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マツダ RX-8 SE3P リフレッシュプラン。  12年目の大規模整備。 サスペンション&クラッチリフレッシュ  後編

前回ブログから続く

マツダ RX-8のリフレッシュプラン 後編。

 http://minato-motors.com/blog/?p=19195

 

H17年式 RX-8 SE3P 走行距離13万キロ

 

 

 

 

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エンジン整備とブレーキ系の整備は完了し、

次に作業したのはサスペンション関係。

 

 

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フロントダブルウィッシュボーンは、

アッパー&ロアアームをASSY交換します。

 

 

国産車の場合は一体型になったアルミ製アームASSYの、

ブッシュは辛うじて単品供給するメーカーもありますが、

圧入式ボールジョイントの単品供給はほぼ無いです。

(ボルトオンはあります。)

 

 

 

 

 

そもそも国産車メーカーは部品を交換し続けて、

長く愛用する事を好んでいない??

 

 

輸入車は純正・社外といっぱい部品があるので、

文化の違いなのでしょうか?

 

 

 

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アームASSYを交換してから、

スタビライザーのブッシュとリンクロッドも交換しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ショックアブソーバーは純正品をチョイス。

 

スプリング以外の消耗品も全交換。

 

 

 

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リアはハブベアリングを予防整備でリフレッシュ。

 

リアハブベアリングはプレスでの圧入作業なので、

SST等がないと交換は難しい。

 

フロントはボルトオンなので簡単に交換ができます。

 

 

 

今回は難易度の高いリアのみ交換します。

(フロントは異音が発生してからでも良いかと思います。)

 

 

 

 

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アルミ製ナックルを傷つけないように分解し、

慎重にB/Gとハブを装着しました。

 

 

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リアマルチリンクアームのボールジョイント。

 

ダストブーツに亀裂が入り、

酷い箇所はパックリ割れています。

 

 

 

ジョイント部にガタは無かったので、

純正ブーツとWAKO’Sグリスで全8箇所リフレッシュ。

 

 

 

 

 

 

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リアのスタビリンクロッドとブッシュも交換します。

 

 

 

 

 

 

 

リアのショックアブソーバーも、フロント同様に。

 

 

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次はMTミッションを外してクラッチO/H。

 

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・クラッチカバー

・クラッチディスク

・フライホイール

はもちろん交換します。

 

 

 

特大ナットを緩めてフライホイールを外し、

エキセントリックシャフトのリアシール交換。

 

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さらにその奥のオーリングも交換しました。

 

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エキセントリックシャフトにある

パイロットベアリングとオイルシールも、

SSTで引き抜いて交換します。

 

 

 

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ミッション側のレリーズカラーも交換。

 

ミッション後方のオイルシールも交換しています。

 

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フライホイール ロックナットの締付には

リングギアロックツールが必要です。

 

500N/m近いトルクで締付するので、

このSSTが無いとフライホイールが固定出来ず締付が困難。

 

 

 

ナットにはアドペシブでロック剤を薄~く塗りました。

 

 

 

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クラッチカバー/ディスクを組み付けし、

ミッションを車体に取り付け。

 

 

 

元の状態に組み立てますが、

他のメーカー車両と少し違うのがPPFの位置調整。

 

 

マツダ特有のパワープラントフレーム(PPF)は、

ミッションとリアデフを直結し剛性を高めています。

 

 

 

エンジンマウントが劣化しても位置がズレますし、

ミッションを外しても位置がズレます。

よって再調整が必要になります。

 

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基準値56mm ±1mmの範囲で調整しました。

 

 

 

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・クラッチマスターシリンダー

・クラッチレリーズシリンダー

 

ブレーキよりもストロークが大きく使用頻度も多いので、

カップキットを分解して交換します。

 

 

 

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クラッチペダルを踏むとストローク中盤で

ゴクッと気になる異音。

 

 

スプリング付け根のプラスチックカラーが破損していたので、

ペダルASSYで交換しました。

 

 

 

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ブレーキ&クラッチのフルードを交換しながら、

エア抜き作業を行います。

 

 

このあとの試運転でクラッチペダルの位置調整を行いました。

 

イイ感じの位置に調整するために、

数回ほど微調整しています。

 

 

 

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MTギアオイルとデフオイルの交換はNUTEC NC-70 75W90。

全化学合成ギアオイル(エステル系)

 

 

 

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ブッシュ固定のボルトなどを緩めると、

その箇所にマスキングテープで印付けし仮止めしています。

 

 

その状態でタイヤを装着しアライメントリフトに移動。

 

ブッシュの無駄なテンションを開放するために、

1G締付を行います。

 

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(ここの1G締付を忘れるな!!)

