minatomotors のすべての投稿

三重県からクラウンGRS200 前編。  エンジン微振動・加速フィーリング低下は??カーボン煤が堆積か! ドライアイスでリフレッシュ。

三重県からお越しいただいたのはクラウン GRS200

以前にレクサスLS600hのリフレッシュプランを作業させていただいて、今回はクラウン200系の作業を依頼されました。


依頼内容
・DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
・スパークプラグ交換
・マルチサーブインジェクター洗浄システム
・LLC圧送式交換
・ATF完全圧送式交換
・デフオイル交換
・カーエアコンリフレッシュα


計7点の作業を承りました。

これから紹介する作業は180系以降のクラウンやレクサスIS・GSに行う定番整備ですよ~。  (ディーラーさんでは提案すらされない内容です。)





トヨタ・レクサスの直噴ガソリンエンジンの吸気系に堆積するカーボン除去。

弊社が7年前に開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)で、エンジンにノーダメージで短時間に完璧に除去します。






信号待ちでの微振動や加速フィーリングの低下。
ある程度走行したクラウンあるあるですね。



それらを解消するために開発したのがドライアイス洗浄を利用したDSC。






煤が飛散してもボディーが汚れないように完璧なマスキング。
3M社製の高性能マスカーを使用。


ドライアイス洗浄機にドライアイス3mmペレットを投入し、DSC専用ノズルとアダプターを接続しました。





軽くワンショットしてみると固着したカーボン塊が一部吹き飛びましたね。





・ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
・熱収縮と昇華爆発力で瞬時に異物を剥離。

アルミやクルミなどの硬いメディアを使用せず、柔らかいドライアイスペレットでの洗浄作業は、母材金属にダメージを残しません。




精密な金型の洗浄や食品加工装置の洗浄などで活躍している(ドライアイス洗浄機)

ドライアイス洗浄機を自動車整備に活用したのは、ミナト自動車が日本では初めてでしょう。





硬いメディアを使用したアルミナ・クルミブラスト作業は(研磨力)で異物を削り取る作業。

ドライアイス洗浄はー78℃の熱収縮と衝突時の昇華による750倍の体積膨張で付着物を瞬時に剥離させる。

そもそも研磨と剥離では洗浄原理が違うのですね。



圧縮上死点にセットし、バルブ全閉状態でショット。
(煤やペレットが燃焼室に入らない。)



複雑で細く深いポート奥にあるインテークバルブの傘部やシャフト部を完璧に洗浄しました。


硬いメディアを使用せず、ドライアイスを使用するメリットはもう一つあります。

それはメディアがエンジンに残留する可能性がゼロだから。




硬いメディアが万が一残っていてバルブシートに噛み込めば、おそらく圧縮不良になるでしょう。

ドライアイスはエアブロー等をしなくても、放置すれば自然に昇華して大気に消えます。  


つまりエンジンにドライアイスが残留する可能性はゼロ。
ヒューマンエラーがあっても残留する事はありえない。




整備してエンジンが調子悪くなれば、意味ないですよね。






ガスケット類は純正新品に交換。

スワールコントロールバルブやスロットルボディもドライアイス洗浄でキレイになりました。



DSCオプション整備 (スパークプラグ交換)

