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レクサス LS460タクシー DSCでドライアイス洗浄。   出来る事と出来ない事。  時間制限あるならば。

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神奈川県からお越し頂きました。

レクサス LS460 タクシー仕様

USF40 264000km

 

 

 

直噴ガソリンエンジンのインテーク系カーボン除去作業

DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)の依頼です。

 http://minato-motors.com/dsc/

 

 

 

DSCには未対応だったLS460のV8エンジン(1UR-FSE)

 

 

最初に相談された時はDSC未対応エンジンのため、

作業は出来ないですよ~とお答えしました。

 

 

 

 

すると『私のLS460で試してみませんか?』と連絡が・・・。

 

 

 

1泊2日の短期間でインテークバルブが見えるまでの分解。

 

そこからのDSC作業と再組み立てと、

その他のオプション整備などなど。

 

 

 

 

 

・もしかすると時間内で出来ないかも?しれませんよ~。

・途中で作業を中止しても、ある程度の費用は発生しますよ~。

・正確な見積りは出来ないので約○○万円ぐらいでしょうか。

などなどメールをやり取りして・・・。

 

 

 

 

今回は大阪観光と合わせて来店して頂きました~。

 

 

 

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1UR-FSE V8エンジンは

こんな感じでインテークマニホールドなどの部品が

ハーネスや周辺部品に埋もれて見えません。

 

 

 

これらを分解しながらDSCが出来る状態までにするのは、

正直やってみないと分からない。

 

 

 

 

インテーク系の部品脱着作業が

メーカー整備書どおりに事が進めば良いのですが、

整備書も案外当てには出来ない場合が多いので・・・。

 

 

 

でも引き受けた以上はやらなければ・・・。

 

 

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エアダクト・スロットル・インジェクタードライバー。

カチカチに硬化したホース や クリップ達。

エンジンに覆いかぶさるように張り巡らされたハーネス配線。

 

 

 

壊さないよう・割らないよう慎重に分解します。

 

 

 

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ここまで何度も(コレ、ムリやろ)(引き返せ、引き返せ)

もう一人の自分が囁いていましたが・・・。

 

 

 

インテークサージタンクをなんとか外して、

インテークポート&バルブが

やっと見えてきましたね。

 

 

 

 

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作業を進めているとどうしても時間内で、

外せないカプラーが一ヶ所ありました。

 

 

 

 

予定していたハーネスの束の撤去は

エンジン上部をタスキ掛けのように覆ったまま。

 

非常に邪魔ですが、この状態からDSCを施工します。

 

 

 

 

 

 

 

整備書では全てのカプラーは

簡単に外れると記載していましたが、

 

まあまあこんなモンですよ~初作業なんてものは。

 

 

 

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D-4S直噴 デュアルインジェクター搭載

1UR-FSEのインテークバルブ。

 

 

 

V6エンジンのGR系とは少しポート形状と

インジェクターの噴射角度に違いがあって、

バルブ自体はまだキレイな部類だと思います。

 

おそらく燃料が掛かりやすいのではと推測。

 

 

 

 

ただインテークポート内径には

ビッシリとカーボンが1mmほど蓄積していました。

 

ここには燃料が掛からず

カーボンを洗い流せないのでしょう。

 

 

 

 

 

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飛び散ったカーボンが付着しないように

ボディをマスキングで防御。

 

 

 

 

ハーネスの束は何とか交わしながら、

ノズル操作すればイケルでしょう。

 

もう後戻りは出来ないし・・・・。

 

 

 

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kkkk

 

 

 

 

ドライアイスの特性を利用した(ドライアイス洗浄)

 

 

米粒状のドライアイスペレットを、

圧縮空気で高速噴射。

 

熱収縮 と 昇華爆発力。

 

 

 

エンジンにノーダメージで、

短時間でカーボンを除去します。

 

 

 

 

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噴射したペレットが直撃すれば、

金属素地まで見えるほどキレイになります。

 

 

ただノズル操作するスペースが少ないので、

なかなか作業は捗らず非常にやりずらい。

 

 

 

またGR系エンジン用のDSCノズルでは

インテークポートとの角度が合わず、

かなり無理な体勢でショットします。

 

 

 

