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神奈川県からレクサスGS350 GRL12 8速AT。ATF完全圧送式交換。LLC、AC冷媒ガス、スロットル清掃でリフレッシュ!!

神奈川県川崎市からお越しいただいたのはレクサス GS350 GRL12 
走行距離38700km  8速ATのATF交換等の依頼で入庫されました。



このユーザーさんは何度も弊社をご利用いただいている方で、前回、前々回は先代GS350(GRS191)でATF交換やDSCをさせていただきました。

今回は新しいGS350に乗り換えられたので、前回同様にATF交換等の為に大阪まで来ていただきました。 いつもありがとうございます。




リピート来店なので事前説明や問診は省き、コンディションや作業内容を確認してから試運転を行いフルードチェックを行いました。

そこからリフトアップし、ATオイルパンを脱着しますね。


オイルパンを外すと磁石の鉄粉は走行距離に対してやや多めでした。

走行距離4万キロぐらいで8速ATなら、省エネ運転の方が使用すると磁石の鉄粉は非常に少ない。(純正レベルのフルードでも油膜は確保出来て、摩耗も少ない。)



ですがGS350のハイトルクをガンガン発揮する走行をしている方なら、純正フルードレベルの油膜強度では少し心許ないのが個人的な印象。

恐らくこのGS350前所有者は、結構飛ばす運転をしていたのかもしれませんね。


オイルパンを脱着洗浄して、磁石に付着した鉄粉を除去。
ストレーナーも同時に交換しますね。


オイルパンを組み立ててから、フルードを補充しエンジン暖機。
GS350 GRL用のアダプターをATに装着して、圧送式交換を行います。

そうする事により密封式ATでも圧送式交換が可能になりますよ。







トヨタ・レクサスの密封式ATの圧送式交換を、世界で初めて可能にしたのは実はミナト自動車です。(2013年3月23日のブログ掲載http://minato-motors.com/blog/?p=223



今から8年前にクラウン184で作業を始めて、累計実績は数千台ほど作業しています。


当時トヨタ・レクサスの密封式ATは(ATF圧送交換は不可能)と言われており、弊社が開発後にネット検索しても実施出来る整備工場はゼロでした。


そこから2年ほどは(トヨタ・レクサスの密封式ATのATF交換はミナト自動車以外は出来ない)と噂になり、ほぼ独占的に作業をさせていただいていました。

おかげさまで沖縄県以外からはほぼ全国各地から来店していただいています。



ですが2年も噂が広まると同業者も(何故?ミナト自動車だけ出来るんだ??)(どうすれば出来るのか?)を研究し、1件ずつ圧送式交換が出来る整備工場が増えてきたのを覚えています。

そうなるとライバルが増えて弊社にATF交換を依頼する件数が減ると思いますよね?? (私も当時はそう思っていました。)



ですが依頼件数は全く減らず、むしろ増え続けた。

・ATF交換の必要性が広く認知され、ニッチな市場がマスな市場に成長した。
・難易度が高く専門性が要求される為に、作業実績が多い整備工場が選ばれる。


いくつかの要因で(ライバルが増えると依頼件数が減る)という認識は間違いで、むしろ増えるんだ!!と学んだのを思い出します。



今回のGS350ユーザーさんの初来店は2014年3月のATF完全圧送式交換。
この方も(噂の時期)に来店された初期ユーザーさんですね。




閑話休題

次はプレ洗浄を行います。
使用するフルードはNUTECニューテック謹製(NC-RFリンシングフルード)

ニューテックATFの性能を最大限引き出すために、弊社がNUTECさんに提案して製作されたスペシャルフルードです。http://minato-motors.com/blog/?p=17434

弊社ではNUTEC NC-RFを200~400Lほどは常時在庫。
1カ月で無くなるのでペール缶では追い付かず、基本はドラム200L缶で在庫しています。

同業者なら毎月のプレ洗浄油だけで300L前後の使用量なら、どれだけの台数を作業しているかが分かるでしょう。




NC-RFをセットして全量イッキに圧送式交換を行いますね~。

プレ洗浄でここまでキレイになりました。


・左奥に見えるのが新油モニター
・中央ビーカーが廃油
・右手前がプレ洗浄後のATF

ここから15分ほどアイドリングタイム。
次は本命ATFで交換します。

本命ATFに使用するのはNUTEC史上最高峰ATF(NC-65)