多くの箇所を緩めて仮止め状態ですから、

本締付の忘れがないよう目印に。

 

 

 

 

1G締付が終わればテープを剥がし、

マーキングペンで完了のペイント印をしています。

 

 

 

 

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そこから軽く試運転をして、

ホイールアライメントを調整しますね。

 

 

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・ハンター社 ホイールアライメントテスター

(ホークアイ WA470)

 

 

・イヤサカ ビシャモン マルチアライメントリフト

 

 

 

 

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高精度の水平レベルを長期確保する

国産最高峰のアライメントリフトに、

言わずと知れたハンター社の最新鋭アライメントテスター。

 

 

 

 

軽量樹脂製クランプ式ターゲットが採用されたこのモデルは、

なかなか評判のテスターだそうですよ。

 

1輪2秒で装着出来る手軽さと、

ホイールに傷が付かない特殊形状。

 

 

 

最近は国産車・輸入車ディーラー工場に、

多く採用されているそうですね。

 

 

 

 

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RX-8 SE3Pはハブセンターからフェンダー上部までの数値も、

入力しないと推奨値が反映されません。

 

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それで測定結果がこんな感じ。

 

 

組み立てたばかりなので、数値はバラバラですね。

ここからキレイに整えていきます。

 

 

 

 

・フロント トゥ/キャンバー/キャスター

・リア トゥ/キャンバー

 

計5箇所の調整機構を動かして微調整。

そして必要があればサブフレームを微妙に移動させる、

クレイドル調整も行います。

 

 

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ステアリングのセンターもドンピシャで合わせましょう。

 

まず運転席に座り肩甲骨をシートバックに当て、

正しい姿勢でステアリングセンターを決める。

 

そしてその位置をテスターのセンサーに記憶させます。

 

 

 

 

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ハンター社アライメントテスターの便利機能。

(Win Toe調整機能)を使えば、

簡単にステアリングセンター調整が可能。

 

 

Frトゥ調整時にタイロッドエンドのボルト・ナットを回します。

(ステアリングへの固定冶具は不要)

 

 

この作業で徐々にステアリングが少しズレたとしても、

その動きをセンサーが捕捉し画面の数値補正。

 

 

 

 

調整してからの試運転で

(アレ?調整したのにセンターがほんの少しズレている!!)

などの2度手間・やり直しはほぼ無いのです。

 

(有ればやり方が間違っている時でしょう。人的ミス)

 

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ターゲットの装着時間や調整ミスでのやり直しが無くなるなら、

車体下での調整作業はジックリ時間をかけて丁重に。

 

 

 

無駄な作業が省ければイイ仕事が出来ますね。

 

 

 

 

 

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調整箇所が多い車両は微調整がしやすいですね。

逆に調整機能が少ない車両はいろいろ大変です。

 

 

 

 

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カーエアコンリフレッシュαで、

ACガスをリフレッシュ。

 

冷媒ガスを全量回収し、重量管理でリチャージ。

NC-200を同時に注入してコンプレッサーの潤滑強化。

 

 

 

最後に試運転を長めにして、最終確認。

アンダーカバー等を装着し作業を完了しました。

 

 

 

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今回は2部構成で紹介したRX-8のリフレッシュプラン。

 

 

 

整備後には長めの試運転を繰り返しましたが、

(RX-8は非常に乗りやすい車両)だなと再認識。

(市街地走行でも疲れない&楽しい!!)

 

 

 

・入庫時に感じた信号待ちでの微振動。

ボディーに伝わる振動は非常に不快でしたが、

ほぼ無くなったと思います。

 

 

・走行安定性の無さ、乗り心地の低下

13万キロ走行した頼りない足回りは今回の整備で回復しました。

ビフォーアフターの違いは走り出してスグに分かるでしょう。

高速道路などでのステアリング修正作業は激減したと思います。

 

 

 

 

・微妙な感じだったクラッチ/シフトフィーリング

クラッチO/Hをしペダル交換で異音も解消して、

ストローク位置・クラッチ切れ点の調整で快適に。

シフトもNC-70のローフリクションでスコスコ入る。

 

 

 

 

もともとの車両設計が良いのでしょうね。

根強い人気があるのが分るような気がします。

 

 

 

ユーザーさんの納車後レビューでも、

快適になったとメールが届きました。

 

これからも快適なドライブを楽しんでくださいね~!

