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マツダCX-3 インテークに蓄積する煤除去作業。 DSCドライアイス洗浄で完全除去しました~。

兵庫県からお越しいただいたのはマツダ CX-3 DK5FW 走行距離7万キロ


スカイアクティブ1.5Dのインテークに蓄積する煤除去作業。
DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を依頼されました。

・ディーゼルのインテーク系の煤蓄積。
・DPFの再生距離が短くなる。
・エンジン警告灯の点灯


ネットでそれらのワードを検索し情報収集して、弊社に辿り着きメールにてご相談がありました。



またエンジンオイルが少し漏れているのをディーラーさんに相談すると、インテークマニホールドの交換と診断されたようです。



エンジンルームの上部からは漏れが確認できないので、DSCが出来るようにインテーク系の部品類を分解していきます。


インテークマニホールドを外して漏れた個所を確認。

エンジンブロック、シリンダヘッドを確認し、漏れの最上部を辿っていきます。

2番シリンダのインテークポート右側からオイルが漏れた形跡がありますね。






(下の画像でみると右から3番目ポート下からオイルが流れているのが分かると思います。)

なぜインテークマニホールドとシリンダヘッドの間にあるガスケットからオイルが漏れるのか??

それは樹脂製インテークマニホールドを外して、エンジンのインテークポートを覗けば良く分かります。



もともとSKY-2.2Dより、更に細い1.5Dのインテークポート内径。

そこに煤が蓄積すると内径はより細くなり狭くなる。
ターボからガンガン過給圧が掛かると、圧に耐えれなくなるのでしょうか?

ブローバイオイルがガスケットの隙間から滲み出ている車両も多いですね。
肉眼で現車を見ると画像以上に煤の蓄積の酷さが良く分かります。


インテークマニホールドから内蔵水冷式インタークーラーを外します。

ここの煤に関してはこれぐらいなら問題ないでしょう。
許容範囲だと思いますよ。

インテークマニホールドの出口には8個の穴が開いていますが、こちらは煤の蓄積で酷い状態でした。


内部にもビッシリ煤が溜まっているので、ディーラーさんに相談すれば要交換と言われるのは仕方がないでしょう。

軽くホジホジするだけでゴボゴボと煤が出てきます。   そして途中でオイル混じりのネチョネチョな煤になってくるので、手作業で地道な除去は難しい。

DSCのドライアイスショットをする前に、ボディを完全防備のマスキング。

飛び散る煤がボディに付着しないようにガードしますが、上記画像はその途中になります。

・ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
・昇華爆発力と熱収縮で強固な煤を完全除去。
・ドライアイスの特性を生かした究極の洗浄方法。



ドライアイス洗浄自体は各製造プラントの機械洗浄、金型洗浄などに使われており、そんなに珍しい洗浄機ではありません。



その洗浄機がDSCに最適化するようにDSC専用ノズルと専用アダプターを数種類、弊社が独自開発し製作しています。


その結果、エンジン奥にあるインテークバルブ・ポート周辺の煤を(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)除去出来るようになりました。


始めはトヨタ・レクサスのGR系ガソリン直噴エンジンの煤除去の為に開発がスタートし、徐々に対応出来るエンジンを増やしています。
http://minato-motors.com/blog/?p=25476 マークX
http://minato-motors.com/blog/?p=24132 ランドクルーザープラド



ガソリン直噴エンジンだけではなく、クリーンディーゼルの煤蓄積も酷いので、数年前からSKY-Dでの作業実績が増えてますね。


DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)は唯一無二。

ドライアイス洗浄機さえあれば簡単に作業が出来ると思われる方もいると思いますが、そうはいかないのがDSCの難しいところ。



テストで軽くワンショットするとドライアイスの粒が直撃した箇所だけ、キレイになりましたね。

アルミ母材まで見えてきました。



DSCノズルとアダプターを組み合わせて、複雑な形状のポート内を完全洗浄していきます。


4気筒8ポートが完璧にキレイになりましたね。



アルミ母材が黒く見えるのは影です。
カメラを撮影しながらライトを当てると、ポートの凹凸により影が映りますので、肉眼でみると完璧にキレイにしていますのでご安心ください。