 

 

 

後戻りは当然出来ない訳で・・・。

ひたすらドライアイスを撃ち続けますね。

 

 

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いつもより時間が掛かりましたが、

なんとかキレイに完全除去しました。

 

 

 

 

 

 

そしてスグに再組み立てしつつ、

 

スロットル清掃・初期化

スパークプラグ 8本を全交換して

次の作業に移ります。

 

 

 

 

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そしてもう一つの本命依頼である

ATF完全圧送式交換。

 

 

LS460なら月に数台は作業しているので、

作業手順は体に染み付いている。 楽勝・楽勝。

 

 

 

 

 

試運転とフルードチェック。

 

 

ある程度は定期的に交換しているようで、

26万キロ走行なら良い状態でしょう。

 

 

 

 

 

お聞きすると商売道具のLSタクシーには

かなりの整備費用を投入しているそうですね。

 

 

手を掛けているLS と 掛けていないLS とでは、

エンジンルームと下回りを見ればスグに分かりますね。

 

 

 

 

 

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オイルパンを洗浄し、ストレーナーも交換。

 

まずはアイシンAFW+でプレ洗浄しますね。

 

 

 

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ここまでキレイにしてから、

本命ATFを使用します。

 

 

NUTEC ニューテック 『NC-65

低粘度タイプの全化学合成ATF(エステル系)。

 

 

 

ニューテック最高峰のATFにチェンジして

もう一度イッキに全量交換しますね~。

 

 

 

 

 

 

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ここまでキレイになりました。

 

 

 

注意

NC-65は薄緑色の為、色味が弱いです。

プレ洗浄のAFW+の赤色に干渉されますので

色まではキレイに入れ替わりません。

 

 

 

 

 

この時ですでに入庫から11時間経過し

残りは翌日にと一度中断します。

 

 

 

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翌日にNUTEC ZZ-31 75w85 で、デフオイルを交換。

 

 

エンジン始動して冷えたATFを暖機しつつ、

ATFのレベルを調整します。

 

 

 

 

 

 

 

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最後にWAKO’S RECSを施工して、

作業箇所の最終チェック後、夕方に納車となりました。

 

 

 

遠方から来て頂いて、

『スイマセン出来ませんでした』とならずに一安心。

 

事前に予定していた作業は全て施工する事ができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に

お越し頂きありがとうございます。

 

 

今回は依頼者と作業者がチャレンジした結果、

良い方向に辿り着いたようです。

 

 

 

 

他社では施工出来ない特殊な作業を

日帰りや1泊2日預かりで施工するのが多いです。

 

時間制限アリでお引き受けするには、

事前にどれだけ準備が出来るかに掛かっています。

 

 

 

 

北は東北、南は九州 と来て頂いています。

(さすがに沖縄・北海道からの来店は無いでしょう。)

 

 

来店し一泊するだけで宿泊代や交通費、

お客様はすでに何万円も掛けて頂いている訳で・・・。

 

 

(いや~スンマセン。出来ませんでしたわぁ~笑。)と

言えないですよね~さすがに。

 

 

 

 

逆に出来ないモノは出来ないと、

ハッキリお伝えしなければ

お客様にご迷惑をお掛けする事になるのですから。

 

その加減が難しいところですね。

 

 

HAPPY Car Life!!

 

 

 

ハイエース 200系ディーゼル4WD  リフレッシュプラン 第4部。   自社ブログとして作業公開する重み。

前前々回から続く

ハイエースのリフレッシュプランの長編ブログ。

 

長々と続き、最終の第四部になりました。

 

 

第一部 http://minato-motors.com/blog/?p=10463

第二部 http://minato-motors.com/blog/?p=10523

第三部 http://minato-motors.com/blog/?p=10530

 

 

 

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ハイエース KDH206 ディーゼル 4WD

走行距離17万キロ

 

 

 

最後は完全ATF圧送式交換 と カーエアコンリフレッシュα。

 

 

 

 

ATFをチェックしてオイルパンを外します。

 

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17万キロ無交換にしてキレイな部類ですが、

鉄粉量も多くATFは完全に劣化していますね。

 

 

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純正ATFストレーナーも交換。

 