 

 

 

 

 

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に

お越しいただきありがとうございます。

 

リフレッシュプランのお問い合わせメールの返事には、

このような文も添付しています。

 

ある程度年式・走行を経過した車両の整備は
(いくら掛かりますか?)というよりも(いくら掛けれますか?)と。

 

 

 

 

今回のような整備をすれば相応の費用は掛かります。

 

ですが正しい整備を適切な時期に行えば、

今の車両はまだまだ快適に長く使用できます。

(また無駄な作業重複もなくなり経済的。そして愛着が増す。)

 

 

 

それに弊社はチューニングショップではありません。

ごく普通の自動車整備工場です。

(入庫車両もほぼノーマル車です。)

 

 

新車時のコンディションに戻すのが仕事だと思っています。

 

 

 

10年10万キロ以上走行した車両をまだまだ使用したい方は、

HP(お問い合わせフォーム)からご相談くださいね~。

 

HAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

 

マツダ RX-8 SE3P リフレッシュプラン。  12年目の大規模整備。 ラジエター ブレーキをリフレッシュ。 前編。

静岡県からお越しいただいたのは

マツダ RX-8 SE3P 5速MT

H17年式 走行距離13万キロ

 

 

リフレッシュプランのご依頼です。

 

・12年前にほぼ新車のRX-8を購入し、

現在の走行距離は13万キロ。

これからも長く乗り続けるような整備を希望。

 

・現状の不満点はクラッチの切れが悪くなる。

ブレーキング時にガクガクする。以前に比べ走行安定性が悪い。

 

 

 

 

 

 

http://minato-motors.com/blog/?p=12375

メール相談時には大雑把な感じでも良いので、

不満点や予算・お預かり期間をお伝えいただけると助かります。

 

 

 

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ご予約をいただいて入庫。

まずは問診から始めます。

 

 

普段の使用環境や過去の整備暦、

運転の頻度や酷使度などなど・・・。

 

 

週末使用なのか?通勤使用なのか?

高回転までE/Gを回す運転なのか?

極力燃費重視の走行なのか?

 

 

 

リフレッシュプランのテーマは

(もしこの車両が私の愛車なら予算内でどう整備するか?)

 

知らないといけない事は多いので、

問診時には30分ほどお時間をいただいています。

 

 

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ユーザーさんには代車をお貸しして、

とりあえずお帰りいただきます。

(2~3週間ぐらい預かりますとお伝えしました。)

 

 

 

そして私は試運転をしてから、

事前ホイールアライメント測定を始めます。

 

 

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ホイールアライメントを測定すると多少数値の乱れはありますが、思ったほど悪い数値ではないようですね。

 

 

ですが試運転での乗り心地や安定性は数値以上に悪い印象。

 

 

 

(10万キロ以上走行した車両によくある乗り心地)

(可もなく不可もない距離相応な感じ)

 

このRX-8を初めて運転すればこんな感想になるでしょうが、

新車近い状態から把握しているユーザーさんでは、

不満に感じると思います。

 

 

(俺のRX-8はこんな車だったっけ??)と・・・。

 

 

 

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続いてエンジン点検の基本 排気ガス数値をテスターで測定。

 

ロータリーなのでもっと悪い数値が出ると思いきや、

なかなかの良い数値。

 

普段からのメンテナンスが良好なので、

エンジン系の状態は良さそうですね。

 

 

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リフトアップをしてタイヤを外し、

アンダーカバーを分解して車両点検を行います。

 

 

今までの整備状況は問題なく、

基本的な整備は出来ているようです。

 

 

 

今回は普段はあまり手を出さない部分の整備を中心に、

整備プランを制作しました。

 

12年目の大規模整備をプランニングし、

御見積を提示してユーザーさんと協議します。

 

今回は範囲と予算規模が大きかったので7割ぐらいは(お任せ)、

残りは要相談という流れで進行しました。

 

 

 

 

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まずはラジエター交換から。

 

ラジエターの上下には樹脂製のアッパー・ロアタンクがあります。

 

ロア側は熱の影響は受けにくいですが、

アッパー側は高温のLLCが常時流れているので、

経年劣化で変色しています。

 

 

 

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こうなると樹脂が脆くなり割れやすい。

 

実際に軽く触れるとタンクにある樹脂パイプが、

ポキッと折れましたね。

 

 

それだけ熱劣化でダメージを受けていたのでしょう。

 

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・ラジエターASSY &ゴムブッシュ

・アッパー/ロアホース

・サーモスタッド

 

予防整備で交換します。

 

 

 

 

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LLCもラジエターリフレッシャーを接続して、

圧送式で全量交換を15分。

 

E/Gとヒーター側のLLCも同時に交換しました。

 

エア抜き作業と平行してLLC再生強化剤を注入します。

 

 

 

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電子制御スロットルも清掃し、

アイドリングを安定化させました。

 

結構汚れていましたね。

 

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エンジンのメンテナンスは普段から実施されているので、

冷却系と吸気系のみの軽い整備で大丈夫でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

エンジンマウントも左右交換しますね。

 

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次はサスペンションやブレーキ系の整備します。

 

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サスペンションの整備は部品点数が非常に多い。

そして1点でも欠品があると作業が進行しない。

 

 

リフレッシュプランでサスペンション系の整備を希望の場合は、

前金をいただいて部品を事前に入荷しています。

 

 

 