DSCでインテークサージタンクが外れている時に同時交換すれば、スパークプラグ交換工賃が安くなります。


NGK史上最強のスパークプラグ プレミアムRXで全数交換しました。

冷却水はラジエターリフレッシャーで全量圧送式交換でリフレッシュ。


エンジン・ラジエター・ヒーター内にあるLLCを、この装置で全量交換。
同時に冷却ラインの浮遊物を回収しろ過しています。




メーカー整備書に記載されているラジエター下のドランプラグを開ける方法では、残念ながら全ての冷却水は交換出来ないのです。


エンジンを掛けながらゆっくり確実に入れ替えていきますね。



最後にLLC再生強化剤で防錆・消泡性能を強化し、エア抜き作業も行いました。


DSCでインテークのカーボン除去を実施し、マルチサーブ インジェクター洗浄システムでは(インジェクターや燃焼室を専用ケミカルでダイレクトに洗浄)します。


エンジンのフューエルラインを切り離し、マルチサーブのホースをエンジン側に接続。

インジェクションシステムパージをマルチサーブに投入。


燃料タンクのガソリンを使わずに、このケミカル剤で直接フューエルラインに流し込みます。


精密なインジェクターに付着するスラッジやカーボン除去。
燃料噴霧口や燃焼室内もケミカルの効果で洗浄。




約70分ほどエンジンを掛けながら、ユックリ洗浄していきますね。

時々回転数を上下変動させながら作業をしています。



・高回転までのスムーズなフケ上り。
・信号待ちでの不快なエンジン微振動。


カーボン煤が堆積し燃焼状態が悪くなれば、噴射されたガソリンはキレイに燃えません。

精密なスプレーパターンでガソリンを噴射しなければ、短時間で完全な混合気になりません。



つまりガソリンが無駄になり、パワーに変換されず、そしてマフラーへの煤が増える。


良い事なんて何もない。





・最適な吸気渦を復活させて混合気を形成し燃焼。

・キレイなスプレーパターンで燃料噴射。

・確実な圧縮・強い点火燃焼。



GR系V6エンジンをリフレッシュしましょう。





次回ブログでも引き続きクラウン200系の整備を紹介しますね。


・ATF完全圧送式
・デフオイル交換
・カーエアコンリフレッシュα


3点ともにニューテックの高性能製品で新車時以上の性能を引き出します。


それではHAPPY CAR LIFE!!







ハイエース KHD201 DPF警告灯点灯。   DPFが詰まって交換後!! 何故詰まったのか??が重要です。

大阪府からお越しいただいたのはハイエースKDH201 H19年式
数年前に弊社でATF交換をしていただいた方から相談がありました。



エンジン不調になりDPF警告灯が点灯し、地元整備工場にてDPFを新品交換。

警告灯は消灯したが(このまま乗り続けても問題ないでしょうか?)とメール相談がありました。





インジェクターやEGRバルブ・エンジン自体の煤堆積も気になるので、DSCやマルチサーブの見積希望。



御見積を提示し、数週間後に予約入庫していただきました。



スキャンツールを接続し、ECUのライブデータを確認。

各数値を見て現状を把握します。



ハイエースの標準ボディはエンジンルームが狭いので、DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)での洗浄は難しい。





そういう場合はマルチサーブでインテーク系の煤を、専用ケミカルで除去していきます。




ですがいきなりマルチサーブで作業をするのではなく、比較的簡単に分解できる部分までは外しましょう。


吸気シャッターバルブ・エアダクト・EGRバルブ・水冷EGRクーラーなどを外しました。



分解時には各機関の機能点検をしています。
適正な負圧と電磁バルブスイッチが作動しているかも調べますよ。




そこから煤堆積の状態をチェックしますね。

EGRバルブは煤堆積で酷い状態ですね。


手作業で煤除去するのは大変なので、ドライアイス洗浄で洗浄しました。




水冷EGRクーラーもフラップを分解して、内部を確認。
予想通りフィンの内部で煤が詰まっています。



こちらは弊社が開発した特殊洗浄装置でキレイにしましょう。






ハイエースのマルチサーブ(インテーク洗浄システム)では吸気シャッターバルブ~水冷EGRクーラー・EGRバルブまでの分解洗浄で終了し、それ以降はマルチサーブでの洗浄に切り替えます。




ですが今回は状態が悪かったので、更に奥にあるインテークマニホールドを確認しました。




この年式ぐらいからインテークマニホールドの吸気ポートにはスワールコントロールバルブが採用されています。



1気筒に対して2系統の吸気ポート。  一つは四角いポート形状で、もう一つはフラップ付きの丸型形状。


フラップを開閉して燃焼室に流入するスワール気流渦をコントロールしています。



開閉は負圧で制御していますが、フラップのシャフトが完全に煤固着し全く動きません。


これでは常にフラップが閉められた状態なので、高回転・高流量時には、燃焼室に空気が入りずらい状態になりますね。



・燃焼室に流入する空気量が想定より少ない。
・燃料に対して空気が少ない状態での燃焼。
・リッチ状態が多くなり、煤の発生が多くなる。


正常に動かないと必要以上に煤が発生するので、当然DPFに堆積する煤の量も増える。


その状態が長ければ、頻繁にDPF再生が繰り返され、燃費も悪くなりDPFも壊れる。




DPF警告灯点灯し交換したからもう安心!!ではないんですよね~。



エンジンヘッド側のインテークポートはまだマシな方なので、こちらの煤はマルチサーブで洗浄しましょうか。



DSCのドライアイス洗浄をすればこれぐらいの煤堆積なんて楽勝。

でもエンジンルームにスペースが狭いのと、養生マスキングが大変なので作業不可。  仕方がないですね。




インテークマニホールドは固着が酷いので、新品交換となりました。
(煤除去してもシャフトが固着で断念)