キレイに洗浄したオイルパンに

耐油・耐熱液体ガスケットの塗り込み。

 

 

 

組み付け後、ハミ出さない為には

最低限の量で的確に塗りますね。

 

 

 

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ガスケット硬化後にATFを補充。

 

完全暖機後に

全量イッキに圧送式交換します。

 

 

 

 

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アイシンAFW+で規定容量分のプレ洗浄完了。

 

旧ATFに比べるとかなりキレイになりましたね。

 

 

 

ここから20分ほどアイドリングし、

もう一度AFW+ で圧送式交換します。

 

 

 

 

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ここまでキレイに交換すれば、

次回交換推奨時期は4万キロ。

 

 

 

ATFは必ず劣化しますので

定期的に交換しましょう。

 

 

 

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カーエアコンリフレッシュαで冷媒ガス点検。

 http://minato-motors.com/blog/?p=331

 

年々減少する冷媒ガスを一度全回収し、

規定容量まで再チャージ。

 

 

同時に劣化しているコンプレッサーオイルも補充します。

 

 

 

 

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カーエアコン整備機器NO、1メーカー デンゲン社製

全自動冷媒回収再生充填装置 『エコマックスjr』

 

 

補充するACオイルはNUTEC ニューテック 『NC-200』

エステル系化学合成オイルを使用した高性能AC添加剤。

 

 

 

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規定冷媒量700gに対し、回収できたガスは 550g

150gほどの少なかった事が分かりましたね。

 

 

 

エコマックスJr は回収も充填も 重量管理。

 

 

冷媒は多くても少なすぎても

エアコンの効きが悪くなるのですよ~。

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じで数回に分けて紹介した

ハイエースのリフレッシュプラン。

 

 

数週間の整備預かり中に

心配していたエンジン警告灯の点灯もなく、

 

もう再発はなさそうですね。

 

 

 

無事納車となりました。

 

 

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第一部の冒頭で説明した

詳しい事が書けない理由は、

ネット社会特有の犯人探しが始まるからで・・・。

 

 

 

 

実際に自動車整備をしていると、

前回作業者の不手際が見えてきて

 

『これはダメだなぁ~』と思いながら

基本的にブログアップする事はないのですが・・・。

 

今回のハイエースを整備していると

コレはチョット酷すぎるな~と。

 

 

 

 

 

 

 

・エンジン不調の診断根拠が全くない見積り。

・親切心からの間違った整備方法 と 不具合発生。

 

自分が一般ユーザーなら途方に暮れるでしょう。

 

 

 

 

 

私自分の整備方法や考え方が

一番正しいとは思わないですし、

間違っている事もあるかもしれません。

 

 

 

そのあたりは私も日々勉強するしかないですから、

反面教師・反面教師。

 

 

 

 

 

 

自社の看板を背負ってブログ公開する事は

いろんな意味でコワイ事だなと思っていますが、

 

(見えない・聞けない整備)はユーザー側もコワイので、

これからも弊社の作業内容や理由根拠は

入庫・納車時には説明していきたいと思います。

 

 

Happy Car Life!!

 

 

 

ハイエース 200系ディーゼル4WD  リフレッシュプラン 第3部。  SST工具で時間短縮。 無ければ自作で低予算。

前回、前々回からのブログ 続きです。

 

第1部 http://minato-motors.com/blog/?p=10463

第2部  http://minato-motors.com/blog/?p=10523

 

 

 

 

 

どちらか言えば西日本側某県からの来店は

ハイエース KDH206 ディーゼル 4WD

走行距離17万キロ

 

 

 

加速不良でエンジン警告灯 点灯。

平行して進めるリフレッシュプランの点検整備。

 

 

 

 

 

 

前回ブログで発覚したブレーキの修理や

ハイエース特有の故障を考慮して、

 

 

(Frブレーキ・足回り関係 )

・ブレーキパッド、ディスクローター交換。

・キャリパー 一部修理交換。

・FrハブベアリングASSY交換

・ショックアブソーバー交換

 

 

(リアブレーキ・足回り関係)

・ライニングシュー交換 ドラム研磨

・ブレーキシリンダーO/H

・ハブベアリング交換一式

・ショックアブソーバー交換  などなど。

 