モノによってはバックオーダーで1ヶ月ほど時間が掛かるので、

入庫してからの発注ではほぼほぼ間に合いません。

 

 

逆にメーカー在庫の回転が早いE/Gやブレーキなどの消耗品は、

あまり欠品は発生しづらいので、

入庫してからの発注で十分間に合うと思います。

 

 

 

 

 

 

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フロント/リア共に足回りをごっそり外しました。

 

そこからさらに分解し整備します。

 

 

 

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経年劣化でキャリパーダストブーツの

機密性が低下したのでしょう。

 

少し錆が発生していますね。

 

 

錆粉とグリスが混ざるとピストン表面で固着します。

この固着がピストンシールに引っ掛かり、

ピストンの動きを阻害します。

 

 

最悪ピストンがロックして固着すると、

異音発生・制動不足・片効き偏磨耗。

 

 

10年に一度ぐらいはO/Hをしてリフレッシュしましょう。

 

 

 

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組み付け初期はスムーズじゃない固体もありますから、

シールとブーツを装着後にピストンを出し入れの繰り返し。

 

 

シールとピストンの収まりが良くなるよう、

馴染ませてあげます。

 

 

 

 

 

 

ダストシールを装着する部分の錆は

ブラスターで除去しキレイにしました。

 

 

それ以外のキャリパー表面はブラスト処理はせずに、

完全洗浄のみで収めます。

(表面の錆は機能に関係がないので。)

 

 

 

 

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ブレーキキャリパーのホルダー部にあるスライドピン穴も

古いグリスを掻きだして清掃します。

 

 

 

ピンホール1箇所に錆が発生していたので、

ホーニングブラシでクリーニング。

 

 

新しいグリスと注入して、ダストブーツを装着します。

 

 

 

 

 

 

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フロントブレーキパッドを交換し、

リアのパッドは研磨で再生。

 

バックシム洗浄後にWAKO’S BPR、

高性能パッドグリスを塗りこみます。

 

 

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ブレーキング時のガクガクは、

ディスクローターの振れが原因でした。(左前のジャダー)

 

ディスクローター研磨機で前後4枚再生します。

 

 

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1回目の軽く研磨した状態です。

 

・シルバーになった部分がバイトで削った箇所。

・黒い部分はバイトが当っていない箇所。

 

ハッキリとディスクの振れが目視できました。

 

 

研磨というとガッツリ削っているように見えますが、

実際は薄~く少ししか削っていませんよ~。

 

 

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ディスクの限度厚を半分以上残した状態で、

無事再生できました。

 

耐熱塗装(シルバー)で軽く化粧直しの再塗装。

 

 

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フロントディスクローターの左外側の面だけ、

レコード盤状の傷は深く大きかった。

 

おそらくキャリパー スライドピンの動きが悪く、

パッドを引き摺っていたのだと思います。

(そしてジャダーになり振動が)

 

 

 

 

パッドの長持ちさせるためにも、

定期的なキャリパーメンテナンスは必要ですね。

 

 

 

ブログが長くなってきたのでとりあえず前編は終了。

次回ブログでは後編をご紹介しますね~。

 

 

HAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お盆休暇前後にぞくぞくと入庫!! DSCとATF交換を一部紹介しますね~。

今年のお盆休暇は長めに取るぞ!!と思っていたのですが、

お客様からの予約優先のスケジュールを組むと、

やはり今年も4日間しか休めせんでした。

 

しかし台風14号~15号からのイイ波を当てれたので、

結構満足しています。good SURFING!!

 

 

 

 

 

 

 

お盆・正月の長期休暇前後は予約が多くなるので、

遠方から来店される方はこの期間に集中しますね。

 

 

全ての車両整備をブログにアップするのは、

入庫台数が多すぎて難しいですが、

一部の車両をピックアップして少し紹介します~。

 

 

 

 

 

 

マツダ スカイアクティブディーゼルの

吸気系に蓄積する煤除去作業。

 

DSC (ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)

 

ほぼ連日DSC作業しましたので一部紹介させていただきます。

 

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兵庫県北部からお越しいただいたマツダ アテンザ。

GJ2FW 走行距離16万キロ

 

 

 

 

 

 

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1・インテークマニホールド入り口と

吸気シャッターバルブ周辺で蓄積。

 

2・インテークマニホールド出口とエンジン吸気ポートで蓄積。

 

3・上記の両方ともに蓄積する。

 

 

 

 

 

上記3パターン以外に最近増えてきたのが、

4・インテークマニホールドのEGR出口が詰まる蓄積パターン。

 

今回のアテンザはこの4・のタイプでした。

 

 

 

 

こうなるとEGRが使えなくなるので、

近い将来エンジン警告灯が点灯するでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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千葉県からの来店はアテンザ GJ2FW

H25 走行距離9万キロ

 

