GRS184 クラウンのリフレッシュプラン その2。 2GR直噴エンジン インテークバルブのカーボン蓄積。
前回ブログで紹介した
GRS184 クラウン 走行距離 122000km
リフレッシュプランの続きです。
http://minato-motors.com/blog/?p=13003
ブレーキO/H や E/Gマウント交換などなどを作業して
次の作業に移ります。
弊社オリジナル整備 DSC
(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
ガソリン直噴エンジンへのインテークバルブに
蓄積するカーボン(煤)を除去します。
そもそもなぜ蓄積するかは
どうぞこちらのブログを見てくださいね。
http://minato-motors.com/blog/?p=5905
http://minato-motors.com/blog/?p=5921
トヨタの直噴システムには
・(D-4)シングル直噴 ・(D-4S)デュアル直噴
の2種類があります。
D-4は燃焼室にしかインジェクターがないので、
非常に煤が蓄積しやすい。
クラウンGRS184の2GR-FSEエンジンはD-4Sシステム。
燃焼室と吸気ポートの2箇所にインジェクターがある為、
比較的蓄積は少ないです。
ですがどちらも直噴ですから煤は発生し、
また内部EGRも採用しているため
バルブへのカーボン付着は避けられず、
吸気ポート噴射のみの従来型エンジンよりも
遥かに蓄積しています。
エアダクト・スロットルボディ・サージタンクなどなど
インテーク系統の部品を外していきます。
6個穴が開いている
インテークマニホールドが見えてきましたね。
D-4Sの場合はインテークマニホールドに
吸気ポート用のインジェクターが搭載されています。
燃焼室の吸気上流にあり10cm以上も離れていますが、
吹き返しの煤で結構汚れていますね。
そしてここからはシリンダーヘッド側になり、
燃焼室への吸気ポートは二股に分かれます。
ポート用インジェクターノズルのスグ近くは、
素地が見えるほどキレイになっていますが、
それ以外の部分は燃料が掛からないので、
洗い流せていないですね。
吸気ポート用のインジェクターからの燃料噴射で、
バルブに付着する煤を洗い流す筈なのですが、
長年の使用のためか?あまり洗い流せず固着しています。
また燃焼室のスグ上にあるので、
燃焼熱でカーボンが非常に硬く固着しています。
通常であればエンジンを分解したオーバーホールをしないと、
手作業ではキレイに除去は無理だと思います。
ちなみに参考資料として以前入庫した
D-4シングル燃料噴射の吸気バルブはこんな感じ
これに比べるとトヨタ D-4Sはまだマシな方でしょう。
VW・アウディ BMW・ミニ プジョー・シトロエンの
直噴エンジンもかなり酷いようですね。
空気と燃料の混ざりが悪くなり、
失火するそうで警告灯が点くようです。
もう少し国産車の依頼が減れば、
輸入車にもDSCを対応させてもイイのですが・・・。
(今のところは輸入車までは手が回らない。)
話をクラウンGRS184に戻します。
短時間で・完璧に・エンジンにノーダメージで、
これらのカーボンを除去できないか?
試行錯誤を繰り返し、独自に開発したDSC。
グリーンテック社のドライアイス洗浄機と
共同開発のDSCノズルを使用して完全除去しますね。
非常に柔らかいドライアイスペレットを
圧縮空気で高速噴射。
(熱収縮)と(昇華爆発力)
ドライアイスの特性を利用して、
強固に固着した付着物を剥離させます。
軽くワンショットするとペレットが
直撃した部分だけキレイに剥離しました。
数種類の特殊ノズルを使い分けて
インテークバルブと吸気ポートをキレイにしていきます。
ここまですっきりキレイに出来るのは、
おそらくDSCだけでしょう。 (自社調べ)
またインテークバルブのビフォーアフター画像を
詳細に公開しているのも弊社だけ??
ネットで類似作業を検索すると
なぜか?作業前の画像は鮮明なのに、
作業後の画像はピントが甘かったり・・・
照明が暗く不鮮明・・・が多いです。
ミナト自動車は作業前後の詳細画像をDSCだけではなく
全ての作業でユーザーさんには公開しています。
納車説明時に画像を交えて報告する方が、
ユーザーさんも分かりやすいし、納得しやすいですし。
煤とオイルまみれの
インテークマニホールドも洗浄します。
さすがにインジェクターにドライアイス噴射はできないので、
こちらは手作業で洗い流します。
燃焼熱を受けていないので
ジャリジャリの煤は多いですが、
固着自体は無いのですよ。
樹脂製サージタンクも同じく洗浄します。
エンジンのブローバイ過流入によるオイルミストが
サージタンクに溜まり燃焼室に流れてきます。
そこに燃焼室からの吹き返しの煤が混ざって、
サージタンクの中はベトベト・ジャリジャリでした。
洗浄液を流しこんで何度も洗浄しました。
ドバーと排出すると真っ黒の煤が出てきますね。
電子制御スロットルボディを清掃し、
学習値を初期化します。
完全暖機後にもう一度初期化すれば、
DSCは完了です。
空気と燃料が混ざり、初めて混合気になります。
理論空燃比の混合気を燃焼させれば、
最大のパワーを発生させ完全燃焼します。
(理論上ではね)
そもそも混ざりずらい直噴システムで、
空気の流れを最適化するバルブ周辺が乱れると
燃え残しが出て煤がでる。
急な加速などの空気量が変化すると、
A/Fセンサーなどからのフィードバックがあっても
空燃比が一瞬乱れるのですね。
アイドリング時のような
吸気流入量の変化が無い状態であれば
フィードバックがあるので完全燃焼しているでしょう。
ですがアクセルワークで常に変動し続ける走行時は、
なかなか完全燃焼も難しい。
そして煤が蓄積し経年劣化になり、
距離・年数相応のエンジンフィーリングなっていく。
愛車が10年10万キロ走行していても
・まだまだ長く良い状態で!!
・出来るだけ新車時に戻したい。
そう思われる方にオススメしているのが
DSC(ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
なんですよね~。
次回ブログも引き続きGRS184 クラウンの
リフレッシュプランを紹介します。
Happy Car Life!!