マツダCX-3 インテークに蓄積する煤除去作業。 DSCドライアイス洗浄で完全除去しました~。
兵庫県からお越しいただいたのはマツダ CX-3 DK5FW 走行距離7万キロ
スカイアクティブ1.5Dのインテークに蓄積する煤除去作業。
DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)を依頼されました。
・ディーゼルのインテーク系の煤蓄積。
・DPFの再生距離が短くなる。
・エンジン警告灯の点灯
ネットでそれらのワードを検索し情報収集して、弊社に辿り着きメールにてご相談がありました。
またエンジンオイルが少し漏れているのをディーラーさんに相談すると、インテークマニホールドの交換と診断されたようです。
エンジンルームの上部からは漏れが確認できないので、DSCが出来るようにインテーク系の部品類を分解していきます。
インテークマニホールドを外して漏れた個所を確認。
エンジンブロック、シリンダヘッドを確認し、漏れの最上部を辿っていきます。
2番シリンダのインテークポート右側からオイルが漏れた形跡がありますね。
(下の画像でみると右から3番目ポート下からオイルが流れているのが分かると思います。)
なぜインテークマニホールドとシリンダヘッドの間にあるガスケットからオイルが漏れるのか??
それは樹脂製インテークマニホールドを外して、エンジンのインテークポートを覗けば良く分かります。
もともとSKY-2.2Dより、更に細い1.5Dのインテークポート内径。
そこに煤が蓄積すると内径はより細くなり狭くなる。
ターボからガンガン過給圧が掛かると、圧に耐えれなくなるのでしょうか?
ブローバイオイルがガスケットの隙間から滲み出ている車両も多いですね。
肉眼で現車を見ると画像以上に煤の蓄積の酷さが良く分かります。
インテークマニホールドから内蔵水冷式インタークーラーを外します。
ここの煤に関してはこれぐらいなら問題ないでしょう。
許容範囲だと思いますよ。
インテークマニホールドの出口には8個の穴が開いていますが、こちらは煤の蓄積で酷い状態でした。
内部にもビッシリ煤が溜まっているので、ディーラーさんに相談すれば要交換と言われるのは仕方がないでしょう。
軽くホジホジするだけでゴボゴボと煤が出てきます。 そして途中でオイル混じりのネチョネチョな煤になってくるので、手作業で地道な除去は難しい。
DSCのドライアイスショットをする前に、ボディを完全防備のマスキング。
飛び散る煤がボディに付着しないようにガードしますが、上記画像はその途中になります。
・ドライアイスペレットを圧縮空気で高速噴射。
・昇華爆発力と熱収縮で強固な煤を完全除去。
・ドライアイスの特性を生かした究極の洗浄方法。
ドライアイス洗浄自体は各製造プラントの機械洗浄、金型洗浄などに使われており、そんなに珍しい洗浄機ではありません。
その洗浄機がDSCに最適化するようにDSC専用ノズルと専用アダプターを数種類、弊社が独自開発し製作しています。
その結果、エンジン奥にあるインテークバルブ・ポート周辺の煤を(エンジンにノーダメージで短時間で完璧に)除去出来るようになりました。
始めはトヨタ・レクサスのGR系ガソリン直噴エンジンの煤除去の為に開発がスタートし、徐々に対応出来るエンジンを増やしています。
http://minato-motors.com/blog/?p=25476 マークX
http://minato-motors.com/blog/?p=24132 ランドクルーザープラド
ガソリン直噴エンジンだけではなく、クリーンディーゼルの煤蓄積も酷いので、数年前からSKY-Dでの作業実績が増えてますね。
DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)は唯一無二。
ドライアイス洗浄機さえあれば簡単に作業が出来ると思われる方もいると思いますが、そうはいかないのがDSCの難しいところ。
テストで軽くワンショットするとドライアイスの粒が直撃した箇所だけ、キレイになりましたね。
アルミ母材まで見えてきました。
DSCノズルとアダプターを組み合わせて、複雑な形状のポート内を完全洗浄していきます。
4気筒8ポートが完璧にキレイになりましたね。
アルミ母材が黒く見えるのは影です。
カメラを撮影しながらライトを当てると、ポートの凹凸により影が映りますので、肉眼でみると完璧にキレイにしていますのでご安心ください。
また奥に見えるバルブ傘部に固着した煤塊も完璧に剥離洗浄しています。
もちろんドライアイスショットは圧縮上死点にセットして、バルブ全閉で行っていますので燃焼室に煤やドライアイスが入る心配はゼロです。
ディーラーさんでは要交換だった樹脂製インテークマニホールドもDSCで洗浄し、再利用出来ます。
このインテークマニホールドは結構値段が高いので、無駄な出費が無くなりましたね。 また原因のヘッド側煤蓄積もインマニ交換だけでは解決しないですから、結果的にはDSCを実施して正解でしょう。
EGRバルブ・吸気シャッターバルブ・インタークーラーもキレイにして、新品純正ガスケットで組み立てますね。
ブロックに付着したオイル漏れ跡もパーツクリーナーで洗い流しておきます。
インテークマニホールドを元の状態に組み立てて、冷却水を注入してエア抜き作業。 劣化しやすいラジエターキャップも同時に交換します。
ECUをリセットして各学習値や燃料噴射量を再学習。
マル秘作業もゴニョゴニョし、試運転をして作業は完了です。
よく質問でECUを書き換えしていますが、DSCをして大丈夫でしょうか?と聞かれますが、まったく問題ありませんよ~。
社外ECUチューンしたのが、工場出荷状態の新車時に戻る訳ではないのでご安心ください。
エンジンオイルは定期的に交換していた車両なのですが、煤蓄積に関しては定期的に除去した方が(エンジンにとっても燃費にとっても良いですよ~)とお伝えしています。
最新のディーゼルは大容量の空気をスムーズに充填するかがキーポイント。
吸気に抵抗や障害があると充填率が低下するので、本来の性能は発揮しずらい。
大容量かつ高流速の吸気渦がシリンダ内で燃料を撹拌し、均一で理想的な燃焼を実現します。 最適化されたインテークポートのデザインが煤で変形すると新車時の燃焼状態にはならないのは想像出来ると思います。
DSCは基本的に1泊2日のお預かりなのですが、今回のCX-3のDSC作業は朝9時半入庫の夜19時納車の(特急日帰り作業)でオーダーを受けました。
予定の時間通りに納車が出来たので良かったと思います。
その他のDSC作業実績も、ほんの一部ですが良ければ覗いてみてください。
http://minato-motors.com/blog/?cat=169
スカイアクティブD(2.2D 1.5D)へのDSCのご相談はHP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。
それではHAPPY CAR LIFE!!