 

オススメ整備プランを提案し、

了承を得たので作業を進めます。

 

 

 

 

 

 

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リア アクスルシャフトオイルシールからのオイル漏れは

ある程度走行したハイエースの定番故障事例。

 

 

数百円のシールが劣化破損すると

ブレーキドラム内にデフオイルが進入するので、

 

シューやドラムがダメになりブレーキが効きません。

 

 

 

 

また30万キロ以上を目指すなら

ハブベアリングもそろそろ交換時期でしょう。

 

 

 

 

 

 

ハブベアリング交換とブレーキ関係は

重複工賃がありますので同時に予防整備する方がお安くなります。

 

 

スライドハンマーで軽く引き抜き、

シャフトを外していきますね。

 

 

 

 

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ABSピックアップローターの奥に、ハブベアリングがあります。

 

 

スペーサーとABSローターはサンダーで

シャフト残り数ミリのところまで削ります。

 

 

タガネで軽く叩いて割れば、

シャフトをキズ付けずにポロンッと外れます。

 

 

 

 

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ハイエース200系専用の自作SSTをセットして、

15tプレスで打ち抜きますね。

 

 

純正SST工具は調べると4万円前後となかなかのお値段。

自作なら鉄アングルのみの数千円。

 

 

 

作れるモノなら作ります。

見た目も悪く、手作り感は満載ですけど・・・。

 

 

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シャフトを磨いてキレイにしてから、

ベアリング・シール・ローターなどを圧入します。

 

 

この時スペーサー・ローターの位置決めが悪いと、

即効にオイル漏れしますので注意です。

 

 

 

 

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アクスルシャフトシールも交換して、

ブレーキシリンダのカップシール交換。

 

 

 

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ブレーキフルードのエア抜き作業後に

1回目のクリアランス調整。

 

長めの試運転後に2回目の調整を行います。

 

 

 

リアブレーキ調整をするとブレーキペダルの遊びが適度になり、

パーキングブレーキの引きしろも元に戻ります。

 

 

 

 

 

逆に言えば調整が不十分 またはシューの磨耗が大きいと、

ペダルの遊びが多くなり、パーキングブレーキの引きしろも多くなる。

 

 

 

 

 

 

入庫試運転時にそこをチェックすると、

ブレーキのメンテナンス度が良く分かりますね。 (ドラム式の場合)

 

 

 

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次はフロント側のベアリングASSY交換。

 

 

ハイエース200系のディスクローター交換は

ナックルからハブB/G-ASSYを外す必要があります。

 

2WD・4WD問わずこの作業が大変で、

ハイエース200系 ハブベアリング交換と検索すれば、

皆さん錆びと固着で苦労されているようです。

 

 

 

 

 

 

 

ミナト自動車では専用SSTがあるので、

ナックルを外さずにスンナリ分解。

 

上記画像までは片側で15分ぐらいかな。(4WDなら)

 

 

 

 

このハイエースの14万キロ時に

ブレーキローターを交換した某整備工場は

 

スライドハンマーで数時間叩き続けて

分解している様子がブログに・・・。

 

 

 

そんな事をすると

ベアリングASSY自体がダメになるのと思います。

 

ローター交換のみのベアリング再利用なら、なおさらですね。

 

 

 

 

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固着が無く、上手くいけば、

片側のココまでで30分。

 

 

固着しSST工具が無ければ、

数時間掛かると思います。

 

 

 

 

 

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キャリパーホルダーを洗浄し、

シール・ダストブーツも交換。

 

 

固着原因の塗料は除去し、

程よくグリスを塗って再組み立て。

 

 

 

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残量の少ない外したブレーキパッドは

シムにグリスがほぼゼロ。

 

 

これではシムの機能を発揮できない。

 

 

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新しいブレーキパッドにWAKO’S BRP ブレーキプロテクター。

 

高性能・高耐久ブレーキパッドグリスを、

タップリ かつ ハミ出ない程度に塗り込み。

 

 

パッドの共振を防いであげます。

 

 

 

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ブレーキの組み立てが終われば、

ショックアブソーバーも4本交換します。

 

 

 

高速走行すると80km/hぐらいで振動が止まらないので、

17万キロなら要交換でしょう。

 

 

ハイエースの純正アブソーバーは非常に安価なので、

7万キロ毎には交換してもイイと思いますよ~。

 

 

 

 

 

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次回ブログが最終の第4部です。

 

 

ATF完全圧送式交換と

カーエアコンリフレッシュα を紹介しますね。

 

 

それではHappy Car Life!!