もはや説明不要の市販ATF最強レベルの油膜性能のは、ローフリクション・ハイパフォーマンス。

全化学合成基油(エステル系)を贅沢に使用したNC-65は、極薄で強靭な油膜で多段ハイトルクATの性能を引き出します。

同時に熱ダレに強い耐熱性は一般走行レベルの熱負荷ではあまり劣化しません。よってATFの交換サイクルはロングライフ化され、頻繁に交換する必要性はなくなります。



みんカラ等のSNSでも高評価をつけているNC-65。フルード単価は非常に高額ですが、その分交換サイクルが伸びるので結果的には経済的なんですよね。

ATFチェンジャー(トルコン太郎)のフルードを入れ替えて、もう一度圧送式交換を行いますね。


全量イッキに入れ替えます。

キレイに入れ替わりましたね。

ここまでキレイになれば次回交換推奨距離は約6万キロになります。
それまではATはノーメンテでOKですよ。


多段ATのスムーズで素早い変速を最大限引き出すには、NC-65をお勧めしています。

最後にフルードクーラーを洗浄して、油温検出モードにしてからフルードレベル調整を行いました。

デフオイルもNUTECで交換します。
NUTEC NC-70 75W90 全化学合成ギアオイル(エステル系)


ドレンアウトして鉄粉を除去し、新しいガスケットに交換します。
ハンドポンプでギアオイルを注入し、最後に規定トルクで締め付けして完了。





オプション整備のスロットルボディ清掃初期化。

スロットルのバルブ周辺に付着するカーボンは、走行していると徐々に蓄積していきます。

そうなるとアイドリングが乱れて微調整も遅くなるので、ボディに伝わるエンジン振動が気になります。


こちらも定期的に清掃し、再学習もリセットしましょう。




こちらも定番のオプション整備(カーエアコンリフレッシュα)
年々減少する冷媒ガスをリフレッシュします。


同時にコンプレッサーオイル強化に、NUTEC NC-200コンプブーストも注入しますね。


AC配管にエコマックスjrのホースを接続し、容量をセットしてスタート。
全自動で冷媒の回収・再生・充填を行います。

冷媒ガス量は多すぎても少なすぎてもNG。
正確に重量管理してリチャージしましょう。




LLC圧送式交換も依頼されました。

ATF交換時のオプション整備なのですが、これは全ての車種でお引き受けしている訳ではありません。

日帰りの作業時間内で行える車種のみで、時間が掛かる車種は不可の場合もありますよ。

地味に時間の掛かる作業なので、ホースの位置やラジエターの配置によっては出来ない場合もあるのですね。

ラジエターリフレッシャーをバイパス接続して、エンジンを掛けながらLLCを脈動圧送式交換。    冷却ライン内に浮遊している汚れを全て回収し、Wフィルターでろ過します。

エンジン・ヒーター・ラジエターのLLCを圧送式で全量入れ替えますね。


最後にLLC再生強化剤を投入して防錆・消泡を強化し、エア抜き作業を行いました。  LLCも定期的に交換しましょう。

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。


ATFは完全に劣化してから交換するものではなく、そうなる前に交換するのがベスト。  理想を言えば常に良い状態をキープした方が故障率の減り、ATコンディションは常に良い。 (この考え方はエンジンオイル交換と同じです。)




純正レベルのATFでも問題ないのですが、耐久性はどうしても低いとお伝えしています。

ハイパフォーマンス化にNC-65を!!と言うのは横に置いておいて、ATFのロングライフ化という意味だけでも、純正との差額を埋めるコストパフォーマンスは十分ありますよ~。

油膜性能が向上するのはもちろんですが、ロングライフ化とAT保護を実感できるので、弊社ではNC-65のリピート指名率が常に高いのです。



ATF交換の御見積・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。  必要事項を記入して送信していただければ返信させていただきます。

どうぞ宜しくお願い致します。


こちらのDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)も、世界初で弊社が開発したエンジン吸気系洗浄サービスです。

ガソリン直噴やクリーンディーゼルの煤除去に開発しました~。
PR動画をYouTubeにて公開中!! 



マツダ CX-5 ディーゼルの煤蓄積で警告灯点灯。 ドライアイス洗浄機でDSC。マルチサーブでDPF・インジェクター洗浄!! 

