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レクサスIS250 ATF完全圧送式交換とDSC。玉石混交からの見極め方。

大阪府堺市から来店されたのはレクサスIS250 GSE20 走行距離10万キロ

ATF完全圧送式交換とDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)の依頼をいただきました。

入庫日を決めて予約入庫してもらいました~。


令和になって4年目ですが未だに(ATF交換は必要か?不要か?)の問いがありますが、答えは(必要です。)


ATFは使用すれば劣化します。それはどのオイル・フルードでも同じ。ただ交換サイクルが違うだけ。

オイルやフルードが酸化するとゴムシールを痛めて、オイル漏れの原因になります。

またATケースとオイルパンの間にあるガスケット。これも年数が経過すると硬化し密着不良からオイル漏れになる。 そうするとフルードの量が減り、ATの不具合が発生しだします。

劣化し潤滑性能が低下すれば、機械摩耗もするし密着摺動も低下するでしょう。




適切な作業で最適な機器を使用すれば、故障もなくほぼ完全にATFは交換出来るんですけどね。

それでも世間では(ATF交換をすると壊れる or しなくてもよい)となるのは、先ほどとは矛盾するがある意味で正解になりつつあるのが現状。

残念ながら最近巷のATF交換事情は雲行きが怪しいですね。



(他社でATF交換したけど不具合が発生したんですけど・・・。)
(中古車購入時から違和感があり、どうもフィーリングが悪い。)

こんなメール相談が近年増えてきて、弊社でATF交換を依頼されるのが増えています。


(正しい交換方法で確実な手順で行えば、過走行車のATF交換でも問題ありません。)と長年かけてアナウンスしていましたが、どうやら一部の業者のせいで(やっぱりATF交換はギャンブルなんだ)となっていく流れになりそうですね。



ATF交換を依頼するなら実績もそうですが、(その整備工場がATF交換以外の整備をどのようにしているか?)を見た方が良いかと思います。  信頼できる整備工場なら、その他の整備も相応にレベルが高いと思いますので。





それでは作業を始めますね。
入庫していただいて問診をし、試運転を行います。


そこからATFの状態をチェックし、問題が無ければオイルパン外しますね。





オイルパンを洗浄し磁石に付着した鉄粉を除去し、ストレーナーも同時交換します。



オイルパンには新しいガスケットを使用して、ATに装着。



・レクサスIS GS LS
・トヨタ クラウン マークⅡ
のATF交換依頼は非常に多いので、ガスケットとストレーナーは常時在庫しています。


ATF交換に関しては日本全国から依頼をいただいているので、消耗交換部品の在庫切れを無くすために常にストックしています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=8


密封式ATにアダプターを装着し、ATFチェンジャー(トルコン太郎)を接続。

圧送式交換が出来なかった密封式ATでも、確実にATF交換が出来るようになりました。

もちろんアダプターは自社で製作です。




2013年に世界で初めてトヨタ・レクサス密封式AT用のアダプターを製作し、ATF圧送式交換を実施していた弊社には、全国各地からATF交換の依頼が来ました。

その様子をブログで見た多くの整備工場からは、(そのアダプターを売ってくれ!)と問い合わせが激増。




でも(お売りする事出来ません)とお断りしていました。

正直これぐらいの物を知恵を捻って独自に作れないようでは、(ATF交換なんてしちゃダメでしょう)という考え。



今ではどこかで製作されたアダプターが市販化され、全国にばら撒かれ玉石混交

アダプターの普及は広がったが、正確な技術までは広がらなかったのかな??と思っています。


そういう意味で(ATF交換をするとミッションが壊れる)というのは、お店選びを間違えると現実になるんですよね。




閑話休題

アダプターを装着してトルコン太郎を接続し、まずはプレ洗浄。
プレ洗浄に使用したATFはアイシンAFW+。

IS250のATはアイシン精機製ですからAFW+ならバッチリですね。




左奥の新油に比べるとまだまだ汚れていますが、中央ビーカーの廃油と比べると少しキレイになりましたよね。




このまま15分ほどアイドリングタイム。

このあともう一度全量圧送式交換を行います。




肉眼で見るとこんな感じ。

ほぼ完璧に入れ替わりました。



ATFクーラーを洗浄してから、一度冷却。
そこから規定温度でATFのレベル調整。


この時にスキャンツールからATFの油温を見ながら調整してはダメです。(その方法ではトヨタレクサスの適切なフルードレベル調整は出来ません。)