また奥に見えるバルブ傘部に固着した煤塊も完璧に剥離洗浄しています。


もちろんドライアイスショットは圧縮上死点にセットして、バルブ全閉で行っていますので燃焼室に煤やドライアイスが入る心配はゼロです。


ディーラーさんでは要交換だった樹脂製インテークマニホールドもDSCで洗浄し、再利用出来ます。

このインテークマニホールドは結構値段が高いので、無駄な出費が無くなりましたね。  また原因のヘッド側煤蓄積もインマニ交換だけでは解決しないですから、結果的にはDSCを実施して正解でしょう。



EGRバルブ・吸気シャッターバルブ・インタークーラーもキレイにして、新品純正ガスケットで組み立てますね。


ブロックに付着したオイル漏れ跡もパーツクリーナーで洗い流しておきます。


インテークマニホールドを元の状態に組み立てて、冷却水を注入してエア抜き作業。   劣化しやすいラジエターキャップも同時に交換します。



ECUをリセットして各学習値や燃料噴射量を再学習。
マル秘作業もゴニョゴニョし、試運転をして作業は完了です。


よく質問でECUを書き換えしていますが、DSCをして大丈夫でしょうか?と聞かれますが、まったく問題ありませんよ~。

社外ECUチューンしたのが、工場出荷状態の新車時に戻る訳ではないのでご安心ください。 


エンジンオイルは定期的に交換していた車両なのですが、煤蓄積に関しては定期的に除去した方が(エンジンにとっても燃費にとっても良いですよ~)とお伝えしています。


最新のディーゼルは大容量の空気をスムーズに充填するかがキーポイント。
吸気に抵抗や障害があると充填率が低下するので、本来の性能は発揮しずらい。


大容量かつ高流速の吸気渦がシリンダ内で燃料を撹拌し、均一で理想的な燃焼を実現します。 最適化されたインテークポートのデザインが煤で変形すると新車時の燃焼状態にはならないのは想像出来ると思います。


DSCは基本的に1泊2日のお預かりなのですが、今回のCX-3のDSC作業は朝9時半入庫の夜19時納車の(特急日帰り作業)でオーダーを受けました。


予定の時間通りに納車が出来たので良かったと思います。


その他のDSC作業実績も、ほんの一部ですが良ければ覗いてみてください。
http://minato-motors.com/blog/?cat=169


スカイアクティブD(2.2D 1.5D)へのDSCのご相談はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

それではHAPPY CAR LIFE!!



2021年度の営業を開始しました。 新年最初のATF完全圧送式交換。

本日1月8日より2021年度の営業を始めさせていただきます。

今年もどうぞよろしくお願い致します。



地元大阪府からお越しいただいたのはレクサス GS250 GRL11

ATF完全圧送式交換のご依頼です。
朝10時に入庫していただきました。



問診をしてから、まずは試運転。

そこからATFの状態をチェックして、作業を始めます。

オイルパンを外して洗浄し、磁石に付いた鉄粉を除去。

ストレーナーも同時に交換しますね。

オイルパンを装着し、ATFを補充して完全暖機。

密封式ATに自社製アダプターを装着して、ATFチェンジャーをATに接続します。


まずはプレ洗浄を行いますね。

使用するATFはアイシンAFW+。
レクサス・トヨタのATはアイシン製ですから、相性は申し分ないでしょう。

それでは全量イッキに圧送式交換を行います。


奥に見える新油と比べるとマダマダですが、最初に回収した廃油と比べるとかなりキレイになりましたね。


ここから15分ほどアイドリングタイム。


もう一度アイシンAFW+で圧送式交換を行います。




ほぼ完璧に入れ替わりましたね。

ここまでキレイに入れ替われば、次回交換推奨距離は4万キロになります。


ATFクーラーを洗浄して、一度ATFを冷却しエンジン始動。
油温検出モードに入れて規定温度でレベル調整を行いました。



オプション整備のスロットルボディ清掃・初期化。

スロットルボディを清掃して学習値の初期化。
アイドリングの安定化には有効ですよ~。





正しい交換方法で正確な作業を行えば、いつまでも良いコンディションでシフトフィーリングが維持できるでしょう。

ATFの定期的な交換がATを守る唯一の予防整備になると弊社ではアナウンスしています。  http://minato-motors.com/blog/?cat=8


ATF交換のご依頼はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!