これで低回転時と高回転時での吸気渦のコントロールが可能になり、燃料と空気の撹拌が出来るようになりますね。






ガスケットやホース・割れたカプラーなども交換しました。


配線のカプラーは熱劣化でパキパキ割れますのでリペア。



組み立てて冷却水を補充し、エア抜き作業と暖機。



そこからやっとマルチサーブの出番です。


まずはインジェクターとターボチャージャーから内部洗浄しますね。



マルチサーブのホースを、ハイエースの燃料ラインに接続。

ディーゼルシステムパージをマルチサーブに注入。


液晶画面の指示通りに作業が進む。



フューエルサプライポンプ・コモンレール・デリバリーパイプ・インジェクター等の内部を強力な専用ケミカルで洗浄中。


特に精密なインジェクターニードル部や噴霧口周辺に堆積するスラッジや煤を洗浄するのは非常に重要です。


約70分ほどアイドリング状態で作業をし、ひとまず終了。

引き続いてターボチャージャーフィン部に付着する煤も同時に洗浄します。


マルチサーブにディーゼルターボサーブを注入。



こちらも70分ほど掛けてアイドリングし、洗浄していきます。






次は吸気インテーク系の煤洗浄作業を行います。

マルチサーブを吸気シャッターバルブの上流側に接続。



ディーゼルインテーククリーナをマルチサーブに注入。


インテークの吸気経路にケミカル剤を微細噴霧し、インテーク内に固着した煤塊を洗い流していきます。


吸気シャッターバルブ~インテークマニホールドまでは、分解で煤を完全除去したのでこのケミカルはエンジン側ポートに直接届きます。



ケミカルで煤粒子を溶かすのではなく、結束を緩める。
固着が緩んだ煤粒子は気流に流されて燃焼室で燃えます。




ケミカルで硬い煤を溶かすのは困難ですが、煤同士の結束を緩めて洗い流すのがディーゼルインテーククリーナです。



煤堆積が多過ぎると、ディーゼルインテーククリーナの使用本数が増えます。
(1本あたりの価格が高いケミカル剤)


手作業で除去出来る箇所は分解で除去し、出来ない部分はマルチサーブで洗浄する2段重ね。

約75分ほどアイドリングをしながら、インテーク内部にケミカルを噴霧し洗浄しました。


作動中はマフラーから猛烈な異臭と白煙が出ますので、排煙回収装置で無害除去しています。



こんな感じで作業したハイエース KDH201のマルチサーブ洗浄システム。


全ての作業が完了後に試運転。
スキャンツールを接続し、ECUライブデータ確認。


数値も良好。 

インジェクターの補正学習値も±1mm3未満に整いました。



これでエンジン燃焼状態も改善し、DPFの詰まり再発も無くなるでしょう。




詰まったからDPFだけ交換しても意味ないですよ~。
(何故そうなったか?)を調べないと、交換した部品が無駄になる分かりやすい事例でしたね。






納車時にアフターケミカルのディーゼルエクストリームクリーナー1本をお渡ししました。


後日燃料タンクに注入してもらい、遅効的にフューエルラインを洗浄していきます。



ハイエース200系等の煤除去作業(マルチサーブ)をご希望の方は、HP(お問い合わせフォーム)から御見積やご予約をお待ちしています。


必要事項や不具合点なども記載していただけると助かります~。

それではHAPPY CAR LIFE!!







京都府からCX-3 ディーゼル煤をドライアイスで完全除去。 マルチサーブでインジェクターDPF洗浄!!