弊社では正しい手順で確実にフルードレベル調整を行いました。



試運転をして無事納車となりましたが、数日後ユーザーさんからお連絡が・・・。



交換後からは非常にATのシフトフィーリングが向上したので、ブログで見たDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)も追加依頼したいと・・・。



体感していただいてありがとうございます。


そんなわけで後日再入庫してもらいました。


依頼を受けたDSCとスパークプラグ交換を行います。



レクサスIS・GSやトヨタクラウン・マークⅡに搭載されているGR系直噴エンジンはインテークバルブにカーボンが堆積します。

これがエンジン吸気効率が低下し、燃焼状態を悪化させます。



手作業で除去するのはほぼ無理ですが、弊社が開発したDSCなら(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)除去が可能です。




インテークバルブの傘部やシャフトに、カマキリの卵状にカーボンが堆積。


これでは理想的な吸気渦にはならず、ガソリンと空気の撹拌が悪くなり、燃焼状態が悪化します。


カーボンが発生するのは燃料が完全燃焼していないから。  当然パワーダウン・燃費悪化に繋がりますよ~。

カーボン堆積をエンジンをO/Hせずに除去する方法として、世界で初めて実用化したのがDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)

弊社が開発した唯一無二のオリジナル整備。(商標登録取得済み)




ドライアイス洗浄機に弊社が開発した特殊DSCノズルとアダプターを装着し、一気に除去していきますね。


・ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射
・熱収縮と昇華爆発力

母材金属やシール類を傷付けずに固着したカーボンを完全除去。



車両をマスキングして飛散するカーボンからボディを完全防備。



DSC作業中は完全非公開で工場の扉も閉めてシャットアウト。
いわゆる企業秘密という奴ですね。

ドライアイス洗浄機にペレットを投入し軽くワンショットすれば、強固に固着したカーボン塊が剥離します。

シャフト傘部やシャフト裏までキレイになるように、複数あるノズルとアダプターを組み替えて洗浄していきますね~。




全6気筒12ポート全てキレイに除去完了。

ペレットが燃焼室に入らないように圧縮上死点にセットして作業をしていますよ。


これで本来の吸気渦が発生し、燃焼室内でガソリンが均一に撹拌されるでしょう。

(良い混合気)(良い圧縮)(良い点火)ガソリンエンジンの3要素


DSCをGRエンジンに行うならスパークプラグ交換時期も近いでしょう。
NGK謹製プレミアムRX 高性能スパークプラグで全数交換しました。
https://www.ngk-sparkplugs.jp/ngk/sparkplugs/products/rx/


スパークプラグが劣化した状態で使用し続けると、イグニッションコイルの要求電圧が高まりコイル故障の原因に。

スパークプラグも定期的に交換しましょうね。




樹脂製サージタンクに吹き返したカーボン粒や、スワールコントロールバルブに固着したカーボンも除去しました。


ガスケット類は全て新品に交換し、スロットルボディ清掃初期化を行います。

全ての部品を組み立ててから、エンジン始動で完全暖機。  試運転をしてから無事納車となりました。




エンジンの吹け上がりもスムーズになり、アイドリング時の微振動も解消されましたね。


これで本来のGRエンジンに回復したと思います。まだまだ長く乗れそうですよ~!!




DSCは弊社しか施工が出来ませんが、ATF交換に関してはお店選びは慎重に。


玉石混交を見極めるのは、結局のところ自分自身ですよ。




ATF交換とDSCのご依頼・お見積りはHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。   必要事項を記入して送信していただければお返事をさせていただきます。



それではHAPPY CAR LIFE!!



トヨタ ランドクルーザープラド KZJ95 リフレッシュプラン後編。トルコン太郎でATF圧送式交換。ホイールアライメント調整と1G締め付け!!