 

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こちらのアテンザはインマニ入り口と

吸気シャッターバルブ周辺とエンジン側吸気ポートに

蓄積していました。(3・パターン)

 

オプション整備のインタークーラー洗浄を同時に行いました。

 

 

 

 

 

 

 

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神奈川県からお越しいただいたアテンザ。

H25 GJ2FW 走行距離65000km

 

 

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2・パターンの蓄積にやや1・のパターンの蓄積も進んでいます。

 

 

エンジンヘッドにあるインテークバルブの傘部には、

強固な蓄積でカッチカチ。

 

 

 

 

 

 

 

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某県からはアテンザ タクシー使用。

H27 GJ2FP 65000km

 

 

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こちらの蓄積状況はEGR出口が詰まる4・パターン。

 

 

EGRが詰まった時点で吸気系に煤は入りませんが、

EGRに含まれるCO2が燃焼に利用できなくなるので、

それはそれで理想的な燃焼が出来ないでしょう。

 

1〜3の蓄積パターンはEGR出口は塞がってないので、

CO2は使えます。

 

 

 

 

4つの蓄積パターンは全て同じではなく、

蓄積具合(箇所)によってエンジンへの影響は変わります。

 

 

 

 

それでは大元の原因をキレイさっぱりクリアにしましょう。

 

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ドライアイス洗浄でインテークに固着した

大量の煤を除去しました。

 

http://minato-motors.com/blog/?cat=192

 

 

エンジンヘッド側にあるインテークバルブ/ポートも完全除去、

吸気系は新車時と同じ状態まで戻します。

 

 

 

 

 

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車両に煤が付かないように、

フルマスキングで完全防備。

 

 

インテークマニホールドやエンジン側吸気ポート。

EGRバルブや吸気シャッターバルブのキレイにしました。

 

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ディーゼルエンジンは空気を吸ってナンボのエンジンですから、

吸いづらくなれば当然パフォーマンスは落ちますよね。

 

EGRの出口が詰まるとクリーンディーゼルに、

必要不可欠なCO2が効果的に使えません。

 

 

 

スカイアイクティブ 2.2Dへの予防整備としては、

DSCは有効だとお伝えしています。

 

 

また納車時の説明ではSKY-D特有のメンテナンス方法も、

アドバイスさせていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それと平行して依頼数が多かったATF交換・CVTF交換も、

ぞくぞくと車両が入庫しました。

 

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タクシー使用の某県アテンザもDSC後に

圧送式でATFを圧送式交換。

 

スカイアクティブ-dr 6速ATには

NUTEC NC-RF & NC-65で圧送式交換を行いました。

 

 

 

 

 

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東京都からお越しいただいたアルファード。

 

H21年 ANH20  走行距離11万キロ

 

 

オイルパンを脱着洗浄してから

アイシンCFBで圧送式交換を行いました。

 

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オプション整備のカーエアコンリフレッシュαも同時作業。

 

 

エアコンガスをリフレッシュし、

NUTEC NC-200も注入します。

 

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大阪府からの入庫はヴェルファイア。

H29 GGH30 走行距離20000km

 

 

FF車用6速ATのプレ洗浄にはNC-RF、

本命にはNUTEC NC-65で全量圧送式交換をしました。

 

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本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に

お越しいただきありがとうございます。

 

 

DSC・ATF交換等の作業は全て完全予約制になっています。

 

 

週末や連休などは早い段階でご予約が埋まりますので、

希望日がありましたらお早目のご相談の方が確保しやすいです。

 

 

 

 

御見積・ご予約をご希望される方は

HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますので、

どうぞ宜しくお願い致します。

 

HAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

 

 

 

マツダ MPV LY3P リフレッシュプラン。 DSC以外の作業をご紹介!! サスペンションやブレーキも!!

前回ブログではMPVの直噴ガソリンエンジンの

インテークバルブに蓄積するカーボンを

ドライアイス洗浄でキレイに完全除去しました。

 http://minato-motors.com/blog/?p=18979

 

 

 

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マツダ MPV LY3P

走行距離65000km

 

今回のブログはDSC以外の

リフレッシュプラン整備を紹介しますね。

 

 

 

 

排気ガスの数値もDSCで改善し、

サスペンションやブレーキ系の整備へ進めていきます。

 

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試運転をしてから事前アライメントを測定します。

 

 

これから足回りをバラバラに分解整備をするので、

その前の測定は一見無駄、無意味にみえると思います。

 

 

 

 

ですが入庫時のホイールアライメントがどうなっているか?