京都府からお越しいただいたのはマツダCX-3 DK5FW
H29年式 7万キロ


2年前にATF交換に来ていただいて今回で2回目の来店です。
リピートありがとうございます。

マツダ スカイアクティブ1,5Dのインテークには、煤が堆積してエンジンパフォーマンスが低下します。

また煤堆積の副作用により、各機関のコンディションも悪くなり悪循環。




マツダSKY-Dの2.2Dや1.5Dなどは、ただ単純にインテークの煤さえ取れればOKというものではないので、その辺りを今回紹介しますね。


累計1千台以上の作業実績であるDSCは、おかげさまで全国各地から来店いただき、煤堆積除去の定番整備になりました。    http://minato-motors.com/blog/?cat=169






今回依頼された内容

・DSCドライアイスショットカーボンクリーニング
・マルチサーブ インジェクター洗浄システム
・マルチサーブ DPF洗浄システム
・LLC圧送式交換
・ATF完全圧送式交換 for ニューテック
・カーエアコンリフレッシュα


それではDSCから始めますね。

試運転をしてダイアグ故障コードや各センサー数値を確認します。


作業前に数値を確認して記録。 作業後にその数値と比較。
DSC以外の足りない整備が有るか?の判断材料にしているのですね。




樹脂製インテークマニホールドを外しました。


エンジンの状態をチェック。



エンジンヘッド側のインテークポートは煤で狭くなり、奥にあるインテークバルブは煤で埋もれています。


内蔵式水冷EGRクーラーのフィンには乱気流で付着した煤がドン詰まり。


これでは過給した空気は燃焼室に入りずらく、燃焼状態も悪化し本来の性能は発揮出来ないでしょうね。


走る事は出来るが新車時に感動したあのトルクフルな加速感は、すっかり影に潜めているようです。



ポート奥深くの煤を(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)除去する方法は、DSCでしょう。


ドライアイスの特性を生かした次世代洗浄方法(ドライアイス洗浄機)を使用して除去作業を行います。




DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)は唯一無二。
8年前にガソリン直噴エンジンの煤堆積を解決する為に弊社が開発しました。


その応用でマツダSKY-Dやトヨタクリーンディーゼル等にも対応しています。



DSC専用ノズルで軽くワンショット。
母材金属から煤が剥離しましたね。




重曹・クルミやアルミ粉などの硬いメディアを使うブラスト作業は、ブラスト硬度の研磨力で削り取るのが原理です。



ドライアイス洗浄は柔らかいメディアを使用し、研磨力ではなく熱収縮と昇華爆発力のドライアイスの特性を活かして付着物を除去。


・柔らかいドライアイス粒を圧縮空気で高速噴射。
・熱収縮と昇華爆発力で瞬時に剥離。
・母材金属やゴムシール等を痛める攻撃性もない。


削り取るのではなく(剥離)です。そもそも洗浄原理が違うのですね。

食品製造機械・精密加工機械の洗浄にも使用出来るのは、母材(エンジン)を痛めないと言う事が重要。



またドライアイスはエンジンに残ってもスグに大気に消えます(昇華)。
つまりメディアがエンジンに残留する可能性はゼロ。


硬いメディアを使用するとその可能性が残りますよね。




20年以上前に三菱GDIが酷い煤堆積で失敗しましたが、その時もあるディーラーがクルミブラストを試したそうです。 ですが結果はご存じの通りになりました。




ECUの基盤から油まみれの工作機械まで、ダメージを残さず洗浄できるのがドライアイス洗浄の強みでしょう。






完璧にキレイになりましたね。



(画像のポート内部の黒いのは影です。)
(ライトを手前から当てると、どうしても影になるんですよね。)




圧縮上死点にセットしてバルブ全閉にし、1気筒づつドライアイスショット。
(4気筒一度に作業をすると、燃焼室内に煤塊が入りますので。)




複数あるDSCノズルとアダプターを使い分けて、複雑な形状のポート内部を完全洗浄。

キレイになればクランクを回して、次のポートに移る。




中途半端な洗浄ではなく、完璧な仕上がりをお求めの方は是非DSCをオススメします!!

