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マツダ スカイアクティブ1,5D ドライアイスでインテーク系の煤除去作業はDSC。新車時の加速を取り戻しましょう!!

連日とは言いませんが頻繁に煤除去作業を
依頼されるマツダ スカイアクティブD 1.5D or 2.2D。


おかげさまで全国各地から入庫していただいています。
http://minato-motors.com/blog/?cat=192
全ての入庫車両をブログアップするは台数が多いので難しいのですが、
一部ですがこんな感じで紹介しています。


徳島県からデミオDJ5FS 走行距離7万キロ






愛知県からはCX-5 KE2FW 走行距離9万キロ




今回作業ブログで紹介するのは、
福岡県 デミオDJ5FS ディーゼル MT車
H28年式 走行距離10万キロ


DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)のご依頼です。
http://minato-motors.com/dsc/




連日の大雨で入庫当日の未明から九州と本州を繋ぐ関門橋で
大渋滞が発生。
大幅に入庫時間が遅れて到着されました。

事前に到着時間が遅れると連絡を頂けたので、
こちら側も万全の体制でお待ちしておりました。
(無事到着が出来て安心しました。)

1泊2日のお預かりですから帰路も考慮して、
納車時間を守りたいと思います。

お預かりの間は大阪観光をお楽しみくださいね。
http://minato-motors.com/blog/?p=25803


試運転をしてリフトアップ。

心なしか(加速が鈍いな?)とファーストインプレッション。
SKY-D特有のグイグイ加速感が弱いですね。

インテーク系部品を分解していきます。

ハーネスを掻き分けて各部品を外し、
樹脂製インテークマニホールドが外れました。

デミオはエンジンとラジエターとの間が狭いので、
マニホールドを外すのは結構大変。


外したマニホールドを確認します。

インテークマニホールドの出口には8個の穴が開いていますが、
30%ぐらいは煤蓄積で経路が狭くなっていますね。


内蔵水冷インタークーラーは煤が出るEGR出口より上流側にあるので、
基本的には煤が詰まらないのでご安心を。

それでも1.5Dの水冷式インタークーラーは
DSC作業時にはキレイに洗浄しますよ~。



エンジンヘッド側のインテークポートを確認しますね。

2.2Dに比べて一回り細い1.5Dのインテークポート。
(細くて奥が深いのでなかなかピントが合わず撮影が難しい。)



こちらも大量の煤で吸気経路が狭くなり、
明らかに新気が入りにくい状態ですね。

これではターボで過給された空気が流れづらくなり、
シリンダー内に多くの空気を充填する事が難しい。
(吸気のボトルネックが発生する。)



特にグイッと加速が欲しい場面では、
アクセル開度と加速にギャップが出来て本来のSKY-Dが味わえないでしょうね。

おそらくこんな感じで乗っている方が多いんでしょうね。
折角のスカイアクティブD。  モッタイナイな~。


インテークマニホールド内にも大量の煤が溜まっており、
いきなりドライアイスをぶち込む訳にはいかないので・・・。

軽くホジホジして煤を掻き出しました。
(煤の量としては軽くコーヒー缶1個分ぐらいでしょうか。)


それではドライアイスショットで煤を除去しますね。

ボディが汚れないようにマスカーで完全防備。

油・水・薬剤等からでもブロック出来る
3M社製最高級マスカーを贅沢に使用しています。



DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)は、
弊社オリジナルの洗浄系整備メニューで唯一無二。

ドライアイス洗浄機と弊社が開発したDSCノズル&アダプターで、
複雑な形状で奥細い吸気ポートに蓄積した煤を完全除去します。


ドライアイス洗浄はドライアイスの粒(ペレット)を
圧縮した空気で高速噴射します。

固着した煤塊にペレットが直撃すると、
一瞬で母材から剥離しハジケ飛びます。


(な~んだサンドブラストと同じ原理か??)っと思うでしょ!
実はそれは違うのです。

サンドブラストなどは硬い粒子を付着物に打ち付けて、
その粒子の(研磨力)でそぎ落としているのです。

柔らかい粒子だと汚れが削れないし、硬すぎると母材を傷つけます。

よって繊細なアルミ製のエンジン吸気ポートには、
サンドブラスト等はエンジン側にダメージが残るので使用出来ないのですね。



ドライアイスペレットは指で潰せるほど柔らかい。
(例えるなら柿ピーのアラレよりも柔らかい)


