マークX GRX120 4GR-FSE 直噴エンジン。 インテークバルブ カーボン除去にDSC。
2年前に弊社でATF交換をして頂いた
マークX GRX120
http://minato-motors.com/blog/?p=314
この春に大阪から千葉県にお引越しするそうで、
その前にDSCの施工を希望されました。
現在の走行距離が87000Km。
直噴エンジン4GR-FSE なら確実に、
インテークバルブにカーボンが蓄積していると思います。
エンジンの不具合はないのですが、
たまに始動時のアイドリングがおかしい気がすると・・・。
問診時にお聞きしたので、
DSCをする前にスキャンツール(G-SCAN)を接続。
データモニターで数値をチェックしてみました。
空燃比F/B学習値 B1 ・ B2 ともに、
大幅なマイナス補正が掛かっていますね。
リア側O2センサーの数値も不揃いで、
燃料噴射量も 0,046mlと大幅に少ない。
触媒前のA/Fセンサーから情報で
ECUが燃料噴射量が多いと判断し、
-20~-25パーセントまで噴射量を減らせ!と
指示しているようです。
(なにか理由があるはずなのですが・・・・。)
DSCや他の作業が日帰り整備のため、
とりあえず予定通り作業を進めますね。
お預かり作業ならジックリ観察できるのに~。
サージタンク ・ スワールCバルブASSY などを分解し、
インテークポート12個が見えてきました。
この車両も例外なく、
ブローバイからのオイル過流入がありますね。
ポート内径はオイルとカーボンで真っ黒です。
それではインテークバルブを覗いてみます。
インテークバルブ 傘部やシャフト部には3mm以上。
ポート内径も1mmぐらいの厚みでカーボンが蓄積。
経験上このまま放置すると、
さらに蓄積していきます。
10万キロを超えてくると、
強力に硬くなりバルブに固着しだします。
おそらく燃焼熱でガチガチになるのでしょう。
DSC (ドライアイス・ショット・カーボンクリーニング)
次世代洗浄マシーン ドライアイス洗浄機を使用して
エンジン奥のカーボンを除去します。
ドライアイス 3mmペレットを
圧縮空気で高速噴射。
熱収縮 と 昇華爆発力 で、
エンジンに一切のダメージを与えず
固着したカーボンを剥離させます。
爆音を響かせながらショットをすると、
ペレットが直撃した部分のカーボンは吹き飛びます。
作業者にもバチバチとカーボンが当たるので、
防御面やエプロン等をしないと真っ黒になりますよ~。
ポートから15cmほど奥にあるバルブに
ペレットが当たるようにガン操作。
重いガンとホースを担いで、
キレイになるまでショットを繰り返します。
最終的にはこんな感じで。
バルブ・ポート内径 全12箇所 キレイに除去できました。
サージタンク や スワールCバルブASSYの
カーボンも除去して組み直し。
スロットルも清掃し、ガスケット類も交換します。
スパークプラグも交換します。
(DSC作業と同時なら工賃はお安く設定してます。)
プラグの汚れが多いですね。
他のGRエンジンでは
もっとキレイに焼けているのですが・・・。
(NGK イリジウムMAX )
高性能長寿命イリジウプラグに交換しました。
オプション整備のデフオイル交換。
NUTEC ニューテック NC-70 75W90
全化学合成ギアオイル(エステル系)
ガスケットも交換して規定トルクで締め付け。
カーエアコンリフレッシュα for NUTEC NC-200
WAKO’S RECS
こちらもオーダー頂きました。
いつものように数回の初期化作業。
一度ではエンジン回転数が定まりません。
数回繰り返し、試運転を繰り返すと安定してきます。
空燃比F/B学習値 B1 ・ B2 ともに、
良好な数値になりましたね。
(B1/B2 は右バンク・左バンクの事です。)
(V6エンジンなので右・左 3気筒なのです。)
DSC前は
・マイナス補正は左右バンク均等に掛かっている。
・ダイアグコードも無く、失火も感じられない。
普通といえば普通な状態で
スキャンツールを繋ぐか?
排気ガステスターを使用しない限り、
異常には気が付かないと思います。
(時間があれば排気ガステスターで計測するのですが・・・残念。)
作業して気が付いた事は、
・スパークプラグが全数 やや汚れている。(中心電極はキレイ)
・スロットルボディは、さほど汚れていなかった。
・DSC作業後に補正値が回復。
ただECUを初期化し再学習が
完全に終わっていないはずなので、
数週間後、もう一度来店して頂く事になりました。
(初期化後、アイドリング安定が学習完了ではないそうです。)
(最低でも30分以上を走行しないと、本学習完了にはならないので。)
その時にどんな補正値になっているかで、
DSCで治ったのか?
それ以外に故障箇所が有るのかが
分かると思います。
それではHappy Car Life!!