EGRバルブ・吸気シャッターバルブ・インタークーラーもキレイになりました。


インテークマニホールドは気密テストでNGだったので、新品交換しました。





インテークマニホールド等を組み立てて、オプション整備のLLC圧送式交換も行います。


・ラジエターリフレッシャーで脈動圧送式交換。
交換しずらいヒーター・エンジン・ラジエターの冷却水を全量交換します。 

最後にLLC再生強化剤で防錆・消泡性能を強化。
エア抜き作業も行い、劣化しやすいラジエターキャップも交換。




・マルチサーブでインジェクターとDPFのシステム洗浄。


ディーゼル普及率が高い欧州から導入したマルチサーブ。
専用ケミカルで内部を洗浄します。


DSCとマルチサーブのセット依頼は、最近非常に多いですね~。
(インジェクターDPFのメンテナンスがやっと認知されたかな。)

まずはDPF洗浄から始めます。


DPFに繋がるホースにマルチサーブを接続。

あとは画面の指示通りに進めますね。





1液目のDPFクリーナーを注入し、DPFにケミカルを直接噴霧。

15分待機後にエンジン始動。アイドリング5分間。



5分経過後に2液目のDPFフラッシュを注入。



エンジン回転数を上げてDPF温度を上昇させ、洗浄効果を促進。




DPF洗浄の1段階目は終了。(2段階目はのちほど)




次はインジェクター洗浄システム。

フューエルサプライポンプのIN・OUTにマルチサーブを接続。

エンジンを掛けながらポンプ・コモンレール・インジェクター・デリバリーパイプの内部をケミカル洗浄していきます。




ディーゼルシステムパージを注入し、フューエルラインを洗浄。


特にインジェクターのニードルや噴射口などは非常に精密で、スラッジや煤が付着すると性能が低下します。

それらの汚れをケミカル洗浄するのがマルチサーブ。


エンジンを掛けながら約75分。 ケミカルの効果でゆっくり確実に洗浄するのです。






DPFとインジェクターの洗浄が終われば、DPF洗浄の第二段階であるDPF内に溜まった白煙廃液除去作業に移ります。


マフラーから猛烈な異臭と白煙が出ますが、それを工場内や周辺にまき散らすのは、プロの仕事として美しくない。


近隣に迷惑の掛からないように弊社では独自開発した白煙異臭回収装置で作業をしています。






納車時にはインジェクター用とDPF用のアフターケミカルをお渡しします。   (後日燃料タンクに注入して走行すればOK。)


マルチサーブで即効的に洗浄して、アフターケミカルで遅効的に洗浄する事を推奨しています。



各学習値をリセットして再学習。

ECUライブデータを確認し、ブログでは秘密にしているマル秘作業をゴニョゴニョすれば完璧な仕上がり。


DSCやマルチサーブは(お見せ出来る部分)だけブログ公開しており、(企業秘密の部分)は非公開。


正直に言うと弊社ブログの真似をするだけでは、弊社作業後の仕上がりにはなりません。  累計1千台も作業実績があれば相応の技術蓄積がありますので、それは教えられないんですよね~。



ただ作業中の様子はデジカメで撮影しており、納車時にお見せしています。    画像が必要な方にはDVDにコピーしてお渡ししています。

次回ブログでは引き続きCX-3の作業を紹介しますね。

・ATF完全圧送式交換
・カーエアコンリフレッシュα


それではHAPPY CAR LIFE!!




三重県からランドクルーザープラドKDJ95 リフレッシュプラン後編。ホイールアライメント調整の必要性。 ショックやブッシュだけ交換しても意味ないよ~!!

エンジン不調はDSCやマルチサーブで整備し、再入庫のリフレッシュプラン前編ではフロント足回り下回り関係を整備しました。  http://minato-motors.com/blog/?p=34751



今回のブログは後編です。

次はリア アクスルベアリングやサスペンションを整備します。


・リアアクスルシャフト ハブベアリングやシール交換

ブレーキやシャフトを分解し、SSTとプレスでベアリングを抜き替えます。




ハイエース等と同じようなアクスルベアリング形状ですが、プラドは一回り大きいベアリングが圧入されています。    このベアリングを交換するにはSST治具の強度ももちろんですが、油圧プレスのスペックも高くないと外れません。



そうでないとベアリングが抜けないどころか、治具・油圧プレスのどちらかが壊れると思いますよ~。

シャフトベアリングを組付けてオイルシールも交換。

シールの打ち込み量やスキッドローターの位置も、ミリ単位で測定しながら正確に組付け。(これが甘いとオイル漏れの原因になりますからね。)





パーキングブレーキも分解清掃して、必要箇所にグリスアップ。

プラドのパーキングブレーキなんて滅多に分解整備をしない箇所なので、結構な確率で固着・グリス切れの車体が多いんですよね。(整備不足)