2020年度 営業を終了しました~。 来年もどうぞよろしくお願い致します。

本日12月29日で2020年度の営業を終了させていただきました。


営業最終日の28日まではスケジュール通りに予約作業を終えて、29日は大掃除で締めたいと思います。

と言いながらも工場内半分以上は既に少しずつ掃除をしてきたので、残るは整備スペースの床洗浄作業のみ。


コンクリート床をポリッシャー床洗浄機で汚れを洗い流し、クリーニングしていきます。




年に何回かは定期的に床洗浄をし清潔さをキープしていますので、年中キレイにしています。   

コンクリート床を乾燥させてワックスを塗って、リフレッシュ完了です。

来年度の営業開始は1月8日(金)から始めます。

正月休みの間もメールチェックや返信作業はしていますので、少しお時間はいただきますが少しずつ返信をさせていただきます。

それでは良いお年を。HAPPY CAR LIFE!!

マツダ アテンザ タクシー GJ2FP ドライアイス洗浄で煤除去作業。DSCやATF交換その他オプションフルセット!!

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


今回は某県からお越しのマツダ アテンザ GJ2FP 2WD タクシー仕様へのDSC・ATF交換等の作業をご紹介しますね。



一応某県からとしているのはボディカラーや所在地で特定などでご迷惑を掛けるかもしれないのでナンバープレート等は隠しておきますね。

依頼内容
・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
・インタークーラー洗浄
・水冷EGRクーラー洗浄
・LLC圧送式交換

・ATF圧送式交換 forニューテック
・カーエアコンリフレッシュα 

朝9時半に入庫してもらい問診をします。
そこから代車をお貸ししてお車をお預かりし、試運転を行いますね。


試運転で(そんなにフィーリングが悪くないな!!)という事もあれば、(こりゃダメだ!加速鈍すぎ、ATのシフトフィーリング悪すぎ)と感じる事もあります。

そして今回の車両のインプレッシュンは残念ながら後者の方でした・・・。


まずはスカイアクティブDの定番整備 DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)でインテーク系に蓄積する大量の煤を除去します。


いつものようにインテーク系の部品をサクサク分解していきますね。



インテークマニホールドが外れましたので、シリンダヘッドのインテークポートを覗いてみます。


インテークポート内径に対して、多い所では約8mmほど煤が分厚く蓄積していました。

また奥にあるインテークバルブ傘部にも大量の煤が固着しているのを確認しています。

次は外したインテークマニホールドと吸気シャッターバルブの煤蓄積を確認しますね。


吸気シャッターバルブにも分厚く煤が蓄積。


結構酷い状態ですね。

インテークマニホールド入り口が一番酷い蓄積状況。
(出口はまだ他に比べてややマシですね。)