大阪府北部から来店していただいたのはマツダ CX-5 KE2FW 


エンジン警告灯(EGR流量不足)が点灯してメールからご相談。
DSC等の予約入庫となりました。



スカイアクティブD定番の故障ですが、弊社がオリジナルで開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)で症状を解消したいと思います。




数日前からDSCのPR動画をYouTubeに公開しました。
DSCの事を分かりやすく紹介するために、簡単な動画でまとめてみました。

https://youtu.be/8DDgCv1P5BU



インテーク系の部品を分解し、インテークマニホールドを外します。

エンジンヘッド側のインテークポートを覗いてみると、煤の蓄積はほどほど。ですがブローバイオイルと煤が燃焼熱で固着して、ガチガチに固まっていますね。

カメラでは撮影できませんが、バルブの傘部にはガッチリと煤が固まっていました。

インテークマニホールド側も確認します。
吸気シャッターバルブの煤はそんなに多くは蓄積していませんでした。




インテークマニホールドの出口の8個の穴は、こんな感じで煤が蓄積していました。   マニホールド内部もタップリ煤が溜まっていますね。



インテークマニホールドの入り口にあるEGR導入パイプは、出口が完全に煤で塞がれています。


導入パイプを外して回転してみますね。

導入口の裏側も煤で塞がれていました。

いきなりはこんな風にならないので時間を掛けて少しずつ煤が蓄積。 徐々にEGR経路の流量・流速が低下します。

EGRバルブが開いて早い流速でEGRが流れれば問題ないのですが、そうでなくなるとEGR経路の抵抗がある場所に煤が徐々に溜まってきますよね。


導入口が詰まるとEGRクーラーも高確率で詰まります。
DSCオプション整備(水冷EGRクーラー洗浄)も追加依頼されました。

EGRクーラーが詰まって新品交換になると結構な部品代が掛かるので、完全に詰まる前に洗浄をお勧めしています。

最近の傾向ではこのEGRクーラー洗浄をオプション整備される方が多いですね。



クーラーの中を覗いてみるとフィンに煤が蓄積し、経路が狭くなっていますね。
こうなるとクールドEGRが活用できないので、スカイアクティブDの性能が低下しますよ~。




河川の(水とゴミ)とEGRの(排気ガスと煤)をミックスして、簡単に例えますのでイメージしてください。


・河川は上流で二つに分かれ、片側はマフラー側に。もう一方はEGR側へ流れる。
・EGR側の河川には一部に網が張ってあり、上流から流れてきたゴミが溜まる。
・網を張った下流には水門があります。


・下流の水門が全開に開くか?雨で増水時には、河川の水量多く水流が早くなり、ゴミは網から外れて下流に流されリセットされる。


・EGR導入口が徐々に煤蓄積で塞がるのは、水門が少しづつ全開に開かないと同じ。
・水門の開度が少ないと水量は増えず、水流も早くならないので、網に掛かったゴミはドンドン溜まっていく。



吸気シャッターバルブの役割やHOT・COOLのEGR2系統など、全てを反映している例え話ではないですが、EGRクーラーの煤蓄積を河川の水とゴミで例えるとこんな感じです。



弊社が6年前に開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)
元々はガソリン直噴のインテークに蓄積するカーボン除去用に開発しました。



・ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射
・昇華爆発力と熱収縮で付着物を完全剥離
・母材金属にはダメージが残らず、残留物はゼロ

(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)DSCキャッチコピー通りに吸気系に固着した強固な煤塊を除去しますね。

軽くワンショット。母材金属が見えるまでキレイになりますよ!!


複雑な形状のポートやインテークバルブなどを、複数あるDSC専用ノズルとアダプターを使い分けて完璧に洗浄していきます。


ノズルやアダプターは弊社完全オリジナルの自社制作。
ブログでも非公開ですし、洗浄機製造メーカーにもお見せしていません。


もちろん作業中も非公開で、見学も不可になります。


4気筒8ポート全て洗浄完了。
圧縮上死点にセットして1気筒ずつ作業しています。


インテークマニホールドや各バルブ・EGRクーラーを完璧に洗浄しました。

ほぼ新品同様に戻ったと思います。


純正ガスケットで交換し、再組立。

初期型のスカイアクティブDになると、樹脂製カプラーの劣化で破損も増えてきました。 弊社では割れたカプラーを針金で固定するような作業はしないので、補修用カプラーに組み替えます。