 

 

 

 

ハイエース 200系ディーゼル4WD  リフレッシュプラン 第2部。  急激なブレーキ磨耗の原因は。  

前回ブログの続きです。

 http://minato-motors.com/blog/?p=10463

 

 

 

 

どちらか言えば西日本側の某県からお越し頂きました。

ハイエース KDH206 ディーゼル 4WD

走行距離17万キロ

 

 

エンジン不調による警告灯点灯。

それと平行して進行するリフレッシュプラン。

 

 

 

 

エンジン不調の方は前回ブログで紹介したセンサー不良。

 

お預かりの間も経過観察しながら様子を見て、

次の工程に進みますね。

 

 

 

 

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問診時にお聞きしたブレーキ関係の整備暦は

去年4月に某民間整備工場でブレーキのO/Hは実施済み。

(走行距離14万キロ時)

 

 

 

ですが点検をしてみるとフロントブレーキに違和感がある。

上記画像を見て何か気が付きませんか~?

 

 

 

 

 

 

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プレーキディスクローター当たり面にあるキズは

実は去年に交換したディスクローターのスリット跡。

 

 

スリット溝が無くなると言う事は・・・。

 

 

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O/H後の僅か3万キロ走行で

ブレーキパッドは残り3割以下ほどしか残っていない。

 

 

 

 

 

普段の使用環境は市街地走行 と 高速道路。

 

高低差の激しい地域にお住まいではないので、

ガンガン激しいブレーキングもしてはいない。

 

 

 

 

それに新車時から14万キロまで

ブレーキパッドの交換暦は無いので、

もともと急ブレーキが多い乗り方はしていないと思います。

 

 

 

となると考えられるのは整備不良か?整備ミスか?

 

 

整備不良=必要な整備をしていない。

整備ミス=整備したが作業方法が間違っている。

 

 

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ハイエースのような

フロントはディスクブレーキ・リアはドラムブレーキの場合、

 

 

Fr側パッドの減りが早くなるのは

リアブレーキの調整不足が多いです。

 

 

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特にドラム当たり面が荒れていると、

微妙なクリアランス調整が出来ないので

 

ライニングシューの残量が残っていても、

ある一定の時期にはドラムを研磨 or 交換して

クリアランスを整えた方が良いと思います。

 

 

 

 

 

 

自動車は4輪のブレーキで止まろうとするのですが、

リアドラム式の場合はリア側の調整が甘いと制動始めが遅くなります。

 

ですがFr側はいつも通りスグに制動を始めるので、

Fr側のみで止まろうとする時間が多くなります。

 

(そして少し遅れてリア側が制動を始めます。 遊びが多いので)

 

 

 

 

 

 

本来4輪で制動を掛けるのを

2輪のみの時間が増えると車両が止まらない。

 

そこでさらに深くブレーキペダルを踏み込むと

Frブレーキの負担過多でパッドが早く磨耗する。

 

 

 

 

 

 

と最初の点検診断では思っていましたが、

どうやら他にも原因がありました・・・・。

 

 

 

 

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オーバーホールしているはずの

キャリパーホルダーのスライドピンが固着。

 

 

かなり固くて抜けません。

 

(正常な状態は内部のグリスで、スムーズにスライドします。)

 

 

 

 

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手では抜けないのでプライヤーで挟み、

無理やり引き抜く事に。

 

 

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グリスが硬化し

カチカチになっていました。

 

 

 

1年3万キロぐらいでグリスが硬化?

チョットありえないですね。

 

グリスのチョイスミスか?