マニホールド入り口は70%ぐらいは塞がれている状態なので、もの凄い吸気抵抗が掛かっていたと思います。

こうなると前を向いて走る事は出来るでしょうが、SKY-Dのトルクフルでリニアな加速は味わえないと思いますよ~。

インマニ出口は入り口に比べて、まだマシな方でしょう。






並行してDSCオプション整備の(インタークーラー洗浄)と(水冷EGRクーラー洗浄)も行いますね。

インタークーラー洗浄は作業中に宙吊りにしておきます。  ブローバイから流入し溜まるミストオイルは最後に洗浄剤で洗い流す。




 こちらも指名率が多くなってきたオプション整備(水冷EGRクーラー洗浄)はドライアイス洗浄とマル秘作業でキレイにします。


EGRクーラーの構造は外周部に冷却水が循環し、格子状のフィンの中をEGR(排気ガス)が通過しています。

冷却水が流れている外周部から離れているフィン中心部は影響が少ないのですが、フィン外周部に近い部分は高温のEGRが急冷却されるので煤が溜まりやすい。


高温の排気ガスを冷やしたいのに冷却効率の高い外周に近いフィンが詰まってくると、熱交換率が低下しますよね。



ドライアイス洗浄でボディが汚れないように完全防備のマスキング。

ドライアイス洗浄機にドライアイスペレットを投入し、弊社が開発したDSC専用ノズル&専用アダプターをガンにセットしてショットを始めます。



・圧縮空気でペレットを高速噴射
・熱収縮と昇華爆発力で煤を吹き飛ばす。
・母材を傷付けずに根こそぎ煤固着を剥離。



軽くワンショットでこんな感じ。


(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)DSCキャッチコピー通りに、複雑な形状のポート・バルブを洗浄していきます。


DSCノズルとアダプターは数種類ずつ自社製作しており、これらを組み合わせて完璧な洗浄作業をおこなっています。



全4気筒8ポートを完璧に除去完了。

バルブシャフトの裏や傘部なども煤を残す事なく、キレイになりましたね。


これで煤の無い新車時と同じ吸気系統に戻りましたね。

ディーゼルなんて空気吸ってナンボのエンジンですから、空気が吸いにくい状態では本来の性能なんて発揮出来ない。


スカイアクティブDは低圧縮でインジェクターも改良し、最新の燃料噴射とEGR制御でNOⅹとPMを両方少なくする事が出来たと言われています。

しかしそれはあくまでも新車時での話ですからね。


走行が増えれば各機関は徐々に経年劣化し、設計時の最適な燃焼状態から離れていきます。  新車時に出来ていた事が出来なくなるのはどのメーカーの車両も同じでしょう。

ある程度走行し適切なメンテナンスで良い状態をキープ、故障や不具合の確率を減らすのが予防整備だと思っています。





インテーク系部品を全て組み立てて、オプション整備(LLC圧送式交換)を行いました。

ラジエターリフレッシャーで交換しずらい冷却水を圧送式で全量交換。


冷却ラインを切り離し接続ホースをバイパス装着。

エンジンを掛けながらLLCを脈動圧送し逆のホースから回収、ライン内に浮遊する汚れを高密度Wフィルターでろ過再生していきます。


そのあとにLLC再生強化剤注入で(防錆・消泡)性能を強化しながらエア抜き作業。  ラジエターキャップも交換してLLCをリフレッシュしました。

完全暖機後に各学習値等も初期化して燃料噴射も再学習します。
同時に秘密のマル秘作業を行ってDSCはとりあえず完了。


DSCは完全非公開になりますので、ブログでお見せ出来るのはここまでになります。


次はATFを全量交換しますね。
フルードをチェックしてから始めます。

本命ATFで交換する前にまずはプレ洗浄。
使用するプレ洗浄フルードはニューテック(NC-RF)リンシングフルード。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434

全量イッキに圧送式交換をスタート。

奥に見える新油モニターと比べるとまだまだですが、廃油のビーカーと比べると少しマシになったかな??


このまま15分ほどアイドリングタイム。

次は本命ATFで交換します。

本命ATFにはスカイアクティブ6速ATとの相性抜群、かつ実績十分のNUTECニューテック最高峰ATF(NC-65)。


高品質な全化学合成ベースフルードを贅沢に使用した市販ATF最強のNC-65

・ローフリクション・ハイパフォーマンス
・極薄で強靭な油膜性能&非常に高い耐熱性能

素早いのシフトフィーリングに戻しましょうか。

ほぼほぼ完璧に入れ替わりましたね。
ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約6万キロ。

それまではATに関してはノーメンテで良いかと思います。

規定温度でフルードレベル調整を行いました。


カーエアコンリフレッシュαでAC冷媒ガスをリフレッシュ。


年々減少するエアコンの冷媒ガスを点検していますか?  冷媒ガスは消費はしないのですが、どうしても配管やオーリング・シール等から少しずつ漏れるので年数が経過すると充填量が低下していきます。(メーカー問わず)



アテンザの冷媒ガス規定充填量は490g±25g。  これ以上でも以下でもNGです。  数年に1回はデンゲン社エコマックスjrで冷媒ガスを全量回収再生充填を行う事をお勧めします。