LLCを補充して暖機し、各学習値をリセットして再学習させますね。
マル秘作業もゴニョゴニョしてDSCの作業は完了。



DSCなんてドライアイス洗浄機さえあれば簡単に出来る作業だと思うでしょ。
ですが実際は洗浄機の導入だけでは上手くいかず、また高額な洗浄機費用も回収出来ない。


DSCの作業は完全非公開ですが、公開出来る部分は多く撮影し、作業後にはユーザーさんに画像を見せて説明しています。


マルチサーブでインジェクターや噴射ポンプなどのフューエルライン洗浄と、DPF洗浄で煤・アッシュを除去しますね。


マルチサーブについてはこちら。
http://minato-motors.com/blog/?p=29071

DPFに繋がるパイプにマルチサーブを接続。

(DPFクリーナー1000mL)を投入し、画面の指示通りにエンジンを掛ける。
次に(DPFフラッシュ1000mL)を投入しDPF内をケミカルでクリーニングしていきます。

並行してインジェクター等のフューエルラインも洗浄しますね。

フューエルラインにマルチサーブを接続。
(ディーゼルシステムパージ1000mL)を投入し、画面の指示通りに作業を進めます。

約1時間ほどアイドリングをしながらフューエルラインにマルチサーブから直接ケミカルを注入しダイレクトに内部を洗浄。

年々汚れていくインジェクターやコモンレール・デリバリーパイプ内の汚れを除去していきます。

またレーシングもしながらDPFに注入したケミカル剤を、煤と一緒に排出しますね。

凄い白煙と異臭がしますが、無くなるまではレーシング等を繰り返します。




この後に試運転をして最終チェック。
問題なければ納車となります。




納車時には画像を見ながら作業内容を説明し、インジェクターとDPFのアフターケミカルを各1本ずつ手渡ししています。(ディーゼルエクストリームクリーナー・DPFリジェネレーター)



給油時に燃料タンクへ2本同時に投入してください。
マルチサーブで即効性に洗浄し、アフターケミカルは遅効性でゆっくり洗浄を促進しますよ。

上記の数値ももう少し走行すれば、もっと良くなると思います。
もちろん点灯していた警告灯は消去し、消えました。

今回作業したDSC・EGRクーラー洗浄・マルチサーブ(I/J・DPF)は1泊2日で作業が完了しました。

朝9時半入庫の翌日15時頃の納車予定になります。

DSCと各オプション整備を依頼されても最短で日帰り納車も可能ですが、そこにマルチサーブのDPFが追加されると日帰りでは時間的に難しいです。




本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

DSC等の御見積ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。 それではHAPPY CAR LIFE!!



ハイエース KDH206 ディーゼル4WD リフレッシュプラン 後編。後半の作業はエンジン・ATF・ホイールアライメント・インジェクター洗浄!!

前回ブログで紹介したリフレッシュプランの続きです。

千葉県からお越しいただいたのは ハイエース KDH206 ディーゼル4WD 平成28年式 走行距離20万キロ。

前編ブログではハイエースのサスペンション、ブレーキ、ハブ、エンジンマウントなどの整備を紹介しました。http://minato-motors.com/blog/?p=29256


