面に塗る事によりシムとパッドの間に水分が入らないので、シムが錆びません。


安価なブレーキパッドグリスだと(持って2年)ですが、このグリスなら4年は低温から高温まで安定したグリス性能を発揮してくれますよ。

ナックルもこんな機会しか整備をする時がないので、シール交換・グリス交換・ロアボールジョイント交換を行いました。





ドライブシャフトもO/Hします。

実はこのドライブシャフトは他社で社外品ブーツでのO/H済み。  ですがブーツ自体が悪いので、弊社で再O/Hする事になりました。

まずはインナーブーツ。
社外品を使用しており、特に破損はなさそうに見えますよね。

このブーツの蛇腹の山は本来は4つ。ですが左から数えて3つ目と4つ目の山が接触しています。

蛇腹の一部が摩耗して接触しているのが分かりますか?




指で広げると摩耗している個所が見えました。


断面を見てみると、どうですか??
ゴムが擦り減って摩耗していますよね。


このまま使用すればどこかのタイミングでまたブーツが破れて、中のグリスが飛び散るでしょう。



次はアウター側のブーツです。
真ん中に筋が見えますよね。これ分割式の通称(割れブーツ)です。


中を確認すると、充填されているグリスが少ない。というかほぼ無い。


そうなんです。割れブーツの場合は(割れ)の部分に接着剤を付けて組付けます。  グリスが多いと接着不良になりやすいので、あえて付属のグリス量が少ないんですよね。


適量時よりもグリスが少ないと、グリスの劣化スピードは速くなります。

同じグリス性能で片方が規定充填量の半分、片方が規定充填量なら(劣化しずらい長持ちする)のは断然グリスが多い方です。


割れブーツの付属グリスは耐久性よりも作業性を優先したグリス量なんでしょうね。

ドライブシャフトを洗浄しました。
純正シャフトブーツグリスKITで組立しますね。

アウター側のグリスを規定充填量を使い、アウターブーツを組み立てました。

割れブーツの3倍以上はグリスがありますね。


そしてこの状態でブーツを装着し走行すると、遠心力でベアリング内のグリスが常に循環します。


次にこれがインナー側の純正ブーツです。蛇腹の山は社外品と同じ4つ。

ですが純正ブーツは赤い印の間隔が、他の山谷の間隔よりも広めになっているんですよね。

そもそもゴムの蛇腹が接触しないように設計されています。




グリスを注入しブーツ装着して、インナーブーツを新旧比べてみましょう。

純正品と社外品との違いがよく分かりますね。



少し安い社外品を使って、その場しのぎの整備で、目前の車検を合格するだけなら、別に問題はないでしょう。(数千円の節約が出来ますからね。)



ですがリフレッシュプランは10年10万キロ以上使用した車両を、もう一度新車時に近づける整備メニューですので、こういう社外品は使わないようにしています。


ただし年式が古く、部品製造が終了していれば話は別です。

点検時に気が付いた錆の摩耗粉。
いつもならこんなところに錆は無いんですけどね・・・。



手で部品を揺するとガッタガタ。摩耗でクリアランスが広がっています。


通常こうなれば試運転時の異音で見当はつくのですが、今回の試運転では分からなかったのです。

何故ならリアゲートのウェザーストリップゴムの破損と、リアスライドドアのレール破損で、試運転時はドアからの激しい異音があり、その他の音が全く聞き取れなかったのです。


走行中に大小強弱の異音が多すぎると、危険な異音までが掻き消されるので注意が必要です。



幸いデフケース側ではなく、ベアリング側が摩耗していたので、予定通りハーフシャフトの中間ベアリングを交換しました。


これでこの個所の危険な異音は無くなりました。

こんな感じで作業は進み、次回ブログでは錆固着の難題を解決します。


ロアアームの錆固着からロアアームなどのブッシュを打替え作業を紹介しますね。  それではHAPPY CAR LIFE!!