前回・前々回のブログで紹介したランドクルーザープラド KZJ95 平成11年式 走行距離23万キロ

http://minato-motors.com/blog/?p=31806 前編
http://minato-motors.com/blog/?p=31847 中編


走行距離50万キロを目指したリフレッシュ整備で、フロント足回り・下回り等の整備が完了し、リア側の整備に移行します。


リア アクスルシャフトのベアリング・シール交換を行います。
ここも普段の整備では分解する事もないですからね。

デフオイルを抜いて周辺部品を分解し、シャフトを引き抜きます。


ガボっとシャフトとベアリングケースが一緒に外れました。

ここから自社制作SSTと油圧プレス、治具等を使用して安全に確実にベアリングを分解します。


同じ形状のハイエース系もRベアリング交換は手間が掛かるのですが、ランクルプラド系のクロカン車は更に頑丈で時間が掛かる。



無理やりプレスするとシャフトが曲がるので、慎重に分解していきますね。



ハブベアリングを交換し、オイルシールも打ち換えて、再組立てします。

ホーシング側のオイルシールも交換しますが、これにもコツがいるんですよ~。適当に打ち込むとオイル漏れの原因になりますからね。


リアのサスペンションアームの劣化しやすいブッシュ中心に交換していきます。



リアスタビライザーのブッシュも全交換しました。




錆腐食がある90系プラドの交換がしずらい整備箇所はリアショックアブソーバー交換。


ショックアブソーバーの上下のボルトナットを外すだけなんですが、上側が作業スペースが狭すぎで毎回イヤになってくる。

上下左右のスペースが狭いので、奥にあるロックナットを回すのが大変。さらに錆固着していると(ん~)って感じ。


ナットが舐めないように慎重に外します。


ショックアブソーバーとブッシュやリテーナー等を交換しました。







デフ・トランスファオイルはガルフ プロガード75W90部分化学合成ギアオイルで交換します。




ATFも交換しますが、その前にオイルパン洗浄ストレーナー交換。


パカッとオイルパンを外して洗浄し、磁石の鉄粉も除去。
ストレーナーも同時に交換しますね。


オイルパンを液体ガスケットでミッションケースに装着。
ATFを補充して暖機します。

そこからATFチェンジャー(トルコン太郎)とATのホースを接続し、アイシンAFW+でプレ洗浄しますよ~。


全量イッキに圧送式でATFを交換しますね。


プレ洗浄が終わりました。

奥に見える新油と比べるとマダマダですが、最初に回収した廃油と比べると結構キレイになりましたね。




15分間アイドリングタイム。

もう一度アイシンAFW+で全量圧送式交換を行います。


キレイに入れ替わりましたね。

ここまでキレイに入れ替われば次回交換推奨距離は約4万キロですよ!!



エアコン冷媒ガスもリフレッシュ。

デンゲン社エコマックスjrで全自動冷媒回収再生充填します。



年々減少する冷媒ガスは定期的にチェックしましょう。同時にコンプレッサーオイルの強化でニューテックNC-200も注入しました。






整備リフトからアライメントリフトに移動して、サスペンションブッシュの1G締め付けを行います。


4輪が接地した状態でブッシュのボルトナットを一度緩めて、ブッシュの無駄なテンションを開放し再増し締めします。

1G締め付けをしないと新品交換したブッシュがすぐに劣化破損しますよ!!


サスペンションを組み上げてアライメントリフトで1G締め付けするまでは、他の整備もしているので数日後です。

そうなると仮締めしている個所を忘れてしまうので、黄色テープで印を付けています。 黄色テープの箇所を1G締め付けして、赤色のマーキングで完了です。


軽く試運転をして、サスペンションを馴染ませます。


ブッシュやインシュレーターなどのゴム部品の交換後には、路面を走行してグシュグシュと車重を掛けて試運転。

そうすると収まるところにゴム部品が収まるので、そこからホイールアライメント調整を行うようにしているんですね。





上記の数値は組み立てて調整前の数値です。 バラバラに乱れていますよね。

これではショックアブソーバーやブッシュを交換しただけでは、本来の走行性能が発揮出来ないのは一目瞭然。

サスペンションを整備した後には必ずホイールアライメント調整を行いましょう。

車体下に潜り込んでホイールアライメント調整を行います。

リモコンモニターを見ながらアジャストカムを操作し、バランスを整えていきますね。



アジャストカムは偏心になっているので、90度回転させるとボルトの位置が左右に移動します。

そうする事によりロアアームの位置を移動させて、ホイールアライメントのキャンバー・キャスター・SAIを調整しているのです。

ここが錆固着しているとホイールアライメント調整は出来ないんですよね。

最終的にはこんな感じになりました。


フロントの数値はほぼ完璧。 リアは基本的に調整不可ですが、そこは何とか微調整します。

この数値を見ただけで真っすぐ快適に走行出来そうな気がしませんか??