後編はエンジン整備やATF交換、ホイールアライメント調整を紹介します。




運転席シートとフロアパネルを外して、エンジン前部にあるウォーターポンプ等を交換しますね。



ウォーターポンプを交換し同時に実施しておいた方が良い部品もお勧めしました。




・クランク・カムシャフトシール
工程上ベルトやプーリー類を外すので、ついでにオイルシールを交換。





1KD-FTVエンジンのウォーターポンプを交換するなら、オルタネーターのワンウェイクラッチプーリーも要交換。

点検時に発電状態をチェックして発電数値に問題なければ、クラッチプーリーのみ交換してオルタネーターの予防整備をしておきましょう。


クラッチプーリーが破損すると、エンジン回転数の変動によるベルトのタワミからの振動が吸収出来ず、オルタネーターのシャフトに直接振動が伝わります。

そうするとシャフトが歪むので、酷くなると発電不良になるでしょう。

クラッチプーリーが正常なら無駄なベルトの振動を吸収するので、シャフトには伝わりづらく予防整備には有効です。



オルタネーターを外すとサーモスタッドを交換する作業スペースが確保出来ます。

その時に冷却水の温度調整弁であるサーモスタッドも交換しますね。

結構奥まった場所にサーモスタッドがあるので、周辺の部品が外れている時なら作業がしやすく工賃も安い。



ウォーターポンプを外すにはタイミングベルトも外す事になるので、今回2回目のタイミングベルト交換も実施します。

・オイルシール
・ワンウェイクラッチプーリー
・サーモスタッド
・タイミングベルト

これらの部品代は個別では非常に安価。シールなんて数百円でクラッチプーリーでも1万円以下。  W/P交換と同時ならこれらの交換工賃は安価です。

ですが作業重複度も考慮せず、別々のタイミングで個別に交換すると、其のたびに工賃が掛かり結果的には整備費用が多く掛かる。





リフレッシュプランの本質は大きく分けて2つ。

・重複する無駄な工賃はなるべく抑えて、その費用で劣化した部品を多く交換し、車両全体をバランスよくリフレッシュ整備する事。

・(何を交換して)(何を交換しない)を一般ユーザーさんが判断するのは難しいので、整備工場側がプランニングをして整備を提案する事。



(今はチョット予算が無いんです!!)(少ない予算で何回かに分けてリフレッシュ整備したい!!)と、少なすぎる予算の整備依頼をご遠慮しているのは、これも理由の一つなのです。


(もう無駄な重複工賃は使わずに、その費用は部品代に使いましょう。)
(無計画で意味のない整備は無駄が多いので、結果的には不経済ですよ。)


ATFも交換しますね。

まずはオイルパン洗浄ストレーナー交換を行います。

ストレーナーを交換して磁石の鉄粉を除去し、オイルパンを洗浄してから接着面を脱脂して液体ガスケットで装着します。


そこからアイシンAFW+で全量イッキに圧送式交換します。

アイシン精機製のATにアイシン精機のAFW+で互換性はバッチリですね。

ATFは定期的に交換されていましたので、プレ洗浄無しの1回の圧送式交換で完璧にキレイになりました。

最後にフルードクーラーを洗浄して、フルードレベル調整を行います。


アイシンAFW+でここまでキレイになれば、次回交換推奨距離は約4万キロになります。  その時はもうオイルパン脱着洗浄をする必要はありませんよ~。






LLCもラジエターリフレッシャーで脈動圧送交換。
ホースにバイパスさせてエンジンを掛けながら冷却ライン全てのLLCを交換します。


・脈動圧送でLLCを注入ながら、ラインを循環後に回収。
・ダブル高密度フィルターでろ過して、また注入。
・冷却ライン内で浮遊している汚れをキャッチします。


サーモスタットが開くまでは時間が掛かるので、行程的には30分以上は脈動圧送しています。

最後にLLC再生強化剤で劣化している防錆・消泡剤を強化し、エア抜き作業も同時に行います。




デフ・トランスファのギアオイルも交換しますね。

ガルフ プロガード75W90 LSD対応







ディーゼルフューエルラインもリフレッシュ。

マルチサーブ洗浄システム(インジェクター洗浄)でフューエル噴射ポンプ・コモンレール・デリバリーパイプ・インジェクターをケミカルで内部を洗浄していきますね。


エンジン温度上昇と燃料の高圧化でフューエルラインの内側には少しずつスラッジが蓄積します。  ほんの少しの蓄積ですがこれが徐々に増え噴霧状態が悪くなると、それを補うようにECUが噴射量を補正します。