サンドブラスト等と同じ原理の作用なら、
柔らかい粒を噴射しても硬い煤塊に負けて除去出来ないですよね。

ですがドライアイス洗浄はそもそも剥離する原理が違うのです。


ドライアイス粒を高圧・高容量の圧縮空気で、
高速噴射します。

-79℃のドライアイス粒が対象付着物を急速冷却し、
クラックした隙間にドライアイスが侵入。


侵入した隙間のドライアイスが、
固体から気体に急速膨張。(昇華)

ドライアイスは固体から気体に昇華すると、
一瞬で約750倍に体積膨張します。

煤塊の隙間の中でチョットした小爆発が連続して発生するので、
強固な付着物でも母材から剥離します。

もちろんエンジンの金属やゴムシールなのはノーダメージで、
付着物のみを剥離する特殊洗浄方法。

そもそも産業界の金型や金属設備等を洗浄するために生まれた洗浄機ですから、
洗浄する機械側を傷つけると意味ないですよね。


比較的安価な(サンド・クルミ・重曹ブラスト)洗浄方法と、
ドライアイス洗浄は似ているようで全く違う洗浄原理なのですよ~。



またドライアイスはCO2の個体なので、
放置すれば気体に変わり消えて残留はゼロ。

DSCのキャッチコピーは(エンジンにノーダメージで短時間に完璧に)

繊細なエンジン内部に残ったとしても数分後には消えるので、
サンドブラストのように粒が残る事もありませんのでご安心を。


それではドライアイスショットを始めます。

まずはテストで軽くワンショットしました。
ペレットが直撃した部分だけキレイになりましたね。

母材のアルミもハッキリ見えました~。


ここから数種類のDSCノズルとアダプターを組み合わせて、
複雑な形状のポート内をDSCで完全除去していきますね。

DSC作業中は完全非公開。
(扉を閉めて行っています。)

水平方向から直角に落ち込む2種類の吸気ポート形状。
(上2つと下2つの画像はポート形状が違います。)

目視では吸気バルブの傘部は見えませんが、
傘部、シャフト裏も全てキレイに洗浄しました。

バルブ等に煤塊が残っているとあとで、
剥がれてバルブシートに挟まる可能性があるので、
慎重に煤残留を確認しています。




ちなみに洗浄後のポート壁の黒い部分は影です。
(汚れている訳ではありません。)

ポート内には赤線の部分に段差があるので、
手前からライトを当ててカメラで撮影すると
どうしてもこの段差で影が出来ます。

ポート内壁もザラザラでウネっているので、
影が映りやすいのですね。

(2.2Dのポートにはこの段差はありません。)

1気筒洗浄してはクランクを回して圧縮上死点にセット。
4気筒8ポートを全てキレイになりました。


今回はポート内壁にも大量に煤がありましたが、
バルブ傘部にもカッチカチに煤が固着していたので、
作業が大変で予定より時間が掛かりました~。

・樹脂製インテークマニホールド
・EGRバルブと吸気バルブ
・EGRバイパスパイプにインタークーラー

こちらも新品同様に洗浄完了で再利用可能。

ガスケット類は全て純正新品に交換し、
元の状態に組付けますね。


エンジンにマニホールドやバルブ等を組付けて、
冷却水を補充しエンジン暖機。

ラジエターキャップも劣化しているので、
純正新品に交換します。

暖機後に各学習値と燃料噴射補正を再学習し、
ゴニョゴニョっとマル秘作業をして試運転。



無事納車時間に間に合いました~。

弊社では依頼された作業は全て画像に残しています。

また納車時には作業内容を画像を交えて説明し、
(こんな感じがこんな風になりました~)とお話ししています。


このデミオはMT車でオーナーさんが乗り込み、
発進した瞬間に違いが分かったそうです。



作業前はシフトを入れてクラッチを繋ぐ時に
微妙なトルクダウンがあったのですが、
それが解消されて発進がスムーズになったそうですよ~。

なら定速走行から加速時にはレスポンスの改善に驚くでしょうね。
(新車時に近い状態に戻ったのだと思います。)


本日もミナト自動車ブログ 日々是好日
にお越しいただきありがとうございます。


DSC(ドライアイスショットカーボンクリーニング)のご依頼は、
HP(お問い合わせフォーム)からお待ちしていますね。

現在DSCに対応している車種はマツダのSKY-D以外にも
トヨタ・レクサスのガソリン直噴エンジンなどなど
少しづつ対応車種を広げています。

(また対応不可の車種も多くあります)

それではHAPPY CAR LIFE!!

2020年7月11日

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