 

 

 

 

 

 

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スライドピンのグリスを

パーツクリーナーで溶かしながら拭き取ると

何か付いてますね。

 

調べてみると実はコレ塗料なんです。

 

 

 

 

 

何故塗料がスライドピンに?と不思議に思い、

 

改めてお客様のメールに記載されていた

前回Frブレーキ関係をO/Hした

某整備工場のブログアドレスをクリック。

 

 

 

 

そこにはキャリパーを塗装した様子が映っていました。

 

 

そしてスライドピンはキャリパーから外さずに、

キレイにシルバーで化粧塗装。

 

 

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ホルダー側をチェックすると、

剥がれた塗装と硬化したグリスの塊。

 

 

通常スライドピンはメッキ加工しているので、

サンドブラストも塗装もNGです。

 

 

 

 

塗装業界なら当たり前のメッキ面への塗装処理。

 

正しいプライマー処理をしないとペロンっと簡単に剥がれるし、

そもそもピンを塗装しちゃダメですし・・。

 

 

 

 

 

Frブレーキは認識不足の整備ミス。

Rブレーキは調整不足の整備不良。

 

2つが重なり、ありえないほどのブレーキ磨耗。

 

 

前回スリットディスクローターを使用したのも、

磨耗を加速させたのかもね。

 

 

 

 

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というわけでリフレッシュプラン 第2部は

長くなったのでココまで。

 

まだまだ終わらないハイエースのリフレッシュプラン。

 

 

 

次回ブログは問題があったブレーキ関係と、

ハブベアリング交換も一緒に紹介しますね。

 

 

 

 

Happy Car Life!!

 

 

 

 

ハイエース 200系ディーゼル4WD  リフレッシュプラン 第1部。  その前にまずはエンジンから。

今回のブログは長編になり、複数に分けて紹介します。

 

またブログですべてを公開すると

ご迷惑が掛かりますのでいろいろ話せない部分がありますが

ご理解のほど宜しくお願いします。

 

 

 

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どちらか言えば西日本側の

某県からお越し頂きました。

 

ハイエース KDH206 ディーゼル 4WD

走行距離 17万キロ

 

 

 

リフレッシュプランでの作業依頼です。

 

 

 

メールからのご相談では

(走行距離が増えてきて、30万キロぐらいは最低使用したい。)

このあたりで車両のリフレッシュを希望されました。

 

 

 

足回り関係やATF交換など

まだ手を入れていない未整備箇所を中心にと

作業内容相応の整備予算を提示されましたが、

 

 

その前に一つ問題点がありました。

 

 

 

 

 

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時々エンジン警告灯が点灯し、

加速が悪くパワーダウンが酷いと・・・。(坂道は登らないほど)

 

 

 

地元某県のディーラーさんにて点検すると、

総額で百万円弱の見積り価格が提示されたようです。

 

 

 

 

 

弊社では通常このような状態の整備依頼は

基本的にはお断りするのですが、

 

 

 

 

お客様からお聞きしている症状

(私個人がハイエースと向き合わないといけない問題) が、

 

ちょうどマッチしているようだったので

日時を決めてお引き受けしたのが7月の下旬でした。

 

 

 

 

 

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入庫して頂いて、まずは問診。

 

警告灯が点灯する前後の状況や、

普段のメンテナンス暦・使用環境。

 

 

ある程度の状況を把握して、

試運転を行いますね。

 

 

 

 

 

 

スキャンツール『G-SCAN』を接続して、試運転。

 

警告灯が点灯し、ダイアグコードを確認。

 

 

 

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P0107』 圧力センサー系統(LOW)

 

ディーゼルターボプレッシャーセンサーから

出力される数値が低すぎますよ~とECUからの表示。

 

 

 

ただこれでプレッシャーセンサーを交換しては整備士失格。

 

 

 

 

ECUが教えてくれたのは(センサーからの数値が低く過ぎ)で、

(センサー自体が悪い)とは示していない。

 

あくまでもプレッシャーセンサー系統の

どこかが悪いと表示しているだけなのです。

 

 

 

 

 

 

もしかすると配線が悪いかも?

カプラーの接触が悪いかも?

全然違うところが悪いかも?