解説シリーズ ハイエース リフレッシュプラン。実作業編その1  ハブとディスクローターの関係性。

香川県からお越しになられたのはトヨタ ハイエースLH178 ディーゼル4WD 走行距離25万キロ

提案型整備リフレッシュプランのご依頼です。

解説シリーズ1~4で予約から整備プラン決定までのプロセスを紹介しましたね。
http://minato-motors.com/blog/?p=31100 その1
http://minato-motors.com/blog/?p=31115 その2
http://minato-motors.com/blog/?p=31124 その3
http://minato-motors.com/blog/?p=31143 その4


今回からは(解説シリーズ実作業編)に突入します。


まずは予定していたサスペンション・ブレーキ・ハブ等をバラバラに分解していきます。



100系のフロントハブは200系のようなベアリングASSYではなく、個別分解が可能な構造になっています。


ベアリングASSYの場合は基本的にはメンテナンスフリー。(悪くなればASSY交換)

ですが分解可能の100系は定期的な給油やプレロード調整が必要なんですよね。

ハブの裏側。 インナーベアリングはシールが劣化してグリスが漏れていますね。


ハイエースは乗用車のようにブレーキキャリパーを外せば、ディスクローターが外せる構造ではありません。

ハブを分解し裏側のボルトを外すと、ディスクローターが外せるのです。



ハブの分解整備は10万キロ毎だとすると、ディスクローターもその時に整備した方が余計な工賃が節約できますね。

ハブとディスクローターを分解しました。

何もせずにボルトを外してこの状態にするのは、NGです。ボルトを外す前に(ある作業)をしてから、ディスクローターを外しました。

そのあたりは何をしたかは伏せますね。


外したベアリングを観察すると、よく分からないメーカーのベアリングでした。
調べてみると中国製?なのかな?以前にどこかで交換歴があるようですね。


今回は調整ではなく、O/Hしてベアリング類は全交換します。

純正はもちろん日本製。 正直こういう部品は日本製以外を使う選択肢は弊社には無いかな。  


こうなると以前に交換したシールも、純正を使っていたかが疑わしい。


ハブの中もベアリングにもグリスを充填して、シールを打ち込みO/H完了。



ディスクローターもレコード盤状の筋が入っていますね。

このままブレーキパッドを装着すると異音が発生する可能性があります。
それに熱による歪みが発生している場合もあるでしょう。


国産車の場合ディスクローター消耗品ではなく、再生可能部品です。
弊社ではブレーキパッド交換時には、ディスクローター研磨は必ずセットで行っています。


限度厚を確認しながら研磨機にて再生しますね。


スター社製のディスクローター研磨機。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924詳しくはこちら。



均一に薄く薄く、表面を一皮剥くように削っていきます。


研磨と言うとガッツリ削っているイメージがありますが、実際はほんの少し削って整えている程度。

逆に歪みや凹凸が酷く、何度も削らないといけない場合は、厚みが薄くなりすぎるので要交換ですよ。


つや消しブラック耐熱塗装を実施して、再生完了。


ブレーキパッドが当たる部分は、研磨されて鈍く光を反射していますよね。
ローターがツルツルの鏡面仕上げに光っていれば、逆にブレーキの効きは悪いですよ。

一度愛車のブレーキディスクを覗いてみてください。
レコード盤状の筋や鏡面仕上げになっていませんか??



ハブとディスクローターを組付けて、ハブベアリングのプレロード調整を行います。その時にはバネ測りを使用しながら調整していす。

その後にディスクローターの振れをダイヤルゲージで確認。基準値以内であればOK。

基準値外だった場合はハブを外して、ディスクローターを外して、また組み直し。 そしてプレロード調整に振れ測定。


結構大変です。


そうならないようにディスクを分解する時には一手間掛けて、組付ける時も何ヵ所かに一手間を掛けると大体1発で決まる。


振れが収まらないと高速走行時のブレーキングで、ジャダーが発生しますよ~。






とりあえず今回のブログではハブO/Hとディスクローター研磨を紹介しました。


これを見ればハブとディスクローター研磨は同時に実施した方が、イイのは分かりやすいですね。


別々の時期に個別整備するのは無駄が多い事が、ご理解いただけたでしょうか?