また整備後どのように変化(改善)したか?と知っておくのは、

私は無駄な事だとは思えないのです。

 

 

 

 

 

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フロントは大幅なトゥアウトに、

SAIの左右差が大きいですね。

 

 

ショックの劣化も合わせると走行安定性は悪かったと思います。

 

 

 

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バッテリーの充電状態や

ブレーキ・サスペンション等も点検しました。

 

 

 

点検結果からのオススメ整備とユーザーさんが希望する整備を、

予算にあわせてプランニング。

 

 

まずは事前に入荷しておいたサスペンションから整備しますね。

今回はショックアブソーバー等はオール純正品で交換しました。

 

 

 

 

 

 

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リアショックアブソーバーは上下ブッシュも同時交換です。

 

 

 

外したショックアブソーバーはガス圧が低下し、

なかなか伸びてきませんね。

6万キロも走行すればもう寿命でしょう。

 

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フロントショックアブソーバーも交換します。

 

 

再利用はスプリングのみで、

バンプやマウント等は同時交換。

 

 

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このMPVのショック・アッパーマウントは、

左右とも同じ品番です。

 

ですが切り欠きと緑印が左右の組み付けでは違います。

 

・アッパーロックナット横にある緑の印。

・アッパーマウントの切り欠き。

・スプリングアッパーシートの切り欠き

 

左右の違いがわかりますか?

 

知らない人が整備書を見ずに作業すると、

確実に間違うでしょうね~。

 

 

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入庫前からユーザーさんが気にしていた

ロアアームのボールジョイントブーツ亀裂。

(ディーラーさんにて指摘されたようです。)

 

 

 

 

 

走行距離がまだ6万キロであれば、

ブーツのみの交換で大丈夫 です。

純正では部品供給がないので社外品ブーツで対応します。

 

 

 

 

古いグリスを除去しWAKO’Sグリスを注入して、

新しいブーツを装着しました。

 

 

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エンジンからの微振動を軽減するために、

エンジンマウント・インシュレーターを交換します。

 

全数交換は保留にし負担の大きい右側のみ交換しました。

 

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液体封入式マウントは重いエンジンを支えているので

裏面からみると隙間が大きくなっていますね。

 

 

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LLCは圧送式で交換します。

 

ラジエターリフレッシャーを接続し、

エンジン・ラジエター・ヒーターのLLCを全量交換します。

 

毎分7LのLLCを冷却ラインに注入し、

回収したLLCを高密度フィルターでろ過再生。

エンジンを掛けてながら15分間ほど行います。

 

 

 

最後にLLC再生強化剤を投入して、

エア抜き作業も同時にしました。

 

ラジエターキャップも交換しますね。

 

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ブレーキパッドとディスクローターをリフレッシュ。

 

ブレーキキャリパーはオーバーホールし、

ピストンシール・ダストブーツを交換しました。

 

ディスクローターは研磨機で再生させます。

 

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ブレーキフルードを交換しながら、

エア抜き作業も行いました。

 

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スタビライザーリンクロッドのブーツ破損。

 

このまま放置するとB/Jに雨水が浸入し錆びます。

そしてカタカタと音が鳴り出して車検もNGですね。

 

 

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タイヤを装着してアライメントリフトに移動し、

1G締付をしました。

 

ロアアーム等のブッシュを一度開放してもう一度締付ると、

ブッシュに掛かる無駄なテンションがなくなります。

 

 

 

 

 

 

そしてATF圧送式交換を行いました。

 

・アイシンAFW+

・NUTEC ZZ51改

・NUTEC NC-65

 

3種類在庫しているATFから

特徴/価格/メリットなどを考慮して選んでいただきます。

 

 

 

 

 

ATFチェンジャーを接続し、まずはプレ洗浄。

NUTEC NC-RFで全量交換します。

 

 

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15分後に本命ATFのNC-65をチェンジャーにセットし、

もう一度圧送式で全量交換します。

 

 

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キレイに入れ替わればフルードレベルを調整します。

 

 

 

 

 

カーエアコンリフレッシュαで、

ACガスをメンテナンス。

 

NUTEC NC-200コンプブーストも同時注入。

 

 

規定充填量から約160gほど減少していました。

 

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試運転を軽くして、

ホイールアライメントを調整しますね。

 

 

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サスペンションを分解しているので、

そのままだとバラバラな数値。

 

 

 

ここからキレイに調整しました。

MPVは調整箇所が多いので調整しやすいですね。

 

左右差が少なくなるように調整しました。

 

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最後に試運転をして納車となります。

 

 

 

マツダ部品はもともと供給スピードが速くないのですが、

ある程度は事前に部品を取寄せていたので早く仕上がりました。

 

 

 

作業自体は1週間で十分終わるのですが、

チェック時間や予備日などを考慮して

平均約2週間のお預かりが多いです。

 

 

 

 

 

 

リフレッシュプランのご相談・ご予約は、

HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

HAPPY CAR LIFE!!