弊社はホイールアライメント調整のみの依頼はお引き受けしていません。
弊社でサスペンション整備を正しく確実に実施した車両に、ホイールアライメント調整を行うようにしています。


整備していない劣化した車両にホイールアライメント調整をしても、それは(タダ数値を合わせただけの作業)にしかならない思っています。




最終チェックのために、いつものテストコースを試運転。

帰ってきてからリフトアップして作業した箇所を入念にチェック。(何度も繰り返す。)




加速やATシフトフィーリングも改善し、乗り心地も大幅に良くなったと思います。

完成したら納車連絡をして、振込にて精算。
陸送手配をして無事納車となりました。

今回は往復陸送にて入出庫したので、オーナーさんと対面する事はありませんでした。その分はメールやTELにて説明をさせていただきました。




今後の整備課題や注意点、作業時に撮影した画像300枚ほどをDVDにコピーしてお渡ししています。





ブログ3部構成で紹介したランドクルーザープラド95のリフレッシュプラン。

この年式ぐらいのプラドなら純正部品もまだメーカー在庫があるので、早い段階でリフレッシュ整備をし、本来の性能に近づけた方が良いかと思います。  徐々に生産終了の部品もあるので注意が必要ですね。




これぐらいの作業内容ならお預かり期間は2週間が多いですね。
自走で入庫引き取りが出来るのでしたら代車もお貸ししています。



リフレッシュプラン予約から納車までの流れをブログにまとめてみました。
http://minato-motors.com/blog/?p=31370
宜しければ覗いてみてください。


リフレッシュプランのご相談・ご予約はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしています。

それではHAPPY CAR LIFE!!


トヨタ ランドクルーザープラド KZJ95 リフレッシュプラン 中編。   フロント足回り・下回り・ブレーキ関係の整備実行。

前回ブログで紹介したリフレッシュプランの続編です。
http://minato-motors.com/blog/?p=31806

石川県から来店したトヨタ ランドクルーザープラド KZJ95 平成11年式 走行距離23万キロ



点検から整備プラン見積、エンジン吸気系の煤除去作業(DSC)を施工して、次は足回り下回りを整備していきます。


北陸の降雪地の使用なので一般的な下回りの錆止め塗装は実施されているようですね。


ですが塗装をしていてもボルトのネジの隙間に少しづつ水分等が侵入し、そこそこ固着があるんですよ。



まずはフロントサスペンションやブレーキを分解。

実際はこれだけでも結構大変。 ボルトナットの固着が作業進行を邪魔します。

ミニダクター2の電磁誘導加熱で、狭い箇所の錆固着したボルトナットを緩めます。(原理的にはIHクッキングヒーターと同じ)


錆固着にはバーナー等の炎で加熱すれば緩みやすいのですが、ハーネスやゴム部品が近くにある場合はバーナーは使えないんですよね。

ミニダクター2なら電磁コイルの内側だけの金属のみが局所加熱されますので、周辺のゴム部品への被害はありません。   錆固着が多い車両整備には必須工具です。


ミニダクター2やバーナー等の加熱でも対処できないのが、フロントロアアームのアジャストカム固着。


ロアアームのアジャストカムがブッシュと錆固着して抜けず、このカムが引き抜けないとロアアームが外れない。

サブフレームやロアアームを傷付けずに、ブッシュとカムをセーバーソーで切断します。  作業スペースが5mm程の幅しかないので、この工具ぐらいしか使えないのですよね。