10年に1度はパーキングブレーキもメンテナンスしましょう。






・リア トレーディングアーム ブッシュ交換。
・リア コントロールアームASSY交換
・ラテラルロッドASSY交換
・スタビリンクロッド&ブッシュ交換


トレーディングアームのブッシュは単品供給していますが、コントロールアームとラテラルロッドはこの年式ではASSYでの部品供給になります。




前後ブレーキもO/Hします。


・ディスクローター研磨
歪んで不均一なディスクローターは高性能国産ブレーキ研磨機でリフレッシュ。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924(ディスクローター研磨のススメ。)



ローターの厚みを残しながら薄く正確に研磨し、最後に耐熱塗装(耐熱500℃)で再生しました。 (これでまた10年は使えるでしょう。)



・ブレーキキャリパーO/H

シール硬化やグリス切れはブレーキ異音や片効き等の原因です。
これらのO/Hも10年に1度は実施する事を推奨します。



フロントは対向4ポッド。 リアはシングルポッド。



水分や泥等の混入を防ぐダストブーツは、見た感じ破れてはいません。

ですが分解するとピストンのメッキ加工は錆腐食で虫食い穴。 酷い状態ですね。


内部がこんな状態でもキャリパーのフルード漏れも無く、そこそこ制動力があれば車検にも合格します。(これで車検に合格して、安全なブレーキだと言えますか??)




虫食い状態のピストンは再利用出来ないので新品に交換しますね。





キャリパーを洗浄し、再生出来そうなピストンは磨き上げ。
シールとダストブーツを交換して組み立て。


リアブレーキのホルダー側のスライドピンも洗浄して、ブーツ交換&グリスアップ。



ブレーキ関係のグリスが劣化していると摺動出来ずスムーズさが無くなりますが、もう一つのデメリットは水分が侵入しやすくなります。(錆びやすい)



ブレーキパッドはWAKO’S BPR 高性能ブレーキパッドグリスで組立。
ブレーキホースも全数交換。



上記のようなブレーキオーバーホ-ルを実施すると、5人に1人ぐらいの確率で(ブレーキが効きすぎる)と感じる方がいますね。

O/Hによって(効き過ぎるブレーキ)になった訳ではなく、(今までが効かなさ過ぎるブレーキ)だったんですよ~とお伝えしています。



本来のブレーキになり(しっかり制動するブレーキ)に戻ったんですよと説明しています。

エンジン系のメンテナンスは地元整備工場にて定期的に実施済み。


そこで車両現状を診断して、未実施整備箇所の整備を提案しました。


・ラジエター交換
・サーモスタッド交換
・ファンカップリングASSY交換
・LLC圧送式交換


長年のエンジン熱で樹脂製アッパータンクが劣化し変色。

黒い樹脂タンクが薄緑色になり、やがて茶色になれば要注意。割れてLLCが漏れると走行不能になりますよ~。



未交換だったサーモスタッドを交換し、ラジエターの風量をコントロールをするファンカップリングASSYも交換。


電動ファンなら電子制御で風量を調整しますが、プラド95はアナログな風量調整のカップリング式。


カップリングASSYが劣化しても見た目では判断しにくい。(回っているように見えて、実は冷却できるほど回転していない。)



冷間時・温間時でのファン回転スピードを見分けて、劣化しているようなら要交換。 気が付かず冷却効率が落ちていると、夏場にオーバーヒートしますよ~。


ラジエターホース類は既に交換済みでした。

・ラジエターリフレッシャーでLLCを脈動圧送交換。

エンジンを掛けながらヒーター、ラジエター、エンジンのLLCを全量交換します。

最後にLLC再生強化剤を投入し、防錆・消泡性能を強化。
エア抜き作業も同時に行いました。




エアコン冷媒ガスもリフレッシュ
・カーエアコンリフレッシュα forニューテック


年々減少する冷媒ガスを全量回収し再生。
真空引きで配管内の水分・空気を強制排出。
規定充填量の冷媒ガスを液化高速充填。
ニューテックNC-200でコンプレッサーオイルを強化。