 

 

 

 

追記 18/8/11

納車1500km走行後のレビューをいただきました。

・前回ブログでお伝えしたように

燃費は10km/Lから13km/Lに改善。

 

・サスペンションリフレッシュで高速道路のカーブで安定感がかなり改善されたようです。

 

この2点はハッキリ違いが出たのでユーザーさんは運転が楽しくなったとお知らせくださいました。

違いに気が付いてくれて私もほっと一安心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マツダ MPV LY3P ガソリン直噴エンジン 吸気バルブへの煤蓄積。  ドライアイス洗浄のDSCに追加対応しました~。

ガソリン直噴エンジンの吸気バルブに蓄積する

大量のカーボンを完全除去する(DSC)

 

ドライアイスショットカーボンクリーニングは、

弊社オリジナルの整備になります。

 

 

 

 

 

もともとトヨタ・レクサスのV6直噴エンジン用に

独自開発した整備なのですが、

少しずつ対応車種・エンジンを増やしています。

 

 

今時の低燃費エンジンは、

どのメーカーもほぼ直噴エンジンを採用。

国内だけではなく輸入車ももれなく同じ。

 

 

 

海外では直噴エンジンのカーボン蓄積は

比較的ポピュラーな整備のようで検索によくヒットします。

 

 

ですが国内の国産車に目を向けると

弊社以外からの情報発信はほぼ皆無に近い。

 

 

検索しても引っ掛かるのはみんカラ等の個人ブログか?

輸入車ショップのブログ記事ぐらいでしょうか。

 

 

 

 

 

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大阪府南部からお越しいただいたのは、

マツダ MPV LY3P

ガソリン直噴ターボエンジン

走行距離65000km

 

 

車両全体をある程度の予算を掛けてリフレッシュする、

リフレッシュプランのご依頼です。

 

 

 

 

走行距離はまだ7万キロ未満ですが

新車から10年近く経過していますので、

この機会にリフレッシュ整備をする事になりました。

 

 

その会話の中で、

(このMPVの直噴もカーボンが蓄積しますよね?)

とご相談をいただきまして、

 

(もちろん直噴ですから強固に大量に蓄積しています。)

(ですがこのE/GにはDSCは作業実績が無いのです。)

とお答えしました。

 

 

DSCに初めて施工するエンジンの場合は、

ある程度は時間をいただいて作業をしています。

(馴れてくれば日帰り等で出来るのですが・・・。)

 

 

 

 

 

今回のお預かり期間に余裕があるリフレッシュプラン内で、

DSCを実施して欲しいと相談されましたので、

まずはDSCから紹介していきます。

 

 

 

その他のサスペンションやATF交換・ブレーキ関係の整備は、

次回ブログで紹介しますね。

 

 

 

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DSC作業の前に完全暖機をし、

排気ガステスターで燃焼状態をチェックしました。

 

CO 0.27%  HC 104ppm

 

 

 

 

ここから2000rpmまでエンジン回転数を上げて1分間維持。

触媒とO2センサーの温度を上げて活性化させます。

 

 

 

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それでやっとCO 0.13%   HC 93ppmまで下がりました。

 

 

理想はCO、HCともにゼロが良いのですが、

LY3P MPVのエンジンならこの結果は平均的な数値でしょう。

 

 

 

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インタークーラーを外しスパークプラグを確認。

 

イリジウムプラグが装着されているので10万キロまで使用でき、

今回は交換しませんでした。

 

 

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吸気ダクト・スロットルボディ・インテークマニホールドと順番に外していきます。

 

 

4気筒8ポートが見えてきましたので、

インテークバルブの様子を確認しますね。

 

 

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インテークバルブの傘部には

カッチカチに固着したカーボンが蓄積。

 

バルブシャフト部には

カマキリの卵状にカーボンがこんもりと固着。

 

 

黒く光って見える部分はブローバイからのオイルが付着し、

硬く焼き付いています。

 

またポート内径にもビッシリカーボンがこびり付いて、

酷い状態でした。

 

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この画像は望遠レンズで撮影しているので、

ポートの深さはあまり無いように写っていますよね?

(望遠レンズの圧縮効果)(スグに指で触れそう??)

 

 

 

でも実際は深さ10cm、直径3.5cmの狭く深いポートの

最底部にインテークバルブがあります。

 

 

 

非常に作業がしずらく目視も片目で見ないといけないので、

長時間の除去作業は難しいのが現状です。

 

 

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そこでオススメするのが(DSC)

 

ドライアイス洗浄機を使用し、

数種類あるDSC専用ノズル&アダプターを使い分けて、

強固に固着したカーボンを除去します。

 

 

 

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飛び散るカーボン片で車体が汚れぬよう、

完全防備のマスキング。

 

3M社高性能マスカーを使用していますので、

水・油・溶剤があったとしても塗装を完璧に守ります。

 

 

それでは軽くショットしてみますね。

 

 