これでアームブッシュが打ち換え出来ますね。


油圧プレスと治具でブッシュを全数交換します。


同じくアッパーアームもブッシュ交換。




フロントナックルのハブベアリング交換。
油圧プレスでシールとベアリングを打ち換えます。

ナックルのボールジョイントも同時交換。







ショックアブソーバー及び周辺消耗部品もリフレッシュ。

スプリング以外は全て交換します。




ブレーキもO/Hでリフレッシュ。
・キャリパーシール交換
・ディスクローター研磨再生
・ブレーキパッド交換

キャリパーピストンは一部錆腐食の虫食い穴がありました。再利用不可で新品に交換しました。

それ以外は完全洗浄してシールやブーツを組付けます。




ディスクローターは段付き摩耗の錆腐食。

厚み測定で再生可能と判断し、研磨して耐熱塗装を処理します。



ブレーキパッドはバックシムを洗浄し、WAKO’S BPRパッドグリスで組み立て。  リアのバックシムは錆腐食で再利用不可の交換です。



ドライブシャフトもO/Hします。


分解洗浄してIN・OUTのブーツとグリスを入れ替えますね。
使用するブーツグリスKITは耐久性の高い純正品で一択。



Frデフ右側のハーフシャフトベアリングとシールを交換。

油圧プレスで打ち換えます。






エンジンの振動を吸収するエンジン・ATマウントインシュレーター。

何度も作業しているのでもう慣れましたが90系プラドのマウント交換は結構大変です。作業スペースが狭い狭い!!




スタビライザーとリンクロッドのブッシュ交換。
ゴムブッシュを全数交換しますね。





ガタの出やすいステアリング ラックエンドも交換しました。

ここにガタがあるとホイールアライメント調整時のステアリングセンターが決まらないので重要なんですよ~。

・スタビライザーブッシュ交換
・ステアリングラックエンド、ブーツ交換
・タイロッドエンドグリス、ブーツ交換

普段は整備しない箇所は10年に一度はリフレッシュしましょう。





ロアアームを組み立てる時には今後アジャストカムが錆び付かないように、カムに薄くグリスを塗っておきますね。

この部分が錆び付くとホイールアライメント調整が出来ませんよ~。



こんな感じででフロント回りの整備が完了。


次回ブログではリア周りの整備とATF完全圧送式交換。
そしてホイールアライメント調整から納車までの内容を紹介しますね。


それではHAPPY CAR LIFE!!


トヨタ ランドクルーザープラド KZJ95 リフレッシュプラン 前編。 走行距離50万キロを目指しましょう!! ドライアイスでディーゼル煤除去作業。

本日もミナト自動車ブログにお越しいただきありがとうございます。

弊社がお勧めしているリフレッシュプラン。
何年も前から10年10万キロ以上走行した車両を、もう一度新車レベルに近づけるリフレッシュ整備を提案し続けています。


おかげさまで好評をいただいており、全国各地から続々と入庫していただいてありがとうございます。http://minato-motors.com/blog/?cat=12






その中でも入庫が多い車種はトヨタのハイエースorランドクルーザープラドでしょう。


・ハイエース系
100系・200系ハイエース・グランド、ツーリングハイエース系

・ランドクルーザープラド系クロカン
プラドとハイラックスサーフ

どちらも元々が頑丈で、走行距離20万キロオーバーの依頼車両が多いですね。

石川県からお越しいただいたのはトヨタ ランドクルーザープラド KZJ95 平成11年式 23万キロ走行


リフレッシュプランのご予約をいただきました。
ありがとうございます。


依頼内容や車両の不満点
1・走行中カタカタ異音がする。
2・パワーが落ちている感じがする。
3・段差の衝撃が吸収出来ていない。
4・普段の整備では触らない箇所を中心に整備したい。
5・入庫・引き取りは往復陸送を希望。


今回整備に掛けれる予算と預けれる日数も一緒に、メールにて教えていただきました。


1~4に関しては問題なく解消出来ますので、問題ないでしょう。


5の往復陸送は費用面は容認してもらえれば、あとはメールと電話にて詳細な打ち合わせで対応しています。

リフレッシュプラン依頼者はほぼ新規ユーザーになりますので、基本的には初対面。  また往復陸送となると一度も顔を合わせる事がないので、出来るだけTEL等にてコミュニケーションを取りたいと思っています。