結果的には規定充填量700gに対して、回収できたガスは350g。

約半分ほどしか冷媒ガスが充填されていなかったようです。


このような状態でもギリ冷たい風は出ますが、ACコンプレッサーには負荷が掛かりすぎるので良くないですよ。 エアコンも定期的にメンテナンス。



一通りの予定した作業が完了。

整備リフトからアライメントリフトに移動します。


まずは1G締付。

サスペンションが伸びた状態でブッシュ等を交換組付をしていますので、そのまま走行するとブッシュが捻じれた状態になり早期破損します。


そこで4輪が接地した状態でブッシュ固定ボルトナットを一度緩めて、無駄なブッシュテンションを開放。   そこから本締めします。



アームに張り付けた黄色いテープは仮締めの印。
この箇所を1G締付してマーカーでチェックし完了。

これで交換した新品ブッシュの性能が発揮出来ますね。

1G締付後に試運転。

組付けたブッシュやスプリングインシュレーター等を馴染ませます。純正形状の場合はこれをしないとアライメント調整がスグに狂いますから。


手間は掛かるが惜しまずに。




試運転後にホイールアライメント調整。


・ハンター社 最新鋭ホイールアライメントテスターWA470ホークアイ
高性能4カメラセンサー 樹脂製クランプターゲット


・イヤサカ社ビシャモンマルチアライメントリフト
国産の高剛性・長期水平レベル確保のマルチリフト。ロング別注カラー



サスペンションを組み立て、調整用カムボルトは中立の位置で固定。  測定してみるとこんな感じで数値はバラバラ。   

サスペンション整備後にホイールアライメント調整をしないと意味がないのは、この数値を見れば一目瞭然。


これではクルマは真っすぐ走らない。


単純にショックアブソーバーやブッシュだけを交換しても、本来の走行性能には戻らないんですよね。


最終的にはこんな感じで調整しました。


・Frキャンバー/キャスター/SAIの数値はほぼ完璧でしょう。キレイに整いました。

・リアはリジットなので調整箇所が無い構造ですが、トータルトゥを見れば問題ない数値ですね。  これでタイヤが片減りしたりする事もなく、スラスト角も許容範囲。


・ステアリングギアボックスを交換したので、個別トゥ・トータルトゥ・最大切れ角・ステアリングセンターを調整しました。


これで直進安定性も改善し、走りやすい乗り心地の良いプラド95に戻ったと思います。




最後にいつものテストコースで試運転。

・テスト道路で直進性チェック (流れ・傾きをチェック)
・高速走行からの強いブレーキング (異音・振動チェック)
・市街地で右折左折、凹凸走行 (異音・走行チェック)
・リフトアップして整備箇所の入念なチェックを繰り返す。


数日後に無事納車となりました。




納車時には作業時の画像を見ながら、作業説明をしています。
また画像はDVDにコピーしてお渡ししており、今後の整備の資料にしてください。


これで当分は整備する箇所は無くなったのですが、何点か気になる個所がありましたので、こちらは経過観察しながらの整備アドバイスをさせていただきました。




DSCやマルチサーブを含めると3部作で紹介したランドクルーザープラド95のリフレッシュプラン。
http://minato-motors.com/blog/?p=34663
http://minato-motors.com/blog/?p=34751





リフレッシュプランやDSC・マルチサーブの希望される方はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。


DSC・マルチサーブは御見積が出来ますので、車両情報を記入して送信してください。

リフレッシュプランに関しては各車両コンディションによって大幅に料金が変わりますので(何年何月の○○○のリフレッシュプランはいくら掛かりましたか?)と聞いていただけると整備予算の目安をお答えできます。



それではHAPPY CAR LIFE!!




三重県からランドクルーザープラドKDJ95 リフレッシュプラン 前編。サスペンションやハブ・ブレーキ関係をリフレッシュ。

前回ブログで加速不良・モタツキ感があるランドクルーザープラド95を、DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)やマルチサーブで解消しました。  http://minato-motors.com/blog/?p=34663



作業後の状態も良好で、改めてリフレッシュプラン依頼をいただいたのですが、その時は予約数が混雑していたので数か月後の再入庫となりました。





問診をしてから試運転。
事前ホイールアライメント測定をします。


ほどほどにアライメント数値が乱れていますね。
恐らくこの状態では高速道路での長距離移動は疲れるでしょう。


また市街地走行でも落ち着きのない感じになっていると思います。



ショックアブソーバーはビルシュタインで定期交換しているそうなので、今回は再利用する予定です。

リフトアップし、バッテリー発電・充電状態を点検。
良好な結果で問題なし。


多少のオイル漏れはありましたが、目視点検では大きな不具合は見当たらない。


次はガタ点検。   タイヤを両手で揺すります。

3時と9時の位置で掴み揺すってみて、ガタあればステアリング系統のガタを疑う。
12時と6時の位置を掴んで揺すり、ガタがあればハブ・ボールジョイント等のガタが怪しい。