ハブO/H・ディスクローター研磨と関連する作業と言えば、
・ドライブシャフトO/H
・ナックルシール&グリスアップ
・ブレーキパッド交換
・ブレーキキャリパーO/H

これらも作業重複度が高く、同時に行った方が良い箇所ですね。


次回ブログ(実作業編その2)で上記の整備内容を紹介していきます。
それではお楽しみに!!









解説シリーズ ハイエース100系リフレッシュプラン 予約編その4。腹が決まらないとヤッチャダメな理由。揺れ動くうちはまだ早い。

少し前から連載しているリフレッシュプラン(解説シリーズ 予約編)
http://minato-motors.com/blog/?p=31100 その1
http://minato-motors.com/blog/?p=31115 その2
http://minato-motors.com/blog/?p=31124 その3




その4からは入庫し点検をして、整備プラン制作と御見積までの流れを紹介しますね。


香川県からお越しいただいたハイエース LH178 ディーゼル4WD H16年式 25万キロ走行

最初にするのは試運転。
どの程度のコンディションかを調べます。

・ユーザーさんが言っていた不満点・不具合点が再現できるか?言葉と実車が一致するのか?

・エンジンの加速と振動、ブレーキの効き、サスペンションの劣化・駆動系からの異音など、ファーストインプレッションをメモします。

何年も使用しているからこそ(気が付く点)と、その車両に慣れ切った感覚で麻痺し(気が付いていない点)を炙りだします。





『この車ブレーキの効きが甘いですよね?』と聞いても(いや~そうでもないですけど)と返答される。

『ステアリングのセンターが右にズレていますよね。』と聞いても、(えっ?そこまで意識はしていなかったです。ズレていましたか?)との返答。



(そうそう、そうなんです。そこが気になるんです。)と言う方もいれば、(えっそうですか?気が付かなかったです。)と答える方も多い。




人間の感覚なんて案外そんな感じなんですよね。


試運転が終わればホイールアライメントを測定し、入庫時点のホイールアライメント数値を確認します。


インプレッションと数値を見比べたり、事故などの損傷が残っているかを判定します。


ワンオーナー車なら良いですが、中古車購入の場合は事故損傷が残っている可能性もあるので、目視だけではなく数値で確認しています。


ハイエースは高速走行時の直進安定性はそんなに悪くない。

セダンやスポーツカーとは比べると低いですが、箱型で車高も高く貨物車にしては高速道路での移動は意外と良くて楽なんですよね。

でも上記のようなアライメント数値で、サスペンションの部品もクタクタなら、(そりゃ長距離は、しんどいわぁな~)っと。



距離を走っているからと諦めているハイエースユーザーはいませんか??
それは単純にサスペンションのトータル整備が出来ていないからですよ!!




ガソリン車ならここで排気ガスをテスターで調べて、エンジン燃焼状態を判定しますが、今回はディーゼルなので省略。


また200系ならスキャンツールを使用し、ECUのライブデータを確認しますが、100系はそんなに多くのデータは読み出せないので今回は省きます。


バッテリーアナライザーで充電発電状態を点検し、リフトアップしてタイヤを外し、下回り・足回り・エンジンATなどを点検。


アナログ・デジタル両面から点検し、車両コンディションを見極めます。


オイル漏れやガタ・錆腐食なども診ながら車両全体をチェック。


ハイエースやクロカン車、降雪地域からの依頼は、点検時にサスペンション部品の主要ボルトナットを一度緩めます。(仮緩め作業)


仮緩め作業って何??と思いますよね。
整備プラン見積をする時には必要なんです。


ハイエースの典型的な要確認個所と言えば、フロント ロアアームのアジャストボルト錆固着。


ロアアームとサブフレームを結合している個所のボルトが、錆で固着し引き抜けないと、ロアアームがボディーから外れません。

またこのボルトは固定する為のボルトだけではなく、フロントキャンバー・キャスターを調整するためのアジャストボルトになっています。


のちにロアアームのブッシュを全数打替えするので、車体からロアアームを外さないと作業が進まないのです。



サブフレーム側のボルト穴が楕円形になっていますよね。固定するだけなら丸い穴なんです。

ボルトワッシャーも丸型ではなく、扇状の形で穴の位置も偏心しており、これを回転させてアームをズラし、ホイールアライメント調整を行う重要個所。



スポーツカーのホイールアライメント調整は実施する方が多いです。  ですが貨物車にホイールアライメント調整を実施するユーザーは少ないので、ここが錆固着していることに気が付いていないんですよね。