そんな感じで陸送でプラドが到着し、最初に試運転を行いました。

現状を確認して、事前ホイールアライメントを測定します。

次は整備リフトに移動して、タイヤを外して下回り・足回りをチェックしながら、エンジン・ATなども点検していきます。





ユーザーさんの希望整備や点検結果から整備プランを制作し提案。

メールとTELにて整備内容を説明し、OKがもらえましたので作業を始めます。

まずはエンジン整備から紹介しますね。

普段の整備は地元ディーラーさんで行っていますので、基本的な整備は実施済み。

弊社でしか出来ないと整備となると、まずはDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を提案しました。


クリーンディーゼル以前の従来型ディーゼルでも、走行距離が増えてくれば吸気系に煤は堆積します。

今回はアイドリング時の振動(アンバランス)が気になったので、インテークマニホールドを外して、煤除去作業を行います。

インテークマニホールドとインテークポートやバルブを確認しますね。

インテークマニホールドの中は煤まみれ。

厚み10mm程の煤が堆積しています。

エンジンヘッド側のインテークバルブ傘部ですが、4番シリンダーのバルブには大量の煤が堆積していました。


これでは吸気の流れを阻害し、4気筒の吸気バランスが乱れますよね。


弊社が独自で開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)は世界初で唯一無二のオリジナル整備。
http://minato-motors.com/blog/?cat=169

ドライアイス洗浄でインテークの煤を完全除去していきます。

DSC専用ノズルとアダプターをドライアイス洗浄機にセットして、軽くテストでワンショットします。


ドライアイスペレットが直撃した箇所だけキレイになりましたね。

数種類あるノズルとアダプターを使い分けて、完璧に洗浄していきますよ~。


全4ポートを全て洗浄完了。
これで吸気の流れを阻害するものが無くなりました。


インテークマニホールドも洗浄して、再組立てしていきます。
汚れているエアエレメントも同時に交換しますね。


エンジンのコンディションがどこまで回復するかは?最後の試運転時に確認しましょうか。乞うご期待ください。

DSCでインテーク系の煤除去が終われば、次は下回り・足回りの整備に移行します。

25万キロ走行したプラドをまだまだ良い状態で走行できるようにリフレッシュ整備しますよ~。


次回ブログではランドクルーザープラド リフレッシュプランの続編を紹介しますね。 どうぞ宜しくお願い致します。



マツダ CX-5 KF2P ATF圧送式交換 マルチサーブDPF洗浄&インジェクター洗浄!!

静岡県からお越しいただいたのはマツダ CX-5 KF2P スカイアクティブ2.2D 走行距離5万キロ


今回で2回目のリピート来店です。
前回来店時から年数が経過したので予防整備的なATF交換とSKY-Dへの推奨メンテナンス(マルチサーブDPF洗浄&インジェクター洗浄)を依頼されました。

試運転後にフルードチェックをしてからATF交換を始めます。

密封式6速ATに専用アダプターを取り付けて、ATFチェンジャー(トルコン太郎)に接続しますね。




本命に使用するATFは前回同様にNUTECニューテック(NC-65)

高価な本命ATFを使用する前にまずはニューテックNC-RF(リンシングフルード)でプレ洗浄を行います。

ニューテックNC-RF(リンシングフルード)は弊社がニューテックさんに提案し、オリジナルで製作していただいたスペシャルフルード。

ニューテックのハイパフォーマンスATFへ交換する前に、AT/CVTを効果的に内部洗浄するために誕生しました。

過度な洗浄性能は求めず、ATミッション自体にダメージが残らないよう設計されています。  (過度な洗浄能力はシール等を痛めます。)