結果的にはこのアテンザは約120gほど冷媒ガスが減少していたようですね。


コンプレッサーオイルの潤滑・気密強化にNUTEC NC-200コンプブーストも同時注入しました。


ちょうど走行距離10万キロ前のアテンザ。
今回の作業は朝9時半入庫で翌日午前中の納車になりました。
(お急ぎの方には特急日帰りでもオーダー可能)

これでまだまだタクシー車として活躍してくれるでしょう。




ディーラーさんがオススメする整備以外にも、(やらなくてはいけない必須整備)が多くあります。

そして今回提案した整備はチューニングのような新車以上のパフォーマンスを期待する整備ではありません。   新車時に近いコンディションに戻す予防整備になります。



(10万キロ走行した愛車に新車に近いコンディションを求めない)方には不要な作業だと思います。

ですが(出来るだけ新車時に近い、良いコンディションで長く使用したい)というユーザーさんに向けて、今回はSKY-D用のおススメ整備を提案させていただきました。


DSC・ATF交換等のご相談・御見積・ご予約はHPお問い合わせフォームからお待ちしていますね。

それではHAPPY CAR LIFE!!

レジアスエースKDH205 リフレッシュプラン。 サスペンション・ブレーキ・ATF交換。  新車時の状態に戻して長く使いましょう。

10年10万キロ以上走行した車両をある程度の予算を掛けてリフレッシュ整備を提案する『提案型整備 リフレッシュプラン』

大変好評で全国各地からご依頼をいただいています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12




リフレッシュプランとは何??との問いにはこう答えています。

ある程度走行した車両には無暗に無計画にバラバラに整備をしても新車時のコンディションにはあまり近づけない。ある程度の予算をイッキに掛けて総合的に整備した方が結果的には経済的で効果的ですよ~。



ではどこをどれだけリフレッシュ整備するのか?を私が車両毎に見極めて整備を提案。

リフレッシュプランは(画一的な整備プラン)がある訳ではなく、車種や走行距離、使用環境から判断してオススメするリフレッシュ整備の(プランニング)を制作しています。



長野県からお越しいただいたのはレジアスエース(ハイエース) KDH205 4WD 走行距離18万キロ リフレッシュプランのご依頼です。



お問い合わせフォームからご相談と予約をいただき入庫してもらいました。


メールでの車両改善点・不満点
・冷間始動時にマフラーから白煙が出る。
・アイドリング時の振動が大きく、加速も悪い。
・ディーラー診断でインジェクター不良判定。(洗浄剤を投入で少し改善)
・減速時にハンドルへの振動が有る。


まずは問診をして試運転を行います。


そしてスキャンツールを接続しライブデータとエラーコードのチェック。

あきらかにエンジン振動が大きく、インジェクターの数値確認が必要ですね。



インジェクターNO,1の噴射量補正値がプラス上限まで振り切っていますね。

レジアスエースECU側の補正値を表示出来るのがMAXでプラスマイナス5まで。
他の3つのインジェクターはマイナスに補正してカウンターを当てているのですが、あまりにもNO,1が悪すぎるので振動等を抑えきれていない感じですね。



次の点検に進みます。



減速時にステアリングへの振動が有るとの事で1年ほど前に地元ディーラーにて右アッパーアームを交換したそうです。

少し収まったようですがまた再発したとお聞きしました。

右フロントのキャンバー数値が悪いので、数値を見る限りおそらくアーム交換のみで、ホイールアライメントは調整をしてないでしょう。

振動の原因はアッパーアームだけではないので、その他も調べていきます。



整備リフトでリフトアップ。
タイヤを外して下回りや足回りを点検し、エンジンやATなどもチェックします。


そこからお聞きしている予算に合わせて整備プランを提案させていただきました。   内容を説明して協議し、整備プランを確定します。


それでは作業を始めますね。


インジェクターの全数をリビルト品にて交換しました。


インジェクター交換にはヘッドカバー脱着やフューエルデリバリーパイプ脱着などが必要でガスケットも多く交換します。

1本だけ交換し組み立ててチェックし、例えば他の3本のどれかがあまり良い状態で無ければ、また分解してインジェクターの交換をしなくてはならない。

基本的にはインジェクター不良での交換は全数交換が望ましいと提案しています。



安心のデンソー製リビルト品で交換し、ガスケット類も全て交換します。
フューエルラインの締付は厳密な規定トルク管理が必要なので、慎重に締付していきますね。
スキャンツールで気筒毎のインジェクターをECUに登録しました。