いやぁ~もったいない。 ハイエースはアライメント調整個所が多い車種なので、新車時から定期的にやった方がイイんですけどね。



このようにボルトが外れない、もしくは折れるなどを工賃に反映させて御見積をするので、点検時には(仮緩め作業)が必要なんです。

今回は段付偏摩耗したブレーキパッド、破れているダストブーツ、不自然な個所にある摩耗粉などを確認して、整備プランを制作しました。



・お聞きしている整備予算
・問診時に聞いた不具合点や改善ポイント
・点検から分かる要整備個所

予算と現状と今後の使用を考慮して、オススメの整備プランを制作し、予算に収まるように御見積をしています。


リフレッシュプランの本質はリフレッシュ整備をする事だけではなく、愛車をリフレッシュするプランニング(計画)にあります。


リフレッシュプランという画一的な整備メニューがある訳ではなく、各車両毎に整備計画を制作し提案する。


分かりやすくカッコよく言えば(オーダーメイドの整備提案)ですかね。


基本的には1台1台違うので、(ブログその1)で聞かれる、『リフレッシュプランっていくらですか??』の問いには正確には答えられないのです。
http://minato-motors.com/blog/?p=31100


だから過去の類似作業の概算金額を参考程度で、問い合わせ時にお伝えしているんですよね。

稀にあるのが(リフレッシュプランの作業はするか?どうか?は分からないけど、リフレッシュプランの点検と見積だけして下さい。)という依頼。

申し訳ございませんが、お断りさせていただいています。



(見積次第でやろうかな??)(乗り換えも視野に入れてる!)という曖昧な方は、絶対にリフレッシュプランのような大規模整備は止めた方がいいです。(高確率で後悔するので)




リフレッシュプランを実施する方はもう(腹は決まっています。)

長年使用した相棒をもう一度新車時に近い状態に戻す整備は、相応の費用が掛かるので、相応の覚悟も必要です。

弊社側が(どうですか~やりませんか~)と提案する前に、本人が(やりたいんだ!!)と決めている場合が多いですね。



老婆心ながら(気持ちが揺れ動いている時)は、リフレッシュプランを実施するのはまだ早いと思っています。



このようにして点検をして整備プランを制作し、お見積りも行っています。

点検結果と整備内容は箇条書きにし、御見積書はメールに添付して送信しています。


・○○の個所はこうなっていますので、このように整備します。

・△△が破損しており異音の原因はここですから、要整備個所です。

・気にしていた○○は、現時点では経過観察で良いと思います。もし整備するならこのようにしてはどうでしょうか?



PDF化した御見積書とメール文を読んでもらい、弊社に折り返しTELをしてもらいます。

お互いが御見積書を見ながらTELで整備内容を説明。
予算オーバーの部分は協議の上削除し、不足分があれば再計上します。

予算と現状を相談しながら、ベストもしくはベターな整備プランを決めるのですね。



弊社の意見を押し付ける事もないですし、ユーザーさんが勘違いしている時は詳しく説明をしていますのでご安心ください。


(もしこのハイエースが私の愛車なら、限られた予算でどのように整備するか?)

リフレッシュプランを提案する時に、いつもこの言葉を思い返しています。



一般ユーザーで車に詳しい人でも、整備手順までは詳しくない。

ドライブシャフトの整備はブレーキとハブナックルの奥にあるので、3点を同時に整備した方が重複工賃が省略されます。


サスペンションをバラバラに分解した状態なら、簡単に交換が出来るエンジンマウントも、サスペンション・ブレーキはそのままでマウントのみ交換すると大変な場合もありますよ。



整備歴や車種特有の分解手順などを整備士側が理解して、無駄な整備工賃が掛からない方法で整備プランを計画する。


個人的には無駄な工賃を使うなら、その分は部品代に充てた方が絶対良いよと思っていますので。


これでやっと予約からプラン提案・作業開始まで説明が出来たのかな。


次回ブログからは解説シリーズ(実作業編)になります。
ハイエースLH178がどのように整備して、どのようになっていくのかを解説したいと思いますね。


お楽しみに~!!HAPPY CAR LIFE!!