マルチサーブ インジェクター洗浄システムは、その汚れを解消し補正値を整えるインジェクターの予防整備としてお勧めしています。


インジェクターが故障すると、全数交換がセオリーなので高額な費用が掛かりますからね。


マルチサーブをフューエルラインに接続し、インジェクター専用ケミカルの(ディーゼルシステムパージ1000ml)を投入して、画面の指示通りに作業スタート。

エンジン始動しアイドリング状態で約60分ほど、ゆっくり確実にライン内の汚れを除去していきます。

http://minato-motors.com/blog/?p=29071

インジェクターはコモンレール式ディーゼルの主要部品。(壊れる前に)(気筒間バランスが悪くなる前に)メンテナンスをお勧めします。



またフューエルエレメントも同時に交換しました。

マルチサーブのインジェクター洗浄にはアフターケミカル(ディーゼルエクストリームクリーナー500ml)が1本付随しており、納車時に手渡ししています。

これは次回燃料給油時に軽油と一緒に燃料タンクに投入してくださいね。
遅効型の洗浄用ケミカルになります。




最後にホイールアライメント調整を行いますが、その前に(1G締付)を行います。


サスペンション整備の必須作業である(1G締付)は、4輪接地状態でブッシュを固定しているボルトを一度緩めます。

ブッシュの無駄なテンションを一度開放して、再締め付けするのが(1G締付)。


これを行わずにサスペンション整備を終えると、折角交換したブッシュが早期に劣化します。

またサスペンションが本来の柔軟な動きにならないので、整備した作業が無駄になり本来の性能にはならない。必ず行いましょう。


ただこの初歩的な必須作業は4輪接地した状態でリフトアップ出来るアライメントリフト等が無いと意外と実施する事が出来ないのです。


この状態までリフトアップし、車体の下から高トルク(規定トルク)で締め付けします。  (黄色いテープは仮締めの印で、このボルトナットを1G締付します。)



整備リフトではサスが伸びて4輪が接地していないので、1G締付が出来ないのです。  (もしくは4輪を台の上に乗せれば出来ますが・・・。)



1G締付と並行して、車高調整を行いますね。
ハイエースはフロント車高のみ調整出来ます。

ちなみにホイールハウス頂点の高さが目安ではありません。シャシの基準点と地面までの距離で測定します。

ホイールハウスの弧の頂点から地面までの高さを、前後で比べて調整するのは間違いですよ。それをすると前傾になりすぎますからね。



リアの基準点から地面までの高さを測定し、基準値との差を調べます。
その数値の差を考慮して、フロントの高さを決定して調整するのが正解。

またモデル毎に基準値は違うので適当はダメですよ~。


アライメントリフトに水平仮想線を赤い糸で引いて、フロント基準点(ロアアームのボルト中央)との距離を合わせます。

そこから軽く試運転をして、サスペンションを馴染ませてホイールアライメント調整を行いますね。

・ハンター社最新鋭ホイールアライメントテスター WA470 ホークアイ
4つの高性能カメラでホイールターゲットの動きを捕捉し演算します。

・イヤサカ社ビシャモン マルチアライメントリフト ロング 特注レッド。
国産NO,1リフトメーカー 高剛性アライメントリフトで高精度の水平レベルを長期に維持します。


車両の下側に潜り込み、ナットボルトを回して微調整。
リアはリジットの為に調整は出来ませんが、フロントはキャンバー・キャスター・SAIをバランスよく調整しました。  キレイに整いましたね。


ここからいつものテストコースを試運転。
約1時間ほど走行して、その後もリフトアップして何度も最終チェック。
(締め忘れ・オイル漏れ・異音などが無いかをチェックしています。)

こんな感じで作業は完了し、無事納車となりました。


作業中は全てデジカメで撮影していますので、今回の作業で画像は200枚以上あります。納車時にはその画像を見ながら作業内容を説明しています。


その方がユーザーさんも何を整備したかが分かりやすいので、なるべく画像に残しコピーも希望があればお渡ししています。(記録用に保管してください。)


ちなみに今回のハイエースのリフレッシュプランで使用した部品代だけで約27万円ぐらい。

ここまで部品交換したリフレッシュプランをすると、ビフォーアフターは歴然で今後も長く良い状態で使用する事が出来るでしょう。


逆にここまでの整備は求めない方は弊社のリフレッシュプランは不要です。

相応の費用は掛かるが(もう一度新車時に近いコンディションに愛車を戻したい方)や(長く良い状態で使用したい方)には、ぜひぜひおススメしています。




リフレッシュプランを依頼された方のほとんどは、普段の整備は地元ディーラーやショップで行っています。

ですがこれぐらいの規模の整備を依頼すると、(どうも良い返事がもらえないのでネットで検索し弊社を見つける)というパターンが多いですね。





また数年前に(リフレッシュプラン・ミニ)のような小規模の整備を受け付けようかと検討した時期もあったのですが、(リフレッシュプラン)の依頼が多く、慢性的に混雑している予約状況ではそれも難しい。  

今は小規模の整備は引き受けず、リフレッシュプランのみお引き受けしています。(ATF交換・DSC以外)





リフレッシュプランのご相談ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

出来たら過去のリフレッシュプラン事例から気になる事例がありましたら、○○年○○月の△△△のブログはいくら掛かりましたか?と質問してもらえるとお答えできます。  下記のブログを見て、整備予算の参考にして下さいね。
http://minato-motors.com/blog/?cat=12





それではHAPPY CAR LIFE!!