同時にグロープラグも全数交換します。
インジェクターの交換と同時に実施すれば工賃が大幅に安くなりますよ。

そして必須作業のフューエルエレメントも交換しました。
コモンレール式なら5万キロ毎の交換を薦めしています。


フロントサスペンションを分解しますね。


19万キロも走行すればブッシュやベアリング等の劣化も大きいので、一気に整備しますよ~。

ドライブシャフトのインナーブーツは以前に地元で簡易式割れブーツで補修済みでした。


実は弊社では割れブーツは基本的に使わないようにしています。

理由は充填しているグリスの量が少ないから。

グリスが少ないとグリスの劣化も早くなるのと、ブーツ内に結露が発生し錆びやすくなるからです。


車検合格の為だけに使用するなら問題ありませんが、リフレッシュプランのユーザーさんは今後10万キロ以上の走行を前提にしているので耐久性の低い部品は使わないようにしています。

分解洗浄をしてから耐久性の高い純正ブーツグリスKITでリフレッシュしました。  これで10万キロはノーメンテになるでしょう。

こうやって画像をみれば純正グリス量が多いのが分かると思いますね。




フロントデフから伸びる右ハーフシャフトのベアリングも交換しました。

200系のフロントハブベアリング交換は適切なSSTを使用して交換すれば、確実に早く交換が出来ます。

逆に言えばSSTなどの工具や治具等が無いと、ガンガンとスライドハンマー叩いたり、グラインダーでレースを削ったりと時間と労力が掛かり、無理な交換方法で作業をするでしょう。


正しい交換方法で行えば安全で確実に交換出来て、部品の寿命を縮める事も無い。    ベアリングを抜いて入れるだけですが、そこにもノウハウや作業手順で出来栄えが変わるのだと思っています。