解説シリーズ ハイエース100系リフレッシュプラン 予約編その3。問診してお預かり、代車も完備しています。

香川県からお越しいただいたのはハイエース LH178 平成16年式 25万キロ


リフレッシュプランの予約から入庫までの流れは、予約編その1~2で説明しましたね。

http://minato-motors.com/blog/?p=31100予約編その1
http://minato-motors.com/blog/?p=31115予約編その2


今回のブログは入庫してから、作業着手までを案内します。


予定通りに入庫したハイエースLH178は家族4人でお越しになられました。この後に大阪観光をして神戸市のアンパンマンミュージアムに行くそうです。


お父さんだけ応接室に入ってもらい、家族の方は少しハイエースでお待ちいただきます。 


問診時には込み入った話や専門的な説明を約30分以上するので、依頼者様のみ入室してもらい、マンツーマンでお話ししています。



こんな時期なのでマスクをしてパーテイション越しにお話ししていますよ~。




問診ですがメールでの相談内容をもう少し詳しく聞きますね。

例えば異音なら、カタカタなのか?コトコトなのか?キュルキュルなのか?異常個所を特定するには非常に重要。

またエンジン冷間時の朝一?完全暖機後?アイドリング時?加速時?どのような時にどのような感じで異音が発生するのかも大切。



今までの整備歴はもちろんですが、以前はどのような整備工場で整備をしていたのか?  ディラー?民間?中古車購入店? これも意外に重要。


ここ数年の整備状況や今後の使用環境などを聞いて、予算に合わせた整備プランを制作する手掛かりを集めます。

DSCやATF交換などのあまり聞きなれない整備を弊社は得意としているので、そのあたりも簡単に説明し、不明な点や疑問点などがあればドンドン質問してくださいね。



予約時には代車の有無も聞いています。
コンパクトカーなどの乗用車(ETC・ナビ付)で、冬季はスタッドレスタイヤを装着してお貸ししており全車禁煙車になります。



代車費用は無償です。
ガソリン代だけは自己負担でお願いしています。 また立体駐車場に入る車高155cm以下の車両や喫煙車はありませんのでご了承ください。


ハイエースに限っては予約時に愛車の使用用途をお聞きしています。

仕事道具を満載する仕事車なのか? 荷室をベット架装しているキャンピング車なのか? 普通の乗用プライベート使用なのか? それによって代車も変えています。


さすがにハイエースを代車には採用していませんが、荷物が多く積める車両を一部代車にしています。 

それはホンダ フリードスパイク。
普通のフリードは3列シート車ですが、スパイクになると2列シート仕様で、なおかつ2列目のシートが床に沈み込み格納されます。   そうするとかなり広いフラットな荷室が確保出来ますので、ハイエース仕事使用の方にはこちらをお貸ししています。  工具箱や資材を積んでもらっても大丈夫です。




このような感じでお車をお預かりして、ユーザーさんは一度お帰りになられます。


・代車で帰る。
・代車は不要。公共機関で帰る
・来店時は陸送で搬入し、後日引き取りに来る。
・往復ともに陸送で。 あとはメールとTELで打ち合わせのみ。

予約来店と言っても自走で来る方もいれば、陸送を希望される方も多いです。


西は四国や中国地方は自走。東は東京・長野ぐらいなら自走が多い傾向。

九州は新門司や別府・宮崎・志布志から大阪行きのフェリーがあるので、フェリーで来店する方が安いかな。  関東より東側や富山県より北側になると、自走だと疲れるので陸送希望が増える傾向ですね。


陸送は弊社が手配し最寄りの陸送会社の基地にユーザー自らが搬入してもらいます。それが一番安く、自宅までの引き取りなどは高額になります。 

どうせ大阪に来たのなら観光でもして帰る方も多いですよ。

私ならビジネスホテルに1泊して、夕食は近所で飲み食いし、ゆっくり寝てから帰るかな。(知らない街の知らないお店で美味しいものを食べたいので。)





こんな感じでやっと車をお預かりする事が出来ました。
ここからお車のコンディションを把握するために試運転や点検を行い、リフレッシュプランの整備プランと御見積書を制作します。



続きは次回ブログ予約編その4で紹介しますね。
その3も見ていただいてありがとうございます。

次回をお楽しみに!!Happy Car Life!!