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軽い数秒のショットでここまで除去できました。

 

ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。

 

指で潰せるほど柔らかいドライアイスペレットが、

強固なカーボンに衝突します。

 

 

 

 

(熱収縮と昇華爆発力)

 

カーボンとバルブの隙間入ったペレットが、

一瞬にして昇華し体積膨張。

 

750倍に膨れ上がり僅かな隙間で炸裂し

それが連続し続け徐々にキレイにしていきます。

 

 

 

kkkk

 

硬い粒子を打ち付けるサンドブラスト等は

メディアの研磨力で削っているので、

硬いメディアだと母材に傷が付き

柔らかいとなかなかキレイにならない。

 

またメディア残留の可能性もあり不具合がでる事もありうる。

 

 

 

ドライアイス洗浄の場合はスグに昇華しCO2になるので、

エンジン内に残留する事はありません。

 

 

サンドブラスト等とは剥離原理が異なり、

ドライアイスの特性を利用してキレイにしているんですよね。

 

そして金属製のエンジン部品やゴム製のシール等も

傷める事もなく短時間に完璧に除去が可能。

 

 

 

 

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新車時と同じようにカーボン蓄積が無い状態まで、

キレイに除去しました。

 

 

 

ここまでキレイにスカッと出来るのは、

DSC以外では時間と費用の掛かるO/Hぐらいでしょう。

 

 

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インテークマニホールド内にはカーボンとオイルが付着、

洗浄剤でキレイに洗い流しますね。

 

もちろんガスケットは純正品で交換します。

 

 

 

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電子制御スロットルボディも清掃しました。

WAKO’Sスロットルクリーナーでキレイにします。

 

 

 

組み立ててエンジン始動。

 

完全暖機をしてから排気ガステスターで、

もう一度燃焼状態をチェックしますね。

 

 

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アイドリング回転数も落ち着いて、

CO・HCともにほぼゼロまで回復しました。

 

きれいな燃焼状態になったのではと思っています。

 

 

 

18/8/11追記

納車2週間 1500km走行後にレビューをいただきました。

真夏のデュアルエアコンを作動時で今までは10km/Lが精一杯の燃費が、13km/Lを越えたそうです。

 

 

 

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従来型ポート式燃料噴射(非直噴)は

燃焼室とインテークバルブの上流に、

インジェクターが装着されていました。

 

 

燃料を常に吹きかけるのでインテークバルブに煤が付着しても、

洗い流されていたので問題がなかったのです。

 

 

ですが直噴化が採用されインテークバルブ下流の

燃焼室内で燃料を直接噴射するので

バルブが洗い流される機会がなくなりました。

 

 

 

s-bbb

 

 

また燃料噴射から点火燃焼までの時間が短い直噴は、

微細な煤自体が発生しやすい。

 

微細化された燃料は気化して空気と混ざり混合気になりますが、

気化しきっていない燃料粒が混合気になる前に

高温で燃焼すると微粒子の煤に変わります。

 

 

 

 

この煤粒子が内部EGR機構によりインテークバルブに蓄積し、

徐々にエンジンパフォーマンスを低下させる。

 

 

 

s-スワール

 

 

エンジン開発部門ではいかに少なく最適な燃料噴射で、

最大のパワーとクリーンな排気を得る事を、

研究していると思います。

 

 

開発時と同じく計算された吸気渦が

いつまでも続けば良いですが、

残念ながら経年劣化による煤蓄積があると

理想的な気流渦が乱れるのです。

 

 

ほんの少しの無駄が積み重なり、

理想的な燃焼から徐々に離れていくのだと思っています。

 

 

 

 

 

 

少し前に愛知県から来店したトヨタ マ-クX GRX130

 

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こちらはさらに酷く蓄積したインテークバルブの大きな煤塊。

 

吸気ポートの8割ほど塞ぐように巨大化したので、

3番気筒が失火しE/Gチェックランプが点灯したそうです。

 

地元のディーラーさんもさすがにお手上げ状態だったので、

ユーザーさんは弊社でDSCを実施しました。

 

 

確認すると3番と5番ポートが特に酷く蓄積していました。

 

 

 

 

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その時は軽くショットしても、

塊が硬化して手強かったです。

 

完全除去にはなかなか時間が掛かりました。

 

 

 

 

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最終的にはここまでキレイにし、日帰りにて納車しました。

 

 

 

自動車は使用すれば経年劣化を起こります。

 

それをメンテナンスで解消し長く良い状態で使用する事を

弊社では提案させていただいています。

 

 

 

というわけで弊社のDSCの対応車種が増えて、

MPV LY3P L3-VDTエンジンも対応可能になりました。

 

 

 

次回ブログはMPVのリフレッシュプランをご紹介しますね。

どうぞお楽しみに~!!

HAPPY CAR LIFE!!