ハイエース KDH206 ディーゼル4WD リフレッシュプラン 前編。40万キロを目指してリフレッシュ整備!! 

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

車両全体を整備するリフレッシュプランは大変好評をいただいており、予約待ちが慢性化してご迷惑をお掛けしています。 

一台でも多くの車両をお引き受けしたいのですが、少人数で営業している弊社では整備出来る台数に限りがありますのでご理解のほどよろしくお願い致します。



リフレッシュプランはお引き受けする整備予算の下限を設けています。
(○○万円以上からお引き受けしますという意味で、車種別に予算下限も変わります。)


メール予約時には(今回の整備に掛ける予算)をお聞きしており、下限を下回る整備予算での依頼は不可としています。


これはなぜか?   リフレッシュプランは簡単な小規模の予防整備ではないからです。

車検時にするような軽整備プラスαの規模ではなく、長年使用した愛車をリフレッシュ整備をして、(なるべく新車時に近づける)トータル整備作業。



『20~40万円ぐらいの予算でリフレッシュプランをお願いします!』という問い合わせが多いのですが、(それは無理ですよ~。)とやんわりメール返答しています。


若干冷たい返答にも思えますが、お互いの為にここはハッキリとお伝えしておかないと、あとでトラブルにも発展します。

また制限なく引き受けると、おそらく予約状況はさらに混雑し長期化するでしょう。それでは本当にリフレッシュプランを希望する方が予約出来なくなるのですよね。



(何百台もリフレッシュプランを作業してきた弊社)からの意見ですが、過走行で年式が経過した愛車は、中途半端な整備をするといつまで経っても車両コンディションが新車時に近づかずに、お金ばかりがいつまでも掛かる。

そうならないようにまとめて整備した方が工賃は節約され、断然お得なのです。




論より証拠

リフレッシュプランはいつもこのような整備をしていますので、下記のブログを参考にして下さいね。


千葉県からお越しいただいたのは、
ハイエースKDH206 ディーゼル4WD 平成28年式 走行距離20万キロ。

リフレッシュプランのご依頼です。


整備の希望個所・改善点
・乗り心地がゴツゴツする。
・新車からエンジンオイル等の油脂類などの軽整備ぐらいしか実施していない。
・まだまだ長く乗りたいのでリフレッシュプランを希望。
・オーリンズのショックアブソーバーはO/H済みで交換不要


年式は新しいですが走行距離は多いので、40万キロ・50万キロに向けての整備を依頼されました。

問診をしてから事前ホイールアライメントを測定しました。 結構乱れていますね。

整備リフトに移動し、タイヤを外して各部点検。
点検結果から予算に合わせた整備プランを提案しました。

整備内容を説明して、OKがいただけましたので作業を始めますね。




まずはフロントサスペンションやブレーキ等を分解します。

・ブレーキキャリパー ディスクローター
・ハブナックル
・ドライブシャフト
・アッパーアーム ロアアーム
・スタビライザー

ハブから外したブレーキディスクローターは研磨機にて再生します。

ディスクローター研磨のススメ。
http://minato-motors.com/blog/?p=14924



最後に耐熱塗料(耐熱温度500℃)で均一に塗装して仕上げています。

フロントサスペンション ロアアームのブッシュを全数交換。

劣化し硬化したブッシュは乗り心地も悪くなりますので、ある一定の距離で交換した方がいいですよ!!