解説シリーズ ハイエース100系リフレッシュプラン 予約編その2。部品代の前金振込から予約入庫まで。

前回ブログ(解説シリーズ 予約編その1)の続きです。
http://minato-motors.com/blog/?p=31100


愛車ハイエースの整備予算もある程度イメージが出来て、予算も想定内だったのなら予約申し込みに進みます。



リフレッシュプランはここ数年間の傾向でみると(1カ月待ち)から(3か月待ち以上)まで予約状況は常に変動しています。

手前味噌ですが意外と好評をいただいているので、3~5台は常にで、多い時はMAXで10台ぐらいはお待ちいただいた時もあります。  つまり予約して直ぐにお預かり出来る訳では無いのですよね。




(現在の予約状況ですと、お預かり出来る時期は○○月中旬頃になりますが、それまでお待ちいただけますか?)と予約時には質問しています。





よくね。車検と同時期にリフレッシュプランを実施しよう!と思う方がおられますが、それは止めた方がいいですよ。  (だいたいお互いの時期が合わないし、そもそも車検は地元で実施してね!とお伝えしています。)



お引き受け出来る時期まで待つ事を承諾してもらえれば、少し現状の不満点や不具合点などをお聞きして、予約は完了。   こちらから連絡するまで少しお待ちいただいています。




そして入庫予定日の約1カ月前に部品代の(前金振込案内メール)が弊社から届きます。


まだ会ったことも無く、車両も診ていない初めての整備工場にお金を振込むなんて!!と思われるかと思いますが、これも理由があります。




サスペンション・ハブ・駆動シャフト系などの下回り足回りの整備は、部品点数が多いです。

入庫してから部品を発注しているようでは、とてもじゃないがスグに揃わない。



車検で実施するようなベルト・ブレーキパッド・エアエレメントなどの一般消耗品は、メーカーも在庫切れする事が無く、TEL1本でスグに入荷します。




逆にリフレッシュプランで整備するような個所の部品は、メーカーも豊富に在庫をしていないので入荷に時間が掛かります。  早くて1日・2日で入荷し、欠品バックオーダーになると1カ月以上も納期が掛かる場合もアリ。


入庫してからそんなノンビリと部品を集めていたら、工場は部品待ちの車両だらけ。スケジュールも全く組めないし、納車日も決めれない。


経験則から予算と不具合箇所や改善ポイントを予測して、事前に必要な部品は一式先行発注しています。  その為には部品代は前金でお預かりし、納車時の請求金額から前金分は差し引きしています。




イメージ的には5~6割ぐらいの予算分は部品を先行発注しておいて、残りの4割ほどは実際に車両が入庫して点検後に見積を再計算し、発注しています。


これも今まで経験があるから、どれだけの費用が掛かるかがスグに弾き出せる。  逆に今まで整備した事が無い車両の場合は、結構時間が掛かり読みずらい。



餅は餅屋と言うのは大規模な整備をするとよく当てはまるな~と思います。


指定口座に振込されたら確認後に部品を発注し、入庫予定日までしばらくお待ちくださいね。



1~2週間前ぐらいに入庫日と来店時間を決める相談をします。



・予約を申し込んだ時は(だいたい○月中旬頃入庫)
・前金振込の時は(○月何日前後から入庫かな?

・入庫日の1~2週間前になれば(何日の何時頃の来店)
と言う感じで徐々にスケジュールを決めていきます。



そんな感じで香川県から入庫したハイエースLH178。


次回ブログでは入庫から問診をして、試運転や点検後の整備プラン提案と概算見積の流れを紹介しますね。


それではお楽しみに!!