 

 

スキャンツールは(車両診断機)ではなく、

ECUと交信できる翻訳機みたいなモノ。

 

あくまでもその数値や動きから診断するのは

整備士側に委ねられているのです。

 

 

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今回ラッキーだったのが(フリーズフレームデータ)が残っていた事。

 

フリーズフレームとは異常コードを検出した瞬間の

エンジンライブデータが保存する機能。

 

 

 

異常があった時の数値が確認できると、

診断する判断材料が増えますよね。

 

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吸気圧センサーの数値は23Kpa

エンジン回転数 854rpm

 

あきらかに低すぎる。

 

ありえない数値なので

そりゃ異常コード出ますよね。

 

 

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試運転時もチョコチョコ警告灯は点灯。

その度に数値(90kpa⇔23kpa)を確認。

 

プレッシャーセンサー系統が悪いのは間違いない。

 

 

 

 

戻ってからECUからセンサーまでの配線・カプラーをチェックし

電圧・抵抗値を確認し問題なし。

 

 

普通に考えればプレッシャーセンサーの故障でしょう。

 

 

 

 

 

 

ただなぜ?この故障が百万円弱するのか?

もしかしてハイエース特有の故障で他に原因が有るのか?

 

 

今まで多くのハイエースを整備してきたディーラーじゃないと

知らない故障事例なのか?

 

私の診断方法が間違っているのか?

 

 

 

 

 

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百万円弱の見積内訳には

吸気系・インジェクター全数・EGR系・排気系の

 

主要部品を総交換する内容。

 

 

 

 

 

 

センサーの異常数値から推測し、

もしかしてアノ症状が原因の可能性が考えられる。

 

 

スカイアクティブ-ディーゼルで問題がある

『インテーク系のカーボン蓄積による詰まり』

 http://minato-motors.com/blog/?p=9900

 

 

 

 

 

このハイエースはクリーンディーゼルほど

EGRを大量に還元してはいないが、

吸気系が詰まる可能性は十分にあるエンジン。

 

 

そして私は部品交換をせずに除去のみで

エンジン性能を復活させようと研究中。

 

 

 

 

 

 

オーナー様に説明し了承を得て、

今後の為にもインテーク系、特にEGRバルブを点検しました。

 

 

念のためにね。

 

 

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一番心配していた電子制御EGRバルブ。

 

 

一見カーボンが酷く、詰まってそうに見えますよね。

 

 

 

 

 

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でも肝心のバルブ部に詰まりや蓄積は無く、

このディーゼルエンジンであれば許容範囲。

 

 

 

良くはないが十分吸気が流れるスペースはある。

 

分解前のアクティブテストでも

強制開閉出来ましたし。

 

 

 

s-IMG_1889 kkkk

 

 

 

ちょうど平行して作業していたのが、

マツダ スカイアクティブ-DのDSC。

 

余ったドライアイスペレットで

ドライアイス洗浄し、バルブのカーボンを除去しました。

 

 

 

 

 

 

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EGRバルブ ハウジングケースの形状が

根元で太くなっているので、

 

実際のバルブ部には

蓄積は少なかったようですね。

 

 

 

 

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吸気シャッターバルブや

水冷EGRクーラーも詰まりは無し。

 

 

 

 

ですがEGRバルブ~シリンダヘッドを繋ぐ

インテークマニホールドはさすがに蓄積度は高かく、

 

そしてシリンダヘッドの吸気ポートやバルブも

恐らくカーボンの蓄積は多いと思います。

 

 

 

 

 

ですが

キャブオーバーのエンジン配置ではDSC作業をすると、

室内が吹き飛んだカーボンで汚してしまうので

今回はDSCを断念しました。

http://minato-motors.com/dsc/

 

 

 

 

 

ボンネットタイプのエンジン配置なら

マスキング処置でDSCは出来るのですけど・・・。

 

 

 

 

 

 

 

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インテークの部品を組み立てて、

プレッシャーセンサーも新品交換。

 

 

平行してリフレッシュプランの各部点検。

30万キロ走行を目指した整備プランの制作と見積り。

 

 

 

 

 

試運転をしながらセンサーの数値を確認。

警告灯の点灯せず、数値も正常値で安定していますね。

 

 

 

 

お預かり期間は多めに頂いているので、

エンジンの経過を観察しながら

本命のリフレッシュプランに移行します。

 

 

 

 

次回ブログはハイエースの

リフレッシュプランの内容を紹介しますね~。

 

Happy Car Life!!