またロアボールジョイントも同時に交換します。

アッパーアームは一番劣化しやすいアッパーボールジョイント部が単品供給されないのでアームASSYにて交換します。



またスタビライザーのブッシュ類も全数交換しますね。




ドライブシャフトもブーツが破れたり、異音が出たりする前に、純正ブーツグリスKITでO/H。 そうすればまた長く使用出来ますからね。


壊れてから安価なリビルトシャフトに交換するより、O/Hの方がお得です。

右側のハーフシャフトの中間ベアリングを打替えますね。




ナックルから外したハブベアリングを交換します。


弊社ではグラインダーで削ったり、ハンマーでガンガン叩いたりは一切しません。   SSTと油圧プレスを使用して、安全で確実に交換しますよ~。

間違った方法で作業をすると部品の寿命を縮めますからね。



ハブとディスクローターを組付けて、ダイヤルゲージで振れをチェックしてから装着します。  ここで限度以上の振れがあればブレーキング時に振動が出ますよ!




ブレーキキャリパーもO/H。

キャリパーを分解して完全洗浄し、ピストンを磨き上げてから、シールとダストブーツを交換しました。

またホルダー側も古いグリスを洗い流して、新しいグリスとブーツ装着。


ブレーキパッドは高性能パッドグリスWAKO’S BPRを使用して交換していますよ。


次はエンジン・ATマウントも交換しますね。

エンジンは持ち上げずにサブフレームを降ろして隙間を作り、エンジンマウント交換。

この方法ならエンジンのハーネスやホースに余計な負荷が掛からないので、弊社ではサブフレームを降ろす方法で交換しています。






ダメージの受けやすいステアリング ラックエンドも交換。
ここにガタが出来るとフラフラしますよ~。



次はリアのハブベアリングやリーフスプリングを整備します。

ドラムブレーキを分解し、ホーシングからシャフトを引き抜きますね。



シャフトベアリングとオイルシールを交換します。


これもSSTと油圧プレスを使用して安全・確実に交換しますよ~。
グラインダーで削ったりハンマーで叩く事もありません。






リアドラムブレーキもリフレッシュ。

ライニングシューを交換してブレーキシリンダーのカップを交換。
ドラムは当たり面が摩耗していましたので、研磨にて再生します。



リーフスプリングのブッシュを打替えます。

フロントは位置決めがありますのでマーキングしてから交換しました。


これでサスペンションやブレーキ等の整備が一段落。
今回のリフレッシュプランの半分が終わりました。


サスペンションやブレーキはバラバラに整備しても、ダメですよ。
トータルのコンディションで性能を発揮しているので、個別に作業をしても効果は薄いです。

また未整備の個所がのちに悪くなれば、再度分解して交換するので2度手間になり工賃が無駄になる。


しかしある程度まとめて整備をすれば、無駄な重複する工賃も不要になり、整備した効果がハッキリするので結果的には満足度は高くなる。





弊社のリフレッシュプランはあと少し乗りたいというユーザー向けの整備ではなく、(まだまだ愛車を長く良い状態で乗り続けたいユーザー)向けの整備提案です。

その為には相応の費用が掛かり、少なすぎる予算では現実的にリフレッシュが無理なのはこのブログで分かると思います。






それでは次回ブログではハイエースKDH206の後半のリフレッシュ整備を紹介しますね。
・エンジン W/P・タイミングベルト関係
・ATF完全圧送式交換
・ホイールアライメント調整

まだまだハイエースのリフレッシュプランは続きます。
それではHAPPY CAR LIFE!!






8月から9月のDSC予約制限のお知らせ!!

本日もミナト自動車ブログ 日々是好日にお越しいただきありがとうございます。

DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)の予約についてお知らせします。






ATF完全圧送式交換やリフレッシュプランは通常通りに進行出来ているのですが、DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)に関しては少し予約受付を制限しています。




8月も多くのDSC予約をいただいていますが、7月下旬~9月中旬頃までは(DSC作業の日帰り作業)は不可としています。

連日の猛暑の中でDSCを数日おきに複数台作業すると、体力的にかなりキツイ。    工場内が38℃近くに上昇すると休憩をしながら少しずつDSC作業をしないとフラフラになるのですよね。




猛暑日が少し収まる9月中旬までは(朝9時半入庫で当日夜納車の日帰り予約)は不可にして、翌日お昼納車の1泊2日のDSC予約のみお引き受けをしています。


ATF交換に関しては今まで通りに日帰りでの圧送式交換を行っていますので、ご安心ください。


ATF交換・DSC・リフレッシュプランについての御見積・ご予約は、HP(お問い合わせフォーム)から受け付けしていますのでどうぞ宜しくお願い致します。