VW パサート TSI 直噴エンジン インテークバルブのカーボン蓄積。
VW パサート ヴァリアント
3CAXX 2,0直噴ターボ TSI
走行距離9万キロ
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)による
インテークバルブ カーボン蓄積除去の依頼です。
http://minato-motors.com/blog/?p=5905
弊社は国産車を専門とする整備工場なのですが、
今回は条件付きで輸入車の
作業をお引き受けさせて頂きました。
レクサス・トヨタ V6直噴エンジンのDSC作業は、
このブログでたくさん紹介してきました。
すると(お問い合わせフォーム)にも
ブログ記事に比例して、
輸入車 直噴エンジンのDSC作業相談が増加。
VW・アウディ
シトロエン・プジョー
BMW MINI などなど。
直噴エンジンのため、
通常使用・通常メンテナンスでも
インテークバルブにカーボンが蓄積し、
エンジンが不調になるそうですね。
インテークに大量蓄積すると、
WAKO’S RECSなどでは除去不能でしょう。
GRエンジンでもそうでしたから・・・。
現在DSCはレクサス・トヨタ GRエンジンのみに対応。
しかも輸入車はメイン車種ではないので、
お引き受けは不可ですよ~とお話したのですが、
オーナー様と相談の上、
条件付きでの入庫となりました。
条件は三つ
・正確な金額の事は不問で。 (事前見積りは不可)
・お預かり期間は1週間。
・こちらの事情(話)を聞いてくれる事。
インテークバルブが見えるまで、どの部品を外すのか?
ガスケットなどの消耗品は何がいるの?
アイドリング維持の為、学習値初期化は?
どんなエンジンか?分からない事だらけ・・・。
事前見積りで費用はだいたいコレぐらい。
時間はコレぐらい。
としか言えないのです。 手探りですからスイマセン。
そもそも弊社のスキャンツールで初期化ができるのか?
調べないといけない事が多すぎるのですよね~。
ある程度の事は
事前に調べてクリアできました。
準備も整ったので作業に掛かりますね。
インテークバルブが見えるまで、
吸気系の部品を外していきます。
国産車ではあまり使わないトルクスボルトが多く、
勝手が違うな?と思いながら、
作業は順調に進みます。
トヨタ車に慣れていると
作業しやすいのか?しにくいのか?
よくわかんね~な??VWは。
インテークポートには
おそらく燃焼室でタンブル気流を生み出す
整流板?でしょうか。
(タンブル 縦回転気流)
(スワール 横回転気流)
GRエンジンはスワール気流でしたね。
それにしても結構な量のカーボンが付着しています。
もちろんポート内径もカーボンだらけ。
インテークバルブを覗いてみますね~。
予想通りの蓄積具合。
ブローバイのオイル過流入は、
このエンジンは少ないですね。
あまりベトベトしていないです。
ポート形状とインテークバルブで、
最適な気流を生み出し、
少ない燃料と空気を燃焼室で撹拌。
確実な混合気にし点火すれば、
設計通りの最大パワーが出るのですが・・・。
気流が乱れると撹拌が乱れ、
うまく混合気にならないんですよね~ 直噴の場合。
カーボン(煤)が増加 ・ パワーもダウン。
そして繰り返し・繰り返して悪化する。
DSCをする為に
マスキングをして完全防備。
飛び散るカーボン片に備えます。
次世代洗浄マシン
グリーンテック社 ドライアイス洗浄機
ドライアイス3mmペレットを投入し、
DSC専用ノズルを装着。
圧縮空気でペレットを高速噴射。
ドライアイスの特徴を利用したドライアイス洗浄。
熱収縮と昇華爆発力で、
イッキにカーボンを剥離します。
http://minato-motors.com/blog/?p=5921
ワンショット10秒。
ペレットが直撃した部分だけ、
カーボンが剥離していますね。
当たればキレイに剥離するんですが、
これがなかなか当たらない。
バルブ・ポートの隅々までキレイになるように、
ショットを繰り返します。
バルブシート付近は特に念入りに。
バルブは全閉状態で作業しますよ~。
開いた状態で剥離すると、
燃焼室にカーボン片が入りますし。
カーボンが噛みこむと、圧縮不良になりますからね。
4気筒 8バルブ全て除去しました。
どうでしょうか?
キレイになったと思います。
交換できるガスケットは新品に交換して、
元の状態に組み直し。
電子制御スロットルも清掃しますね~。
エンジン始動で完全暖気。
スロットル初期化 と 燃料漏れチェック。
試運転をして納車となりました。
もともとハッキリ分かる不調は無かったのですが、
新車時に比べてエンジンの吹き上がりが悪いと・・・・。
そもそもエンジン不調などの原因は
多岐に渡りイロイロ考えられるのですが・・・・。
インテークバルブのカーボン蓄積も、
その原因の一つに当たると思いますよ。
あれだけ汚れて、
カーボンが大量に溜まれば、
エンジンにイイ訳ないよねと。
新型省燃費エンジンは
これからほぼ直噴になっていくでしょう。
カーボンが溜まるんだから
DSCが簡単に出来るよう
エンジン設計をしてくれると助かるんですが・・・。
そうするとエンジンの調子が良くなるので、
逆に新車が売れなくなる。
販売台数が減るような事を、
わざわざメーカーがする事もないよね~。
本日もミナト自動車ブログ 日々是好日に
お越し頂きありがとうございます。
ミナト自動車は
国産車専門の自動車整備工場です。
スキャンツール・工具などが対応していない車両は、
責任持って作業が出来ないので、
ある一定の線引きはさせて頂いています。
また国産車の整備依頼が混雑しているので、
正直輸入車まで手が回らないのが現状。
GRエンジン以外の国産直噴エンジンにも、
DSCを対応しないといけない課題もありますし。
今回はオーナー様の熱意に負けて、
作業をさせて頂きました。
次はどうするか?は未定ですけど・・・。
Happy Car Life !!