今回は左フロントに比べて、右フロントのガタが大きく、ステアリング関係が怪しいと判断しました。




タイロッドエンド・ラックエンドどちらもボールジョイントにガタは無し。
ですがギアボックス内の赤丸の箇所でガタが有る。

ステアリングギアボックスは少し前に地元整備工場にてリビルト交換済み。

リビルト交換しているのに何故ガタが???

右フロント画像
右ステアリング タイロッドエンド

ステアリング タイロッドエンドが左右逆に装着され、ギアボックスに不要な負荷が掛かったのでしょう。 (右はRの刻印のはずがLになっていますね。)


それが原因でステアリングラック内部でガタが発生。
これはもう使えないので再交換になります。



点検をしてリフレッシュ整備をプランニング。

過去の整備歴や現状・走行距離を考慮して、お勧めの整備プランを提案しました。



ステアリングギアボックスのガタも説明し、今回は以前に整備した工場側が新しいリビルト品を弊社に配送。   組み立てや調整は弊社で行ない、工賃は別途請求する事になりました。



元々フロントサスペンションはバラバラに分解するので、サクサクッとギアボックスを交換しておきます。



そもそもホイールアライメントテスターが無いと、ギアボックス交換後の(個別トゥ・トータルトゥ・最大切れ角・ステアリングセンター)などをトータルで測定し調整する事は難しい。


簡単そうに見えるステアリングギアボックス交換でも、その後の調整には相応の設備が必要。  でもそれを理解して整備している整備工場が日本に何軒あるのかな??
 


残念ながらほとんどの国産車ディーラー店舗には、アライメントテスター未導入が現状です。



プラン内容見積にOKがもらえましたので、作業を始めますね。




・Frサスペンションアームブッシュ交換

お役御免のアームブッシュをSST・治具や油圧プレスを使用して打換交換。
ブッシュには方向性がありますので、印を付けてから交換します。

アッパーアームも同様に打ち換え交換。

SSTでアームを保持し、治具を使用して油圧プレスで打ち抜く。
組付時には違う治具で圧入交換。


これも設備や工具が無いと、高額なアームASSY交換になりますからね。



・ナックルのアッパーボールジョイント交換
・Frハブベアリング交換。

僅かなガタ摩耗が違和感や異音の原因になるので、15年15万km走行したらリフレッシュ整備を推奨しています。


・エンジン/ATマウント交換
始動時の異音やアイドリング時の振動を軽減。

プラド95は狭い箇所にあるので結構大変ですよ~。



・ドライブシャフトブーツKITでO/H

劣化したグリスを使い続けると内部ベアリングが摩耗します。
硬化したゴムブーツはグリス漏れの原因になり車検不合格になりますね。

耐久性の高い純正ブーツグリスKITでリフレッシュすれば、また10万キロ以上は使用可能。

安価で耐久性の低い社外ブーツは弊社ではオススメしていません。



またハーフシャフトのベアリングも同時交換します。

そんな作業をしているとステアリングギアボックス リビルト品が到着しました。

タイロッドエンドも左右入荷したので同時に交換します。




ロアアームを固定しアライメント調整するアジャストカムボルトは錆錆ですね。

錆びて固着しないようにグリスを薄く塗ってから、新品交換します。




・Frロアボールジョイント交換
・スタビライザーブッシュ、リンクロッド交換

ブーツは破れており、リンクロッドも錆腐食。
インナーブッシュも摩耗していますので全てリフレッシュ交換します。



こんな感じでフロントサスペンションやハブ・ドライブシャフト関係を整備しました。



次回ブログでもプラドのリフレッシュプラン後編を紹介します。

・ブレーキO/H
・リアサスペンション整備
・リアアクスルベアリング&シール交換
・エンジン冷却系リフレッシュ整備
・ホイールアライメント調整 などなど。


引き続き宜しくお願い致します。