ロアアームのブッシュ全数交換。

何十台も行ってきた作業ですからサクサク順調に作業が進みます。 ブッシュのみの交換なら、アームASSYで交換するより安価に仕上がります。

フロントディスクローターは通常は研磨作業にて再生するのですが、今回はディスク裏面の錆腐食が酷く、研磨不可と判定しました。


画像では分かりずらいですがディスクの両肩が腐食で厚みが無くなり、研磨すると限度厚みが確保出来なくなります。



新品ディスクローターに交換します。


ハブに装着する時にディスクの振れをダイヤルゲージでチェックします。
数値を確認し限度以上の振れがあれば、ハブとディスクを組み直して再測定。

振れの数値が最小になるように組み立てますね。


これをしておかないと高速走行時のブレーキングで振動が出ますよ~。



劣化しやすいステアリングギアボックスのラックエンドも交換。
ボールジョイント部にガタが出やすいので、定期的に交換しましょう。


またロアボールジョイントも交換しますね。

アッパーアームは少し前に右のみ交換しているので、今回は未交換の左のみ交換で良いかと思います。


フロントブレーキキャリパーをO/H。
洗浄をしてからシールとダストブーツを交換し、ブレーキパッドも交換します。



リアハブベアリング・オイルシール全交換。

ホーシングからシャフトを引き抜いて、ベアリングやシールを打替えますね。


これも簡単そうに見える作業ですが、SSTや治具等が無いと交換出来ない作業です。  またフロントハブB/G交換と同様に削ったり叩いたりは一切しない。

整備書通りにすると時間が無駄に掛かるので、弊社では自作SSTを製作して分解し圧入作業をしています。






ブレーキライニングシューも交換して、シリンダカップも分解しO/H。
ピカピカになったドラム面も研磨にて再生しています。

ディスクローターやドラムも面がピカピカに光った鏡面状になっていると、ブレーキの効きが悪くなりますよ。

元通りに組み立ててリアブレーキ調整を数回行いました。



リーフスプリングとシャックルのブッシュを全数交換。
車体からリーフを外す作業で取付ナットは緩むのですが、ボルトがブッシュと錆び付いて外れませんでした。


そこで使用するのがミニダクター2。
電磁波誘導加熱でボルトのみをピンポイントで加熱します。





リーフスプリング前側のボルトが錆び付いて抜けないのですが、すぐそばにはヒーターゴムホースがあるので火気厳禁。


ミニダクター2ならボルトのみを加熱する事が出来き、熱収縮で錆固着を解除してボルトを引き抜きますね。


バーナー等で炙ると火災になりますしね。


降雪地の車両はボルトナットが錆固着で回らない・抜けないがよくあるので、状況に合わせて工具を使い分けています。

今回はコニのショックアブソーバーを再利用しますので、減衰調整のみ行います。

4段階の内で一番柔らかい状態だったので、1段階硬めに再調整しました。

タイミングベルトとカム・クランクオイルシールを交換しました。

クランクシールを交換するには固く締め付けられたクランクプーリーボルトを外します。 スペースが狭く作業が大変なのでこちらもSSTで緩めて外し、オイルシールを打替えしました。



このクランクプーリーボルトは365Nmの高トルクで締め付けるので、締め付けるだけでも結構重労働。

締付トルク365Nmってどれくらいかと言うと、伝えるのは難しいですがタイヤホイールの締付トルクの約3,5倍ぐらい。

クランクを保持しながら1mぐらいのトルクレンチで背筋全力で締めればOKなぐらいの高トルクとイメージしてもらえればと思います。


LLCをラジエターリフレッシャーで脈動圧送交換し、LLC再生強化剤を注入してリフレッシュ。

冷却水も定期的に交換しましょう。


ATFも交換しますね。

オイルパンを脱着洗浄してストレーナーを交換しました。
そこからアイシンAFW+で2回圧送式交換を行います。





フロント・リアのデフとトランスファのギアオイル交換。
ガルフ プロガード75W90で交換しました。



整備リフトからアライメントリフトに移動して、車高調整と1G締付を行います。

リア基準点から地面までの高さを測定して基準値との差を調べて、フロントの高さを算出します。


リアが基準値から10mm低ければ、フロントも基準値から10mm下げて車高を調整しています。


またブッシュも4輪が接地した状態でボルトを一度緩めてから、再締付して不要なブッシュテンションを開放するのが(1G締付)。  これをしないとブッシュの寿命が縮みますよ~。


車高調整をしてから軽く試運転をしてサスペンションを馴染ませます。

そこからホイールアライメントを調整しますね。

組み立てただけの状態はこんな感じでバラバラに乱れています。

これではサスペンションをリフレッシュしても、真っすぐ快適に走行する事は出来ないのです。

サスペンションを整備した時には必ずホイールアライメントを調整しましょう。

調整後にはこんな感じになりました。

リアのトゥ・スラスト角が大きく乱れていたのを修正して、フロントは左右の差が最小になるように整えていきます。


最後に長めの試運転をして、作業個所を入念に最チェック。
(締め忘れやオイル漏れ等が無いかを何度も確認しています。)


入庫した時はアイドリング時で燃料噴射量12,9mm3/stでしたが、インジェクターの交換後は6,3mm3/stに下がりましたね。

これで加速・振動等はもちろんですが燃費も大幅に良くなると思いますよ~。


こんな感じでリフレッシュ整備をしたレジアスエース。
他にも部品も交換していますが、ブログが長くなるのでこの辺りでまでにしておきますね。




レジアスエースなどのハイエース系は20万キロ・30万キロは当たり前。
正しいメンテナスを行えば50万キロも問題ないと思います。


ですが整備の順序や交換方法が悪いと、無駄に費用が掛かりいつまで経ってもコンディションが改善しない泥沼にハマるのは避けましょう。

弊社では計画的な整備をある程度の予算を掛けてイッキに行う(リフレッシュプラン)をお勧めしています。



リフレッシュプランのご依頼・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

何年何月の○○のブログはいくら掛かりましたか?と問い合わせていただければお答えできますよ。 整備予算の参考にしてください。


それではHAPPY CAR LIFE!!