マツダ デミオ スカイアクティブ1,5D ドライアイスとマルチサーブで完全洗浄1泊2日!! (前編)煤が堆積すれば本来の性能は発揮出来ないよ~!
京都府からお越しいただいたのは、マツダ デミオ DJ5FS 走行距離10万キロ
スカイアクティブ1,5Dのインテーク系堆積する煤除去作業を含めた整備を依頼されました。
・DSCドライアイスショットカーボンクリーニング
・LLC圧送式交換
・マルチサーブDPF洗浄
・マルチサーブインジェクター洗浄
・ATF完全圧送式交換
1泊2日の予定で5点の予約をいただきました。ありがとうございます。
予約当日は朝9時半入庫。
(翌日夕方に納車引き渡しが出来るように進行します)
問診をし、試運転をしてから作業を始めますね。
エンジンから樹脂製インテークマニホールドを外します。
外すとエンジンヘッドのインテークポートやインテークバルブが確認出来ますので、覗いてみますね~。
1,5Dは2,2Dに比べて細いポート内径ですが、更に狭くなるように煤が堆積してますね。
奥に見えるインテークバルブ傘やシャフトにも、煤堆積しているので(原型が分からない)状態です。
こうなるとどんなデメリットがあるのかを簡単に言えば(吸気抵抗が増えて、燃焼室への空気充填率が下がる)でしょう。
最新のエンジンはガソリン・ディーゼル問わず、極限まで吸気抵抗を少なくするのがトレンド。 吸気抵抗を下げて、空気充填率を上げる吸気ポートデザインが煤で乱れれば、本来の高性能が発揮出来ないのは想像できるかと思います。
インテークマニホールドと内蔵水冷インタークーラーも確認しますね~。
水冷インタークーラーはそこそこの汚れですが、マニホールドの出口は結構煤が堆積していますね。
ブローバイからのオイルで煤がカチカチに固まっています。
こうなると手作業での煤除去は、ほぼ不可能。
完璧に取り除くのは難しいでしょう。
実際ディーラーさんでもお手上げだと思います。
弊社が7年前に開発したDSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)ならば、固着した煤塊も完璧に除去が出来ますよ~。
おかげさまでガソリン・ディーゼル合わせて多くの作業実績を積み重ねてきました。http://minato-motors.com/blog/?cat=169 一部になりますがブログ公開しています。
(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)DSCは唯一無二。
ドライアイス洗浄機は市販品を使用していますが、それ以外は弊社が独自に開発した技術と自社製作の特殊装置でDSC作業をしています。
煤がボディに付着しないようにマスキングをして、DSCノズルをセットして軽くワンショットしてみますね。
軽くワンショットすれば固着した煤が剥離しましたね。
複雑な形状のポート内や最深部にあるバルブ傘部の煤も完全除去するために、数種類あるDSC専用ノズルとDSC専用アダプターを組み替えて洗浄作業を行います。
4気筒8ポートを全てキレイに洗浄しました。
これで設計通りの吸気効率になるでしょう。
ビフォーアフターを比べると分かりやすいですよね。
目視では見えませんがシャフトの裏やバルブ傘部も完璧にキレイにしていますよ~。
これで空気充填量が回復し、設計通りのスワール渦が発生すれば、少ない燃料をキレイに撹拌出来て効率的な燃焼が出来ると思いませんか?
おそらくこのデミオも新車時には良い燃焼が出来ていたのだと思いますよ。
水冷インタークーラーも洗浄して、マニホールドに組付け。
エンジンに装着します。
汚れているエアエレメントも交換し、LLCを補充。
そこからラジエターリフレッシャーでLLCを脈動圧送式交換で全量入れ替えます。
エンジンを始動させながら脈動圧送。エンジン・ラジエター・ヒーターコアのLLCを回収しながら高密度フィルターでろ過再生。
再生したLLCを再注入し、約30分ほどアイドリングで入れ替えます。
最後にLLCの防錆・消泡剤を強化するために、LLC再生強化剤を注入し、エア抜き作業も行いました。
次はマルチサーブでインジェクターとDPFを強力洗浄していきますね。
ディーゼル車のメンテナンスが充実している欧州から輸入されたマルチサーブ。 今回は全部で5つの専用ケミカルを使用して洗浄作業をします。
マルチサーブのホースをDPFに繋がるパイプに接続。
DPFクリーナー1液をマルチサーブに投入し作業を進めます。
1液目の洗浄工程が終われば、DPFフラッシュ2液目を投入。
接続したホースを切り離し排煙作業に移行しますが、その前にインジェクター洗浄を行います。
マルチサーブのIN・OUTホースをインジェクターに繋がるフューエルサプライポンプに接続。
ディーゼルシステムパージ1000mlを投入して、ゆっくり時間を掛けてフューエルラインを洗浄しますね。
インジェクター内部のニードル周辺やノズル先端はスラッジやカーボンで燃料噴射の邪魔をします。
これはメーカーも織り込み済みで各気筒の燃料噴射量を補正し、なんとか支障がないように精密な制御をしていますが、それも限度があるのですね。
補正値がバランスを崩すとその分は性能が低下し振動も増加しますので、出来るだけ噴射量のバランスは整えた方が良いのですよ。
作業が終了すればマルチサーブのホースを切り離します。
ここからはDPFやマフラー内に溜まっている廃液や煤などを排出します。
エンジンを掛けてDPFの温度を上昇させ排出するのですが、その時にはスゴイ量の白煙と異臭が出てきます。
一応弊社では排煙回収装置を導入しているので、そんなに問題ではないのですが、やはり全ての白煙を排出するには結構時間が掛かりますね。
むしろこの作業が一番時間が掛かるんですよね~。
納車時にはマルチサーブ洗浄システムに付随しているアフターケミカルをお渡ししています。
・DPFリジェネレーター
・ディーゼルエクストリームクリーナー
燃料タンクに注入し、走行しながら少しずつアフター洗浄。
マルチサーブでも洗浄して、アフターケミカルでも更に洗浄効果を高める2段階で作業が完了します。
DPFの差圧センサー数値もPM堆積量もほぼゼロになり、インジェクターの補正値もゼロになってバランスが整いましたね。
入庫時にはこの3点の数値を記録してから、マルチサーブ後と比べてユーザーさんにお見せしています。
こんな感じで1日目は無事終了。
結構大急ぎで作業しながらも確実な作業を目指しているので、見学等は一切不可としています。 また作業中は工場の扉も閉鎖しているので、アポ無しの来客があっても対応不可になります。
弊社は少人数で一人1日1台限定の完全予約制で作業をしています。
遠方から来店されたお客様の予約作業はスケジュール通りに完璧に完了したいと思っているので、このような対応となっておりご理解の程宜しくお願い致します。
次回ブログでは引き続きデミオDJ5FSのATF完全圧送式交換の内容を紹介しますので、今回のブログではひとまず終了しますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!