NC-RFが誕生してから4年経過し、今では年間2500リットルは使用しています。
http://minato-motors.com/blog/?p=17434


ニューテック(NC-65)&(NC-RF)でのATF圧送式交換を指名される方が非常に多いですね。

それではNC-RFでプレ洗浄を始めます。

全量圧送式交換を終えました。これがプレ洗浄後の状態です。

・左奥が新油モニター
・中央ビーカーが廃油
・右手前がプレ洗浄後のATF

新油と比べるとマダマダですが、廃油と比べるとかなりキレイになりましたね。


このままの状態で15分間のアイドリングタイム。
次は本命ATFで再交換します。

本命に使用するのはニューテックNC-65。
NUTEC史上最高峰ATFは全化学合成(エステル系)。

・極薄で強靭な油膜性能はローフリクション・ハイパフォーマンス
・低温から高温まで安定した油膜性能を発揮。

高トルクを発生するSKY-Dには是非お勧めします。

ただし純正ATFの数倍高価なので、唯一の欠点である(フルード単価が高額)のみがネックでしょうか。


評価に対しては既にみんカラ等のSNSで絶賛されているので、ここで説明する必要はもう無いでしょう。



完璧に入れ替わりましたよね。
これでスムーズなシフトフィーリングが長期にわたり維持され、また強靭で高潤滑性能がATを保護します。


純正ATFは耐久性が低いですよね~。長く使用するとシフトフィーリングが荒くなる印象。  

NC-65なら耐久性・耐熱性が強化しており、ストリート走行レベルではなかなか劣化しないので、新車購入してスグに入れ替える方も最近では多いですよ。



最後にフルードクーラーを洗浄して、フルードレベル調整を行いました。



次はマルチサーブでDPFとインジェクター洗浄を行います。

ディーゼル普及率が大きい欧州から導入したマルチサーブ洗浄システム。



DPFから洗浄していきます。



マルチサーブをDPFの配管にセットし、DPFクリーナー(1液目)を投入。




次にDPFフラッシュ(2液目)を投入します。


これでDPF洗浄システムの洗浄工程はとりあえず終了。


引き続きインジェクター洗浄に移ります。


フューエルサプライポンプに繋がるIN・OUTにマルチサーブを接続。


画面の指示通りに進めて、ディーゼルシステムパージをマルチサーブに投入します。


約60分間ほどアイドリングをしながら、フューエルラインをシステム洗浄。


軽油を高圧に圧縮するクリーンディーゼルは、構造上フューエルライン内で汚れが発生します。

汚れが堆積し燃料の噴射具合が低下しても、ECUがセンサー情報を感知して、燃料噴射量を補正し続けます。


ですが補正制御も限度があるので、徐々に噴射コントロールが乱れてきて、最悪はインジェクターの不良になり交換となります。


真っ白なフューエルフィルターの濾過紙が、走行が増えると真っ黒になるのは整備士なら周知の事実。そしてフィルターだけでは汚れを全て取り除くのは無理なんですよね。


マルチサーブの作業が終われば、フューエルラインのエア抜き作業をしてエンジン始動。


DPFやマフラー内に溜まったクリーナーの廃液と共に、煤やアッシュ等を強制排出します。

排出作業では猛烈な白煙と異臭が出てきますので、弊社では排気回収システムを制作し作業をしています。(約2時間掛かります。)


インジェクターのバランスも整い、DPFの堆積値もゼロ。

これで良いコンディションのSKY-Dになりました。


納車時にはDPFリジェネレーターとディーゼルエクストリームクリーナー各1本を手渡ししています。

こちらは遅効性のシステムクリーナーで燃料タンクに注入し、ゆっくり内部を洗浄していきます。


ATFもクタクタになるまで使用して、フィーリングが悪化してから交換するものではありません。

インジェクターやDPFもノーメンテで使用し続けるものではありません。


悪くなってからも作業は出来ますが、それでも改善しない場合は新品部品に交換する事になります。   その場合は漏れなく高額請求がやってくるでしょう。


・エンジンにはエンジンオイル交換
・ATにはATF圧送式交換
・インジェクター&DPFにはマルチサーブ
どれも悪くならないようにする(予防整備)


定期的なメンテナンスで良いコンディションをキープしましょう。

納車時には作業中の画像をお見せしながら作業説明し、必要な方には画像をDVDにコピーしてお渡ししています。





(何故??メーカーやディーラーではこの様な長くコンディションが維持出来る作業を勧めないのですか??)これもお客様からよく聞かれますね。

そんな時は(きっと大人の事情があるんでしょうね。)とお答えさせていただいています。

ATF圧送式交換やマルチサーブシステム洗浄の御見積・予約は、HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

必要事項を記入していただいて送信してもらえれば、返信させていただきますよ~。    それではHAPPY CAR LIFE!!